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1973-04-24 第71回国会 衆議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月二十四日(火曜日)     午前十時十八分開議  出席委員    委員長代理理事 松岡 松平君    理事 木野 晴夫君 理事 森下 元晴君    理事 綿貫 民輔君 理事 久保田鶴松君    理事 芳賀  貢君 理事 庄司 幸助君       中尾  宏君    中村 弘海君       吉永 治市君    高田 富之君       原   茂君    田代 文久君       浅井 美幸君    坂井 弘一君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 増原 恵吉君  出席政府委員         防衛政務次官  箕輪  登君         防衛庁参事官  長坂  強君         防衛庁長官官房         長       田代 一正君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         防衛庁人事教育         長       高瀬 忠雄君         防衛庁経理局長 小田村四郎君         防衛庁装備局長 山口 衛一君         防衛施設庁次長 鶴崎  敏君         防衛施設庁施設         部長      平井 啓一君         外務省アメリカ         局長      大河原良雄君         食糧庁長官   中野 和仁君  委員外出席者         通商産業省繊維         雑貨局繊維雑貨         政策課長    半沢 治雄君         通商産業省鉱山         石炭局石油業務         課長      根岸 正男君         会計検査院事務         総局第二局長  柴崎 敏郎君         決算委員会調査         室長      東   哲君     ————————————— 委員の異動 四月十九日  辞任         補欠選任   吉永 治市君     小沢 一郎君 同日  辞任         補欠選任   小沢 一郎君     吉永 治市君 同月二十日  辞任         補欠選任   中村 弘海君     河本 敏夫君 同日  辞任         補欠選任   河本 敏夫君     中村 弘海君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十五年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十五年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十五年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十五年度政府関係機関決算書  昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十五年度国有財産無償貸付状況計算書  〔総理府所管防衛庁)〕      ————◇—————
  2. 松岡松平

    松岡委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  本日は、総理府所管防衛庁について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
  3. 原茂

    ○原(茂)委員 ここへ来たら、時間がたいへん切り詰められまして少ないようですから、序論的な余分なことを省きまして、防衛庁長官並びに関係省庁局長さん、課長さんもおいでいただいておりますので、一々指名を申し上げませんが、私の質問に大体どなたが御答弁がよろしいかおわかりだと思いますし、長官答弁だけは私のほうから指名をいたしますので、御答弁いただきたいと思います。  きょうの本旨は、わが国防衛、大事な日本を守ることには異議はございませんし、何といっても大事に守っていかなければいけない祖国でございますが、現在いわれております防衛というのが、いわゆる武力戦力による防衛に主体が置かれているわけですが、広義防衛解釈しますときには、ひとり武力戦力による防衛以外に、わが国国民生活そのものをささえている資源というものの国内における産出なり、現に不足分を輸入いたしておりますなど、この資源のアンバランスなり、ある部分的な枯渇状態などが起きますと、まさに守るべき日本国民生活がその面から崩壊をしてくるという面で、資源中心に、一体わが国防衛というものをお考えになっておられるかどうか。今日まで防衛という、国を守ろうとする最高の責務にある長官中心の役所といたしまして、一体武力以外、この資源による日本の消長というものを考えた上で、いままでどういう作業をやってこられたのかを、資源中心防衛という広義立場でのお考えと、いままでやってきた作業の内容を簡潔にお伺いしたい。長官にお願いしたい。
  4. 増原恵吉

    増原国務大臣 国の防衛は、御指摘のありましたように、武力だけで行なえるものではないことは御指摘のとおりでございます。国防の基本方針にも述べておりますように、国連世界平和保持という行動中心にして、その機能の強化をはかっていくという方向を第一とし、さらに世界各国との友好親善を増進してまいるという外交の方面を第二の柱として推進をしていくというふうなことで防衛考えておるわけでございます。したがいまして、防衛庁担当をいたしておりまする分野は、直接及び間接侵略に対してわが国防衛する、やはり武力による防衛という面が防衛庁担当をいたしまする面であるということでございまするが、その考え方立場でも、御指摘のように、特に最近における状態は、資源というものの確保、入手、使用ということが円滑にまいらなければ国の防衛というものはとうていできないということでございます。ただ、現在まで防衛庁がやってまいっておりまする防衛の具体的な方策といたしましては、二十九年自衛隊が発足いたしましてなお日浅く、いわゆる防衛力の面における整備をだんだんと整えておるというときでございまして、われわれのほうで資源の面における確保なり備蓄なりという面についての手当ては、まだ決して十分には行なわれていないという状況でございます。しかし、そういう面が必要でありますことは御指摘のとおりでありまして、今後そういう面についても十分に関係各省一緒になりまして考えてまいりたい、かように考える次第でございます。
  5. 原茂

    ○原(茂)委員 長官のいまの答弁を聞いていますと、自衛隊隊長みたいな感じがするのですよ。私は、防衛庁長官である限り、一体わが国の真の防衛というものを、広義解釈したときの資源にかかわりのある防衛というものも、武力侵略に対応するための現在の自衛隊任務に匹敵するか、それ以上に重要な意義があると思いますし、ニクソン大統領も、すでに石油中心に、あるいは木材中心に、やはり国家防衛的な見地からいって、しかも日本に対してまで供給制限を行なうような法案を国会に提出しようと考えておる、その底意もありありと各論者が指摘をしておるとおりでありまして、アメリカですら、資源中心に真に米国を守るという点での発想をしておるのに、わが国防衛庁長官が、資源中心にやはりわが国防衛というものにかかわり合って、真剣にこれと取り組んでこなかった、その姿勢と、そのことをやらなかったいわゆる思想的な立場、単に冒頭申し上げたように自衛隊隊長といって皮肉られるような御答弁である限り、私は、たいへん危険だと思うのであります。第二次大戦の前夜に、もう多く申し上げませんが、御存じ経済封鎖状態が行なわれまして、窮鼠ネコをかむ思いで満州に、またあの太平洋戦争に発展させるまでに資源確保のためのあの戦争なるものが遂行されて、惨敗を喫したわけであります。世界の多くの歴史の中にも、やはり資源中心にした幾多のいわゆる武力衝突なり、武力による侵略防衛による戦争という悲惨な状態が数多く今日まで行なわれてきているわけであります。だが、近代国家における防衛考えるときに、武力侵略というものが前提でただわが国防衛庁が存在するというなら、これは少しく私は、少しくどころではない、非常に防衛に対する態度認識が欠けていると思うのであります。うしろにおいでになる久保さんが、この間、野党の要求もあったでしょう、庁内で検討をされて、平和時における防衛力の限界なるものを、これは防衛庁の正式の見解ではない、個人のものだとお話しになってお出しになりましたのを読ましていただきましたが、これにも、久保さんの場合には当然それだけでいいのかもしれませんが、やはり防衛庁防衛に関する責任者である限り、資源に一言でも触れているような態度思想というものが防衛庁にあってしかるべきではないかということを痛感したわけであります。当然、久保さんにしてしかり、長官にしていまの御答弁にあるとおりでありますから、たいへんその点では、ここで新たに、ひとついままであまりたいして作業をしていないというのですが、スケジュールをおきめになった国家防衛最高責任者として、やはり思い切った、資源に関する問題を収集し、分析し、科学的な検討をこれに加えて、一面の防衛論というものをぜひひとつわれわれの前に出していただくように、これをお願いをしたいと思うのであります。  いま長官答弁の中で少し気にかかりましたのは、そういう端的な言い方ではなかったのかもしれませんが、武力侵略に対応するための防衛庁であり自衛隊であるような答弁があったのですが、そう解釈してよろしいのですか。侵略に対応する武力のみ養成し、育成し、考えていくのが防衛庁あるいは自衛隊仕事なんだ、こういうふうに解釈できる御答弁があったのですが、それでよろしいですか。
  6. 増原恵吉

    増原国務大臣 申し上げましたのは、防衛庁法自衛隊法に示してありますように、防衛庁自衛隊は直接及び間接侵略に対してわが国防衛するというふうに書いてございます。それを申したわけでございます。  そのほかにまた付随的な仕事があることは御承知のとおりでございます。主たるものは、直接及び間接侵略に対してわが国防衛する。しかしその意味においても、これは従来の国の防衛という考え方であるわけでございますが、そのために、しかしきわめて必要なものは外交的な善隣友好外交であるし、あるいは国内における生活安定確保というふうなものもきわめて重要な要素になるわけでございます。その意味においても、御指摘のように、資源の将来にわたっての円滑な確保使用ができるということは、そういう防衛の面にとってももとより重要でございまして、これは従来の防衛についてもそういうことを考えておったわけでございますが、その点を先ほどちょっと申し上げたので、二十九年発足以来まだ日浅く、そうした面についてまでの配慮が届いていないというふうに申し上げたわけでございます。  さらに御指摘の、ニュアンスとして私伺ったのでございますけれども、これからの資源の問題というものは、防衛という見地よりもさらに広くわが国存立のために国民生活確保し、さらに将来にわたっての繁栄確保していくというためにきわめて重要なのが、これは資源確保であろうと思います。そういう意味ではもとよりわれわれ防衛見地に立ちましてのそういうことも考えますし、政府全体としては、それぞれの所管に応じまして、資源を将来にわたって円滑に確保できる道を講じていくということが御指摘のとおりきわめて重大である、われわれも防衛庁任務という点におきましてその点を将来十分に考えてまいりたい、かように考える次第でございます。
  7. 原茂

    ○原(茂)委員 いまおっしゃったとおり、資源というものが広くは国民生活存立を脅かすことのないように、常に安定した資源供給を通じて、国家の平和なり生活ができるようにという意味では、防衛というものの意義とイコールなので、これは違えて考える性質のものではないという前提に私は立つわけです。  先ほどお話のありましたように、平和外交を通じ、あるいは国家間の調整その他を通じ、あるいは国連を通じて、資源確保なり円滑な供給と、あるいは需要の面のバランスをとっていくというようなことも、われわれ本来武力による防衛考えない平和な話し合いによるわが国防衛というものがあり得るという立場をとってまいりました党の立場から言いましても、長官のおっしゃったその一面には賛成ですし、当然そうあるべきだと思うので、その意味からいっても、防衛というものと資源確保というものが、結果的には国民生活中心に平和なしかも安定した生活を保っていくという意味では、広義防衛というものでやはり考えてしかるべきものだ、だから武力による防衛と、資源というものを十分に確保供給できる道を考えることも、これも国家防衛的な見地からいうなら当然大事な一面だというふうに考えるべきであると主張するわけであります。  そこで長官にまたもう一つお伺いしたいのですが、資源資源と言いますが、資源というものは大ざっぱに言うと一体どういうことになるのでしょう。資源とは一体何かということも長官からついでにお伺いしたい。というのは、やはり資源というものは防衛基本にとって欠くことのできない問題だという認識をお持ちいただいて、今後やはり国家的に、いまのように各省ばらばらに、長官もおっしゃったけれども、各担当省庁がそれぞれの立場資源に関しての検討を加え、あるいは確保するように努力しているこの日本の一番大きな欠陥というのは、やはりなわ張りといいますか、あまりばらばらになっているために、この大事な防衛という立場に立ったときの資源というものを一括集約して常にそれを点検するというような機関がない。私は現段階でいくと、やむなくかもしれませんが、防衛庁がそのことを真剣に考えるというくらいなことを、長官がやはり思い切ってこの機会に一つのルールを確立していただく必要があるのじゃないかということが私の立場で、それを前段に強調しながらお伺いするのですが、資源というのを一体どういうものを資源というのか、資源というものの解釈、この場合の資源とは一体何かということをどんなふうに考えられるか。これはもうきまった定義はないわけですから、長官も私も食い違いがあってしかるべきだと思いますが、長官資源に対する大ざっぱな考え方をひとつお伺いしたい。
  8. 増原恵吉

