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大平国務大臣 せっかくの御質問でございますけれ
ども、いま申し上げましたように遠からず本交渉に入らなければならぬわけでございまして、外交交渉というものはその過程におきましては一応
政府におまかせをちょうだいいたしたいと思うのでございます。
しかし、それだけ申し上げておるとまた木で鼻をくくったようなあいさつになりまして、おしかりをちょうだいすることになるわけでございますので、私がこの段階で申し上げられることは、日中航空
協定であるということでございます。したがって、日中間が相互主義の原則を踏まえていま御
指摘のような問題についてひとつルールをつくっていくということなんでございますので、それをどの空港をどうする、どの航空会社をどうするという具体的なことになりますと事柄はたいへんやっかいになってまいりますので、交渉の道程におきましてはそういった具体的な問題に触れることはひとつごかんべんをいただきたいと思うのでございますが、先ほど申しましたような原則を踏まえてまいるということが一つでございます。
それから第二番目の問題は、あなたも御心配いただいておる日台航路の問題なんでございます。この問題は、
協定自体からいうと
協定の中に入らない問題なんです。
協定のどこにも出てこない問題なんでございます。現に日台間には
政府間の航空
協定はないわけでございまして、会社
関係、航空会社の契約に基づいて運営がされておるわけでございまして、この問題は今後もこういう形のものになるわけで、それ以外に道はないわけでございまして、
協定に書き込めるという性質のものではないわけでございまして、事実上の問題としてどのように配慮していくかという課題であろうと心得ておるわけでございます。したがって、私
どもといたしましては日中間の理解と信頼、そういうものをそこなわないようにしなければなりませんが、同時に、日台間に現にあるところの輸送需要というものをできるだけ果たすようなくふうも同時にしなければならない、この二つの考慮の中でいろいろ
検討を進めておるわけでございます。
日本の空の
事情も御案内のように相当ふくそうをいたしておりますだけに、航空技術的な
検討ということが非常に大事なわけでございますので、専門家の御
参加をいただいて、そういった点に遺漏のない
検討をいま続けておるということで御承知を願いたいと思います。