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和田参考人 松代
地震以来、ことしの春まで
地震学会で一年に一回以上、私独自の
地震に対する原理をアプローチしてまいりました。ことしの秋からは
地震予知に関するアプローチをいたすつもりでございますが、松代
地震の場合に多少、災害
地震の
ような場合に
予知能力を持つことができたということ、それから
地震域が大豊作になるという
ようなことも、室町三丁目の長野県の
東京事務所、それから長野市役所の場合には、時間がなくて言わなかったかもわかりませんけれ
ども、とにかく長野市に行って松代地方でも私がそういうことを申したものですから、その年の、一九六六年でございますけれ
ども、三月はとても寒かったために、リンゴの花の咲き方がおそかった、施肥とか手入れが
地震のために悪くて、とても大豊作などということは信じられない状況のもとで、私がその
ようなことを言ったものですから、だいぶ笑われましたけれ
ども、後ほど申し上げる
機会があるかと思いますが、
地震エネルギーが超音波エネルギー、超音波現象にそっくり置きかえてみることができるという私の原理から見ますと、超音波エネルギーは作用の
一つにたん白質の変性という作用を持っております。それと松代
地震が群発
地震になるゆえんは、新潟
地震であるとか、福井
地震であるとか、その他の
地震でもってあの地域の地下の岩石がひび割れを生じていたのではないか。この超音波の伝わる伝わらないという点からそういうふうに見られたわけでございます。
それから見ますと、いまの
日本の
地震学、関東大震災の五十周年でもありましたから、最近はジャーナリストの方たちも大々的に報道されておりますけれ
ども、
地震について
地殻変動説でほとんど一本にしぼられている。私はこれほどきれいに
地殻変動説一本にしぼられていることに対して、根底からのおそれを持っているものであります。実は、東大の名誉
教授であります坪井忠二
先生は、
地震体積説を提出されまして、いまだに撤回なさっておりません。撤回なさっておりませんということばはとても失礼でございまして、提出なさっております。一週間ほど前にも、NHKのラジオの第一放送でもって
地殻変動説に対する
一つの矛盾点をあげておられました。
活断層が
地震を起こすものなれば、
地震の前に起きる前震は
活断層に沿った地域で起きなければアブノーマルである。御承知の
ように、
地震が起きる前の前震は、
断層から離れたところで起きることのほうが多いのでございます。
それから、私から申し上げますと、結局
地震観測、
地震の
研究は、重力場を根底理念として、原理として
日本で始められて、ことしが百一年目に当たりますが、
地殻変動説、すなわち重力場また万有引力の概念というものは、私の見るところ、どうも自然現象とは矛盾している。御承知のとおり、万有引力の概念でまいりますと、新月の場合は引力の作用は、太陽、月の引力が合成された形になりますので、潮位はマキシマムの方角になるはずです。それから満月の場合は、満月時は月と太陽の引力が双方に割れますので、新月時に対してはミニマムの方向にならなければいけない。しかしこれは「海辺の気象暦」、
日本気象協会発行のものですが、
東京、川崎、横浜、すべてのところが一年のうち六カ月は矛盾現象を示しております。満月時のほうが値が大きい。満月、新月時を前後を含みまして三日ずつ集計したものを比べてみましても、やはり一月、二月、九、十、十一、十二という六カ月は満月時のほうが値が大きい。その後、私一人の調べですからたいした調べもできませんですけれ
ども、海流の変化だとか、それから温度の変化という
ようなもので、そういうものがアブノーマルさを示すということが立証されるかどうかということを、少しですが調べてみましたけれ
ども、その月に対してそういう確実な立証はできないという
状態でございます。
それから、
地殻変動説は、結局万有引力を基本概念にしておりますから、
地震を力学的に見ておるということでございます。私、後に申し上げる
機会があると思いますが、超音波現象に置きかえてみるという
地震のメカニズム、プロセスの根底となるものは物理現象になってまいります。プレート・テクトニクスととても結ばれやすかったという点もあると思いますけれ
ども、
地殻変動、すなわち一方的な力に対して
地震変動は四象限の
変動を示します。ですから、力が逆方向に向いたときには一方的な力に向かった方向に
変動のベクトルが向く。こういうことがサイクル的に繰り返されるということはやはりなかなかむずかしいんではないか。松代
地震そのほかいままでの
地震を調べましても、
地震の震源が帯状であったことは一度もない。
活断層が
地震の
原因ならば、震源は当然帯状であってしかるべきだと思います。
つい最近発行されました「諸君」の十月号にも、「
日本の
地震学は間違っている」森本良平、間違っているというタイトルでもって、東大
地震研の森本
教授は、
日本の
地震学が根底にやはり素朴
地震の発光現象をファクターの重要なものとして入れなければいけないのじゃないかというふうに書かれておりますが、これは磁性消失という現象も
日本で安政
地震の際にもはっきり認められておりますし、中国では、一八〇〇年近くになりますか、後漢の時代にもう張衡という人がそれを利用したものをつくっている。利用したものをつくるほどでございますから、もうそれまでに現象として何度も見られている。私は古文書や古記録の現象に対しては、そういう見方をいままでとってまいりました。それから、西欧においてもその現象は見られている。