    増原国務大臣 国の防衛という見地に立ちまするときの資源という考え方一つあると思いまするが、私は御質問を伺って感じますることは、御質問の趣意は、そのことももとよりありましょうが、それよりも、わが国国民生活を継続的に確保し、繁栄に導いていくための資源確保ということが私はより重点を置かれて御質問になっておるように受け取ったのでございます。  防衛という見地に立って考えまする場合には、やはり直接及び間接侵略がある場合における国民生活あるいは防衛行動のとれまするような資源、そうしてそれは実際の場合には、いわば必要最小限度のものを確保するというようなことに従来はなっておりましたし、そうならざるを得ないのではないかというふうに考えるわけでございまするが、そういうものよりも、私は、御指摘の点は、むしろ広く一般状況における国民生活確保及びその向上のための資源ということではないかというふうに考えるのでございまして、そういう問題は防衛庁基本的に担当するということは適当ではないのではないか、現在の日本政府組織からいえば、経済企画庁あたりがあるいは世話役になる、締めくくりをするというふうなことのほうが適当ではないかと思うのでございまするが、そういう場合の資源というものは、国民生活に必要な、そうしてわが国に十分にその必要を満たすことのできるだけの産出のないもの、そういうものはすべて入ってくるものであるというふうに私は了解をするわけでございます。
  9. 原茂

    ○原(茂)委員 いま長官の後段に言われた解釈でいいと思うのです。防衛に関係する資源という狭義にいま資源を論じているわけじゃないわけですから、したがって国民生活全体に及ぼす立場資源を論じていく、考えていくという立場でいいと思います。いいのですが、いまおっしゃったように、経済企画庁が広くとにかく守るべきわが国防衛という見地から考えたときに、資源というものを重要なものと考えなければいけない、こういう思想が確立されれば、それが経済企画庁でいいのか、ほんとう国民生活をただ安定的に供給確保していくのだ、そういう資源の取りまとめを経済企画庁がやるのだという考えでいいかどうかは、これは別なんですが、たとえば百歩譲ってそれでいいと私が妥協したとしても、現在の経済企画庁が、そういう防衛という非常に大事な守るべき国の武力によるものと資源確保という両輪の考え方でこの資源と取り組んでいくような機構といいますか組織というもの、そういうものが現在経済企画庁にあるとお思いですか。
  10. 増原恵吉

    増原国務大臣 その点は私からお答えいたしにくいことでございますが、いま状況をながめまして、経済企画庁にそういう十分な能力があるかどうかは私も疑問ではないかと思います。資源のうちでも現在最も目立っておりますものはエネルギー資源というふうなものでございましょうが、その中の石油資源などというものは通産省でいま一生懸命になってこれが確保に努力をしておるというふうなことでございまして、まだ経済企画庁がそういうものを取りまとめてやるという考え方なり機構なりは、私も十分はわかりませんが、ないように思われるのでございますが、いまの日本各省の分担では、それぞれ所管の、石油資源その他のエネルギー資源は多く通産省でございましょうか、食糧関係農林省でございましょうか、繊維その他衣料の関係等通産省ということになりましょうか、そういうことにいまはなっておると思いまするが、しかし、御指摘のように、そういうものをもっと掘り下げて総合的に計画的に行なうことはきわめて必要だ、御指摘のとおりだと思います。それが日本のいまの機構からいえば、私は経済企画庁などが担当することが適当ではないかというふうに申し上げたわけでございます。
  11. 原茂

    ○原(茂)委員 それはまた別の角度から論及してまいりますが、いまのお話にありましたような、経済企画庁でそれを取りまとめたらどうかという程度のそんななまやさしい問題ではない。資源問題はすこぶるいま国家にとって緊急の課題になっている。いま石油をあげられましたが、ひとり石油のみならず、いろいろな国民生活に不安を与え悪い影響を与えている多くの種類の資源がたくさんあるわけでございます。そういう資源もやはり私は、経済企画庁が単にいまやっている程度のことをおやりになる、通産省通産省でやる、あるものによっては農林省もやり、あるものによっては科学技術庁もやるというような、資源全体を考えたときに、総合的にほんとう国民生活を安定し、資源確保していき、それを通じて日本という国が外部から侵されることのないようなという意味からいうならば、守っていくという観点に立つなら、私はやはり防衛という観点から考え資源というものが一つの論理として確立されていかないといけない時期がもうきているのじゃないかという気がするわけなんです。  ほかの角度からお伺いをしたいと思いましたのは、たとえば、これは長官でなくてもいいのですが、現在わが国資源の使われている状況を見ますと、使い捨てにされる状況というのが非常に多いですね。産業そのものが、しいて言うなら使い捨て産業というような感じすら実はするわけです。なけなしの資源が回収されて更生されるようなことが前提に立って物がつくられていない。非常に資源のない国でありながら、しかも外国からこれを仰いでいながら、なおかつその資源使い捨てにするという思想といいますか、これは産業界を通じてあるいは国民生活の中にまでいまやしみ通ってしまって、ちょっと救いようのない、これが日本なのか、資源の大部分を外国に仰いでいる日本のあり方なのかと目を疑うような使い捨てという思想が非常に行き届いてしまっている、これが現在資源にとって第一の問題だと私は思う。そういう点で資源の一番大きな消耗を訓練の中からもやっている自衛隊というようなものを考えたときに、一体自衛隊年間、もうこれで時代おくれになった、あるいは修理を必要とする、あるいは修理はもうできないから廃棄するというような、資源という立場から見て、いま使っておりまする兵器なりあるいは銃器なり備品なりというものの廃棄するものを金額に直すとどのくらいあるのでしょうか。自衛隊年間予算の中にそういうものを幾らぐらいということはわかりませんが、たとえば昨年度一年をとらえてみて、廃棄している資源というものはどのくらいあるでしょうか。それは兵器になったものあるいは備品、材料、そういうものを含めて金額でどのくらいになっているか、長官御存じかどうか。
  12. 増原恵吉

    増原国務大臣 ちょっと金額をいままで計算してないようでして、金額で申し上げることがいまできないようでございます。
  13. 原茂

    ○原(茂)委員 これは一度金額で調べてみる必要があると思いますよ。自衛隊使用する一切の物品あるいは兵器を含めてですが、物に対して、更生という、もう一度使うということが前提にされて購入をされたり、最初から設計をされたり、そうすればできるものがたくさん自衛隊にもあるはずなんです。そのことをまず隗より始めよということで、自衛隊が一番消耗の度合いが激しいですから、少しそういった点も十分考慮する必要があると思いますが、私はいま金額をかってに想像したものはありますが、そんなものは二、三の人から聞いただけですから、当たっているかどうかわかりませんので、ここで申し上げることははばかりますけれども、とにかく相当の量にのぼるし、そのことに対してもやはり更生というものを前提にして、自衛隊の一切の物品に対する設計の当初から物をつくり購入をされる過程において、十分に配慮をしていくようなことをしないといけないだろうということを考えるわけであります。現在、たとえば御存じかんビールなんか、われわれ始終飲みますけれども、あれにしても、胴体がブリキで、ふたはアルミでできておりますから、したがってあれだってたいへんな量を飲んでは捨てるのですが、あれなんか当然ブリキアルミとして回収して再生しなければいけないはずのものが、あれが一緒アルミブリキがくっつけられているものですから、これが回収されて資源として更生できないというようなことが平気で現在の産業界全体に、使い捨て産業といわれるような考え方資源が扱われている。たとえばわれわれが持っているラジオにしましても、トランジスタになりまして、いわゆるプリント配線ということになりましたから、わずかな銅で一切メッキのような形であの配線ができますが、前なら一キロだ一キロ半だという銅線を使っていた。それをラジオが古くなったら銅として回収してそのまま生きたわけですが、今日ではプリント配線になったおかげで、使われた銅というものは、量は十分の一、五分の一になっていますが、だめになったときにはもうすでにその銅は回収できないという使い捨て状態ラジオ、テレビでも行なわれている。というように、いま日本にとって一番大事なことは、資源使い捨てというもの、これがだめになり、使われなくなったときにいかに回収できるかというところに必ず思いをいたして物をつくり、つくる前の設計を行なうというところへもう一度返らなければならない。現在これほど資源が窮屈になっているのに、なおかつその資源がいままでと全く同じように使い捨て状態でつくられ、使われ、廃棄されて回収できないという状態が今後もずっと続くような一つ生活様式に、われわれの国民生活がなじんでいるのであります。いま資源というものが危機状態にあることを考えたときには、資源の再生、更生というものに重点を置いて、まず一切の諸官庁が考え、指導を行なう。特に防衛庁においてこの点を考えたら、たいへん多くの資源更生というのが可能になってくるのじゃないかという意味で私は使い捨て産業のことにちょっと触れたわけであります。  ここで長官にも一緒にお聞き願いたいのですが、きょう実は各省から資源に関係する方々に来ていただいております。食糧庁中野さんもおいでになっていますが、課長さん方でもけっこうですが、まず最初に食いもののほうで、現在日本の国民の食糧全体を考えたときに、米だ、麦だということを一つ一つ言わないで総合的に考えたときに、国民の食生活をささえている食糧全体、国内における生産と外国から仰いでいる率はどのくらいになるのか。時間が実は思い切って制約されましたので、こんな聞き方になってしまったのですが、ひとつわからないと言わずに概算でけっこうですからお答えいただきたい。
  14. 中野和仁

    中野政府委員 いまのお尋ねによりますと、食糧全体としまして、国内の生産と輸入とどういう比率かということでございますが、言い直しますと自給率ということになるかと思いますが、昭和四十五年で見ますと七六%になっております。農林省としましては、少なくともこの程度は維持をいたしたいということで、昨年主要農産物につきましての生産と自給率の展望をつくっておりまして、十年先を見ましてもその程度は維持したいというために各般の施策をやるということで、ただいま諸般の政策を進めておるところでございます。
  15. 原茂

    ○原(茂)委員 いまのお話は、七六%が輸入に仰いでいるという意味ですか。
  16. 中野和仁

    中野政府委員 自給率と申し上げました。七六が国内でつくられる、あとは輸入に仰ぐ、こういうことでございます。
  17. 原茂

    ○原(茂)委員 それは米、麦、酪農製品、果実一切を含めてと解釈していいわけですね。
  18. 中野和仁

    中野政府委員 御承知のように、米は最近ずっと生産過剰でございまして、むしろ生産の調整をやっておりますが、麦が大体一五%、野菜は大体一〇〇%自給、それから果実が八四%、牛乳、乳製品が八九%、肉類が八八%、卵が九八%、残念ながら大豆は四%。大豆とそれからもう一つ申し上げておきますと濃厚飼料、これもかなり海外に依存しておりまして、自給率が約三二%ということになっております。
  19. 原茂

    ○原(茂)委員 二つお伺いするのですが、ついでに一つはお伺いするのです。いま米が余っているので調整をやっているというのですが、調整をずっとことしも来年も続けていきますか。それが一つ。  それから、七六%の自給率を何年ぐらいでどの程度高めていく目標があるのか、それをひとつ。
  20. 中野和仁

    中野政府委員 昭和四十五年に百万トン近い過剰米を持つような事態になったものですから、先ほど申し上げましたように、生産調整を五カ年計画で四十六年から五十年までやるということで、今年は三年目でございます。具体的には二百五万トンの生産調整をするということでございます。あと数年続けて、それも単に耕地を休ませるということよりも、米以外のこれから需要が伸びるような作物に転換することを中心に進めておりますので、あと数年は少なくともいまの計画を続けるべきだというふうに考えております。  それから、自給率は先ほど申し上げましたように現在七六%でございますが、十年先に、いろいろな生産の施策によりますけれども、七三から七七ぐらいということで、高めるというのはなかなか容易じゃありません。現状を少なくともいろいろな施策によって維持をしていくということでございます。
  21. 原茂

