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國塚政府委員 内閣官房費の
報償費につきまして、その
報償費の本質は何かというのが第一番目の
お尋ねかと思います。
報償費の性質につきましては、
先生御承知のとおり
予算科目として設定されておるものでございまして、
報償費は国が国の仕事を円滑かつ効率的に進めますために、その状況に応じて最も適切と
考えられる方法によって機動的に使用する経費、このように規定されておるわけでございます。したがいまして、
内閣の一般
行政としての
報償費につきましては、一国の総理として広く内政、外交の円滑な推進をはかるため、その上において功労があり、協力があり、努力があったものに対しまして、その労苦に報い、あるいは寄与を奨励する意味合いにおきまして交付する金、このように観念をいたしておるわけでございます。ただ、
先生御指摘のとおり、交際費と似た性格のものがあるではないかという点につきましては、私
ども一そう経理を行ないます際に十分意を用いなければならない点と
考えております。私
どもといたしましては、できるだけ
報償費と交際費とが混同使用されることがないように努力をいたしておるつもりでございますが、ただいま申し上げましたように、
報償費は、何らかの国に対する寄与となる行為がございまして、これが前提となって、これに報い償うという意味で
報償費という性格が成り立つわけでございますので、いわゆる一方的に、儀礼的、社交的な意味で支出いたします経費とは違うわけでございます。したがいまして、財政当局の
指導もございますし、会計検査院からの
指導もございますので、できるだけ交際費でもって支弁すべきものは交際費で支弁する、それ以外のものについて、
報償費の実体を備えたものについては
報償費で支弁する、このようにつとめておる次第でございます。
なお、その次に佐藤総理の国連総会出席に関しましての
お尋ねがございましたが、佐藤総理が四十五年の十月十八日から十月二十七日まで十日間国連総会に出席されておるわけでございますが、
昭和四十五年度におきまして、
予算にいたしまして五千九百二十万円予備費が支出されたことに相なっております。この内訳は、大部分が航空機借料等の庁費でございますが、
先生が御指摘になっておりますような、一国の総理としての外交上の接合ということもございまして、接宴
関係費あるいは謝金、贈りものも一部計上されておるわけでございます。ただ、そのあと減額補正をしておるではないかという
お尋ねでございますが、そのとおりでございまして、その後閣議決定によりまして
予算の節約が一律になされておるわけでございまして、
報償費につきましても一律に節約をはかる、こういうことになって八%の節約をいたしておるわけでございます。
先生の御指摘になる趣旨は、一方では予備費を出しておきながら、あとでまた減額するのは不適当ではないか、こういう
お尋ねだと思いますが、この
予算の節約は大体毎年きまっておる、予想されておることでありまして、その減額後の
報償費の額で年度間の
報償費の支弁ができるかどうか、
予算の支弁ができるかどうかということをにらみ合わせて毎年計上しておるわけでございまして、したがいまして、私
どもといたしましては、国連総会の総理の御出席につきましては、当初
予算上計上されていなかったものでございますから、特に航空機のチャーターを庁費でもってまかなうことができないという
関係で予備費支出をお願いし、その後一般的な
予算の削減を行なった、こういう次第でございまして、
先生の御指摘の趣旨は私
ども経理の立場としてよくわかるものでございますから、今後とも出たり入ったりというようなことのないように、これは財政当局も強い御
指導がございますので、今後とも気をつけてまいりたい、かように
考えております。