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1973-09-21 第71回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年九月二十一日(金曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 浅井 美幸君    理事 國場 幸昌君 理事 佐藤 孝行君    理事 床次 徳二君 理事 中村 拓道君    理事 西銘 順治君 理事 上原 康助君    理事 安井 吉典君 理事 正森 成二君       田中 龍夫君    西岡 武夫君       松永  光君    森  喜朗君       加藤 清政君    美濃 政市君       安里積千代君    瀬長亀次郎君  出席政府委員         沖繩開発庁総務         局長      岡田 純夫君         沖繩開発庁振興         局長      渥美 謙二君         運輸省航空局長 内村 信行君         運輸省航空局次         長       寺井 久美君         労働省職業安定         局長      遠藤 政夫君  委員外出席者         大蔵大臣官房審         議官      岩瀬 義郎君         農林大臣官房審         議官      二瓶  博君         農林省食品流通         局砂糖類課長  永井 和夫君         通商産業省産業         政策局沖繩国際         海洋博覧会管理         官       増山 孝明君         運輸省航空局飛         行場部長    隅  健三君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ――――――――――――― 委員の異動 九月二十一日  辞任         補欠選任   小渕 恵三君     西岡 武夫君   鯨岡 兵輔君     森  喜朗君   中川 一郎君     松永  光君 同日  辞任         補欠選任   西岡 武夫君     小渕 恵三君   松永  光君     中川 一郎君   森  喜朗君     鯨岡 兵輔君     ――――――――――――― 九月十八日  北方領土復帰促進等に関する請願安田貴六  君紹介)(第一〇五五七号)  北方海域における漁船安全操業に関する請願  (安田貴六君紹介)(第一〇五五八号)  北方海域における拿捕抑留漁船船主及び乗組員  の救済に関する請願安田貴六君紹介)(第一  〇五五九号) 同月十九日  北方領土復帰実現に関する請願浅井美幸君外  八名紹介)(第一〇七一六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 九月二十日  北方領土早期返還に関する陳情書  (第七五七  号)  北方領土早期返還等に関する陳情書  (第七五八号)  琉球大学に医学部設置等に関する陳情書  (第七五九号)  沖繩における米軍用地学校用地に転用に関す  る陳情書(第七六  〇号)  沖繩県出身海外移住者保護育成に関する陳情  書(第七六一号)  与那国、石垣間のYS11型旅客機の運行継続  に関する陳情書  (第七七一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  沖繩問題に関する件  請 願   一 北方領土復帰促進等に関する請願(安    田貴六君紹介)(第一〇五五七号)   二 北方海域における漁船安全操業に関す    る請願安田貴六君紹介)(第一〇五五八    号)   三 北方海域における拿捕抑留漁船船主及び    乗組員救済に関する請願安田貴六君紹    介)(第一〇五五九号)   四 北方領土復帰実現に関する請願浅井美    幸君外八名紹介)(第一〇七一六号)      ――――◇―――――
  2. 浅井美幸

    浅井委員長 これより会議を開きます。  請願審査に入ります。  請願日程に掲載されております四件を一括して議題といたします。  審査の方法についておはかりいたします。  各請願内容につきましては文書表で御承知のことでもありますし、また先ほどの理事会において御検討願いましたので、紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  3. 浅井美幸

    浅井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  請願日程第一ないし第三の各請願はいずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
  4. 浅井美幸

    浅井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、請願日程第四について採決いたします。  本請願採択の上、内閣に送付するに賛成の諸君の起立を求めます。
  5. 浅井美幸

    浅井委員長 起立多数。よって、本請願採択の上、内閣に送付するに決しました。  ただいま議決いたしました請願委員会報告書作成等につきましては、委員長に第一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  6. 浅井美幸

    浅井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     —————————————
  7. 浅井美幸

    浅井委員長 今国会において本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付のとおり、北方領土早期返還等に関する陳情書外三十一件であります。この際、御報告をいたします。      ————◇—————
  8. 浅井美幸