    ○原(茂)委員 結論をお伺いしますが、ということになりますと、当分の間、高めることは非常に困難だというなら、食糧全体の分野で約三〇%前後は輸入にたよる、これからずっとそうなる、こう結論づけていいわけですね。
  22. 中野和仁

    中野政府委員 われわれとしましても、国内で生産の可能なものはできる限りつくる、いたずらに外国に依存すべきでないということでありますが、限られた耕地でありますし、また気候等の関係から生産できないものもございます。   〔松岡委員長代理退席、綿貫委員長代理着席〕 そういうようなことで、われわれとしましては維持をしていくという観点からやっておるわけでございます。
  23. 原茂

    ○原(茂)委員 けっこうですが、いまの食糧庁長官お話の米の生産調整をまだ数年続けていくということは、私は信用していません。現在のような状態からいくと、これはストップになるか、何か転換をする必要が起きてくるのじゃないかと私は考えています。いままでの行きがかりがあるから長官はそう言わざるを得ないのじゃないかと推察しているわけですが、私は、今後数年、年々やってきたような生産調整なんということが行なわれるわけがない、そんなことはやっていけないと思う。違った外部の理由からいってもそれはできないだろうと実は私の立場考えていることだけ申し上げておきます。  ついでに、次に通産省にお伺いするのですが、石油それから石炭、その他非鉄金属を含めた鉱物資源、これも一つ一つお伺いすればいいのですが、その時間がなくなってしまいましたので、輸入先も必要としませんが、全体で、今日まで二、三年の間、国内の消費と国内の生産と輸入の総量、同時に今後の少なくとも一、二年の間ぐらいの見通しはつくでしょうから、これらのパーセンテージを総括的に答えていただきたい。
  24. 根岸正男

    ○根岸説明員 お答え申し上げます。まず石油でございますが、これは先生よく御承知のとおり、約一〇〇%輸入でございます。最近の輸入状況を申し上げますと、四十五年度が輸入量としましては約二億キロリットル、四十六年度が二億一千四百万キロリットル、それから四十七年度は、まだ実績が出ておりませんが、実績見込みといたしまして二億五千八百万キロという数字になると思います。ちなみに四十八年度におきましては二億八千二百万キロになるという想定でございます。それから、それの消費につきましては、四十五年度は約二億キロリットル、四十六年度につきましては、二億五百万キロ、四十七年度につきましては実績がちょっと出ておりませんので、カレンダーイヤーの数字を申し上げますと、二億一千八百万キロ、これは暦年の実績でございます。というようなことでございまして、あと国産は、御承知のとおり四十六年度が七十四万一千キロ、四十七年度はおそらく七十万キロちょっとという実績になるのではないかと思います。  それからあと非鉄関係、石炭につきましては、担当者が来ておりませんので、後ほど資料をお手元へ提出させていただきたいと思います。
  25. 原茂

    ○原(茂)委員 では石油のことを一つだけお聞きしますが、これから輸入に九九%、ある意味では一〇〇%たよるのですが、たよっていって、現在のようなOPECの状態などを考慮してみますと、あるいはアメリカのたいへんきびしい態度を見ましても、いま予想している輸入というのは可能だとお思いですか。スムーズにいくとお思いになるのですか。私は、四十八年度、四十九年度、今後二年間の輸入見込み、消費見込みを一緒に言ってください、こう申し上げたのですが、いまお話がなかったのですが、おそらく膨大なものにふくらんでいくのです。これがこれから輸入がちゃんと可能だというふうにお思いですか。努力はしているんだが非常にこういう問題があるからこうだああだという不安はない、スムーズにいくとお思いになりますか。
  26. 根岸正男

    ○根岸説明員 どうもたいへん申しわけありません。将来の見込みは、先ほど申し上げましたように、四十八年度は二億八千二百万キロの予想でございます。四十九年度、五十年度続いて申しますと、四十九年度が二億六千八百万キロ、その次が二億八千八百万キロというような数字が輸入量として必要になってまいるわけでございます。  先ほどの先生の御質問、スムーズに入るかということでございますが、これはいろいろなファクターがございます。まず、これはもう御指摘になりましたようにOPECの問題その他で、いろいろなことが今後想像されるわけでございます。それともう一つ国内の公害対策という面から輸入原油のローサルファ化、要するに低硫黄化、まあ非常に高いいい油をよけいに買っていかなければならぬ、量も確保しなければならぬという、その二つの相反するようなものを含めて石油を輸入してまいらなければならぬという点を考えますと、われわれとしても非常にむずかしい状態であるというふうに考えております。ただ、これは私、担当課長としての感じでございますが、四十八年、四十九年、あるいは五十年ごろまでは、量としての石油輸入はある程度確保できていける可能性はあると思いますが、それから先につきましては、先生がもうよく御承知だと思いますけれども、産油国との関係、経済協力あるいはダウンストリームに対するジョイントとか、そういうようなことで確保していく方策を十分に考えなければならぬじゃないかというふうに思っております。
  27. 原茂

    ○原(茂)委員 これももう一つ質問をするのと、結論をお伺いしたいのでありますが、この石油に関する限りはほとんど一〇〇%将来とも輸入にたよる、しかもその輸入がそうスムーズにいく状況にはない、いろいろな問題があるという状況にある。近代国家石油というものをなしにしたら、おそらくこれはなっていかないわけですね。そういう意味では石油一つとらえてみても非常に困難な状況にある。だいじょうぶだという保証は、こことここがギャランティーできるというようなものはいまのところ確立していない。とにかく努力はするが非常に困難な状況にある、いろいろなファクターが入ってくる、それを切り抜けようといま思っているだけだ、輸入に一〇〇%たよるということだけは間違いないという、これは石油に関しては長官、結論になるわけですね。  それからついでに一つお伺いしたいのは、いまの状況でいくと、将来石油国内の消費に関連して何か制限するようなことが必要になってきませんか。現在と同じように石油を自由に消費にまかせるということが保証できますか。何かの手段方法が必要だ、石油の消費に関する制限が必要になってきやしないか、こういう感じがしますが、そういう心配はない、従来と全く同じ自由に石油は消費にまかしてよろしいということになるのでしょうか。見通しをひとつ。
  28. 根岸正男

    ○根岸説明員 お答え申し上げます。将来石油の消費に関しましてどういうようなものの考え方があるかという御指摘でございますけれども、まずわれわれとしましては、やはり代替エネルギーの開発ということを急いでいただく必要があるのじゃないか。これは原子力とか、その他こまかいことまで申し上げれば潮汐発電だとか、いろいろございますが、そういうものの技術開発ということをまず進めていただいて、潤沢にエネルギーが供給できる体制を持つということが必要だろうと思います。その次にもう一つ省エネルギー化、エネルギーの節約、これは産業方面その他でやはり相当のくふうと技術開発が必要だろうと思います。そういうような段階があって、われわれとしましては、いろいろな事故とか、突発的な問題が起きたときの供給力に不足が生じたとき、そういう緊急時についてどういう流通を考えたらよろしいかということを勉強さしていただけるような予算を四十八年度にお認め願いましたので、諸外国におきましては御承知のとおり第二次大戦後の例の燃料消費規制の法律体系が残っておりますので、そういうものなどをいろいろそういう緊急時における対策として一応勉強してまいりたいという段階でございます。
  29. 原茂

    ○原(茂)委員 何か緊急事態が発生ということの緊急事態とは、輸入が潤沢にいかなかったときは緊急事態になりませんか。
  30. 根岸正男

    ○根岸説明員 当然そういうことも条件の一つ考えられると思います。
  31. 原茂

    ○原(茂)委員 石油の問題あるいはその他の問題、食糧の問題も別の機会にこれはもう少し違った観点からお伺いをしたいと思いますが、最後に石油でもう一つだけ、課長さんでいいかと思いますが、チュメニ、いま油田の関係で一生懸命やっていますね。これは石油ばかりじゃない、天然ガスの問題も含めて、日本にとっていま資源としての重要な課題になっているわけですが、これはどうでしょう。チュメニはだいぶあっちもこっちも大騒ぎしてやっていますが、これはいつごろから当てになるという当てがもうできましたか。それとも、とてもじゃないが、まだ何年度くらいから当てになるというところまでいかないのですか、どうですか。
  32. 根岸正男

    ○根岸説明員 私、開発関係を担当しておりませんので、詳細なことは申し上げる能力を持っておりませんけれども、受け入れ体制等についても、いろいろ整備といいますか準備しておりますので、また私ども、いま申し上げた需給問題その他から考えまして、ぜひできるだけ早く、しかも供給源の多様化と安定というような観点からいって、できるだけ早く到達してほしいと思っております。
  33. 原茂

    ○原(茂)委員 順序が逆になりましたけれども、これは農林省のどなたがおわかりでしょうか。綿花あるいは羊毛、こういうものの今後の輸入の見通しは、国内における消費の見通しとあわせて、わかりましたらこれだけひとつお伺いしたい。  それからもう一つ、鉄鉱石の問題ですが、これも現在国内における産出と同時に消費、それにつれて輸入がどのくらいになっておるか、今後の見通しを先ほどと同じ内訳で、ひとつ鉄鉱石の問題も一緒に伺いたい。同時に石炭、これがどうなっているのか。
  34. 半沢治雄

    ○半沢説明員 繊維についてお答え申し上げます。綿花なり羊毛の場合は天然産品でございます。したがいまして、世界的に見て急激に生産がふえるということは考えにくうございまして、今後の輸入の見込みといたしましては、年率にしておおむね一、二%程度の増加で推移するのではないかというふうに考えられます。
  35. 根岸正男

    ○根岸説明員 先ほど申し上げましたように、まことに申しわけありませんけれども、石炭と鉄の関係担当者が来ておりませんので、後ほど資料をお手元に差し上げたいと思います。
  36. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、きょうは課長さんでおわかりにならないのですが、ついでに申し上げたいので、あとでお伺いするときがありますから検討していただきたいのですが、たとえば、鉄の問題にしましても、日本に埋蔵されている砂鉄がどのくらいあるかをたぶん調査されていると思うのですが、前には調査されていたのですね。最近の数字がない。私も持っていないのですが、わが国における砂鉄なんかは、まだ十分といっては語弊がありますが、相当量埋蔵されてあるのですが、日本の砂鉄を製銑するというそういう機械設備が不幸にしてできていないために、砂鉄がそのまま死にっぱなしになっている。今日のような資源状況からいえば、こんなわずかなものでも、環境問題を考えながら、やはりある程度国内の砂鉄に適当した製鉄法なり新たな炉の設計を起こすなりというようなことも見直されていいのじゃないかと思うのですが、そういう点も、これは違った機会にまたこれを専門にお伺いしますので、ひとつ課題として伝えておいていただきたい。たいへんあるので、もったいないわけですね。これは資源全体を考えているからこういうことを言っているわけですが。  それから、先ほどどなたかのお答えで綿花が一、二%輸入しているだけだ、それは間違いないですか。
  37. 半沢治雄

    ○半沢説明員 綿花、羊毛ともに需要量の一〇〇%輸入でございます。ただ世界的に見まして、急激に増産ができるというものではございません。したがいまして世界の生産の増加が一、二%にとどまると思われます。したがいまして輸入の増加率で見ますと、今後大幅の増加を来たすことはなかなか困難性があるという趣旨で申し上げたつもりでございます。
  38. 原茂

