○原(茂)
委員 これにあまり時間とれないのですけれども、すなおにお聞きすると、本来あるべき姿にレールを敷き直すのだということだろうと思うのですよね。閣僚
会議なんかで大ざっぱなものは全部きまっちゃって、金額のワクやなんかきまって、それからいろいろ
調査をし、プロジェクトを行なうというようなことが、これはさか立ちをしていたのですからね。ですから、その
意味では、すなおに聞けば
大臣のおっしゃることがなるほど本来あるべき姿に返るんだなという感じがするのですが、時が悪い。
金大中事件ができてからそういった種類のいわゆる
考え方が何回か
発表され始めたというふうになってきますと、この
金大中氏
事件を契機に非常に
国民世論の問題もあるし、うるさくなるだろうということから、とにもかくにも
金大中事件がどういうふうになろうともこの
経済協力だけはどんどん進めていこうというための手段としてそのことが用いられている、
考えられたというふうに実は
考えるわけです。この問題はまた別の機会にまだまだ、あすでも足らない、休会中も
委員長にお願いして
委員会を開いて、とことんまでこの
経済協力の一項一項についてもお伺いをしたいと思いますし、その問題についてその論議の中からまたあらためてお伺いをしていきたいと思います。
ついでに申し上げますが、私は、
金大中氏
事件というのは、今日までの経過を見ますと、何かこうわれわれのうちに大事なお客さんが来た、そのお客さんがどこかの人にとにかく脅迫されて拉致されてしまった。これは普通なら頭にきますよね、この主人というものは。しかし、
日本の
政府の場合は、腹を立てるかどうか、これからようく
考えてから腹を立てるのだ、こういう調子なんですよね。一口に言えばそうなると思うのですね。たいへんこれにはいろいろな問題が含まれているので、本来やはり
国民的な立場で
政府といえどもこれに対してはやはり一応頭にくる、腹を立てる、しかし、外交案件であるから冷静に、しかも厳密に早急に処理をする、こういうことは
国民の合意を得ながら進んでいくようにしなければいけないのですが、およそこれとは逆なことをいろいろやっている。その
意味で、この問題についてもずいぶんいままで論議をされてまいりましたが、私にもこの問題に対するまた別の機会にもう少し突っ込んでお伺いしなければいけない問題があるわけであります。
ここで私どもの野党の立場で反省ということは必要ないのかもしれませんが、私なんか、実は個人的に、ああいう昨年朴軍事独裁政権ができた
あと、たいへん存在する野党というのが苦労して今日に至っている、非常な苦しみを味わっていると思うのですが、やはりずっと以前から
韓国の政党に野党がある限り、その野党の立場というものをもうちょっと理解できるような、
日本における野党としても何か接触をしながら、できる限りのこの軍事政権のでき上がる前あるいはでき上がってからの対抗手段というものを応援をし、
協力をするというようなことが必要だったんじゃないかという、これは個人的な反省をしているわけですが、そうでないことが何か朴政権をここまで助長さしちゃった、世界にいままで例のないような、おそるべき独裁軍事ファッショ政権ができている、こういうふうにいま私は
考えているわけですが、そういう反省もあります。ありますが、いずれにしてもいまの
政府のやっておられることは、とてもじゃありませんが
国民の立場で納得できるような
状況ではないというふうに実は
考えております。
この問題に関連して、これも
新聞の情報ですけれども、何か元駐韓大使の金山政英氏が、十八日にソウルを出発して
日本に帰ったはずだということが
韓国日報に出ている。ところが駐韓大使館で調べてみると、どうも十九日の午前になってもまだ帰っていない。
ホテルを調べると、
ホテルには背広なりあるいはその他
遺留品——
遺留品じゃありませんが、残したものがありながら、なおかつチェックアウトもしていない、こういうようなことが、これも
新聞報道ですが、出ているのですが、金山前駐韓大使に対するこの種の問題のこれは懸念がないんだ、
政府のお使いに行ったのでしょうから、よく
連絡がとれていて、こうこうこうなんだということがわかりましたら御
答弁願いたい。