○丸君
政府委員 外国の例でございますが、調査結果の報告を実は聞いておりますが、あまり免許の例というものはたくさんはございません。さっき
先生おっしゃった
フランスの例、十七歳六カ月というのはそのとおりなんでございますが、ただ十七歳六カ月は、全免許について十七歳六カ月です。私たちが十六歳と提案しておりますのは四級だけでございまして、三級以上は十八歳でございます。
そこで、なぜ四級を十六歳にしたかということでございますけれ
ども、これは、考えました一番最大の理由は、養殖漁業等に漁民の子息等が中学校を卒業しまして——中学校を卒業して大体十六歳になるわけでございますけれ
ども、そういう者が養殖漁業のところに家庭の仕事として出ていくわけであります。そういう者に免許を一切とめてしまいますと、十八歳になるまで親の手伝いもできないということは非常に気の毒ではないだろうかということが一番大きな理由でございます。それではそういう者だけやれるようにしたらどうかという御
意見もあるかと思いますけれ
ども、実は
レジャーボートのほうの問題があるのでございますが、高等学校へ入りますとどうしてもこういうものを扱いたいという年ごろになるわけであります。陸上でもオート二輪車につきましては十六歳が免許年齢になっておりますが、そういうこと等を考えましても、やはり乗りたい年には、ルールなり操作方法等を教えまして、そして乗せたほうがいいのではないか。それが乗れないということにしておくと、どうしても無免許運転してそれが
事故のもとになるということにもなりかねない、こういう
二つの理由が十六歳にした一番大きな理由であります。
それからこれは十六歳にするか十八歳にするかという確かにいろいろな問題があったわけでありますが、やはり問題のある点は、
先生のおっしゃったように遊漁船に人を乗せる場合が問題じゃないか。そんなものに乗せられたらたまらぬということは御
指摘のとおりでございます。しかし、遊漁船に乗る場合には、少数のグループで乗るとかあるいは一人、二人で乗るというような場合だと思いますが、こういうようなあぶないところへ
自分は遊漁船で漁に行くのだという場合には、おまえじゃたよりないのでおやじとかわってもらいたいというような点もありますので、取捨選択の実力というものがお客のほうにある。それで、同じ旅客船でも定期とかなんとかであれば、
海上運送法でもって免許のときにいろいろ条件がつけられますので、それはそれで解決がつく。結局遊漁船が問題じゃないか。しかし、それがすぐ目と鼻の先ぐらいだったら十六歳でも行けるということでお客が安心を持てる場合もあるわけです。お客にして見れば選択する余地があるから、それでもいいじゃないかというふうに考えたのが十六歳にした原因でございます。
それから
あと一つ、四十馬力以上の丙種
機関士が乗っているのをおろすという問題でございますけれ
ども、これは
先生のおっしゃるとおりに、非常に遠いととろに行くのには心配じゃないかという問題は、実は審議会にかけました段階に海員組合からもそういう
意見が出まして、実は多少議論をした点でありますけれ
ども、この間も
お答えいたしましたように、最近は非常にエンジンも進歩しておりますし、焼き玉エンジンのときとは非常に違ってきておる。安全の問題というのはやはり別に考えるべき問題ではないだろうか。たとえば
自分一人で行くということは、どんなにエンジンが進みましても、それから丙種
機関士が乗っておっても、その丙種
機関士で直らないエンジンの
事故というものが、
先生御
指摘のとおりいまの船については起こってくるわけです。そうすれば、やはりそういうことについてどうしても安全というものを二重、三重にかけておかなければいかぬだろう。したがって、無線を持っていくとかあるいは乗船とともに何らか遠いところへ行くものについては船団を組んでいくとか、そういう
対策が必要なのであって、何も役に立たぬ——役に立たぬと言ったら悪いですけれ
ども、現場に走っている間は丙種
機関士が乗っていなくても
操縦できるような装置になっている、そういうものに丙種
機関士を乗せる必要はないだろう。
船舶職員法では、どういう職員を乗せるかということは、安全の問題も大事ではございますけれ
ども、むしろ物理的に何人ここに乗らなければ船の操船上差しつかえがあるか。もちろん勤務時間の問題等もありますけれ
ども、そういった意味からこれは二人組み、これは三人組み、これは一人でいいとかということをきめるべきではないかということで、一応ああいうことで踏み切って出した次第でございます。