    ○原(茂)委員 関係の方に最後にお伺いして……。これは食糧庁長官でいいのかどうか知りませんが、国際的にいま食いもの不足で、相当飢餓状態にある地域があると思うのですが、世界全体で言いますと、食糧のアンバランスというものはどんな状態になっているのでしょうか。人口の増と比べて食糧全体が一体どういうふうな推移になっているか。人口のいまのふえ方に食糧の生産が追いつかない。したがって非常にマイナスのアンバランスがきている。それがやがては日本にも直接間接に影響がもたらされてくるだろうと思います。そして日本が食糧の増産ができるなら、これをやはり足らないところへ回していくということも、国際信義の上から当然起こるのですが、一体世界全体の食糧と人口増の推移からいって、食糧がどの程度逼迫し、マイナスが予想されているのかということを、長官きっと御存じだろうと思うので、お伺いしておきたい。
  39. 中野和仁

    中野政府委員 突然のお尋ねなものですから、具体的な数字は私いま持ち合わせておりません。いろいろの研究がございまして、二十一世紀に入ると人口の増にとうてい食糧生産が追いつかないというような先の話でございますけれども、当面のことを申し上げますと、FAO、これは世界の食糧機構でございます。ここでいろいろな検討をしております。一時、たしか一九八〇年ごろにはかなり危機が来るのじゃないかというお話がありましたけれども、最近での見込みでは、そのころまでには穀類は大体供給は可能である、ただ肉類が不足ぎみになってくるというような話があるわけでございますが、ただ昨年は世界的に天候が非常に不順でありまして、ソ連がアメリカ、カナダその他から二千万トン近い買い付けをやるとか、あるいは中国がカナダその他から五百万トン買うとか、いろいろなことがありまして、と同時に東南アジアでは米が干ばつ、水害等のことでかなり不作でありまして、日本からも過剰米の輸出をするというふうなことが現状でございますが、気象的に見ましても、ここしばらく非常な不順な気候が続くのじゃないかといわれておりますので、われわれとしましては、穀類をはじめ食糧の見通しについてはかなり慎重に対処していかなければならぬということでございます。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 約束の時間がもう来てしまったので、長官に締めくくり的にいまお聞き願った範囲で御答弁願いたいのですが、現状を考えますと、食糧全体からいっても二七・八%くらいのものは今後とも輸入に仰がなければいけない。石油関係に至ってはもう一〇〇%、あるいは綿花、羊毛に至っても二〇〇%、鉄鋼の資源などにしてもこれからまた外国にずっと仰いでいかなければいけないというようなことを考えますと、冒頭に申し上げたようなわが国の貿易という立場からいったときの資源問題というものは、特別に取り上げて考えていきませんと、国民生活の安定的な存立とその平和を確保していこうという立場からいっても、これはどうしても無視できない問題なので、したがって防衛庁は、経済企画庁でやったらよかろうというのでなくて、やはり防衛という角度からいって相当大きな関心を持ち、組織的な検討を加えながら、わが国資源問題というものを防衛庁で取り上げていく、もし防衛庁が不適格だというなら、経済企画庁でよろしいというなら、そこで一元的にこの問題を国民生活の完全な安定確保という観点から常に監視をし、検討を加えていくという機関がないと、これはもう非常にアンバランスで、しかも民間の業者にほとんどまかされっぱなしで、売らんかな、もうけようかなの立場で動いている状態というものが大部分の状態である。だからわが国ほんとう意味国民生活の平和なり安定を確保しようという大事なこの資源が、しかも物によっては外国から輸入しなければいけないものが非常にある。しかも外国との取引が商売本位、もうけ本位で動いているというところにまかされている部門というものに何と何があるかを拾い上げて、国家的な見地で総合的な資源というものをどうしたら確保し、国民への供給がなされるかということを十分に考えていただきませんと、ただ防衛庁ではそこまでやってなかったというだけではいけないと思うので、私は防衛庁が適当だというのではないのですが、この機会にとにかく国の防衛という一面、資源を取り除くわけにいかない、資源というのは、やはり防衛一つの面なんだ、こういう考え方長官に強く認識をしてもらい、同時にこれが閣議で問題になるようにしていただいて、早急に国をほんとうに守るという意味での資源論、資源のあり方、資源をどう手当てするかを長期にわたって検討を加えていくという機関が、どこが適当か知りませんが、つくられるような努力をしていただきませんと、現在のように指導をする何をすると言っていながらも、ほとんど民間の大きな資本の動くままに、国民の生活の安定を確保するなんということは、眼中にあるといえばあるのでしょうが、実際の足あとを見ると、それとはほど遠いもうけ本位で動いているという状況を放置しておくわけにいかない。私はむしろ国家防衛論、愛する祖国を守るという立場からいっても、この資源というものをいまこそはっきりと、私がいま申し上げたような見直しを行ないながら、一つ機関が正式にこれを取り上げていくということを、国を守るという担当されている長官から発言をされながら、思い切って長官自身の構想なりができ上がって、それが国家的な検討を加えられ、一番適当な機関としてのこういう研究をし、あるいは推進をし、予算化も行なうというような機関がどうしてもつくられるような努力をしていただかないといけないのじゃないかという意味できょうは質問を申し上げたわけですが、最後にそういうことに対する決意をお伺いして、残念ながら時間切れで質問を終わりたいと思います。
  41. 増原恵吉

    増原国務大臣 お述べの御趣旨はまことにごもっともと思います。しかし、この問題は、何と申しますか、私どもの防衛庁任務というのは、法律で示されておるとおり、直接及び間接侵略に対してわが国防衛する。この意味のとり方はもちろん広くもとれるわけでございますけれども、いまおっしゃったようなことを防衛庁考えるということは、私はやはり国における分担という点からいっても適当でないように思います。しかし、そういう機能がきわめて必要であって、早急に適切な整備をすべきことは御趣旨のとおりと思います。これは現在ある機能、官庁としてはやはり私は経済企画庁ではないかと思いまするけれども、そういう問題をさらにおっしゃった御趣旨によって基本的に考える場合には、これは一つは行政管理庁でそういう問題を考えてもらうことが適当ではないかというふうにも考えるわけでございます。ともあれ、御趣旨のような資源問題を、広く国民生活確保し、将来にわたって福祉社会の建設ができるようにという意味資源確保するという問題がきわめて重要であり、それを計画的に深く掘り下げてやっていく、業者まかせなどにしないという方針はまことに重大であると思います。  御趣旨は私からも閣内において伝達を申し上げまして、仰せのようなしっかりした機構を確立するということに私も努力をいたしたい、かように考えます。
  42. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長代理 庄司幸助君。
  43. 庄司幸助

    ○庄司委員 防衛庁にお伺いしたいのでありますが、時間がありませんので端的にお伺いしますから、ひとつ簡潔な答弁をお願いしたいと思います。  四月二十一日付の沖繩タイムスあるいは琉球新報、こういった沖繩の地元紙で大々的に報道しているキャンプ・ハンセンの県道の問題があるのですが、その点で防衛庁並びに施設庁のほうにお伺いしたいと思うのです。  この記事によりますと、米軍がキャンプ・ハンセン地域内で演習をするため、喜瀬武原小中学校への通学路、これは県道百四号線になっておるわけですね。これを通行どめにするという通知が四月二十一日に村の当局のほうへ連絡があったそうであります。その通告を受けまして、喜瀬武原小中学校では、児童の下校時にちょうど当たるわけで、学校側としても安全対策の面で非常に苦慮している、こういうふうに伝えられております。これは、この間、記憶もなまなましいわけでありますが、ブルービーチの演習場内で日本の婦人が米軍戦車によってひき殺されるという事態が起きたあとだけに、非常に憂慮されているわけです。この通学の児童百人余が危険にさらされるわけでありますので、お伺いしたいわけですが、この通告ですね、一体だれがだれに対してどういう手続で通告したのか。報道によりますと、県当局はこの通告を受けていないようでありますが、非常に日本の独立性あるいは自主性を侵した一方的な通告がなされているようでありますが、その点で当局が知ってる情報、この点に関してひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
  44. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 沖繩のキャンプ・ハンセンにおきまする演習に伴いまして、演習の通告とあわせて演習場の中を通過しております県道百四号線の通行に対する一時的な規制の問題について通知をいたしましたのは御指摘のとおりでございます。この通知は、昨年の五月十五日、沖繩復帰に伴いましてキャンプ・ハンセンという施設、区域を安保条約に基づいて米軍にその使用を許すに伴いまして、日米合同委員会におきまして合意をいたしました、その合意の内容の中に演習に関しましての通報の取りきめがございます。その取りきめにしたがいまして、現地の演習使用部隊、すなわちキャンプ・ハンセンの管理部隊から那覇防衛施設局長あて演習通報が行なわれます。これに伴いまして、那覇防衛施設局長は関係の市町村にその演習通報を流すわけでございまして、今回の場合もその演習通報は、恩納村及び金武村に対して通報を行なった次第でございます。ただ、この演習通報の内容の中に、御指摘のような県道の一時的な通行規制と申しますか、そういう内容が伴っておりますので、今回あわせまして県のほうにもその演習通報の写しをお送りいたしまして、この道路の規制について御相談をした次第でございます。ただ冒頭に御指摘のありました喜瀬武原小学校の児童の通学に関しましては、これは百四号線の県道が恩納村から金武村のほうに通じているわけでございますが、喜瀬武原小学校の部分は演習場外にございます百四号の部分でございますので、喜瀬武原小学校の通学には今回の道路規制は支障がないものと考えております。
  45. 庄司幸助

    ○庄司委員 県道の問題ですが、いまの答弁によりますと、関係市町村には通知をしている。しかし肝心の道路管理者である県当局に対して写しを送ったくらいで済ませている。これは道路管理者に対する非常に侮辱であると同時に無視である、こういうふうに考えるのですよ。こういった肝心の道路管理者に対して単なる写しで終わっているという点に私は非常に問題があると思うのですよ。これは道路管理者である県知事を無視している問題でありますから、やはり日本の自治体の権利の問題ですね、重要な内容を持っていると思うのですよ。この点あなたは一体どういうふうにお考えなのか。それから今後こういった事態をどういうふうに改善していくのか。その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  46. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 演習通報という形で米軍から出まして、キャンプ・ハンセンにおける演習の通報を取りきめに基づきまして那覇防衛施設局長が行ないますのは、通常市町村ということになっておるわけでございます。ただ御指摘のように、今回の演習通報の中に百四号という県道の規制という問題が伴っておりますので、この通常市町村に通報として流します演習通報の写しを県に差し上げたわけでございます。しかし御指摘のとおり、県道そのものの規制の問題に関しましては、道路管理者でありますところの県と話すべきことが通常のたてまえでございますので、写しそのものは演習通報の写しとして県には差し上げましたが、県道の話そのものはあくまで県を主体として那覇防衛施設局としても御相談申し上げている次第でございます。
  47. 庄司幸助

    ○庄司委員 いまの答弁の最後のくだりはどういう意味なのか、ちょっと理解しかねるのですが、今後やはり通報した上に、県道ですから、あとでもまた申し上げますけれども、こういう一般公共の用に供せられる道路、これは去年の沖特委でも問題になっているわけですけれども、そういう一般公共の道路に対してやはり了解を求めるなり、地位協定の関係上は許可を求めるというわけにはいかないだろうと思いますが、やはり事前に了解を求めて、管理者が十分安全に通行できるような状態確保する、こういう措置を当然とるべきではないかと思うのですよ。その点どうですか。
  48. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 御指摘のとおり県道の交通規制ということになりますので、当然道路管理者と十分に調整を行なうことはもちろんのことでございまして、今回写しを送ったというのは演習通報の写しを送ったということで、御指摘のように、たてまえとして今回も十分お話し合いを行なっており、安全措置について十分県とも、あるいは米軍側とも話し合いを進めておる次第でございますし、今後ともそういう点については十分慎重に取りはからっていくつもりでございます。
  49. 庄司幸助

