○浦井
委員 大臣、六月の八日
時点よりも相当後退した発言をされておるようなんですが、経過はもう御承知だと思うのです。当初ダム
対策協議会ができて、それが、このダムの所在する村長さんの専横といいますか、横暴といいますか、そういうようなことで第二組合的なものができた。その前に、前の村長さんがダム
対策協議会の会長をやって、やめて、その次の会長さんに正式にちゃんと書類を引き渡して、その上で第二組合的なものをつくられたという経過がある。協定書の中にもちゃんと書いてあるわけなんです。
〔
委員長退席、
渡辺(栄)
委員長代理着席〕
だからそういう
意味で、私先ほども申し上げましたように、そのダム
対策協議会の方々もダム絶対反対というようなことは言っておられない。話し合いに応じてやろうというふうに言っておられる。にもかかわらず、
建設省の出先のほうで一向に話し合いに来られない。来られないだけでなしに、いろいろな事例を私、見せていただいておるわけなんです。
時間がないから簡単にいたしますけれども、たとえば三年ほど前の話、
一つはダム
建設のために国道をつけかえる。つけかえたところが、台風が来て、その排水によって大野という方の千平米の畑が洗われてしまった。そのために百五十本余りの、やっと収穫ができるようになったミカンの木が全滅した。これについて、この被害に対する補償で地建の工事事務所に行ったところが、あとでダム補償のときに一緒にするからということで、一向に出先は相手にしてくれなかった。その後
建設省は復旧工事をするということで、その人の土地の一部二十四平米のセメント工事を行なった。この土地の賃貸の条件についても、話し合いがまとまらないのに、一片のはがきで「一坪当たり一カ月一円で借りる、もし不服ならば裁判の方法もありますから、どうぞよろしく」というようなことで、はがきで済ましておられる。こういうような情の通わないやり方で一体行政はできるものかということを私は
大臣にもう一ぺん言っておきたい。
大臣もこの話はそのとき直接聞かれたと思う。
それからもう
一つあります。ことしの春、谷口セツミさんの土地に、三十年近い杉の林に通っておるところの二メートル八十センチの道路を、谷口さんに全く無断で六メートル幅に広げて、ダムに必要なダンプカーがどんどん通る。谷口さんが大渡ダム工事事務所に抗議をすると、
建設省の出先は出てこずに、工事を請け負っている大成
建設の者が出てきて、一応、命令の不徹底で無断で道を広げて済まない、そういうふうに言っておいて、その口の裏から、しかしどうしても必要なので、もうちょっと道を広げたいというようなずうずうしい
質問をしている。こういう事例もある。
それから、これは
大臣はまだ御存じないかもわかりませんけれども、こういう例が最近起こっている。ことしの二月に、四国電工という会社、これは四国
電力の下請会社だそうですけれども、この四国電工に勤務しておるところの、ダム
対策協議会に入っておる市川さんという方が四国電工の高知支店の佐川営業所長に呼ばれて、こういうふうに言われている。「第二組合の補償基準で判をつきなさい。」それから「いまダム
対策協議会が起こしておる訴訟を引き下げなさい。こういう二つの条件をのまなければあなたを解雇する」首を切る、四国電工につとめておるのに。そういうふうにその四国電工の上司が通告してきている。そこでダム
対策協議会の会長さんが確かめたところ、こういうことを言っておるんですよ。「訴訟を起こしたために
建設省からいろいろ話があって、ダム
対策協議会に関係している者は使ってくれるなという依頼があった。だからあなたにはやめてもらうのです」というふうに、その市川さんの上司の四国電工の営業所長ははっきり言っている。これはテープに吹き込んであるそうです。こういうことがある。これは
建設省がそういうことを四国電工に指示をしたのかどうか、その事実は私は知りません。しかし本人さんははっきりとそういうふうに聞いて、テープにとってある。こういうふうな、財産権だけでなしに、その人の首を切る。人権を侵してまでもなぜこういうような無謀な工事の強行をやらなければならぬのか、私は疑うわけなんです。
大臣は、六月八日に私が地元の代表の方々と一緒にお会いしたときには、協定書をしげしげとごらんになって、「これはりっぱな協定書です。こういう協定書が無効であったならば日本の国は法治国家ではありません。」こういうふうにはっきり言われているわけです。しかもなおかつそのあとで、こういう私が読み上げたような事例が起こっているわけです。
大臣、どうでしょうか。私は要望したいのは、六月八日
時点で地元の方と約束されたその約束をきちっと守っていただきたい。たとい十一人の方、数は少ないかもわからない、その方々に対して、出先がしっかりと話し合いをして、お互いに納得いくような、そういう指導を
大臣はしていただきたいと思うのですが、どうですか。