○原(茂)
委員 委員長、これはきょうのうちにいつできるか
委員長まで御返事をとっていただきたい。希望は五日間、これを目途にひとつきょうのうちに御返事をとっていただく、これをお願いします。
それから最後に、ついこの間浜岡の
許可問題がありましたが、現地の議会なり漁協関係などは、少なくとも自分の
意見が聴取された後にこの問題の取り扱いがあるだろうと
考えていたのに、何ら現地の関係機関の一番重要な方々の
意見の聴取を行なわないままに二号炉の
許可をおろすというようなことが行なわれたわけです。
ということに関連をいたしまして、なぜ一体そういうことがされたのかを御
答弁いただきたいのですが、社会党の立場でさきに
発表されました公聴会の要領ですね、これは長官十分ごらんになっていると思いますからここで
内容は申し上げませんが、いまいただいたのです、これはわざわざ取り寄せていただきました。ごらんになっていると思うのです。私は、総括的にこれを見まして、ちょうど明治憲法下のわが国の軍隊が、何かこう下万民の
意見を聴取するというような公聴会、まあおそらく今日の民主主義下における公聴会としては、およそ一方的な、何のためにこれはやるんだろうと
考えられるような
内容であるというふうに実は受け取りました。したがって、この種の公聴会でも、とにかくわれわれの要求に対して公聴会を持ったということ、こういう要項をつくってやるんだといったことに対しては感謝します。いいことだと思います。だが、その
内容に至っては、あまりにおっかなびっくり、おずおず、何を心配し何をおそれているのか知りませんが、あっちもこっちもふさぐのですね。ふさいで、公聴会に
参考人を呼んでももう自由にものを言わせない、言いたいことがあるなら先にちゃんと文書で通告しておけ、その範囲でものを言え。そうして、たとえば関係人、
企業側、政府側が何か説明をしてもそれに対する
質疑応答が自由にできない。しかもその
内容の公開がどうなっているんだか、おそらく公開をしないというような
感じなんですね。この公聴会の
委員会に対しての
報告と、
委員会がそれを受けてから何かを結論づけたその交渉だけはすることになっているのですね。その間は憶測以外できない。詳細に書いてないということもありますが、全部当たっているかどうかは別ですよ。別ですが、概括的に言うなら、前段申し上げたように、これはおよそ民主憲法下の公聴会にはなっていない。やらないよりはいいけれ
ども、これはすこぶる閉鎖的であるというふうに
考えまして、
日本社会党として正式に公聴会要項に対して批判をし、われわれはこういうことを要求するというものをつくりましたので、これをひとついまはお聞きをいただいておくだけで、やがて次の
委員会でこの問題を中心に
論議をもう一度繰り返します。いまはどんな
考え、どういう批判をしているかということと、それのうらはらとして、わが党はこうすべきであると
考えていることを申し上げます。
政府の公聴会要項をつくりました方針のねらいを、われわれは次のように類推をいたします。その
一つは、対象が
原子炉だけであって、核燃料再処理工場、廃棄物貯蔵施設等が除外されているのではないかという
感じがいたします。
二つ目、開催するかどうかの決定権は
原子力委員会と知事だけが持っている。住民の要求があっても開かれる保障がないのではないか。
三つ目、
意見陳述者は地元利害関係者に限定されて、全
国民的問題にもかかわらず
発言者はあらかじめ制約されている。さらに弁護士や科
学者などが住民の
意見を代理する
権利を奪われているように思う。
第四、公聴会参加者は
意見を一方的に陳述するだけであって、
質疑応答は許されていない。また、政府、
原子力委員会や
設置者は、住民側の問いに対して答える義務は何ら課せられておらず、
企業側の一方的宣伝活動の場となり、挙証責任が不在であると思うのです。
第五、
意見陳述者の指定は
委員会が一方的にきめ、陳述者の事前選択権を握っている。また、人数や時間をあらかじめ機械的に制限することによって、公聴会で出された問題の推移とは別に、
委員会が公聴会をコントロールし支配することができる仕組みになっていると思うのです。
六つ、
意見陳述者はあらかじめ陳述
意見要旨を提出することになっているが、それによって
発言内容に初めからワクをはめられ、制約されるおそれがあると思うのです。
七つ、陳述された
意見についての
検討結果は
委員会の決定後に初めて
公表され、したがって公聴会は
委員会の
検討内容について何らかかわり合いを持てない一方的なものとなっている。
最後に、陳述された
意見に対する
原子力委員会と安全専門
審査会の
検討経違
内容(
速記録)は公開されないのではないかというふうに、われわれの立場からの公聴会に対する批判を行ないました。
われわれはこれに対して、次のようにすべきであるという方針を持っておりますので、これもお聞きをいただいた上で次回の討議の参考にひとつしていただきたい。
以上のように、
原子力委員会のきめた公聴会は、きわめて非民主的、強権的なものであり、安全にかかわる諸問題を未解決のまま、わずかに形式的に
意見陳述させることによって、形を整え、建設
許可を強行しようとする意図の見えすいた
内容である。
社会党は、政府、
原子力委員会に公聴会要領の白紙撤回を要求し、以下の要件を満たす
内容に全面的につくり直すことを要求するとともに、政府、
原子力委員会が上記のペテンと思えるような公聴会を強行することについてはあくまで
反対をし、拒否する方針である。
さらに、以下の要件を満たした住民主体の民主的公聴会を開催し、その結論が出るまでは、すべての
原子力発電所及び核燃料再処理施設の建設と運転開始を凍結することを重ねて要求し、そのための運動を一そう強力に推進したいと
考えている。
その一、
原子力発電所及び核燃料再処理施設の建設中または計画中の場所で、すべての炉及び施設について知事の判断にかかわりなく公聴会を開催すること。
要求の二つ目、住民の推薦する科
学者や弁護士などを陳述者として認めること。
三つ目、陳述人が提起した問題に対する
原子力委員会及び
原子炉安全専門審査会及び再処理施設
安全審査専門部会の
検討経過は
速記録によって全部公開し、その
内容を公聴会
審査の対象とする。
次は、問題点が解明され、住民の納得がいくまで十分に討論することを保障し、あらかじめ公聴会の回数、時間、人数等の制約は設けない。
最後に、建設または運転開始の可否の最終結論は、この公聴会後に住民がきめることを保障する。
こういう立場で、われわれは公聴会の
内容を改めていただく要求をこれからしてまいりたいと思います。このことを中心にやがて次の
委員会で先ほどの問題とあわせて、わが党の各
委員から十分な
意見聴取を行ない、皆さんの御
検討と賛同をいただくようにしたいと
考えているわけです。
したがって、いまの浜岡の問題だけなぜ地元住民の意思を十分聞かないで
許可したかだけの御
答弁をいただいて終わりたいと思います。