○島本
委員 特に七ページの中ほどに「
国立・
国定公園の特別
地域内における国有林施業についての
自然公園法に基づく協議に関しては、昭和三十四年十一月に
環境庁(当時は厚生省)と林野庁が
協定し、施業の方法、協議の手続などを定めた。」とあって、その下にそれについてずっと述べてあるのですが、もうすでに岡山県の水島臨海工業地帯、あそこからの産業活動の結果の排煙、こういうようなものによって、
国立公園の特別
地区の鷲羽山の松が枯れているのです。それでもコンビナート活動はそのままやらしているのです。これはこういう
経済活動をそのままにさしておいたらどうにもならぬじゃないですか。そういうような実態をもう少し把握すべきです。そしてこういうものはやめなさい、こういうようなことさえも
勧告すべきです。黙ってこのままやらせておいて、
ことばだけよく飾ったって、実態はよくなるものじゃないのです。そういうような実態が水島にあるということ、それなのにまた再びこういうようないい
ことばずくめの「
自然保護に関する
行政監察結果に基づく
勧告」が出ておるという点、現実と矛盾いたします。
それと同時に、私が
行政管理庁長官に聞かなければならぬことがあります。と申しますのは、何としても現在の
日本のGNP方式、電力とGNPの
関係についてもう少し
行政管理庁長官として
日本の
経済全体に対して指導すいべきじゃなかろうか、こう思うのです。と申しますのは、鉄鋼では直接分だけでも三割が輸出用になっています。それから、
使用した機械や自動車を含めると、鉄鋼は約五割が輸出に向けられているわけであります。そのために電力が五百億キロワット以上
使用されているわけであります。それが結局は輸出を増大させる結果になり、円を何度切り上げたらいいのかわからないような
状態になるわけであります。こういうような
状態からして、
勧告すべきは、その辺にも十分要素がありはせぬか。それで、現在の電力
関係、どんどんつくらせようとしております。原子力だけで、もうすでに安全性の試験がないまま、四十八年度の後半にわたってようやく原子力の安全性の点について科学技術庁で試験に入るのです。あとは
日本で試験さえしていないのです。そしてアメリカで学者が安全だというから安全だといって、
日本でもうすでに稼働中のもの五基です。いますぐこれから稼働しようとするものが十五基です。計画中のものが相当数です。そういうようになってまいりますと、今度原子力の長期計画によると、昭和六十年までにいまの三十倍くらい、六千万キロワットの計画が続くといわれているわけです。八割以上が産業用です。その中で特に電力が使われるのが多いのは鉄鋼、石油化学、こういうような方面です。そういうようにしてやると、いま言ったようにしてどんどん輸出に向けられる結果、円の切り上げは再三、再四行なわれる。それでも今後は輸出が増加しなければならないというような方式をとるならば、やはり何としてもいまのやり方そのものを認めることが、
日本の
経済全体に対しても相当の変化をもたらすことになる。安全性も確認されないままに原子力発電はもう稼働中のもの五基、すぐ稼働せんとするもの十五基、その他まだ計画中のものがたくさんある。こういうようなことからして円の切り上げが行なわれても輸出が増加していけば再三、再四また切り上げられる。ますます混乱におちいる。こういうようなことの矛盾をそのままにして、電力そのものを、増高の
方向だけをたどらせておくということは、やはり一種の矛盾ではないか。同時に今後は鉄鋼、石油化学、自動車、こういうようなものの輸出を押えて、そのためには志布志湾だとか、現在計画されておるむつ
小川原であるとか、あるいは北海道の苫小牧東部の巨大な開発計画であるとか、こういうようなものに対しては十分考えなければならないのではないか。そして四十五年たったら地球上から資源として抹殺されるかもしれないといわれておる重油専焼の火力発電をつくらせようとしておる。こういうような
一つの
企業本位の矛盾、こういうようなことこそあなたでなければできない
一つの
勧告じゃありませんか。どうしてこういうようなやり方に対して
勧告をなさらぬのですか。いままでの
富士保全法の問題の裏づけですか、こういうようなものを聞いて私はあ然としたのです。しかし、あなたでなければできない。この
勧告はこういうふうにしていまあるのではありませんか。こっちのほうの
勧告はしなさらぬのですか。これがむしろ重大ではありませんか。これに対してひとつ御高見を拝聴させていただきたいと思います。