○原(茂)
委員 きょうは多くの
先生方の陳述をいただきまして、たいへんありがとうございました。初めて勉強するような
分野ばかりですから、ほんとうはしろうとらしく時間をかけてお伺いをしたいわけですが、非常に短い時間でございますので、まことに申しわけありませんが、一括してお尋ねをいたします。
これはと思う問題を、
先生の名をあげて質問を申し上げますが、お聞きいたしておりますと、どの
先生方もみな同じように、関連してたいへんな勉強をされておいでになりますので、私が名前を申し上げたことは、ただ参考に申し上げただけでありまして、質問全体に、各
先生方、どうぞお考えがありましたらお聞かせをいただくという前提でお答えをいただきたいと思います。
たいへん順不同になりますが、最初に
川崎先生にお伺いしたいのですが、
日本の
沿岸における石炭、石油中心の
鉱物資源、こういうようなものはどのくらいあるというふうにお調べになっておられるか、あるいは
日本のどこかの機関で
調査がされているのか、予想としてどのくらいあるだろうか、こういうことをお聞きしたいわけであります。
次に、
たん白資源を求めていくということは、今後の
日本では絶対欠くことのできない問題だと思う。そういう点からいうと、だんだんその面が狭くなり、欠乏していく
状況にありますが、一体どうしたらこの
たん白資源というものを、従来同様、あるいはそれ以上にわれわれが
海洋に求めていくことができるか。抽象的になりますが、そういったことに対して、概要的でもけっこうですから、お知らせをいただきたい。
次いで、
汚染の危険がある
海岸その他に各企業がたくさんあるわけでありますが、現在の様子を見てみますと、安全基準その他を設けまして、この程度ならだいじょうぶだという一応の基準を設けて許しているわけです。ところが、実際にはそれがどのように蓄積され、
生物から人体に入ってどんな影響があるかが、いまようやく一部わかりつつあるわけです。こういうような
状況のときには、やはり海を
汚染するそれを通じて
生物から人体への影響があり得ると考えられるそういう
汚染物質を出す企業に対しては、操業を停止させて、しかる後に、これならだいじょうぶ、この程度ならいいということが完全にわかった後に操業を許すことくらいのことをしませんと、この大事な
海洋の
汚染というものを——あらゆる角度から
汚染されているこの
現状、しかも未知の
現状の中で、十分に安全性が確立されない間は、疑わしきは工場の操業を停止するというようなことをしなければ、私は基本的に現段階における
海洋汚染対策にはならないのではないかというふうに考えますが、いかがなものでしょうか。
それから
海洋エネルギー資源のことをちょっとお伺いしたいのですが、波力
エネルギーもあります。それから温度差
エネルギーもあります。それから潮の満ち干の差による
エネルギーもあります。温度差によるものは多少
研究もされていますが、潮の満ち干による
エネルギーの
利用に関して、
日本にはそれなりの技術があって、韓国の仁川沖における大規模発電の計画を
日本の指導によって行なわれようとしているとか、そういうふうになるんだとかいうことを聞いたことがありますが、
日本でもたとえば高松徳山、佐世保、三池、三角、門司といったようなところでは三メートルから四・五メートルあるいは小潮差のところでも〇・六、一メートル
平均以上あるというような、大潮差、小潮差の違いがあるわけですが、一体、
わが国でもこの潮の満ち干による発電計画というものができるのかどうか。これは私重要な問題として、
公害などを考えたときには温度差による
エネルギー問題と同じように考えていく必要があると思うのですが、
日本では一体そのことができそうなのか、もうある程度の
研究が進んでいるのかをちょっとお伺いしたい。
それから、
佐々木先生にお伺いしたいのですが、
海洋汚染の抜本的な対策というのは一体何だろうということなんです。ずい分乱暴な言い方には違いありませんが、おそらく
先生方は
先生方なりに、とにかくこれとこれとこれはやるべきだというようなものは、もう相当深刻な問題ですから、おありになると思うのであります。こまかいことをあまりあげつらう必要はないと思いますが、われわれの知っておる範囲なのか、あるいは
先生方は、別途にわれわれの気がつかない、せめてこれだけは
海洋汚染の防止対策としては急速に考える必要がある、国の
施策としてあるいは法律をつくる必要もあるだろうというようなことがあるかどうか、こういう点を端的にお伺いしたい。
二つ目に、いま
日本に、二年前ですか、
二つの法律を合わせまして水質汚濁防止法という法律ができまして、
海洋汚染等を防ぐように一応の法律ができた。あるいは
公害対策基本法という法律ができて、これも二年前の四月ですが、それによる
環境基準とい短ものができまして、
環境基準による海の
生物に対するいろいろな問題が規制され始めたというようなものがあるのですが、私どもはいまの
公害というようなものを考えたときには、このような水質汚濁防止法とかあるいは
環境基準というものは、非常に手ぬるいどころか、非常に科学的に不適確だというふうにすら考えていますが、
先生のお
立場でどうお考えにおなりになるか。
