○
久保(三)
委員 二年か三年にしても五十二、三年ですね。ところが肝心かなめの水質汚濁を回復する一番問題の下水道のほうは十年かかるといっているのですね。どうも話が逆じゃないですか。きれいな水にして使うというのが順序じゃないのでしょうかね。しかも額もわからぬというんですから。四百億ぐらいだ、そんなのはでたらめですよ。だからこれはもう局長さんに聞いてもどうかと思うのですが、時間もありませんし、
大臣にお
伺いするというか申し上げたいのです。
予算
委員会でも申し上げたのですが、そのときに
大臣は、霞ケ浦も総合的な観点から
検討する必要はあります。ただ国会中は忙しいからということでありました。通年国会みたいになったのでこれは御
検討いただく時間もないのかもしれませんけれ
ども、この
法律の中に霞ケ浦を突っ込んで出してきたところを見ると、どうも何かこれで、当面ないよりはましじゃないかというふうに思っていらっしゃるのかもしれません。
大臣はそういうふうに思うかもしれないが、
河川局長などは当初からそういうふうな考えのようでありましたから何でありますが……。私は地元だから言っているのじゃない。こういう特殊なものはそう簡単に
ダムのようにいかぬ。
ダムはまずかったら
ダムのところをハッパをかけてこわせばもとの流れになるんですね。ところが、
日本で二番目の霞ケ浦のような湖に堤防を築き上げて締め切って腐った水を入れておく。死んだ湖をつくってしまった。これを直すということに対してどうにも方法がないじゃないかということになったらたいへんだと思うんです。そういう
意味で特に私は申し上げるのであります。
私も茨城県人でありまして、霞ケ浦はわれわれの暮らしなんです。あるいは極端な言い方をすると命みたいなものなんですよ。そういうものが、無
計画と言ったらたいへん失礼だが、何かばらばらな
計画で、ただ単に水が必要だから水をためてやろうじゃないかということだけではいけないと思うんですね。琵琶湖についてもそういう問題があったので、御案内のとおり去年琵琶湖の特別法ができたと思うのであります。私は
法律ができたからといって必ずしも万全だと考えてはおりません。しかしながら少なくとも
法律はある
程度方向を示すものだから、その方向が正しくなければ、あとからついてくる手段、方法も間違ってくると思うんですよ。そういう
意味で私は、ここまで来て、この
法律をこの
委員会でもどうなさるのかよくわかりませんけれ
ども、私としては、万が一多数で通すにしても、霞ケ浦については特別に総合
計画というものを立てていく。
法律がなくても立てられると思うんです。そのためにはもう少し
法律の文言等も、直せるものがあれば直したほうがいいと思っているのです。よそから来てそこまで言うと越権行為になりますからこれは別でありますが、少なくともこの
法律は、湖沼については突っ込みである。便乗というなら別でありますが、便乗にならないで、一緒に連れていこうということで強引に乗せようというのがこれだと思うのですね。だから、もしこれでおやりになるとするならばいろんな問題が出てくると思うのです。ただ地元では、ないよりましだからいいじゃないですかというのが——大体茨城県人などは善良な者ばかりが多いものでありますから、ないよりはましだからいいじゃないかというようなことで、半ば歓迎している面もありますが、私はこれから長い目で見た場合に間違いを起こすと思うので、特に申し上げるのです。
話が長くなりましたが、いずれにしても霞ケ浦
対策というのは総合的な
対策を立てていくべきだし、いま
水資源公団のやっている仕事をむやみやたらに先行させるべきではないと私は思うのです。どっちにしろ、いま申し上げたように、五十年という目標が二年は延びましょうというから、少し短目に見たんだろうと思うのですが、五十三年くらいには少なくともなる、そういうことでありますから、あわてることはないんじゃないですか。
