○影井
政府委員 お答え申し上げます。
ただいまの
加藤先生御
指摘のとおりに、最近の国際
関係と申しますかは、従来のように国際の安全と平和の維持ということの重要性、これはもちろん変わっておりませんけれ
ども、そのほかに国際的ないろいろな交通、通信手段の発達ということを通じまして、
世界の
諸国の
関係というものが非常に密接になってきている、その面から特に経済面それから社会面におきましてますます緊密の度を加えているということが言えるかと思います。こうした国際的な経済面、社会面の
関係がますます密接になってくるということは、反面におきましてその間のいろいろ調整が必要になってくることも同時に伴っているわけでございます。ただいま
先生御
指摘のとおりに
国連関係におきまして、これは国際連合自体と、それから国際連合のいわゆる
専門機関、この経費の面から見ましても、出費の面から見ましても、御
指摘のとおりに大体その九割方の金額は国際的な経済、社会面の調整と申しますか、あるいは
発展途上国の
開発のために使われているという現状でございます。
私
ども国際連合を見ておりまして、その国際連合の本来の任務と申しますか基本的な任務は、依然として国際の平和と安全の維持にある、これは変わらないと思います。ただ、この目的のために国際社会における経済面、社会面の重要性というものが非常に増してきておるというのが現状であろうかと思います。その
意味におきまして、
国連が持っております三つの
理事会のうちの
一つ、この経済社会
理事会の重要性がそれに伴いまして非常に増してきておるということであろうかと思います。たとえて申し上げますると、各国の間の貿易の重要性はもちろんのことでございますが、われわれ人類に残されております
最後のフロンティアと呼んでおります海洋問題、あるいは宇宙空間の問題、さらには環境の問題、こういった問題すべてを取り上げておりますのは経済社会
理事会でございまして、いよいよその重要度を増しております。そしてこの経済社会
理事会の活動を通じまして、
最初に申し上げました国際社会の経済、社会面の調整機能ということが果たされる。これはすなわち、
国連の本来の目的である国際的な平和と安全の維持、これに寄与するゆえんである。私
ども国連の経済社会
理事会の活動、その重要性というものを大体そういうふうな見方で見ておる次第でございます。