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渡辺(武)
委員 たいへんスローモーだと思うのですね。非常に科学的に
調査をされ、
事故発生の危険度が増加をしておるという
資料が片一方で出ておる。そのときに、開発優先から安全優先へと考え方そのものもこれから転換をしていかなければいかぬ。いま私はハーバーレーダーなんかを
一つの例として申し上げただけであって、それだけが安全のすべてではないわけですから、したがって、開発優先の考え方から安全優先へと考え方を転換せしめるには、具体的に一体どのようなことをおやりになってきたであろうか、こういう御
質問をしたわけですが、どうも御答弁がないようですから、何もやっておられないのだと、こう理解をせざるを得ないわけです。したがって、私は危険度が増しておるという
調査だけしておったって無
意味なのであって、そのためにはどうアフターケアをしていくか、
あと処理をしていくかということがきわめて重要になってくるわけでございます。私は、もっと
関係当局が真剣に安全の面について取り組んでいただかなければならぬ。特に問題になっております
カーフェリーの
海難事故等を見てまいりますと、ややもするとそのような港湾整備がおくれているにもかかわらず、業者の営利追求をするという姿勢から、港の整備が非常におくれておるのだけれども、申請ばかりどんどんと出されておる。それがまた一方では安易にその申請が認められていくという傾向があるのではないか。私はこの前、前回の
カーフェリーの問題のときにも、たとえば具体的に苫小牧の港はどうなんですか、こういう御
質問を申し上げたと思います。一々船が着くところがないからわざわざシフト制をとってやっておるんだ、こういう
状態で実はあるわけでございます。実はその苫小牧だけではなくて、まだほかにもたくさんそういう港湾設備が不備なところで
カーフェリーの航路が新設をされておるところがある。しかもその港は、私の
調査によればまだほかに数社の
カーフェリー会社が現在申請を出しておる、実はこういう
状況にあるわけです。その申請を許可をされるわけですけれども、その許可基準というものは一体どうなんでしょうか。その港の設備というものは相当重要視して考えられると思うのですけれども、そのような無理な運航を
承知の上で許可をされているという傾向がないだろうか。現実に私はあると思うのです。だとするならば、いま起こっておる
事故というものは起こり得べくして起こっておる。確かにいろいろの問題がございます。たとえば運航管理規程を
一つとってみましても、この各社が出しております運航管理規程、それをまた認めておるわけでございますが、これも同一海域において、たとえば運航を中止する条件というものがございますが、その運航を中止する条件も実は非常にまちまちであるわけです。こんなばかなことはないと思うのです。たとえば同一海域を、片一方の
会社は視界五百メートル以下になれば運航を中止します、こう言っておる。片一方のほうの
会社は視界三百メートル以下になれば運航を中止します、こう言っておるわけです。それがまたそのまま認められておるということです。そうしますと、片一方の
会社は視界が三百メートル以下に落ちたら中止する。ところが片一方は五百メートルですから、片一方が中止しておるにもかかわらず出ていく。こうなりますと、片一方は、商売上向こうが出航するならおれのほうもということにならざるを得ない。さらにその中止条件そのものをよくよく調べていきますと、一体どういうときに中止をするのかが非常にあいまいであるわけです。航路途中にたとえば霧が発生をしておるという予報がなされる。そのときはもう出航自身をやめるのか、その
付近まで航行してもいいのか、その辺よく読んでみましてもわかりません。結局いろいろな
事故が起こっておる、
あとから調べてみますと、霧が発生しておるにもかかわらず徐行もせずに航海をしてしまって
衝突をしたという
事故が私は相次いでおったと思うのです。そうなりますと、大体の法令に定めるところによっていろいろの省令等がございますけれども、一体その基準そのものがどうなんだろうか。五百メートルでも出航してよろしい、一方が三百メートル以下になっておってもよろしい、こういうような非常にまちまちな
状況にあるかと思いますが、その辺はどうなっておるんでございましょうか。