    ○庄司委員 この点はこれで終わりますけれども、昨年の沖特委の討議の結論からいっても、当然に、暫定措置としても、やはり県道でありますから、管理者である県当局の了解を得る、了解なしにはやらない、こういうふうに当面——これは当面のことですから、当面やってもらいたい、これを強く要請しておきます。  その次にお伺いしたいのは、この問題に関連して、先ほど言ったように県道百四号線だ。沖繩の県道を米軍がなぜ一片の通告で通行どめにできるのか。この点は一昨年の沖繩国会での討議の過程からいっても、いまだにこういうことが続いている、これは非常にけしからぬ話だと私は思うのですよ。その法的な根拠をひとつ示していただきたいと思うのです。
  50. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 安保条約、地位協定に基づきまして米軍にその使用を許します施設、区域の中を道路法上の道路が走るということは、通常の状態としてはできるだけ避けねばならないことだと思います。したがって、その道路部分は提供部分からはずすとか、あるいはどうしてもその部分が必要である場合にはしかるべき他の措置を講ずるという方法が考えられなければならないわけであります。  沖繩の場合、復帰の時点におきまして米軍の施設、区域というものを整理しながら、復帰後安保条約に基づいて引き続きその使用を認める範囲を日米間で取りきめます場合、国道等につきましては全部施設、区域から除外したわけでございますが、一部今回のような県道につきましては、物理的に施設、区域から分離するということができない部分が若干あったわけでございます。そこで、それらの県道につきましては、それぞれの施設、区域の取りきめの中におきまして、本来の道路の一般交通に支障を与えない範囲で、米軍側も、施設、区域の範囲には入っているけれども、それについて十分考慮を払う、そしてその道路の使用と施設、区域としての使用との間に調整を要する問題があったときには、その時点で日米間で十分調整を行なって、米軍側の必要な使用を認める場合に、一時的に道路の規制等を行なう場合もあり得る、しかしながら、原則としてはそういう道路の一般交通というものは確保するように米側もつとめる。そういうふうに復帰の時点において、沖繩の特性上話し合って取りきめを行なった次第でございます。
  51. 庄司幸助

    ○庄司委員 そうすると話が少し違うのじゃないですか。といいますのは、日米間でそうやってお互いに了解し合って、話し合いの上で規制をする、そういう話が行なわれたという御答弁なんですが、今度の百四号線の問題についていえば、一方的な通告で終わっているじゃないですか。これは話し合いがなされていたのですか。その話し合いの中で、あなたのほうでよろしゅうございますと答えてこうなったのですか。その辺ひとつお答え願いたいと思います。
  52. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 演習通報そのものは、取りきめの手続に従って米軍側から一方的に出てきたわけでございますが、その中の道路の使用につきましては当然調整を要する問題でございまして、十分安全対策等について措置が講じ得るかどうか、またそういった点について地元のほうの理解を得られるかどうか、そういった点について那覇防衛施設局としては県なり県警なりあるいは地元の金武村、恩納村等とお話し合いをいたしまして、一部恩納村側のほうから金武村の側へ通学等をされる中学生たちがあるようでございます。そういった点につきましても十分調整を行なっております。また演習の時間と演習を中止する時間の調整も米側と行なっておりまして、恩納村、金武村の間を走りますところの定期バスの運行時間は、その間一時間とか一時間半とか演習を中止するということで、何回かに分けた演習計画を立てているわけでございまして、そういった点もいろいろ現地において調整した結果の形となっているわけでございます。
  53. 庄司幸助

    ○庄司委員 その点でこれは琉球新報の伝える点ですが、喜瀬武原の小中学校の校長先生がこういう通知を受けて、「同小中学校では、授業時間との関係もあって取り扱いに苦慮している。」こう報道しています。現地ではこうやって苦慮しているのですよ。ところがあなたの御答弁だと、何ら心配はないという冒頭の御答弁があったのですが、これは現地の意向をさっぱりくみ取っていないのじゃないか、こういうふうに思うのですよ。その点どうですか。
  54. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 冒頭の御質問のときにもお答えしましたのですが、喜瀬武原小中学校に通学の児童生徒が住んでおられます地域も、学校の所在地も、いずれももちろんこのキャンプ・ハンセンの演習場の外側でございまして、しかもその通学のためにこの児童生徒が使用される県道百四号もキャンプ・ハンセンの外側、いわゆる北側のほうにある部分でございまして、この部分に関しましては、今回の演習の規制といいますか、そういった部分には該当しない部分でございます。したがって、これらの児童生徒の方たちの通学には今回の演習は何ら支障がないわけでございます。ただ私の想像しますところでは、これらの演習通報が伝わる過程におきまして、十分に村当局とか県のほうから学校に御説明が行き届かない間に、一部誤解された形で新聞記事等に出たのじゃなかろうか、そういうふうに思っております。
  55. 庄司幸助

    ○庄司委員 だからそういう点で現地、これは村当局もあるでしょうが、やはり一番影響を受けるこういう人々の了解が得られるまで慎重に協議すべき事項だろうと思うのですよ。厳重に今後こういう方向でやってもらいたい。  それから同時に、きょうもう演習が始まって、十時から通行禁止が四回も行なわれるという状況にあるのです。私は、当局が直ちにこの演習を取りやめて、地元の了解が完全に得られてからやるとかやらないとか、これを申し入れてもらいたい。これを強く要請しておきます。  次にお伺いしたいのは、外務省いらしていると思いますが、こういった県道の問題で、去年の十月十二日の沖特委での外務当局の発言であります。これは沖繩協定の問題ですが、「五月十五日の際の取りきめは、日本政府が必要な措置を完了次第公共用道路として開放するというのが日米両政府間の合意でございます。」こう言っていますね。この質疑応答は国道三百三十一号線の問題に端を発したわけですが、そういう中で公共用の施設については全部開放する、こういうふうな答弁もあるわけです。しかも衆議院の沖特で一昨年の十二月九日、西村国務大臣が「復帰とともに道路は返るわけでございますが、軍道として二百三十キロが復帰とともに返ってまいります。」こう答えておりますね。それから愛知外務大臣が四十六年二月十三日にこう答えています。「現在米軍が使っておりますところでも、沖繩県民の福祉の向上あるいは経済の発展のために欠くべからざる必要性というようなものについては、提供すべき施設、区域からこれをはずしたい、」こう明確に答弁しているわけですね。だから道路については提供しない、こういうふうに言っているわけです。その点が沖繩協定以来約一年になりますが、一年経過してまだこういう県道百四号線が施設の区域内にある。これはきわめて怠慢じゃないかと思うのですよ。その点こういった沖繩の道路について、まだ米軍の施設内にあって日本の管理権が及ばなくなるような事態が生ずる道路、こういった道路が現在一体どれくらいあるのか、これをひとつ示してもらいたいのです。それから日本の本土ではこういう道路があるのかないのか。もしあるとするならば、これも示してもらいたい。これをひとつお願いします。
  56. 平井啓一

    ○平井(啓)政府委員 具体的に沖繩におきまして、先ほど来問題になっております県道百四号のような施設、区域の中に含まれておる道路が何本あるかという点につきまして、ちょっと手元に資料がございませんが、私、昨年の五月十五日復帰に伴います日米間の施設、区域提供につきましての取りきめの作業担当いたしました立場で、当時の作業の過程におきまして、先ほど御指摘のありました返還協定に出ておりますところのいわゆる当時軍道と称せられておりましたものは、全部国道として施設、区域から除外しております。それから主要な県道もほとんど除外いたしました。ただ、キャンプ・ハンセンにあります百四号あるいは那覇空軍、海軍補助施設の中を走っております三百三十一号といったような、物理的にどうしても除外できないものにつきましては、これは施設、区域の中に含めざるを得ない。ただしかしながら、一般公共用の道路としてできるだけ支障のないような、道路管理者の主体性も持てるような形で施設、区域の中に含め、両立するような形にしようということで取りきめの際努力したわけでございます。沖繩におきましても、そういう公共道路が含まれているケースというのは、いま申し上げた以外、そう数はないと記憶しております。  それから本土におきましても、一部演習場の中に道路が走っている部分がございますが、キャンプその他の施設の中では道路敷としては残っているものはございますけれども、その他のつけかえ道路等の処置を講じまして、本土におきましては、そういったケースはただいま申し上げました演習場の中にある部分を除いてはないと記憶しております。
  57. 庄司幸助

    ○庄司委員 それではこの問題、沖繩のそういった道路、それから本土のいま言ったような道路、これの一覧表ですね、明細をひとつ委員会に出してほしいと思います。これをお願いしたいのですが、これは委員長にもひとつお願いをしたいと思うのですが、いいですか。——それでは次に移らせていただきます。  これは防衛庁のほうにお伺いしたいのですが、宮城県仙台市の三越というデパートがありますが、そのデパートが地元紙である河北新報の三月二十六日号の夕刊にこういう広告を出しております。これは三越が「円再切り上げに先がけて、大巾値下げ断行」などといううたい文句で、輸入品のバーゲンセールをやる、その中にはいろいろあります。メンズウェアであるとか、あるいは輸入キッチンであるとか、こういうデパートの商品の広告なんですね。この同じ広告の中身として「若き獅子たちがおとどけする芸術展」「陸上自衛隊(東北方面隊)美術展」三月二十七日から四月一日まで、七階の催しもの会場でやる。その中にヘリコプターの絵がかいてありまして、「松島湾をヘリコプターで飛ぼう」「期間中、中・高生の男女にパイロット適性検査を行ない合格者を先着順に、霞の目飛行場より、ヘリコプターで松島湾上空の体験飛行にご招待します。」何かデパートと自衛隊が共同作戦をやっておる。安売りの共同作戦に自衛隊が一役買っている。しかもさっきから前の質問者がいろいろ質問しておりました、石油が足りない、油が足りない。それなのにヘリコプターを使って体験飛行をさせる。しかも御丁寧に適性検査を行なって、名前も住所もみな聞いて、そうやってヘリコプターに乗せて遊覧飛行をさせている実態があるのです。これは国家機関自衛隊がある一つの私企業の宣伝に一役買っておる、商売に一役買っている、こういうようなことになると思うのですよ。こういうことを自衛隊がやっておること自体について、防衛庁長官どう考えますか。私企業と一体となってバーゲンセールの広告に自衛隊が参加して、あとの中身の問題はまた触れますけれども、こういうことをやっておること自体どう考えますか。
  58. 増原恵吉

    増原国務大臣 事情をいま私承知しませんので、まず官房長からお答えをさせます。
  59. 田代文久

    田代政府委員 事実を私から御説明いたします。  事実は、三月二十七日から四月一日まで、仙台の三越で陸上自衛隊の東北方面隊が美術展をやるということで、それに関連いたしまして先ほどお申し越しのございました広告という問題があったと思います。そういうことで、この機会を利用いたしまして、かねがね自衛隊といたしましては広報政策の一環として体験飛行ということをやっておりますので、そういうことをもくろんだようでございまして、一般市民とか大学生、高校生、中学生等につきまして、希望者について一般の心理適性検査をして差し上げた。その合格されました百八十五人の中から、さらにまたほんとうに乗ってみたいという希望のございました百四十三名について、霞目飛行場で三月三十日並びに四月一日にHU1Bというヘリコプータで十五分ばかり体験飛行をして差し上げたという事実でございます。
  60. 庄司幸助

    ○庄司委員 事実はいま申されたとおりであります。私企業の宣伝に自衛隊が一役買っておるという問題ですね。国費を使っておる国家機関自衛隊ですよ。こういうことをやっていいのですか。防衛庁長官、お答え願います。
  61. 増原恵吉

    増原国務大臣 事情はいま官房長から御説明したように、三越仙台支店で美術展を行なったということでございます。これは他の方面でも、デパートのあれを借りまして美術展をやることをいままでもやっておるわけでございますが、その際に、官房長から申しましたように、広報の一つとして従来体験飛行をやっておりますので、三越としては美術展をやることと一緒に宣伝をしたということであったと思うのでございます。私企業の宣伝に乗るというつもりはないわけでございまして、従来ともやっております広報の一環としての体験飛行ということで行なったというふうに承知をするわけでございます。しかし、御疑念がありますように私企業の広告に一役買った、そういうふうにとられますことは適当でございませんので、そういう点は将来とも十分気をつけてまいりたいと考えます。
  62. 庄司幸助

