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栗田委員 その他塩水マッドの処理の問題とか、その後の会社側の対処のしかたなどについても申し上げたいのですが、時間がなくなってまいりましたので、一番肝心な点にしぼって質問させていただきます。
私
どもは今度八月七日、第三次の
調査に入りました。これは第一次
調査で塩水マッドの処理その他非常に不備であったことを申し入れまして、それがどういうふうに処理されていたかということを見るために行ったわけでございます。それで驚きましたのは、三角池の塩水マッドの野積みにされていたその上に、一時的に雨除けのシートがかぶせてありますけれ
ども、これが雨や風で破れてしまって、まるで雨除けになっていない
状況とか、それから仮置き場の造成の工事が
予定より一カ月もおくれていることとか、土壌の問題とか、いろいろな点について気がつきまして、これをまた県に申し入れております。
さて、それとあわせまして第二次
調査のときには工場の敷地内とその周辺の土壌の
汚染状況を調べますために、私たちは独自に土をとってきて、これを東京のアグネ技術センターに検査に出しておりました。先ほど早くそういうふうにやらなければいけないというようなことをおっしゃっておりましたけれ
ども、さっきも申し上げたように県内に大きなショックが起きているときに、いつまでも検査をしないでいるということは県民の健康にとって重大な問題になりますので、そちらでなさるのを待っていられないわけです。私
どもは独自に検査をいたしまして重大な結果に気がついたわけでございます。検査の結果とそれについての御感想をいまから伺うことにいたします。
ここに地図を書いてまいりました。これは日軽化工の工場敷地とその周辺の地図でございまして、どこからヘドロなどをとったかという場所を示してあります。だれかちょっと持っていただけませんか。
検体は十一ございます。そのうち一から八までがヘドロと土壌です。それから九、十、十一が井戸水を調べました。まずそのうちで第五番目の検体から御説明いたします。この第五の検体といいますのは、日軽化工の正門近いところに置いてありますドラムかんの中に塩水マッドを固形化してコンクリートで固めて入れたものです。これはいままではやってなかったのですが、第一
調査の結果、固形化しました。これをこなして検出しましたところが七三
PPM、これは出るのがあたりまえです。塩水マッドをこなしたのですから、これは七三
PPMの水銀が出て当然、このくらい出ております。それから六、ここにあります。この六の場所といいますのは、さっき言いました素掘りで塩水マッドを投棄してあった近くに、改善されてからコンクリートで固めて塩水マッドがじかに地面に置いてあったところです。この塩水マッドそのものを調べました。八一
PPMの水銀が出ております。これも出て当然です。どちらも塩水マッドそのものでございますから。
ところで、問題になりますのは、この産業廃棄物、塩水マッドと同じぐらいの数値、それからそれ以上の数値の水銀
汚染されています土壌が方々から出てきたということです。
まず1、ここを御説明いたします。1というのは、地図でいいますとこの位置ですけれ
ども、これは昔、はらい堀といっていた堀です。旧排水溝でいまは埋め立てられておりますが、以前、日軽化工それから蒲原軽金のソーダ部がここを使っておりました。排水溝にしておりました。ここの埋め立ててある土を掘って検出してみたところが、五二
PPMの水銀が出たわけなんです。
その次、1と3でございますが、この位置です。はらい堀からちょっとはずれたところにありますが、これはいま高圧線の鉄塔工事をやっていまして、地下五メートルから六メートルぐらい土を掘り起こしてあります。ですから、地下五、六メートルのところの土が表面に出ていました。それを取って調べましたところが、2は五九
PPM、それから3の位置は八八
PPMという、実に高い数値の水銀が出ております。
その次に4です。この4というのは、この地図にも見られますように、日軽化工の敷地の外側から富士川のほうへ流れている嘉衛門堀という排水路がありますが、この排水路へ雨水を現在流している排水溝なんです。そのところにあります土を取りました。これは以前、キレートの樹脂方式に転換する前に中和沈でん方式というやり方で苛性ソーダをつくっていたときには工場が工場排水溝として使っていたそうですが、現在はしばらくの間使われていないところです。ここから出てきました水銀が八六
PPMでした。
それから次に7というところ。これは現在も水を流しています。嘉衛門堀ですが、その嘉衛門堀の土を掘り返してあります。これを取って調べたわけです。7それから8、二つとも同じです。工場敷地から約五百メートル以上離れたところです。ここで7のヘドロから出てきた水銀は七四
PPM。8の位置から出てきましたのは六八
PPMという実に高い数値でございます。
あと9、10、11というのは敷地から比較的近くにあります。といっても一キロぐらいありますけれ
ども、その住宅地にある井戸水を調べたわけですが、この井戸水は全部〇・〇〇一以下ですから、その点はあまり問題なかったのです。しかも近所のうわさによりますと、この住宅地あたりでネコが狂い死にをしているといううわさがあります。
それからもう一つは、この住宅地からちょっと北のほうにいきますバイパスと住宅地の間にある――ここは
ほんとうはたんぼなんてすか、ここのところでは長いこと嘉衛門堀から水を引いてお米をつくっておりました。このお米をつくって食べていた人の手がしびれているという、そういううわさが流れております。これは今後
調査しなければなりませんが、こういう
状況が出てきたわけでございます。
そこで
環境庁長官に伺いますけれ
ども、このたいへんな数値だと思われます。水銀
汚染の実態についてどうお
考えになられるでしょうか。