○山原
委員 二階堂
官房長官のこのことばをはっきりさせてもらいたいので、私は
委員長に
お願いいたしたいのですが、一
委員としましても、二階堂
官房長官の
出席を日を改めて御要請をいただきたいと思うのです。たとえば、
住民の
反対があっても何が何でも押し切ってやれなどという
発言をする
総理大臣がいないことは当然のことです。それは気違いの言うことです。しかしながら、何が何でもとは言わなくても、相当の
反対があっても押し切ってやらなければならない、
電力事情はこうなんだ、必要なんだからやるのだという、昔の殿さまの発想ですね。そういうものがあったのではないかということを、私はこの二階堂
官房長官の
発言、何がなんでも押し切ってやれと言ったわけではない
——必死になって、
総理の
発言を何とかそこでカバーしょうとしておられるようでありますけれ
ども、しかし、かなりのことが言われておるということは、この二階堂
官房長官の
発言からも予測ができるわけでありまして、そういう感覚が
田中内閣総理大臣の頭の中にあるのではないかということを、これは非常に重大な問題だと思うわけですね。単なることばでは言わなかったとか言ったとかということよりも、その背景にある思想性の中に、相当な
反対があっても電力問題は必要なんだからやれというような
考え方があるのではないか、この点を私は問題にいたしておるわけです。
もう時間がなくなりましたから、たとえばいま私が名前をあげました愛媛県の伊方
原発の場合でも、私は実はこの
委員会でこの問題は四回取り上げているのです。これは副
長官に認識していただきたいのです。これは、私だけでなくて各党の
議員の方もここで取り上げました。それだけに、たとえば四国電力あるいは行政側の非
民主的な行為というものが
住民に対して非常に不信感を与えておる。それを
一つ一つ事実をあげて、私たちは論議をしてきたと思っております。
たとえば水の問題にしましても、水は
地元の地下水を取るんだという、これが当初の四国電力伊方
原発の計画書であったわけですね。それで国は昨年の十二月に実際短期間で認可をしてきたのです。ところが、三月になりますと、その取水はやめた、計画変更をしまして、塩水の淡水化で水は取得するんだという。いま国際的にもそんなことをやっておるところはほとんどない。塩水を淡水化して使うんだという、このまだほんとうに商品化されてもいないような新たな計画が出てくるわけですね。それも認可するというような問題。あるいは土地の問題にしましても、
住民に対しては、
原子力発電所ができるなどということを言わないで土地を取得しておる。そして判をつかした
あとで
原子力発電所であるということを
発表する。こういうような問題。あるいはまた、本年の四月十六日に通産省が設置認可をいたしておりますけれ
ども、それを
新聞記者クラブに対しては、一カ月以上
新聞記者が尋ねても、そういう認可はおりておりませんと四国電力社長は
発表する。こういうふうに、
住民もあるいは
報道関係をもだましてきた。こういう経過があるわけですから、この
田中総理の
発言というものは、そういうことを背景にして
考えると、非常に
住民にとっては重要な、大きな衝撃になることは当然のことだということを、これはお
考えになっていただきたいのですよ。
それから、いま
嶋崎先生が言われました福島の公民館、体育館の借用の問題ですけれ
ども、これも福井県の大飯町の中央公民館の問題があるわけです。これは
日本科学者会議等がここで
原発シンポジウムを開くために大飯町の中央公民館を貸してもらいたいというと、これを貸さないということになってまいりまして、これが福井地方裁判所に執行停止の仮処分申請がなされて、その判決が出て町側が敗訴し、公民館を貸すべきだという結論が出た。そうすると今度はこれを上告する。その上告の結果は私もよく知りません。上告の結果はまだ出ていないかもしれませんが、とにかく公民館という開かれた
社会教育の場所ですね、そこで
科学的なシンポジウムを行なう、その中には
反対の意見が多く出るかもしれません。それはわかりませんけれ
ども、そういうものに対しては貸さないという。ところが、調べてみると、大飯町と関西電力の間に協定書が結ばれている。その協定書の中に、
反対勢力に対してはそういう公的な機関は貸さないということが出ておるということを聞いておるわけです。そういう事実があるのか。
原子力発電所をつくるときにはそんな協定書まで結ばれるのか。これでは
住民の
反対の声あるいは
住民の不安の声というものを圧殺する以外の何ものでもない、行政と企業とが癒着をした姿だと私は思うんです。それが、くしくもいま
嶋崎先生から福島の問題が出され、そして私がまた大飯町の問題で、ごく最近のことです、八月の二十四日から二十六日にかけてのことでありますけれ
ども、そういう問題が起こっております。これは
原子力局長に
伺いますけれ
ども、そんな協定書まで
原子力発電所の問題については結ばれるのか、どうですか。