○菊池
政府委員 ただいまの、夜間、高速道路の料金を安くして下の
交通を上に転換できないかという御質問でございますが、私
どもでも十分検討してございますが、非常にむずかしい問題だと思います。
これは
一つには、あの
地区は大型のトラックが深夜でも二千台くらいあるというふうに聞いております。相当な量でございます。したがって、これが高速道路へ上がればその分の音の問題は非常によくなるということは確かに事実でございます。ただ、その場合に料金をどの程度下げるかということが問題でございます。いまあそこは百五十円取っております。そこをたとえば百円にしても、下の原道が相当余裕を持って深夜は走れますので、やはり百円でも料金抵抗になって上がらない。あるいは五十円ということになりますと、また、五十円なら取らないほうがいいだろうという
考え方もあります。また結局警察のほうで
交通規制をしますにつきましても、無料ということでないとわりあいむずかしいのじゃないかというふうに思います。それで
一つの実例が、これは首都高速ではありませんけれ
ども、静岡の富士川のところに橋がございます。これはバイパスをつくりまして、バイパスが有料の橋なんです。それで有料であるために夜中でも原道を通るのでうるさいからその橋のほうを安くしてくれ、ただにしてくれという話がございまして、現在、夜間料金はそれは無料にしております。ただし、無料にしておりますけれ
ども、その費用はこれは県が負担しております。これはその
地域住民のためにということで県が費用を出して、別の料金を払った形でただにしている。通過
交通はただですけれ
ども、実際はしたがってただでないのです。それで、原道を公安
委員会のほうで大型車の夜中の通行を禁止しているという事例が唯一でございます。いま申し上げましたように、その場合でも、やはり高速道路の料金は何らかの形で取らなければならないというのが
一つの有料道路の宿命でございまして、今度の場合でも、もし下げるあるいはただにするということになりますと、やはりその償還をしなければなりませんので、その分が昼間の
交通料金にはね返るかあるいは償還年限が延びるか、何らかの形で、夜の
交通はいいのですが、昼の
交通に肩がわりをする心配があるということが
一つございます。
それからもう一点が、この区間だけただにするあるいは料金を下げるということが、ああいう均一料金でございますのでどうしてもできませんので、やはりただにするとなれば、阪神高速道路全部を夜間料金ただか、あるいは下げてもそういう夜間料金というものを特別につくらなければならないと思います。これは首都高速道路のほうにも当然波及してまいります。それで、その料金問題をどうするかという問題もいままでにも種々論議されておりますけれ
ども、夜間を安くすべきである、そして昼間は逆に高くしてもいいじゃないか、そういう議論もありますし、まあいろいろ
考え方ありますけれ
ども、やはり通る車が料金の負担を公平に受けるという形からまいりますと、それは昼間でも夜でも同じような一本料金とすべきであるというような結論が出まして、現在、均一料金を取っておりますので、ここだけということは非常にむずかしいかと思います。
それからもう一点、技術的に、夜間の料金に切りかえますと、たぶん夜の十一時とか、あるいは深夜ということで十二時になりますか、切りかえますと、そこで切りかえるときに、切りかえまではフリーに通れるけれ
ども、ある時間からは下の道路を通れなくなるということになりますと、そこで時間待ちという問題が出てまいります。都市内の車の時間待ちがどうも一般的な
交通に非常に
影響を及ぼしますので、なかなかそれもむずかしいということで、いろいろ検討しておりますけれ
ども、ただいまのところはそれは非常にむずかしいんだということでございます。