○高橋(弘)
政府委員 最初の
道路のことは
道路局長があとでお答えするようでございますけれ
ども、私から
建設省所管の
事業につきましてのセメント不足の状況、需給の
見通しについて簡単に申し上げます。
本年の二月中旬ごろからセメント不足が中国だとか名古屋方面、そういうところを中心にいろいろ起こってきました。ほぼ全国的にそういう状況が起こってきております。そういうことからいたしまして、現
段階におきまして四十七年度の
事業で
建設省所管の繰り越し分が、いまのところ確定はまだしておりませんが、大体一千億となっております。この繰り越し率が四・七%になっております。そのときによって違いますけれ
ども、普通は大体三・五%前後でございます。その中で原因を調べてみますと、セメント等——これはセメントだけではありません。木材もあると思いますけれ
ども、資材不足ということによりまして起こってきた繰り越しが約百三十億円というふうに見込まれております。この中に
道路も入っておるわけでございます。
この原因でございますけれ
ども、まず原因を申し上げますと、これは四十七年度の年間のセメントの
需要量というものの
見通しが結果的にはどうも甘かったということであろうかと思います。これは建建省所管だけではございませんで、全国について通産省で推算したもの、また業界のほうもこういう
見通しを持っていたわけでございますが、当初は六千四百万トン、それから十月ごろ補正予算の
関係で六千七百万トンと増加いたしております。さらに二月になりまして六千九百五十万トンということで
見通しをすでにいたしております。生産もそれに伴って多くなりまして、三月末で実積は六千九百八十万トンということで、十月の六千七百万トンに比べまして大体二百八十万トンふえておるわけでございます。ついでに今後のことも申し上げておきますと、四十八年度の当初は大体七千五百万トンということで通産省が見込みを立てたのでございますけれ
ども、今後の
需要を考えまして八千八十万トンということで
見通しを考え、設備能力といたしまして千三百万トンの設備能力を増強いたしまして、実際の生産は千百万トンぐらいでございますけれ
ども、そういう増強の
見通しがついておるわけでございます。こういうふうに大体の当初の
見通しが甘かったのに対しまして、暖冬異変というようなことで、一月、二月におきましても非常に
需要が多くなったということとか、また民間の
住宅需要というものが
予想よりも非常に多くなった点、さらにまた補正予算によりまして官公需が非常に多くなって、これが十二月、一月、二月というふうに重なってきたという点も原因かと存じます。それからまた二月末から三月にかけましての国鉄の順法闘争の影響によりまして、御承知のように、必要な重油の
輸送だとか、つくりましたセメントの搬出というような
関係に支障を来たした。
そういうようなことが原因いたしましてこういう不足が生じたことと存じておるわけでございますが、今後の見込みとそれから対策ということについて申し上げますと、先ほど申しましたように四十八年度は全国的に八千八十万トンということでございますが、
建設省所管分は、繰り越しの分も含めまして年間大体二千万トン前後と考えております。ところが問題はこの四月、五月、六月でございますから、このところ通産省とか業界のほうの増産能力をいろいろ
見通しをつけまして、総
供給量が第一・四半期で大体二千万トンということで通産省は業界を指導して考えられておりますが、それに応じまして私
ども第一・四半期の
建設省の
事業の消化の分量をいろいろ考えておるわけでございます。年間におきましては大体先ほど申し上げた八千八十万トンが
供給できますとバランスがとれるわけでございます。したがいまして、通産省の推算では六月になりますとこの需給の逼迫は大体解消されるということになっておる次第でございます。
簡単に対策を申し上げますと、一つは一番最初に申し上げました増産体制の維持強化ということ。それから第二は不足
地域への緊急出荷、これは中国
地方、東海
地方にあれしました。それから第三といたしましては官公需の工事、特に
災害復旧とか雪寒工事、そういうような緊急工事につきまして優先確保という点、いわゆる
地方需給協議会を通じまして要望するという点でございます。さらにまた、これの輸出を少なくして、また輸入をふやすという
措置を通産省のほうがとることになっておる次第でございます。先ほど申し上げましたように、こういう
措置によりまして、六月ごろになりますとそういう逼迫が解消されるという
見通しでございます。
簡単でございますが以上でございます。