○
足立委員 ちょっと
局長の御
答弁、聞いておっておかしいと思うのですよ。私の言うのは、今度この
改正案で四級
小型船舶操縦士という
資格を得れば、五トン
未満であればどんなに高性能な
動力をつけても
操縦できるわけでしまう。ところがいまここで、
附則第四条で尊重される
漁民というのは、生まれて今日までそんなものに一ぺんも乗ったこともないという人がもうほとんど全部ですね。そうして、ふだん乗っているのは、
和船に
動力をつけてとことこ、とことこ陸上を
人間が歩くくらいな
スピードしか出来ませんわ。
和船でやるならば、そういうものは熟達しておる、一応航行の規則その他も
承知しておる。しかし、
高速モーターボートというのは非常に危険で、
船舶職員法がやかましくなったのもここに原因しておるわけですからね。それは
既得権を尊重するということは、私は大賛成ですが、四級
小型船舶操縦士とい十ぱ一からげの、一番最低の
資格だとおっしゃるが、これは非常に危険がある。一番危険がある部類なんです。それが無条件に
資格を得るということは、親切があだになるじゃないか。
私はここまで誘導
質問してきたわけです。というのは、四級
小型船舶操縦士というのは五トン
未満十ぱ一からげのところに根本的に無理があるわけです。だから、これは
漁民に
資格を与えるのはけっこうだが、与えるとするならば、一定の船の形状とか
動力とかあるいは区域、
平水区域であるとかというような条件をつけて限定
免許を与えるのなら納得できますよ。これは、突っ走る
高速モーターボートの
操縦はできませんよ、しかしあなた方がいままで何十年も家業としてきた船の
操縦は
無試験で
免許を与えますというなら納得できます。また、
漁民はそれ以上望まないでしょう。望まないと思います。だから五トン
未満は、船の形とか性能なりというものについて一切かかわりなく、十ぱ一からげに四級
小型船舶操縦士ということで締めくくっていこうというものの考え方に、
実態を知らない問題点があるということを私は
指摘したいわけですね。
私も実は
釣りが好きで、しょっちゅう
和船に三
馬力くらいの
船外機をつけて
釣りを楽しんでいますが、正直申しますと、
高速モーターボートの出現によりまして、われわれは被害者なんです。きのう私は地元の新聞を見ますと、静岡県では浜名湖あたりの
モーターボートについては厳重に規制をして、いまマリーナというのがずいぶんたくさんできてきているけれ
ども、
漁民やわれわれ遊漁する者が迷惑をこうむらないように厳重にやる。これは県の条例としてはいまだかつてない、
法律にかわるようなことをやっているわけですね。だから、
ほんとうは
法律でこういうものを
運輸省あたりがどんどんやらなければならぬのに、
運輸省がこういうのんきな考え方で、四級
小型船舶操縦士ということで十ぱ一からげにものを律しているから、そういうところに私は、口ぎたないようですが、根本の
認識不足があるんで、県がたまりかねて
法律に先立ってそういう処置をとらざるを得なくなってきたんじゃないかというふうに思うのですね。
私が言いたいのは、いま申し上
げたような、
和船に小
馬力のエンジンをつけて家業を営んでいるとか、あるいは私
どもが小さな船に小さな
馬力の
船外機をつけて
釣りを楽しむというのは、いままで何十年も——ときには、たまに道路を歩いておっても交通事故にあうのと同じような
意味の事故は起こるかもしれませんが、昨今やかましいのは、何といっても傍若無人に走り回る
高速モーターボートですね。いま
局長から、何か特別な
措置を考えて、
団体でもつくらせて再教育するということを言っておりましたが、それは
法律上の問題ではなくて、
法律は四級
小型船舶操縦士ということで全部できるわけなんで、そういう今後の御配慮は必要だけれ
ども、やはりここに無理があるんで、私は本音を申し上げれば、この四級の下に五級という制度を設けまして、そして
動力を
制限する、あるいは
場所を
制限する、あるいは船の形状を
制限する。そういうことで簡易な
免許、陸上でいえば原付
免許のような——原付
免許というのは大体農協があっせんをして、
試験官が
講習に来まして、その地域の奥さん
たちを集めて、一日
講習してテストをやると、それで
試験が合格になるわけですね。だから、そういうふうな簡易な
免許をお考えになるべきじゃないか。
同時に、いま
局長自身も言っておられるように、
高速モーターボートについては厳格に取り締まってもらうし、
資格、条件も厳格にして十分教育をして——特にマナーの点ですよ。
ほんとうに傍若無人と言う以外にありませんね。湖沼などで
釣りをやっていますと、わざわざ近くまですっ飛んできて、われわれに迷惑をかけて喜んでいるわけですね。それはもうしゃくにさわるんですよ。しゃくにさわるだけじゃなくてこれは非常に危険です。だから、そういう点を十分徹底的に教育をしてもらって
免許を与えるということが必要だと思います。
それで、実は今度の
改正案に私は非常に期待しておったんだが、残念ながら主トン
未満というものは、さっき申し上
げたように、船の形や性能には全くかかわりなく十ぱ一からげなもんですから、これはぜひ修正をしていただきたいと思っておる。
これはこれから
委員長や
理事の方にお願いをするわけでございますが、
運輸省としてもいま私の申し上
げた点をよく御理解いただきまして、まあ方法はこれから協議いたしますが、私は本来ならばやはり五級という制度を設けて、それに船が航行する
場所の限定や、船の形やあるいは
動力を限定して、陸上の原付と同じ考え方で、簡易
免許というような制度を考えていただくべきだと思っておりますが、場合によれば、こまかい点がありますから、省令におまかせするような修正をしてこれを実現したら、こういうふうに実は思っておるのです。
これは
ほんとうに
漁民の怨嗟の的になっておりますので、ただここで
経過規定で救済するというだけでなくて、やはり根本的に
実態に合ったものの考え方をしていただくということでなければならないというふうに思っておりますが、
運輸大臣いかがですか。