    浅井委員長 次に、閉会審査に関する件についておはかりいたします。  安井吉典君外八名提出の沖繩住民等が受けた損害の補償に関する特別措置法案及び沖繩及び北方問題に関する件、以上の各案件について、議長に対し閉会審査申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  9. 浅井美幸

    浅井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会審査案件が付託になり、その審査のため委員派遣の必要が生じた際には、委員長において、議長に対し委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  10. 浅井美幸

    浅井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————  なお、派遣委員の員数、派遣期間派遣地、その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  11. 浅井美幸

    浅井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  12. 浅井美幸

    浅井委員長 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。國場幸昌君。
  13. 國場幸昌

    國場委員 本委員会もこれでおそらく閉じるということになると思いますが、最近における沖繩金融事情があまりにも逼迫し、新聞報道はこの深刻さを如実に物語っております。  まず最初に大蔵省にお尋ねしたいことでございますが、その前に新聞はどういうとらえ方をし、沖繩のいまの金融事情に対しての切迫を、またこの新聞報道沖繩県民の声だと解し、参考までにこれを読み上げてみたいと思います。  「運転資金は“枯渇”工連加盟企業運転資金調べ 業積順調でも倒産の恐れも」、これは八月二十七日のタイムスの報道でございます。八月三十日になりまして「倒産の危機に直面 三経会国、県へ打開策を要請」、また八月二十九日には「消費ブームに“クサビ” 通常運転資金重点融資」、それから「厳しくなる県内金融事情 根強い“資金需要”三銀行七月末預貸率八二%に上昇」、それから「県内銀行 金融ひっ迫オートローン中止」、それから「金利は本土水準公定歩合引き上げで接近」、それから「企業貸し付けワク削減 金融、一段と深刻 運転資金融資引き締め」、それから「深刻化する金融ひっ迫 不健全な消費傾向 変質してしまった経済構造 急調子で進むインフレ」、こういうようなことで、復帰以前においての物価高騰から見ますと、ほとんどが二倍、はなはだしいのは三倍、こういうような物価高騰を来たしておるのが沖繩の現実でございます。  どうしてこんなにまで金融が逼迫したか、資金が枯渇しておるというその大きな原因をなすものは、復帰以前においては、御案内のとおり、沖繩は不自然ながらも一国並み経済構造の中で運用されておったのが事実でございまして、それには政府預託金あるいはまた保険あるいはまた農業協同組合、かようなる基金がほとんど銀行に預託され、それがうまく運用されておったというようなことは申すまでもありません。現在復帰後においては、聞くところによると農協基金がほとんど本土中央農協に吸収されておる、その額は約四百億近くになるということをいわれております。あるいはまたその他の保険積み立て金、かようなるものにおいてでも、ほとんどが沖繩にこれが今日まで利用されたのが利用されない。のみならず大手企業沖繩進出により、あるいはその他の企業においてでも、やはり本土に伍しての四十七都道府県の一県でありますので、あらゆる企業沖繩にも進出してきております。ことに開発企業公共設備に対しての建設業、こういう方たちにしましても、本土サイドによって金融が手当てされ、資材の手当てにしましてもほとんど本土においてされておる。かようなることからしまして、沖繩地元にある銀行は、その役割りがずいぶん薄くなってきたということも考えられるわけでございます。  そこで、いままでのたとえば琉球銀行にしますと、琉球政府の中でこれは政策銀行としての役割りを果たし、長期あるいは操業資金、こういうようなことをやっておったのでありますが、近時に至って海洋博関連事業のシェアが大きくなり、かようなるものに対しての貸し付けは、本土銀行でありますと、地方銀行は二〇%の長期資金融資するのが通常であるということを聞いております。ところが沖繩においての三銀行は四五%から五〇%長期融資に回され、操業資金としての短期資金に大きく影響を及ぼし、資金が枯渇して、さっきの新聞の見出しにもありますとおり、破産するような零細企業も出てくるというようなことでございます。大蔵省としまして、かような深刻なる沖繩金融事情に対して、いかようなてこ入れをなさんとするものであるか。また、いまさっき申し上げましたとおり、農協積み立て資金、かようなるものが本土にほとんど吸収されるというようなことに対してはいかようなお考え方をお持ちであるか。その点に対してひとつ御所見を賜わりたいと思います。
  14. 岩瀬義郎

