○佐藤(文)
政府委員 お答え申し上げます。
昨年私就任して以来、新谷運輸
大臣から
成田空港の開港が四十六年の四月一日の
予定が大幅におくれたので、
一つ一つ問題点を詰めてやれ、こういうことの御指示をいただきまして、ずっと
成田空港が一日も早く開港するようにやっているわけでございます。だんだんと
問題点が煮詰まりまして、パイプラインの問題とか鉄塔がまだ滑走路の前方に立っておる、その妨害鉄塔の問題とかいろいろ
問題点がずっと煮詰まってまいりました。
ところが、さらにいま
一つ大切なことは、御承知のとおりにアクセスの問題を早急に取り上げねばならぬということで取り上げていました。これは
成田空港開港時において三万人から三万五千人の乗降客があることを想定して、首都圏の東京周辺から
成田までお客さんが行く、おりたお客さんがこの首都圏の目的地に到達する、このアクセスの問題について
検討をずっと半年ばかり続けてまいりました結果、道路網にいたしましても鉄道輸送の問題にいたしましてもバス輸送にいたしましても、いろいろと準備はいたしておりますけれども、開港時にアクセスの問題を片づけて、お客さんに満足して短時間で飛行場に着くということが非常に困難な状態であるということが察知されるわけであります。特にたとえば
成田が開港しまして、
成田から札幌まで時速八百キロで走ったとする。ところが東京から
成田まで一時間半、それから札幌の飛行場から札幌の市内まで一時間半、四時間ということになりますと時速二百キロということになるのであります。それをいかに短縮するかというのが、国際的に、空港の位置の決定とアクセス問題ということが航空行政において非常に大きな問題なんです。
そこでこのアクセスの問題について、一挙にいまの羽田の国際便、現在
外国線は一日平均百四十八回離発着しております。この三十社に及ぶ国際航空
会社、一日百四十八便という離発着、これを一挙に
成田に持ってくるというのがいままでの原則でございます。現在もそれを貫いているわけであります。
大臣にこの報告をずっといたしましたところが、これはやはり重大なことである。したがってこれは閣議で取り上げる重要な問題であると思う。これを一挙に持っていくかあるいは羽田を国際線飛行場として残すかということはまた重要に考えなくちゃならぬ。したがって、
成田と羽田を国際線の飛行場にする、両方することも考えねばならないねえという程度の発言を慎重にしたわけでございます。これはもしも二つにかりに分けたとすれば、CIQの問題を両方に分けなくちゃならぬ。現在はもう
成田に一挙に持っていくということにしておるわけですから、その問題もありますし、人員の問題もありますし、それに関連する企業がたくさんございまして、たとえばグランドサービスの
会社なんかは、国際線のサービスをするためには、
成田だけで準備しておったのが、また羽田もなれば両者使わねばならぬ。非常に
影響するところが大きいものですから、
大臣としてはそういうことも考えねばならないね、こういうお
考え方を新聞記者会見でやったわけでございます。したがって、まだこれを両方残すということを決定したわけじゃございません。いま、言うならば、国際線は一挙に
成田に持っていくのだ、そして羽田はこうするのだとしておるが、アクセス問題を考えると、一挙に持ってくるということはサービス面において非常に
問題点が多くなってくる、こういう点で
大臣の御発言になったわけでございます。
そこで、この問題と、いま先生が言われました日中航空
協定に伴うところの中
国民航と中華航空との
問題点とからみ合わしたわけではございません。これはアクセス問題から出した問題です。それとは違った時点で、日中航空
協定は現在外務省当局と御相談申し上げて、一日も早く航空
協定が結ばれるように努力しておる、こういう現状でございます。