○島本委員 去る三日に行なわれた行政監察結果に基づく勧告によるところの
環境保全のあり方、それと水俣病患者の
処理についての申し入れについての回答、それと
公害等調整委員会のあり方について、それから伊達火力発電の今後の対処のしかた、この四つに重点を置いて
質問いたします。
まず長官に先に伺いますが、去る三日に長百のほうから、自然公園審議会に諮問中の道路問題についての経過報告、福田行政管理庁長官からは「
自然保護に関する行政監察結果に基づく勧告」、これが同時になされ、それぞれ質疑が行なわれました。すべてこれは木に竹をついだような、まことに非理論的な
答弁しか得られなかったのであります。たとえば環境破壊と
環境保全とそれから自然破壊が両立する、それを調整をしながら両方ともいいように進める、こういうような
答弁であります。これはまことに心外な、非科学的な
答弁でありまして、今後これをそのままにしておくわけにはまいりませんので、いま一、二の点についてまず長官に伺いたいのであります。
この中にははっきりと、いろいろ破壊された現状に対して、また破壊されるものに対しての措置、こういうようなものが具体的に示されております。たとえば「開発行為等に対する
規制の適正化について」こういうようなことであります。その中には国立公園、国定公園等の区域内における開発による自然破壊がすでに進行し、これを防ぐために特別地域の拡張等の保護対策が
検討されている等の事例からかんがみて、環境庁は、これまでにきめられた国立・国定公園の
規制区域について保護対策を事前に適切に行ない、こういうふうに指摘されているわけです。
それと同時に、長官のほうからは、「大雪山は、
日本の代表的な原始地域であり、道路は認めるべきではない。」との意見、それから、「最近の
国際的傾向として、自然公園内の自動車道路は、減らそうとする反省期に来ている。」という意見、これらと並行して、「道路建設の賛成、反対両派を招いて意見を聞いてはどうか。」「審議会として現地
調査をした上で
判断すべきである。」こういうような意見も併記されているわけです。
おそらく、これを見る場合には、当然、いま国民の常識である
自然保護、
環境保全、こういうようなことに対しても、審議会の審議をする、その中に、道路建設をまず先に考えるというような委員もいるということが歴然たる事実ですよ。私は、こういうようなことは、意見として述べられておることに対してはわかります。しかし、自然環境を保全するために道路をつくるということをまず考えなければならないという
考え方、はたしてこれは、長官、どうでしょうか。
同時に、妙高高原の道路については、「
自然保護に関する専門学者から反対があり、これを無視すべきでなく、さらに審議を尽くすべきである。」少数意見のみが載せられている。多数意見はどうなんだ、依然として疑問であります。
この「
自然保護に関する行政監察結果に基づく勧告」、それに基づいて長官が行なった「自然公園審議会に諮問中の道路問題についての経過報告」、この四つを合わせての長官の見解を私はひとつお伺いしておきたい、こういうふうに思うわけです。