発光現象にしましても、東大
地震研の嘱託でおられました武者金吉氏が、教育者を
中心に二千七百七十二の現象を集めておられる。しかも福井
大学で
地震学会の総会がございましたときに、松代
地震に関する発光現象を、カラー
写真も交えて、栗林享さんという歯医者さんが、患者さんをそっちのけにするほどの熱心さでもって昼夜
写真をとり続けて、六十八枚ほど実際に報告されておる。えびの
地震の発光現象も、白庄司正雄さんという方が福井
大学に出かけて報告されている。西欧におきましても、イタリアの
学者が数千というものを集めておられる。また、私が地方を回って素朴実在論的に聞きましても、
日本の老人には、電灯など全然なかった時代の人が、私が回った二十代、三十代にはまだずいぶんおられました。そういう人は、発光現象が、電線のスパークなど電線がないところに起きるはずはないという、こういう素朴実在論的な話は地方に多々ございます。
それから、松代
地震の際にも、長野県のきこりさんの山本佐一さんという人は、ヘビやミミズが
地震の前には反対方向に向かって逃げる。関東大震災の前にも、
千葉県の木更津の浜べには畳九枚を重ねただけ浜に小イワシのシコが上陸して逃げている。深海魚も浮いている。深海魚が浮くということも、東大のその方面の
先生がおっしゃっておられる。こういう現象を、過去の
地震学は、西欧の力学的な重力場という見方でもって、迷信説としてみんな捨ててくる
ような立場に立ってしまった。いま公害現象などにおいて、もう一回自然との新しい対話を始めなければいけない、そういった哲学的なファクターを入れなくても、こういう世界的な規模で磁性消失、退潮現象、発光現象、回折現象、そういうものがもうはっきりと数多く見られています。
退潮現象な
ども日本海側で見られているという。鰺ケ沢
地震でありますとか、佐渡の
地震でありますとか、浜田
地震の
ようなことがございますけれ
ども、はっきりともう複数でもって
地震に関して現象としてとらえられている。その線でいきますと、関東
地震の場合にも、
地震学のほうでは、
国会図書館などで見ましても、油壷の観潮所では
変動がなかったというふうに書かれております。しかし、私が個人的に調べたところでは、房総の突端の白浜付近の人たちは、
地震が起きる少し前からもう退潮現象があったというふうに聞いています。
こういった点から見ますと、全く力学的に見て縦横のゆれをファクターにした
地震学というものは、根底に何か将来に向かっての
地震学ではない
ような気がするわけでございます。しかし、計測そのものは現象面のことに関するものですから、
地震の
地殻変動説そのものとはまた私は見方を変えております。現象からあるパターンをつかむということであれば、これはまた
地震原理とは全く違うわけですけれ
ども、しかし、私がこの秋提出します超音波現象に置きかえてみることのできるという、この原理によりますと、レーダー
測量が幾ら緻密であっても、
地震が起きる前には、磁性工学のほうで磁化曲線がございますけれ
ども、その中で静かな磁石、静磁現象の中に回転磁化範囲というのがございます。ベクトルが回転するということであるわけです。御承知の
ように、
地震前に土地が
隆起するだけではございません。沈下する場所もあります。
変動を示さないところもございます。これと対応した
ように、井戸水がふえるところがあれば減るところがある。その差をあらわさないところもあります。こういった点から見ますと、浜田
地震の場合にも退潮現象が一部にはっきりあらわれながら、その南西部には全然あらわれなかったということ、四象限ブロックの境目に当たる
ようなところを想像される現象があるわけでございます。
こういった点から見ますと、いまの
地殻変動説または
地殻変動説に連なる計測一本やりで進むということに対しては、根底から危惧を持っているものでございますし、それも決して否定するものでございませんけれ
ども、一本にしぼらないで、われわれの
ような無名の
研究をもひとつ真剣に
検討していただいて実際に生かしていただきたい。
私は、ことし一月から退職いたしまして、秋にアプローチするためにこの私の原理をまとめにかかりました。過去松代
地震の場合にも、
地震に夢中になり過ぎたというか、若いときから、何の因果か、やめ
ようと思えば思うほど
地震に深く首を突っ込んでしまった男でございますけれ
ども、そういった点で、もう一言はっきり言わせてもらうとすれば、
地震学会そのもののあり方が少しアブノーマルなんではないかと私は考えるわけです。
私がここで憎まれ役を買って出ない限り、この私の原理と同じ
ようなレーダーの発明は、一市民の方が発明されて、しかも
アメリカで実用化され、その返礼として兵器になって第二次大戦に
日本に返ってきています。私は、若い時分にある弱電メーカーの技術課に籍をよごしたことがございますが、その技術課におられた江崎さんは、エサキダイオードを発明されて、そのエサキダイオードは四年数カ月無視され続けた。いな、
研究の目が純粋度を求める方向に向かっているときに逆方向であったというために、四年数カ月無視されたということがございます。世界で一番
地震の多い
日本において、多数決的な
一つの実験だけを推し進めるということに対しては、先ほど原理にまつわるアブノーマルさを感じているものだけに、この際
皆さんに率直に幅広い
体制をとることをお願いする次第であります。