    ○庄司委員 将来気をつけるというのは、将来やめるということなのですか。その点をお伺いします。
  63. 増原恵吉

    増原国務大臣 体験飛行というものは将来ともやはりやっていくことが適当と思います。しかし、それが私企業の広告と思われるような、そういう形にはならないようにしたい、こういうことでございます。
  64. 庄司幸助

    ○庄司委員 では官房長に伺いますが、この広告代ですね。これだけのスペースがありますから、これは相当の広告代ですよ。これは自衛隊が出したのですか、それとも三越が出したのですか。
  65. 田代文久

    田代政府委員 広告代の分担まで私はまだ事実を知っておりませんけれども、おそらく三越がお出しになったんじゃないかと思います。
  66. 庄司幸助

    ○庄司委員 そうすると三越に自衛隊が利用されたというかっこうになりますね。こんなことで自衛隊があっていいのですか。その点どうです。
  67. 田代文久

    田代政府委員 見方がいろいろございまして、三越に自衛隊が利用されたということもございましょうし、結果としては三越がまた自衛隊に利用されたということもあるかもしれません。いずれにいたしましても、先ほど長官から仰せのように、私企業とあまり密着してそういうことが行なわれるということは、今後やはり自衛隊としましても考えていくべきだ、こういうぐあいに考えております。
  68. 庄司幸助

    ○庄司委員 では次に移りますが、この広告の中で、「松島湾をヘリコプターで飛ぼう」、体験飛行をやらせるわけです。この適性検査をやる、何か心理検査をやった、こういつておりますが、心理検査だけで、育ち盛りの小学生やなんかが肉体的に飛行機に乗って故障を起こす場合もあり得る。こういうずさんな検査だけでもって、親の承諾も得ないで、それでヘリコプターに乗せるということ自体どうなんですか。これは私は非常に危険だと思うのですが、この辺どうです。
  69. 田代文久

    田代政府委員 本件の場合調べてみますと、希望者につきまして一般心理検査を行なったということで、この心理検査の内容は、奥行き、遠近、それから処置判断調査、それから速度見込み調査、記憶調査、情緒安定調査、こういうことで、それをもとにして調査をして差し上げた、その中からさらに乗ってみたいという希望者につきましては、親御さんの、いわゆる親権者の了承を得まして乗せて差し上げた、こういうことでございます。
  70. 庄司幸助

    ○庄司委員 では伺いますが、自衛隊が宣伝のため、こういう公金を使っていろいろ飛行機に乗せたり、ヘリコプターに乗せたりしますけれども、この飛行機に乗せ、あるいはヘリコプターに乗せて万一事故があった場合、これは自衛隊の事故は相当あるわけですから、こういった場合どういう補償がされるのですか。これはわれわれとしては三越に、あなたのほうでこういう宣伝をして、もし事故が起きたら補償のほうはどうなんだと聞いたら、それはわかりません、こういうふうに答えているのですよ。これは三越もけしからぬ話だろうと思いますけれども、自衛隊のほうではこういう便乗者に対して、事故が起きた場合補償をするとか、あるいはしないとか、何か規定あるのですか。
  71. 田代文久

    田代政府委員 お答えします。一般自衛隊の航空機に乗るという場合につきましては、申請書の中に、事故による損害については、当方で一切処理し、自衛隊に迷惑はかけませんという一条項が入っておるわけでございます。それで、これは一般の通例でございますが、この事故による損害について当方で一切処理し、迷惑はかけませんということで、いわば損害賠償請求権の放棄というような感じに受け取れる条項がございます。それを出していただくことになっておりますが、この条項に基づいてどういうことが起こるかと申しますと、本人につきましては、もしかりに自衛隊側に故意または重大な過失があった場合には、自衛隊として責任を免れるわけにはまいりませんので、その場合には国家賠償法なり民法の不法行為の条項に基づいて損害賠償の義務があるということに相なります。  それからさらにまた、もし不幸にして落ちた場合には、遺族の方々につきましては、さっき申しました国家賠償法並びに民法の不法行為による損害賠償請求権がある、こういうことに相なろうかと思います。
  72. 庄司幸助

    ○庄司委員 だからその点で、自衛隊防衛庁は無責任だと私は思うのですよ。私は写しを持っていますが、「この塔乗にあたっては機長及び関係担当官の指示に従って行動し、事故による損害については当方で一切処理し、自衛隊に迷惑をかけません。」こうやって広告を出して、適性検査をやって、乗ってください乗ってくださいと宿屋の客引きみたいに子供さんたちを乗せて、あとで墜落して死んでも自衛隊には迷惑かけません、こういう一札をとって無理無理乗せる。これは非常に非常識な話で問題にならないと思うのですよ。こんな乗ってくれ乗ってくれといって墜落したら、あと私は知りません、こういう契約書をかわしている、これは私は非常に不当だと思うのですよ。その点、長官どう思います。
  73. 増原恵吉

    増原国務大臣 そういう契約書をとりまする形というのは、私そんたくしまするに、まだ日本が占領中である時代、米軍の飛行機に特別の場合搭乗を認めてもらうことがありましたが、その時分に、やはり事故があった場合に迷感はかけませんというふうなことをやっておったわけでございます。それを踏襲をしたのだと思います。しかしいま官房長が説明しましたように、この条項は故意、過失が自衛隊側にあった場合には適用されませんし、そうして一応そういう場合でない場合には、御本人からは請求をしないという約束でございまするが、遺族等からは国家賠償の請求ができるということでございまして、実際上このために不都合があったということはないように聞いておるのでございまするが、しかしその点、きょう御質問があるということで私も聞きまして、これはひとつわれわれとしてもいわゆる体験飛行、これはもとより希望者にあれするのでありまして、われわれのほうで乗らないか乗らないかというようなことは言うたてまえはとっておらないのでございまするが、希望者に乗せる場合でも、いま言った事故があった場合も御迷惑はかけませんというような条項は、これは検討することが適当ではないかというふうに考えますので、その点はひとつ検討をさしてもらいたい、かように考えるわけでございます。
  74. 庄司幸助

    ○庄司委員 長官、遺族が請求する、これは本人死んでしまっておりますから、請求しようにもこれはしようがない。これはきわめて自明なことですね。  それは一応さておくとしましても、米軍の占領下時代の慣習をそのまま続けているという点に、自衛隊がとかく、ぼくらもそう思いますが、対米従属性が非常に強い。米軍の雇われ軍隊だ、こういう話もあるわけでしょう。そういう米軍の占領中からの慣習をいまでも忠実に踏襲している、これは私は非常にけしからぬと思うのですが、そういう点はぜひ改めてもらいたい。  それからもう一つ最後に申し上げたいのは、こういった体験飛行とか適性検査、これには国民が非常に疑念を持っているのです。というのは、憲法違反の自衛隊がなかなか人が集まらない。あのライフルや何かでも、人員以上のライフルをかかえ込んで、この間新聞に報道されたとおりでしょう。なかなか人が集まらない。それで一ころのようにポン引きのような勧誘をやってみたりしたわけでしょう。それから地方自治体に対しては、宮城県の場合、たった二百二十万の自衛隊協力費をよこして、これを七十四市町村に分けて、一市町村当たり三万円足らずですよ。これでいわゆる自衛隊適格者名簿を作成させていた、こういう事実があるわけですよ。親も知らないでいる間に市町村長がかってに自衛隊適格者の住所、氏名、年齢、これを自衛隊のほうに連絡した、提出していた。御念入りな市町村では、成人式の日にシャープペンシル一本やるから体重と身長をはからしてくれ、こういうことまでやっているのですね。そういう中で体験飛行が行なわれている。私はこれは明らかに自衛隊の勧誘事業の一部だろうと思うのですよ。勧誘事業の一部の中で、さあお乗りなさいお乗りなさいといってすすめておいて、これは本人の自由意思で乗ったのだから、あと死んでも自衛隊に御迷惑をかけませんというような契約書を書かせている。ここに非常に問題があると思うのですね。だからそういう点で私は、こういった国費のむだづかいである自衛隊のいわゆる体験飛行であるとか、そういった問題はこれから一切やめてもらいたい。いま油が足りないのですよ。その点で長官、一言でいいですから答えてもらいたいのです。
  75. 増原恵吉

    増原国務大臣 募集についていろい行き過ぎ、不都合があったことについての御指摘を拝承いたしまして、私どもも十分気をつけまして、将来にわたってそういうことがないように厳重戒心をし、努力をしておるところでございます。体験飛行というのは、やはり自衛隊というものを広報するということの一つとして、私どもは必ずしも不適当なものとは考えておりません。やはり一般の人、特に若い人々に体験飛行をやってみたいという希望はなかなかにあるのでございまして、私どものほうで無理やりに乗ってくれというふうな形は、私はとらせておらないのでございます。これは私ども一としてはやはり将来とも自衛隊の広報という意味において適当にやらしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。しかし、その場合の賠償の責任問題につきましては、先ほども申したとおり、これはアメリカの占領時代の遺物としてということで、アメリカ一辺倒のあらわれだとおっしゃいましたが、そうではないので、アメリカ軍がそういうことをやる場合に使うやり方というので、私どもはそれを受け継いだわけでございます。私どもはそれは検討をいたしたいと考えておりますが、体験飛行については、これをやらせていただくことは必ずしも悪いことではないというふうに考えておるのでございます。
  76. 庄司幸助

    ○庄司委員 これは私は長官とだいぶ違いますが、体験飛行はぜひやめてもらいたいということを強く要望して、この項を終わります。  それから最後に、私は自衛隊による航空騒音の問題で簡単に伺いたいと思います。  北海道の千歳市の航空機による騒音公害、これは周辺地域住民、地方自治体にとって生活と健康を守る上できわめて重大な問題になっております。これは地元紙の報道のとおりであります。それから仙台市の霞の目という自衛隊の飛行場があります。ここでもヘリコプターの発着訓練がしきりに行なわれて、騒音問題が地域住民の大問題になっているのです。この航空機騒音については、いわゆる民間機についてはこれから規制が強まろうとしておりますが、自衛隊のほうは野放しの状態になっておるわけですよ。自衛隊として、防衛庁としてやはり公害を起こさないという気がまえが必要だろうと私は思うのですが、その点で、千歳の騒音対策あるいは仙台市の騒音対策、これは厳重にやる必要があると思うのです。千歳の場合は四十六年の二月に騒音調査をやりました。そうしましたら、受忍、許容の範囲といっている六十ホン、これをはるかにこえている。午前九時から午後三時までに七十ホン以上が九十四回、そのうちで百ホン以上が三十回以上あった。これはたいへんな騒音ですよ。まさにノイローゼになるような騒音ですよ。   〔綿貫委員長代理退席、木野委員長代理着席〕 こういうことが野放しにされているわけですが、この点、防衛庁当局として、やはり一般国民が公害問題でいまノイローゼになるくらい悩んでおりますから、おれのほうは知らないというような態度ではうまくないだろうと私は思うのです。この点で、自衛隊は、千歳の場合あるいは仙台の場合の騒音対策を具体的にとっていく必要がある。しかもF4Eファントム、これが四十九年度から千歳に配置される。マッハ二以上でしょう。こういうものの騒音というのははかり知れない問題になると思うのですよ。その点で、千歳の騒音の問題、仙台の場合、その他いろいろあるだろうと思いますが、これについて具体的にひとつ徹底的な対策をとってもらいたいと思うのですが、最高責任者である防衛庁長官の決意を伺っておきたいと思うのです。
  77. 長坂強