それから現在、原子力発電所あるいはその他で一番大きな問題になっておりますのは温排水の問題であります。この問題に関して端的にお伺いしたいのは、
一つは、いま国の
立場であるいは企業の
立場で考えている温排水問題というのは、出てきた温排水をどう
利用するか、どうプラス面に
利用するかというところに力点が置かれている
分野が多いのでございます。しかし、現在問題にされているのは、温排水がいかに大きな悪影響を及ぼすか、これの悪さを防止するにはどうしたらいいかというところに力点がなければいけないのでありますが、どうもウェートがそういうほうにあるとは思えない、おくれているというふうに考えますが、
先生方のお考えでこのような
汚染防止という
立場で温排水に対してはこういうことを考えるべきではないか、こういう影響がまず第一にあると考えなければいけないというようなことをお聞かせいただければありがたいと思います。
それから、先ほど
マンガン団塊の話がございました。もちろんこれにつれて燐鉱のことも問題になると思うのでありますが、
日本の
沿岸水域にこの
マンガン団塊とか燐鉱床みたいなものがあるでしょうか。全然ないとは思わないのですが、
先生方の御
研究なさったり予想でもけっこうですから、あるだろうかという問題を
一つ。
それからその次には、すでに海中の景観地域とか海中公園というものの地域の指定が行なわれておるわけです。この海中公園、先ほど
レジャーの問題にちょっとお触れになりましたが、この海中公園という問題が今後どのように生かされていかなければいけないのか。海中公園なんて指定をやっておきながら、これに対する国民的なPRは何もできておりません。したがって、具体的にもう二十カ所ぐらいあるのではないかと思うのですが、この指定をされたものが、どう生かされてどう国民に
利用されるように政治の場で考える必要があるのかということを、これもたいへんむずかしい問題だと思いますが、お答えをいただきたいのであります。
それから最後には、変な聞き方をするのですが、
佐々木先生など、ほかの
先生も一緒でございますが、
海洋開発あるいは
海洋汚染の問題、この
海洋全体のいま取り上げられる問題全体、グローバルな問題に対して、公式に国の
施策に反映するような場で発言をなさる機会がおありになるのかどうか。
先生方の貴重な
意見が、自由に、結局は国の
施策に反映するような、そういう機関なりそういう場で発言がどんどんされてくることが非常に大事であると思いますし、それを通じて国民全体にそれが知られるようにならなければいけないと思うのであります。これほど重要な
海洋の問題でありながら、国民の側からいいますと、どれも遠い、海のはるかに遠きかなたの問題のような、
海洋といってもぴんと来ない。これは一日も早く国民の
関心事にしなければいけない
観点から、あらゆる機会に公式に
先生方の御発言の場があって、その公式の御発言が、結果的には国民のその
意味の刺激になり、国のなすべき
施策に反映されるということが望ましいと思いますが、そんな機会がおありになるのでしょうか。そんな場はどんな場があるのでしょうか。
それから、
佐藤先生にお伺いいたしますが、これは政治的なことがあると思いますが、樺太
沿岸における大陸だなというものは一体どうなっているのでしょうか。明瞭に大陸だなに関する
研究が進み、いま
日本の側からは大陸だなはこうなっている、したがって政治的にもわれわれの
立場からいうならこうだ、こう言えるほどに樺太
沿岸における大陸だなというものがすでにつかみ得られているのかどうか、こういうことをひとつお伺いをしたいのであります。
それから、先ほどの
お話で、大陸だなというものが結局地殻の没入して突っ込んでいったものなんだ、こういうふうに考えていいのじゃないかというようにお聞きしましたが、
世界における大陸だな全体に対して、そういうような考え方でいいのかどうかということも
二つ目にお伺いをいたしたい。
それから、
星野先生にお伺いをしたいのですが、まず地震のほうからちょっとお聞きしたいのですが、最近の北海道、東北、特に根室における、またきのうもありましたああいう地震などの様相からいって、
海底の地質学上いわゆる陸上においても地質というものの
調査が
日本では非常におくれておる。この面の
研究が非常に粗末にされておる。この面における学者
先生方の、いわゆる非常に重要な仕事をなさるのですが、どうも日が当たっていないように私には思える。地質というのは非常に大事だと思うのですが、その
意味では
海底における地質的な
調査を通じて今回の地震との関連を、ある程度地震予知連絡会では予知できていたといわれるのですが、地質学上一体そういうような地震予知連絡会がいわれるようなある程度の予知をされていたんだという、その何かを
日本ではつかんでいたのかどうか。
関係がおありでなければいいのでありますが、やはり地質という問題からいうなら、いま陸地における地質ばかりでなくて、
海底における地質は非常に重要な問題で、これから活断層の問題等いういうありますので、この
研究というのは重要視しなければいけませんが、
海底における地質の
調査の関連で、今回のような地震のある程度の予知的な想像がされていたのかどうか。これは
海底の地質という
意味でお伺いをします。
それから、先ほどちょっとおっしゃいましたように、