    岩瀬説明員 お答えいたします。  結論のほうから先にちょっと触れさせていただきますが、現在は、いま先生がおっしゃいました沖繩事情につきましてはいろいろの報告を受けておりまして、やや時間的におくれておりますけれども、いかに実態に合わした金融的な措置を講じたらいいかということにつきましては検討中でございますが、いままでの点につきましてお話し申し上げますと、沖繩本土復帰いたしましてからは、本土並み金融体制ということで、日本銀行沖繩支店を設置いたしまして、金融面におきまして全く本土並み金融行政を行なっております。  ただ御承知のように、最近金融引き締めで、本土におきますところの金融機関に対しましては、日本銀行窓口指導等で猛烈な金融引き締めをやっております。特にこの五月からの引き締めにつきましては、半年の間に四回も公定歩合を引き上げるというような非常措置をとっておるわけでございますが、沖繩に対しましては日本銀行窓口指導等におきましてもその対象からはずしております。したがいまして、沖繩については日本の全体の金融情勢の中で、特に引き締めがその面において強くなるということにはなっておらぬわけでございますけれども、沖繩につきましては、別の面で海洋博等の特に大きな行事がこれから控えておる。それから先ほど先生も御指摘でございましたように、農林関係資金等あるいは生命保険とか保険関係資金等が、沖繩で使われないで本土に送られるというような事情等がございまして、資金的に非常に苦しい面があることにつきましては、あるいは他県と違う点があることも承知いたしております。したがいまして、たとえば農林関係資金につきましては、他の県とも同じでございますけれども、余裕金が生じますと、これは大体中央余裕金の運用をまかせるために集めてまいります。したがって、集められた余裕金が再び県に戻るかどうかということは、そこの県に資金需要があるかどうかということによってきまるわけでございますが、最近調べましたところでは、農中につきましても沖繩に対してかなりの資金を戻しておるようでございます。この辺は、まださらに需要が高まれば資金を戻す予定だということを昨日報告を受けておるような状況でございますが、一般的に沖繩における市中銀行は、資金量において絶対額が不足しておるというところに、海洋博等の大きな資金需要が出てきたということに対して、今後資金の融通をどういうふうにはかるかということにつきましては、先ほど冒頭に結論的なことを申し上げましたが、一番いい対策をどういうふうにやればいいかということについて目下検討を進めておる段階でございます。
  15. 國場幸昌

    國場委員 私はこういうことを考えるのですよ。いま金融引き締めだ、これは全国にもいえることなんですが、物価が二倍になったらあるいはまたその金の値打ちしかございませんので、沖繩でありますとたとえば四千億の銀行預託金があるとした場合に、そのとおりでも、いままで順調に経営をしておったと仮定した場合には、やはりそれだけ金の値打ちが安くなるわけでございますので、その倍の資金を持ってこなければ同じようなものを求め、同じようなことはできない。たとえば家をつくるために坪当たり十万円でできておったのが三十万円、四十万円かかる。三倍も三倍半もかかるというような現状におきましては、同じような事業をなさるにしましても資金量というのはそれに比例するだけの膨張をせにゃいかない。だからそこに大きな誤りがあるのではないか。金融引き締めだ、金融引き締めだといいましても、本土みたいに過剰流動性を起こすような過剰なる流通貨幣があるのであれば別なんですよ。沖繩においては逆に吸い上げられる。復帰した後においては物は上がってくる。こういうようなことであれば、私のようなしろうとが言わなくても、もっと事前に先取りして、これに対しては特に沖繩振興開発特別措置法振興開発計画とか、こういうものを勘案した場合には、コントロールする日本銀行はもちろんのこと、大蔵省のほうではこういうことにもっともっと先見の明をもって、こういう事態にあたってじたばたするのはいけないと思うのですよ。  だから私はお願いしたいのは、いま開発金融公庫、これは私ども立法しましたときには、沖繩振興開発はもちろんのこと、零細企業であるものに対しててこ入れをし、堅実なる企業育成だ、こういう趣旨でやったわけですが、しかし市中銀行そのものからは同じ条件の上にたやすく容易に貸せるようなものが、開発金融公庫に対して政令で示しておるのはどうなっておりますか、昨年のごときは百五十億も余ます。今度にしましても九百億だったですか、六百億ですか、これだけ予算は計上しておるといえども、これの消化がどういうぐあいにいくものであるか。私が申し上げたいのは、いままでの沖繩民間銀行長期借り入れを一日も早く開発銀行肩がわりをする、これが一番手っ取り早い手段じゃないかと思うのです。それで大蔵省としましては、まだ沖繩需要がはたしてどれだけが適正であるかというようなことは見通しをつけておりませんか。
  16. 岩瀬義郎