それで、いまあわてなくちゃならぬのは鹿島における工業用水の問題だと思うのであります。最近茨城県はこの九月の県会に向かって、公害を出す企業には水は送らぬという規制をしようというところまでなってきました。当然だと思うのです。しかも、この水の使い方が荒っぽいんじゃないですか。霞ケ浦を見ただけで、水は幾らでもあると思って使っていたんでは困る。これは循環して使う。極端なことをいえば、海はすぐでございますから、海水を使うとかいうようなことをひとつ考えさせるべきだと思うのですよ。これははっきりいって、幾らでもあるなんてものじゃありません。
それからもう
一つ、もう時間もありませんから、きょうは残ったのはまたあとでお願いしますけれ
ども、緊急の問題として、逆水門を締めっぱなしでいるわけです。逆水門は、御承知のように完成したのが
昭和三十八年ごろだと思うのであります。その以前に、海水が逆流してまいりまして、稲の田植えをしたあと、苗しろから移植した時期に塩害にかかってたいへん困った時期がたくさんありました。そこで
一つには逆水門というのをつくろう。これは逆水門とは最初言わなかったのです。防潮提、いわゆる潮を防ぐというかっこうですね。そのあと、これは治水の
関係もあったんでありましょうが、逆水門という、利根川から遮断しょうということですね。いま、今年の例などを見ますと、かなり湖面の水位が低下しております。だから、さっき申し上げたような水産に対する
影響というのが非常に大きく出てまいりました。結局霞ケ浦の水面と逆水門の下流との境は、いまでは逆に少し差がありますね。だから、おそらく門扉をあければ海水のほうが当然流れてくるでしょう。だから、塩分が強いからということで、漁民の再三にわたる強硬な
要求にもかかわらず、この逆水門の門扉をあけないでいるわけですね。
私は、これは試験的にでも一ぺんあけたらいいと思うのです。塩分の度合いが、なるほど逆水門の下ではかなりの濃度でありますが、いまやもう稲は——その濃度にはもちろんなかなか問題があるかもしれませんが、広い
地域に逆流してくるのでありますから、塩分の濃度は薄まるわけです。いままでもそうでありますが、
建設省が逆水門の管理をしておるのでありますが、大体いままで門扉の開閉をする場合は、基準はこんな基準になっておるのです。苗しろに植えてからいわゆる活着期、稲が根を張るまで、この期間は大体、六〇〇PPMそういう限度まではよろしい。それから次には分葉期、分葉が始まってから穂が出る稲の生育期には一二〇〇PPMまで濃度があってもよろしい。それからそれ以上の稲が育ったいまごろですね、これは一五〇OPPMまでは大体問題がないというふうに協定ではなって、やっているのですよにもかかわらず、いままで、たしか五月の下旬かそこらからこの門扉は締めっぱなしでいると思うのです。これは特に鹿島工業用水を取るために締めっぱなしかと思うのでありますが、そのためにいろいろな問題が出てきておるわけです。もともとの逆水門の設置の理由は、工業用水を送るための
目的であれはつくったわけじゃないのです。これはもちろん霞ケ浦の関発
計画、これに基づいて、
水資源公団と
関係の漁連の間には
補償がきまらない前でも着工してよろしいという同意があったので着工しているようでありますが、
補償金を払えば操作は
水資源公団の手によってやるそうですが、実際はそういう時期までまだ来ていないのです。そういう問題をからめて、私はさしあたり逆水門の開閉についてもう一ぺん歴史をさかのぼって考えてみて、どうあるべきかを考えたらどうかというふうに
一つは提案する。
それからもう
一つは、利根川の本流からやはり水を導入してやらなければ、永久にといったらたいへん失礼かもしれませんが、霞ケ浦はいつまでもきたない、よどんだ水のままで、私は再生できないのではないだろうかという気がするのです。いまの
説明を聞いても、下水道
一つとっても十年というから十年以上かかるでしょうし
環境庁が出した
環境基準Aクラスにするためには五年以上可及的すみやかにというんだから、一番長期を要すると思って設定しているわけですね。そういういろいろな各方面からの
意見を聞きますと、残念ながら霞ケ浦は
