○松岡
委員 それから、その賭博で引っぱって、つまり完全な見込み
捜査なんです、私
どもから見ると。引っぱる理由がないから、賭博で部屋を貸したというので引っぱっておいて、たたいたわけです。尋問は、はなはだきびしい
ものです。被疑者がおととい上京しまして、私は両方から聞きました。ともかく、金を借りている、人に金を貸した、この事案を、預けたのだろう、やったのだろうという尋問なんです。検察段階でこれは起訴になりましたが、多少供述にあいまいな点もあるから、あるいは起訴したのかと思います。しかしながら、拘禁されていてそういう問題でたたかれると、被疑者という
ものはもう一種の麻酔にかかってしまうわけなんです。だから、
自分の心で
ものを言っているのやら、誘導で
ものを言っているのやら、わからない。私
どもこれは完全な見込み
捜査から起こった事犯と見ているのですが、これも結局その背後に動いている
ものは土着の
警察官。富山県は元来がよくないところなんです。四十四年の
選挙のときにも、私の後援会の幹部が後援会の事務所におったという理由でしょっぴかれて、熱が七度八分もある病人なんです。それを引っぱっていった。それを拘禁して、帰して一週間たたずに死にました。これは
人権擁護委員会にも聞いておいてもらいたい。調べてもらったんだけれ
ども、それもいいかげんなんです。何らそういう
ものを
取り調べた
警察官に対する上司の処罰もなければ、何もない。私は
選挙があるたびにその人のことを思うと、いまだに実に気の毒にたえない。りっぱな人なんです。そして
取り調べ中に相手方
犯罪が出ているかというと、何にも出てない。こういうことをやる。それはみんな土着の
警察官の動きなんです。だから私はいま聞きましたように、
地方警察官と国家
警察官との差別のあることは、
制度として、ばなはだ
矛盾だと思う。警視以上になってからやっと国家
警察官になる。私なんかもずいぶん冤罪で苦しんできたことがあるのです。はっきり言うと、みな土着の
警察官が仕組むのです。私なんかは剛の者だから戦いますよ。一審であろうと二審であろうと、三審まででも戦いますが、普通人は戦う気力がないです。たたかれでもすると、それで終わりです。これは日本にある封建的
警察の残滓がいまなお巣食っているのですよ。あなた方非常に上部にあられて理想的なことばかり考えておられるけれ
ども、
現実の
警察官なんという
ものは実にどす黒い根性を持っております。言うことを聞かなければやってやる、こういうことを常に放言しているのです。おまえなんかいつでもやってやるぞ、これが
現実にあらわれてくるんだから、普通のナマズの地震程度じゃございませんよ。やられた者はたまった
ものじゃない。いまの場合でも賭博でひっくくっておいて、そしてたたいて、それで反物をやったとか買ったとか買わぬとかいう問題で、十日おいてこれをさらに蒸し返して、借金のカタに渡した、それで借金を受け入れたんだ、貸し金だと言うても聞かない。それをたたいてたたきまくるのです。これは東京都内じゃ、うるさくてありませんよ。その間検察庁も検察庁だ。接見禁止してしまうのです。弁護士に会わせない。私のほうではようようそれを取り消さして会わせるようにさせましたが、ともかくそうなってくると、被疑者という
ものは頭がどうかなっておるのですよ。債権があるといえば、それははっきりいうと出世証文だ、出世証文で金をもらう手はない、こう言うて押しつける
ものだから、いつの間にやら麻酔にかかっておる。私はおととい会ってみて、おまえ債権者、債務者でその話をしたか。そんな話をしたことはありません。本人の留守中にそれを救ってやった。だから債権者、債務者で話し合いができない。それを出世証文だと錯覚を起こしている。
これを私はいろいろ考えてみますと、土着
警察官のどす黒いやり方がこういうことになってくるのです。だから
民主警察を確立される上において、
長官はじめこれは大いに考えていただかぬと、四十四年の総
選挙で私の最も親愛なる同士が殺されてしまった。殺されたんですよ、これは完全に。七度八分
もの熱を発している者を拘禁していく、ひっぱっていく。そして一緒におったのは、女房ともいえないのですけれ
ども、
警察の協力会がありまして、そこの書記なのです。それも首切ってしまい、あらゆる迫害を加えるのですね。私はこれは署を言います。魚津
警察署管内、一番傾向の悪いところ。
選挙違反のたびに何でもいいから松岡なら片っ端からひっくくってやれ。歴代の署長はみんなそうです。私はどういうわけかわからぬです。私はそこでわずか千票しかとれない。たった千票しかとれないところで、私の
違反だったらあることないことみんなしょっぴいてしまう。この間もやりました。この間もやったけれ
ども、結局事犯にならぬで帰しました。何でも一ぺんやってみるのです。まるで判で押したようにひっくくっていくのです。ここは伝統的に土着の
警察官が多い。今度はあいつをやりましょう、今度はこいつをやりましょうといってやっているんですよ。こういうことを見のがしておかれていては困るから、私は少なくともこれから警視正以上になった者はその県に置かないほうがいいと思います。富山県にいまなお一人おります。これがボスだという。
地方民はみんなこれをボスと言ってふるえ上がっていますよ。それがみんな暮夜ひそかに暗示して子分にやらせるのだから、何をするかわかった
ものじゃない。あなた方の考えておられるような
ものじゃないですよ、土着
警察官という
ものは。いわゆる昔の代官以上ですね。映画に出てくる悪代官以上の
ものです。これははっきり私は断言しますよ。これは代官より知識があるからやっかいなんです。まだ代官のほうが腕っ節だけでやるからいいような
もので、いまの悪
警察官くらいやっかいな
ものはない。知識がある。ごまかしがきく。つべのこべの理屈をつける。これではたまらない。住民を圧迫されてはかなわぬと思うのです。大都市では最近そういうことはやり得ないです。
地方のいわゆる封建的な残滓の多いところでは、私なんか今日になるまで、小作争議のときにはやられるし、
治安維持法ではやられるし、もうやられっぱなしなんです。よく心得ておるのです。私は
治安維持法でやられておりますからね。
警察に約一年、刑罰は二年。そんなわけで、あまり長くやっておってもしようがありませんが、ひとつ富山県をよく調べてください、いまの事案を。岡崎という被疑者と山口という市
会議員です。これは完全に見込み
捜査でやられたのです。このままほっておいてはいけませんよ。お調べ願えますか。