    ○長坂政府委員 自衛隊の騒音対策につきましても、それから在日米軍の騒音対策につきましても、かねてから防衛施設周辺の整備に関する法律の三条及び四条によりますところの学校その他の防音施設に対しましての補助事業、そういうもので、周辺整備法は四十一年にできましたけれども、それ以来やっておりますし、それ以前は特別損失の補償に関する法の運用によりまして実施してきております。それで千歳の騒音問題、これは実はもう一つ滑走路の南方への移動という要請もございまして、これは大臣とも御相談いたしまして、この夏までには方針をきめようという態度をとっておるところであります。  それからなお防衛施設庁のほうでは、周辺整備法の改正ということを考えまして、そして個人住宅に対する防音ということに対する法の改正案というものを今国会に提出しております。詳細は防衛施設庁の担当官から説明さしていただきますが、そのようなぐあいにいたしまして、それぞれできるだけ実情に合うような対策を講じてまいりたいというふうに考えて対処してきてまいっておるつもりでございます。
  78. 庄司幸助

    ○庄司委員 いまの御答弁で私は納得いかないのです。つまり音は出しっぱなしに出しておいて、あとは学校の、二重窓にしたり、施設を講じたりして若干の補助金を与える。この音の出しっぱなしを規制する問題について何も防衛庁考えていないのかどうかですよ。たとえば千歳の場合のF4Eファントム、これの飛行をやらせるのかどうか。あるいは現在使っている104J、この飛行が野放しにやられて、音の出しっぱなしになっている。こういう根本的な、音を出さない、薄める、この点を考えないで、二重窓にするための補助金をやる、電波障害の受信料の免除をNHKでやる、そういうこそくな手段で、防衛庁の公害に対する考え方ば私は非常に甘いと思うのです。その点長官どうですか。公害は発生源で規制するというのが原則ですから、その発生源対策をどうするのか、これをひとつ答えていただきたいと思うのです。
  79. 長坂強

    ○長坂政府委員 お答えいたしたいと思いますが、先ほどは騒音に対する防音対策という観点からお答え申し上げたわけでございますが、再度の御質問で非常にはっきりいたしたと思いますので、飛行場の運用と申しますか、航空機の運用に関しまして、騒音対策上どのような配慮をしておるかという観点からお答え申し上げたいと存じますが、それはまずは夜間飛行期間の規制をいたしております。それから人口の密集地域での飛行制限、つまり人口の密集しているところはなるべくこれを避けて通るような、そういう運用規制を一般的に行なっております。いま御指摘の千歳の飛行場におきましても、日没後約二時間以降の飛行訓練はこれを規制しております。それから札幌、苫小牧等の都市上空を避けて場周、飛行場のまわりを回って発着をするというような規制もいたしております。  それからなお、ジェット飛行場、自衛隊のジェット飛行場にはそれぞれ消音器を設けまして、騒音の軽減をはかるようにいたしております。  以上でございます。
  80. 庄司幸助

    ○庄司委員 終わります。
  81. 木野晴夫

    ○木野委員長代理 坂井弘一君。
  82. 坂井弘一

    ○坂井委員 報道によりますと、増原防衛庁長官は昨日四十九年度の業務計画の作成を指示したということでございますが、その内容につきまして、要旨は今回の場合、定員の増加あるいは充足が非常に困難である、したがって、そういう状況の中で装備とのアンバランス、これが目立っている、したがって、陸、海、空自衛隊の実情について反省と検討をするような内容の指示をした、これが非常に大きな特徴である。同時に、装備品の装備については、国産化の決定、これに当たっては慎重に対処せよというような要旨になっているようでございますが、いまのような内容、要旨と受けとめてよろしゅうございましょうか。
  83. 増原恵吉

    増原国務大臣 仰せのとおりでいいと思いますが、ちょっとわずかの時間ですから、指示いたしました内容の主たるものは、四十九年度業務計画を作成する際の主要な方針及び留意すべき点について指示をしたわけでございます。一般的な方針としては、四次防の第三年度である四十九年度は、各自衛隊の実情について、装備及び部隊の運用、教育訓練、後方支援体制などにさまざまな観点から反省と検討を行ない、部隊の任務遂行の円滑のために必要な施策を的確に実施すべきこと、次が災害派遣その他の民生協力、各種の安全対策、広報活動等を積極的に推進をすべきこと、そうして続いて、編成、募集、処遇改善、教育、装備、研究開発、施設整備、民生協力、安全対策及び広報の各事項について留意すべき点を述べておる、いま申されたこと、大体そのとおりでございます。
  84. 坂井弘一

    ○坂井委員 では私のほうから、いまの装備の関係につきまして、特に陸上自衛隊にしぼりたいと思いますが、この火器あるいは火砲類の品目別の現有数でございますね、これを私のほうから申し上げます。確認をしてください。  小銃につきましては、定数が十六万五千、保有数が二十三万一千、予備が六万六千ある、つまり余っているのですね。それから自動銃につきましては、保有数が三千六百、これは全部余っていますよ、予備。短機関銃につきましては、三千九百の定数に対しまして保有が八千六百、予備が四千七百。六十ミリ迫撃砲につきましては、定数百、保有が八百、予備がしたがって七百。七百五十ミリ無反動砲、これは定数、保有、予備と、以下同じような形で申しますが、二百、三百、百。百五ミリりゅう弾砲が三百八十、四百十、三十。七十五ミリ高射砲が三十、七十、四十。九十ミリ高射砲がゼロ、八十、八十。大体こういう現有数だ。私の手元の資料でありますが、間違いございませんか。
  85. 増原恵吉

    増原国務大臣 いまお述べになりましたとおりでございます。
  86. 坂井弘一

    ○坂井委員 そういたしますと、装備定数の設定の基準でございますけれども、この基準につきましては、いかような基準において定数を決定いたしておりますか。
  87. 久保田鶴松

    久保政府委員 この装備の定数は部隊編成の積み上げであります。したがいまして、たとえば小銃について申しますと、一個小隊が三個班からなるといたしますと、一班が十一名、それの小銃手が何名ということで、中隊それから連隊、師団というものを総合的に積み上げてまいります。これはたとえば大砲のほうで申せば、特科大隊につきましてもやはり同じことでありまして、下の部隊からの積み上げであります。そういうことで総数が出てまいります。
  88. 坂井弘一

    ○坂井委員 ほぼわかりました。  ただ小銃について申し上げたいのですが、この小銃の場合はいわゆる個人装備でございますね。したがってこの小銃定数の決定は、曹士、いわゆる小銃を持つ隊員、そういう曹士の定員と関連して決定するということもこの要素、基準の一つじゃございませんか。
  89. 久保田鶴松

    久保政府委員 さようだと思います。
  90. 坂井弘一

    ○坂井委員 それではお伺いいたしますが、先ほど申しましたように、四十七年度の場合、この曹士の定員が、曹士合わせまして十五万六千二百二十二名であります。これに対しまして小銃の定数が十六万五千、つまり定数に対しまして、先ほど申しました保有数が二十三万一千でございますから、余っているのは六万六千と、こういうわけでありますね。つまり三分の一がだぶついているということになります。これは返還されますか。
  91. 久保田鶴松

    久保政府委員 曹士の数字が基準になると思いますけれども、そのほかに考えられますのは、学校の備品、教材の関係、それから予備自衛官というようなものがございます。したがいまして、総保有数の中で、現在定数を差し引いたもの及び今後の予備自衛官の増員に見合うもの、そういったような差し引きをやりまして、なおかつ余ったものについては返還をすることになろうと思います。
  92. 坂井弘一

    ○坂井委員 では伺いますが、いま私が申しましたのは、定数に対して六万六千のだぶつきがある。ただしかしながら、この中には定員外にいまのような予備自衛官であるとかあるいは学校とか、そういう関係も必要だという御答弁でございます。しかしながら現員を見ますと、四十七年の場合、曹士約十三万四千ですね。そうしますと保有数が二十三万一千でございますから、実際のだぶつきは、この曹士の現員に限って見る限りは約十万余っておる、こういう計算になるわけですね。これは計算ですから間違いないと思います。  そこでいま返還という御答弁でございますが、しからば品目別にどういう返還計画をお持ちか、示していただきたい。
  93. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 お答えいたします。ただいま先生から御指摘を受けました各品目についてでございますが、基本的に言いまして、ただいま防衛局長から御説明いたしましたように、予備自衛官用もしくは整備予備用にどうしても最小限必要となるというようなものは一応除外いたしまして、私どもとしましては、小銃につきましては現在のところ、予備用としまして、御指摘になりました六万六千丁でございますか、このうち三万二千丁につきましては予備自衛官用もしくは整備予備用として必要であるとの判断をしておりますが、その他の部分につきましては、現在返還予定を立てておりまして、在日しております相互防衛援助事務所を通じまして、米側に対しまして返還の通知をいたすということを予定をいたしております。  自働銃につきましては、現在やはり三千六百丁予備がございますが、この中で約二千九百丁につきましては予備自衛官用として必要であるとの判定を加えておりますが、他は同様の処置によりまして返還するという予定を組んでおります。  短機関銃につきましては、四千七百丁の予備のうち、二千七百丁以外につきましては現在返還予定をつくっております。  六十ミリ迫撃砲につきましては、七百門ございますが、このうち四百門程度は現在のところ保有を予定しております。他の三百門につきましては、現在返還予定をつくっております。  七十五ミリ迫撃砲につきましては、現在百門余っておりますが、このうち二十門を残しまして、他は返還を予定することにしております。  百五ミリりゅう弾砲三十門につきましては、現在この必要量の整備を考えておりますが、まだどの程度返還するか、実は予定が立っておりません。  七十五ミリ高射砲につきましては、四十門ありますが、これにつきましては返還予定を全部考えております。  同様に、九十ミリ高射砲につきましては、八十門余っておりますが、現在全部返還手続を実施している最中でございます。  以上のような趣旨でございます。
  94. 坂井弘一

    ○坂井委員 いまの御答弁を整理いたしますと、小銃につきましては、六万六千のだぶつきで余っておる。この中から三万二千返して三万四千残す。自動銃につきましては、同様に三千六百のうち二千九百を残しまして他は返還でありますから、七百は返還する。短機関銃につきましては、同様に返還は二千、六十ミリ迫撃砲につきましては、返還は三百、七十五ミリ無反動砲につきましては、返還は八十、それから七十五ミリ高射砲につきましては四十返還、九十ミリ高射砲につきましては八十返還、こういうことになるかと思います。  そこで、この供与武器の返還の手続につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定第一条に基く装備の返還に関する取極、これがございますね。この取りきめによって、先ほどの御答弁のとおり軍事援助顧問団を通じて通報する、こういうことに相なっております。つまり余剰した武器、必要のなくなった武器、これは返還いたしましょうという趣旨の取りきめであります。したがってその手続をとらなければならぬ。しかるに、手続は予定しておるということでございますが、いつ通報の手続、返還の手続をおとりになりますか。
  95. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 お答えいたします。ただいま各種の武器につきまして返還予定をつくっておりまして、中にはもうすでに手続に入ったものもございます。私どもは、ただいま先生も御指摘の返還に関する取りきめに基づきまして、相手方に通報するわけでございます。その際に現実にやっておりますことは、もうすでに関係者から相手方の事務当局に事実上の打ち合わせを進めてきております。ただアメリカ側におきましては、武器の返還、取得に関しまして、どのような武器がアメリカ側で返還を必要とする、あるいはこれはもう返還をしてもらわなくてもいい、このような判定が事務的に出まして、それに基づきまして取りきめに基づく正式の合意を得るわけでございます。現在事務的に話しておるもの、正式に向こうとの手続に入ったもの、それぞれございます。その内容につきましては、なるべく早く相手方の判断も得たいと思っておりまして、くずにするものはくずにして処分する、それ以外の返還を要するものについては、たとえば船積みを要するものについては、米側が指定いたします日本側の港におきます船側渡し、船積みを要しないものについては、指定地点でありますとか、このような手続によりまして実施してまいりたいというふうに考えております。
  96. 坂井弘一