水資源公団がこれからいろいろやっていきましても、思うような水はとれないだろうというふうに思っているのです。
だからこれはむしろ、工業用水、農業用水、それから上水もありますが、そういうような三つの用水について真剣にもう一ぺん当たり直してみて、水には限度があるのでありますから、企業や水を使うものの需要に応じてあと追いをして霞ケ浦の水をどうしようかという
考え方はさかさまの
考え方であります。もはや、霞ケ浦の水の限度はどうであるか、その限度からはじいて何と何をどうするかということを考えるのが、私は
一つだと思っています。どうかそういうことで総合的に考えることと、当面逆水門の問題の解決をもう一ぺん専門的立場からもやってもらいたいというふうに思うのです。これが
大臣に申し上げることでありますが、時間がありませんからあとで簡単に
お答えいただきたいと思います。
それからもう
一つ、これは課題でありますから、この次に答弁してもらうのが一番いいと思うので申し上げたいと思うのですが、これは
日本水産資源保護協会というのが「霞ケ浦総合
開発水産
影響調査」というのを四十六年にやりました報告書であります。この報告書の中に書いてあること——その前に申し上げますが、
水資源開発公団の手によって霞ケ浦の
開発をするのでありますが、その際の
一つの条件として、水産に
影響を及ぼさないよう十分留意することとなっているのだが、
一つも留意していない。そのためにトラブルがいろいろいま起きているということも、
水資源開発公団の総裁いらっしゃるから、これはきょう時間的に御答弁いただけないと思いますから何でありますが、申し上げておきたいと思うのであります。
そこで、霞ケ浦が、ことしは日照りで雨が降らぬから湖面の低下があった、だからいろいろな問題があるのだ、こういうことでありますが、低下しても低下せぬでも問題はあるということをこの
調査は報告しています。ちょっと読んでみましょう。「霞ケ浦北浦における水質汚濁の現状は、
都市廃水、醗酵廃水、養豚廃水等いわゆる有機汚染であるから水位の低下期には滞流時間が短かくなることによって汚濁物質の流入地点での拡散は速やまり、若干の濃度の減少が考えられるが、反面有機物の酸化が鈍り、湖全体への
影響が大となり、その汚濁範囲は拡大する反対に水位の回復期には滞流時間が長くなることによって、流入地点での拡散が鈍り、汚濁範囲は縮まり湖全域の水質に及ぼす
影響は小さくなる。したがって湖の水位と流量によっていろいろなケースが考えられるわけであるが、水質についての問題は、最渇水位Y・P・〇mに焦点をしぼって考える性質のものであり、かつ実際には生活水準の向上にともなって、汚濁負荷量も増加するから、各種廃水の処理を充分に
実施しない限り、水質の悪化傾向を喰いとめることは出来ないであろう。」こう書いてあるのです。だから、
ほんとうに真剣にこの霞ケ浦の水をきれいにして使うというのなら、先ほど
都市局長ですか、十年と言ったが、おそらくこれも、十年といえば十五年くらいでしょうね。大体私が知っている範囲での予算よりは半分だから、倍かかれば二十年ですね。そういうことを計算に入れないで工業用水を何トン取るとかいうようなことをやっても無理だと私は思うのです。取れば取るほど霞ケ浦の水は汚濁していくわけですから、この点をひとつ考えてもらいたい。あらためて
建設大臣にお
伺いしたいのは、緊急
対策としての問題と総合
対策をどうするかという問題ですね。
それから、時間ですからもう
一つ聞きますが、これは
河川局長に聞きましょう。この別表第二であります。これは琶琵湖の
対策と違っている点が
一つあるようでありますが、私が間違っていれば何でありますが、別表第二の「
土地改良法第二条第三項に規定する
土地改良
事業のうち農業用用排水施設の新設若しくは変更又は区画整理で政令で定めるもの」これは国の負担割合は十分の五・五以内になっておる。琵琶湖のほうは十分の六・五以内になっておる。違いがあるとすれば、どうしてこんな差があるのか、教えていただきたい。
以上です。