海洋教育、もう
一つしいて言うなら社会教育の問題が非常に重要だ、私も同感でございますが、これを急速に広げるためにはどうされたらいいんでしょうか。現在確かにおっしゃるように、小中高等学校の問題を見てみましても、取り上げている教科書の内容においても、この面においてはほとんど見るべきものがないということは、私もそう思います。そういう面では、そのほかの手段はいろいろあるでしょうが、どういうことをやったら急速に
海洋教育あるいは社会教育の面でも広げることができるだろうか、こういうことをお伺いいたしたいわけであります。
それから
皆川先生に、
日本というものが
海洋開発なり
海洋汚染の問題、
海洋資源の問題を含めまして、
世界全体の
一つの大事な海なんだ、この海に対して国際協力上たいへんやり足りない、こういう
意味の協力をもっとしなければいけないだろうという面が、われわれの側から言うならたくさんあるわけであります。それを国際法上お考えいただいた中で、やはり
日本という国がこういう面でおくれている、こういう面でやはり国際法上の協力をもっと惜しみなくすべきであるという点が、多分
先生のお
立場でおありになると思いますが、そういうものをお聞かせいただきたい。
それから、先ほど、一九五八年のジュネーブ
会議で盛り込まれて今日に至った
海洋開発の問題等があるという御説明がありました。今日まで
海洋国といわれます
日本が、その後の国際
会議に
日本独自の問題として提案をし、それが論議をされて、何か国際的に役立つような取りきめのできたという事例がありますかどうか、こういう点をお伺いしたい。
それから、先ほどちょっと大陸だなのことにもお触れになりましたが、これは時間がありませんのでいま申し上げませんが、
海洋汚染に対して国際法的なだんだんきびしいものができてこなければいけないと思うのですが、そういう国際法的な
海洋汚染を防止するための今後の動向、いまの動向というようなものは一体どんなものが出ているかという点で、やはりある程度私たちも
関心を持ちたい、こう思うわけであります。
それから、先ほどの
お話の領海問題に
関係して、接続水域の問題をちょっとお触れになりました。これは両方とも私お伺いしたいのですが、
日本でいま領海を広げる余地があるでしょうか。たとえば沖縄が復帰いたしました。従来は沖縄中心のこの種の論議はなかったのでありますが、
先生方のお
立場で、沖縄を中心にして
わが国の領海を拡大する余地があるかというようなことを端的にお伺いしたいわけであります。
接続水域の
お話がございましたが、これもついでにお伺いするのは、一体、
わが国における接続水域としていま問題になっている、あるいは論議がされている地域がどこかありますでしょうか。接続水域という
立場で取り上げて、それが国際法上一国または二国の間に問題になっている接続水域というものが現在あるでしょうか。
それから、
吉田先生にお伺いいたしますが、
アメリカ中心で国際
海洋計画、十五年計画でしたかというようなものがあって、とにかくそれ以後も十年前から
アメリカが非常に積極的に
研究をして非常に進んでいる、こういう
お話がございました。裏を返すと、
日本は非常におくれているということになりますが、一体、
日本のおくれている原因というものは何でしょうか。いわゆる
海洋技術がおくれているのでしょうか。何がおくれているからおくれたのかということを、これはきっぱりとひとつお聞かせをいただきたいのであります。
同時に、
二つ目に、基礎
研究は確かに大事だと思います。あらゆる問題における基礎
研究というものが
日本は非常におくれているわけです。ごくわずかの部分進んでいるといわれるのは、金属方面であります。しかし、まだまだ全体的に言うなら、あらゆる
分野における基礎
研究部門というものが
日本においては非常におくれているという点は確かだと思いますし、本件に関しても、基礎
研究を推進するということが非常に大事だと思いますし、
わが国は不十分だと思います。この基礎
研究を進めるために、
わが国では何をいま具体的に必要とするでしょうか。これはやはり
方向性がはっきりしませんと、われわれが取り上げようがございませんので、そういう
意味でお教えをいただきたいのであります。
これは余談みたいに最後にお伺いするのですが、
佐藤先生が、お
立場上違うし、そういう方面には
関係ないとおっしゃるかもしれませんが、
日本の教科書の地図を見ますと、国後、択捉が
日本の領海にぴしっと入って筋が引いてあります。小中学校の教科書。これは国際法上
皆川先生からも御
意見があったらお伺いしたいのですが、私はいまのように問題がこういう形になっている限り、いままでの終戦後取りかわしました各種の条約等の経緯からいっても、教科書に国後、択捉を
日本の領海にぴしっと線を引くことが正しいのだろうか。私は
日本人の一人ですから、当然早く返してもらわなければいけないから引いておいたほうがいいような気がいたします。しかし、こういう点も学者
先生のお
立場からお考えになって一体どうなんだろうか、それは
関係ないというお考えでしたら御答弁は要らないですが、以上、たいへん時間がございませんので、お一人お一人の
先生にお伺いしないで恐縮でございますが、お答えいただきたいと思います。