○渡辺(武)
委員 いわゆる助言的な
指示を受けるためにつくったんだ、こうおっしゃいますが、常識的に判断をして、実際にいろいろな気象条件の変化が急に起こってきた、さっと濃霧の
状態になってきた、そういう
状態は船に乗っておる人しかわからないわけですね。それを一々陸上に連絡をして、どうしようか、時間がおくれそうだがというようなことを相談しておったら、これはむしろ障害以外の何ものでもない。
そういう緊急
事態には
船長の自主的な判断によって、法の定めるところによって減速をし、機関を停止する、これが最優先するのだということがこの
運航管理規程の中に本来定められていなくちゃいかぬわけですよ。そういう
運航管理規程があって、しかも、この
運航管理規程は緊急の場合はやはり
法律の定めが優先するんですよと、こういう教育がされ、実際に徹底しておればいいわけですけれ
ども、おそらくそれらがあやふやになっておるんじゃないだろうか、あいまいになっておるんじゃないだろうか。そうなりますと、やはり
船長といえ
ども、そういうような
運航管理規程ができておって、一々陸上との連絡、そして
運航管理者の
指示を受ける、こういう
制度になっておりますと、いざ一たん緊急の場合になって、それを繰り返しておったのでは、これは私はたいへんなことだと思うのです。
どうもいろいろ調べていきますと、そういう疑いが非常に強い。すべての者が協議決定をするんだという、そういうような仕組みにすらなっておる。これでは危急の場合における
船長の自主的な判断というものを非常に制約してしまっておる、そして
責任だけ押しつける、こういう
状態になっておるんではないだろうか、こう疑わざるを得ないわけですよ。
〔太田
委員長代理退席、
委員長着席〕
したがって、この辺のところはひとつ十分に再
検討なり
調査なりしていただきたいというふうに思います。
さらに、先ほど来これも問題になっておりましたが、いわゆる
過密ダイヤ、陸上交通との連絡をはかるために、何時何分着という
ダイヤが組まれておる。そうしますと、それが余裕があれば別なんですけれ
ども、これも調べてみれば実際にはすぐわかることなんです。船の
航行時間、それからそれに接続する汽車の発車時間等々調べてみればすぐわかります。わかりますが、明らかに私は
過密ダイヤではなかろうかと思う。
こう見ていきますと、明らかに安全よりも
ダイヤそのものが優先をしておる。安全よりも
ダイヤが優先をしておるためにこういうような
事故が相次いで起こっておる。
これは普通の気象条件ならいいのですけれ
ども、あまり
事故が起こっておりません。確かに異常気象の場合にはこういう
事故が頻発するということは、異常時におけるいまの
航海の方法では、いまの体制では非常に問題があるんだ、こういうことにほかならないと私は思います。
さらに
レーダーによる
情報等が得られるはずなんでありますけれ
ども、それらがどうなっておるのかよくわからぬ。
先日も、いま
船舶職員法の改正をしておるわけですが、船員局長は、機関士を一人おろして一人にしたほうがいい、こうおっしゃっておるわけですけれ
ども、私はたいへんそういうものにも
関係があると思うのですよ。
たとえば
海上衝突予防法を見ましても、いわゆる
視界が不良になってきたとか、そうした場合には機関をとめよとか、減速をしろとか書いてありりますが、
視界が不良になってきたとかあるいは危険が迫ったということは、一体だれが確認するのだということは書いてない。というのは、船尾が確認せよということかもしれませんが、たとえば
船長一人だけが三百六十度を確認するわけにいきませんから、やはりそこには盲点が出てくるわけですよ。
そうなりますと、
霧中における
航行のときには一体どういう監視体制をとらなければいかぬかということは、見ていきますと、実際にはきめられていない。ただ
視界が不良になって危険が迫った場合には、一時的に機関を停止してあるいは減速をして適当な速度——大体適当な速度というのはどれだけかわかりませんけれ
ども、適当な速度で走らなければいかぬ、こう書いてあるだけで、ほんとうにそういう危険が迫ったぞとか
衝突のおそれがあるとか、それを予知するのは一体何だろうあるいは
レーダーを回しておりながら、それを監視しながら、操舵をしながら、しかもうしろを見ながら、とこういうことかもしれませんが、この瀬戸内なんかでもあるいは沿岸の
航行の場合でも、こういう気象条件のときには非常に危険があるわけだから、いまの体制というのは一ぺんほんとうに総点検をしてみなければいけないのではないか。陸上と比べてあまりにも
海上の安全というのがおろそかにされておるのではないか。つくづくまた痛感をさせられておるわけでございます。
そこで、近来における
カーフェリーの
増加の
状況等々見ていきますと、この
過密ダイヤといい、あるいは
航路がふくそうするといいましても、すべてこれは
運輸省が許可をしておるわけですね、現実には。したがって、先ほ
ども問題になりましたけれ
ども、
運輸省のこの許可基準というものがたいへん問題ではないだろうか。つまり新
航路の許可基準というようなものが、そういうあらゆる諸条件というものを十分に把握をされて、そして認可基準にしておられるかどうか、実はたいへん疑問に思わざるを得ないわけでございます。
そこで、具体的な問題として一つお尋ねをしたいわけでございますが、苫小牧の港、御存じですね。ここでいま
カーフェリーが数社入っておる。この苫小牧の港で
カーフェリーが数社入って
運航しておるわけですけれ
ども、苫小牧の港には一体
カーフェリーの
バースというものは幾つあるのでございましょうか。