    ○坂井委員 先ほどの返還予定についても、私は非常に疑義があると思うのですね。長官もよくお聞きいただきたい。先ほど長官の御答弁をいただきましたが、このアンバランスの武器の返還ということにつきましては、ただいま御答弁にございましたが、アメリカ側が返還を要求するかどうか、そこの辺のところもあるというような趣旨の御答弁もございました。私はむしろこの取りきめの内容からすれば、余ったものは日本側が自主的に判断をして米側に返還の通知をする、こういう内容になっているはずなんですね。しかるにいまのような御答弁では、なるほど返還しなければならないとしながらも、やはりアメリカさんの側もあることなんだからというような、どうももう一つ返還に踏み切ろうとしないような、そういうお考えがあるのではないかということがうかがわれるわけでございます。  そこで、その問題はさておきまして、ひとつしぼって、焦点を当ててみたいと思いますが、この供与されました小銃、これはM1小銃、九九式小銃、カービン銃、騎銃ですね、この三つであります。これにつきましては先ほど長官の御答弁の国産化の方向というようなことの検討という中で、豊和工業がこれにかわる新しい小銃を国産化しておる。それは六四式七・二ミリ小銃、これに切りかえておるわけですが、防衛庁は年々調達をしてまいりまして、私のいま手元の資料によりますと、四十七年度末までに十四万二千三十四調達される、こういうことになると思うのですが、そのとおりでしょうか。
  97. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 六四式の小銃につきましては、この七年間、年度間一万八千丁調達をしておりまして、それに二万五千丁を加えますと十五万一千丁でございますか、という計算になろうかと思います。ちょっといま早急の計算でございますので、失礼いたしました。
  98. 坂井弘一

    ○坂井委員 つまり四十八年度九千加えますと十五万一千になる、こういう勘定になると思いますね。
  99. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 そういうことでございます。
  100. 坂井弘一

    ○坂井委員 そういたしますと、いま小銃の定数が十六万五千ですね。国産の分は十五万一千、こういうことになります。あとどうしますか。国産化しますか、しませんか。
  101. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 ただいまの先生の御指摘でございますが、御承知のとおり、六四式小銃と現在持っておりますM1ライフル及びカービン関係でございますが、口径はいずれも七・六二ミリでございますが、薬きょうの長さが、爆発力からいいまして、実はこれまで供与を受けた米軍のものとは違っておりまして、いままで供与を受けたものでは新しい六四式小銃にはたまが入りません関係からいいまして、なるべく早い時期に既存のものはできるだけ現実の使用から落としまして、できる限り必要最小限以外のものは処理をしていきたい、返還をしていきたいという趣旨で実は先ほど御答弁申し上げた次第でございますが、六四式小銃につきましては、いまのような事情からいいまして、やはりこれを一般的に全軍に配賦できるようにいたしたいということを考えております。
  102. 坂井弘一

    ○坂井委員 私の質問の趣旨は、十五万一千からまだある国産化するのですか、しないのですかという質問なんです。
  103. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 失礼いたしました。ちょっと質問の趣旨をはき違えまして……。十五万一千丁までで終了することとしたいと思っております。それ以後は国産で生産しないというふうに考えております。
  104. 坂井弘一

    ○坂井委員 長官に伺います。  つまり、この小銃に一応限って私申し上げたわけでございますが、小銃は国産化は十五万一千で打ち切る、こういう局長答弁であります。そういたしますと、小銃の定数が十六万五千であります。定数が多い。ただ十五万一千の国産の小銃以外に米側から供与されたものを幾らか残しますね。したがって、そういう点で定数を合わそう、こういうお考えだと思いますが、その供与された小銃につきましては、先ほど指摘いたしましたように、あるいは御答弁にございましたように、すでに六万六千も余っておって、予備自衛官、整備予備として三万二千を残して他は返還する、つまり三万四千返還する、こういうことでありますが、そこでこれは私は、むしろ返還につきましては、六万六千余ったものをそっくり返せばいいんじゃないか、全部残す必要はない。あるいはそれが全部返還が無理だとするならば、少なくとも返還予定の三万四千をもっとふやすべきではないか、もっと返還してもいいじゃないか。持っておっても使わないでしょう。武器庫に眠っておる、持ちぐされみたいなものです。じゃまにならぬからという説もあるかもしれませんけれども、倉庫だって要ります。これの維持管理も要ります。したがって、不必要なものは返還するというのは私は筋だと思いますし、また日米の取りきめの内容からいたしましても、当然そうあるべきだと思う。  そこで一点長官にお伺いいたしたいことは、この装備品の編成表、定数表でありますが、これはなかなかやはり国防に対する機密ということでもって適当な資料を御提出いただけないらしい。主要なものにつきましては一部ちょうだいいたしました。しかしこれを見る限りにおいては、私どもの判断ではいかんともできない。判断できない。長官に伺いますけれども、この定数表を改正されたらどうですか。つまり定数が多過ぎるという感じを深くするわけであります。いかがでしょうか。
  105. 久保田鶴松

    久保政府委員 この定数は、陸上自衛隊の場合には、先ほど編成表基準を申しましたが、その編成表自身がいわゆる十八万人を基準にする編成がもとになっております。先ほど先生がおっしゃいました曹士の数字は現員であったかと思いますけれども、現員に比べますと、その差がだいぶふえてまいりますけれども、いざという場合に十八万人の体制で防衛に当たるという場合にその十八万を基準として装備を持っておりたい、これが自衛隊の、陸上自衛隊でありますが、設立当初からのものの考え方であります。したがいまして、戦車などのように若干のものは十八万体制の定数に満ちておりませんけれども、他のものは大部分十八万ということを基準にしております。十八万を基準にして物を整備すべきであるかどうかということについては、問題がないわけではございません。しかも現在のところ、古い兵器、装備が相当ありますから、そういった点で検討する必要があると思いますけれども、従来いわば陸上自衛隊の金科玉条として、かりに十八万人の人がいなくても、人はいざというときには集められるから、物だけは整備しておきたい、こういう考え方でまいっております。
  106. 坂井弘一

    ○坂井委員 非常に矛盾がございますよ。では、お尋ねしてまいりますが、弾薬が要りますよ。鉄砲だけでは何にもならぬわけです。たまがなければ飛ばない。そこで聞きますが、いまの供与されました小銃の弾薬、つまり七・六二ミリ口径三〇弾というやつですね。現在どのくらい保有しておりますか。
  107. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 たまでございますが、四十六年度末の保有量は、トン数にしまして約百六十トンであります。発数にしまして約四百十万発でございます。
  108. 坂井弘一

    ○坂井委員 百六十トン、四百十万発ですね。いつまで使用できますか。消費です。いつまでに使ってしまいますか。
  109. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 年間の消費量は約百九十万発くらいでございますので、この分量であと二、三年というふうに考えております。
  110. 坂井弘一

    ○坂井委員 伺いますが、そういたしますと、先ほどの弾薬、いまのこの供与された弾薬を使用する供与の小銃、これが予備自衛官といたしまして、同時に整備予備として三万二千丁残しますね。返還しない。この三万二千丁の弾薬の補給はどういたしますか。四百十万発は二年でなくなってしまいます。
  111. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 六四式小銃がまだ生産を続けておりますので、四十八年度におきましては供与品であります。四一ライフルでございますが、このほうの使用はその分だけ超過になってくるわけでございます。不用になってくるわけでございますが、したがいまして、現在のところ四一ライフルと六四小銃のたまは、先ほど触れましたように、薬きょうの点から違いますので、四一に使います分は落ちてまいりますので、現在のところ、ただいま申し上げた数量ですぐなくなってしまうというようには実は考えておりません。ただ、これが数年先までいつまでも使えるというふうにはむろん考えておりませんが、それによってすぐ四十八年度中にもなくなってしまうというふうな事態には至らないというふうに考えております。
  112. 坂井弘一

    ○坂井委員 ではいまの供与小銃の七・六二ミリ口径三〇弾、これは補給がつくのですか、つかないのですか。その辺はどうなっていますか。
  113. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 ただいま御指摘の四一ライフルにつきましては、たまをつくらせればむろん補給がつくことは可能でございますけれども、旧式銃につきまして、それ用のたまをつくらせるという予定は現在全く考えておりません。
  114. 坂井弘一

    ○坂井委員 つまり補給はつかないのですね。
  115. 山口衛一

    ○山口(衛)政府委員 はい。
  116. 坂井弘一

    ○坂井委員 私はここで長官に申し上げたいことは、つまり三万二千丁残すというのですよ。供与の小銃を三万二千丁もです。三万二千丁の小銃のための弾薬というのは相当量要るはずなんです。補給がつかないのです。いまあるのは四百十万発。平時の消費量からいうと、大体二年ちょっとでたまがなくなってしまって、補給がつかない。それでもって小銃だけ供与品として置いておる。しかも日米取りきめにおいては、これは返還しなければならぬ。自衛隊の定員は陸上十七万九千と踏んでおりますけれども、現員はどうかというと、集まらないわけですね。しかもこの小銃を持つ曹士、兵隊さんの充足率は御承知のとおりなお八〇%に満たない。そういう非常に大きなアンバランスがある。武器はどんどん余って武器庫に眠っておる。その返還の手続においてようやく三万四千丁ばかりは返還しましょう、それもまだ手続をとったかとっていないか、先ほどの答弁では非常にあいまいである。中にはとったものもあるけれども、いままだ米側との関係において折衝しなければならぬ分もある、こういう御答弁です。  先ほど冒頭に長官にお尋ねいたしましたように、昨日長官は、確かにそうした四十九年度のこの業務計画の作成にあたってそうした現員とそれから装備のアンバランス、これらは検討を加えなさい、またこれは反省の上に立った検討でなければならぬという趣旨の通達を長官が陸海空各幕僚長に対して出された。私はその限りにおいてはこれは全く当を得ていると思うのですね。したがって、ここで最後にお聞きしておきたいことは、つまりこの余っておる、たとえば小銃の場合においても六万六千、これはやはり全部返還すべきではないか、こう思うわけです。まず第一回として三万四千を返還する、残っている三万二千については、これも逐次返還計画を立てて返還して、そしてつまりゼロという形を目ざす計画を立てる、こういう必要がいまの弾薬の関係からいたしましても私はあると思うのですね。大臣、いかがでしょうか。
  117. 増原恵吉

    増原国務大臣 供与されました武器の返還については、数字は仰せのとおりでございます。実はこれはもう、何といいますか、旧式で、アメリカへ返しましてもアメリカは使い道がないものですから、向こうでも一向返してもらいたがらないというふうなことで、少しルーズになっておるようでございます。御質問があるということでその点検討いたしまして一さっき申し上げましたのは従来持っておる計画でございまするが、これは御指摘の趣旨を十分体しまして、返還のあれを少し検討して、もっと多く返すように、やはり予備を若干持つということはいたしたいと思いまするが、きょう申し上げました数字よりはもっと多く、ことに小銃につきましては返還するようなことにいたしたいというふうに考えております。
  118. 坂井弘一

    ○坂井委員 御答弁の趣旨としては了解いたします。  ただ、時間がございませんので、最後にひとつ資料の要求をいたしたいと思いますが、これはひとつ御検討いただきたい。つまり主要な火器火砲及び弾種別の定数表の提出を求めたいわけであります。これは防衛に関するかなり重要な機密というような計らいをしているようでございますが、でき得る範囲内において提出を求めたいと思いますので、ひとつ御検討いただきたいことを申し上げまして、質問を終わります。
  119. 木野晴夫

    ○木野委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。   午後零時五十七分散会