    岩瀬説明員 実は沖繩公庫の点につきましては、これは発足後間もなかった昨年におきましては確かに資金が使い残りが出たわけでございますが、これは今年度に入りましてからかなり順調に参っております。これは実態がだんだんとわかってまいりましてから、資金があとついてくるということになると思いますので、いま先生指摘の点につきましては、たとえば海洋博にいたしましても、海洋博自身関連工事というようなものは公共事業が中心でございます。ところが、それに伴ういろいろな民間資金需要というものの中にはかなり思惑的なものも入っておりますし、相当ふくらんだものとして出てきておりますので、そういうものはやはり資金需要実態が把握できませんと、それに全部応じていけるのかどうかということについては、金融面でかなり問題があると思います。またそういうものについて無制限に融資をいたしておりますと、それはまた無制限に資金需要を起こしましてインフレにもつながるおそれがあります。本土においては、そういう形においてむしろ金融引き締めをやっておるわけでございますから、そういう点は実態をまず把握する、これはまたおしかりを受けるかもしれませんが、時期的におそ過ぎたと思いますけれども、いま鋭意やっておる最中でございます。
  17. 國場幸昌

    國場委員 おっしゃるとおり、これはだれでも彼でも貸すというわけではないわけなんです。今日までの琉球側においての民間商業銀行ですね、そのほうの回収率、いままで大体それは適格に対しての融資だということでありますので、いままでの銀行経営に対してむちゃくちゃに貸しておるのかどうか。いままでの過去二十年余にわたる沖繩琉球政府時代経営されたところの実績、いわゆる不良債権としての未回収はどういう比率になっておるか。こういうものをお調べですか。
  18. 岩瀬義郎

    岩瀬説明員 ただいまこちらに資料は持ってきておりませんけれども、不良的な貸出しがかなり内容としてはあるように聞いております。ただ、昨年とことしとの金融詰まりぐあいにつきましては、昨年は土地の売り上げ代金とかそういう資金がかなり潤沢に金融機関にございましたもんですから、そういう点で資金的にはゆとりがあった。ことしはそれがなくて、非常に資金が詰まってきているという逼迫感がさらに強いのではなかろうかという感じがいたします。
  19. 國場幸昌

    國場委員 琉球側のほうでは、何とか枯渇したピンチを切り抜けたいというようなことで、それを切り抜ける手段としては、復帰前はアメリカン銀行から融資を受けまして再融資をしておったわけであります。これはいま復帰した後でもやはり自由にできますか。
  20. 岩瀬義郎

    岩瀬説明員 先生の御指摘は。……
  21. 國場幸昌

    國場委員 銀行側資金が枯渇しますと、たとえば製糖期とかになりますと、アメリカン銀行のほうは資金がたんまりありますので、あそこから何十万ドルなら何十万ドル、何百万ドルなら何百万ドルの低利融資を受けまして、それで一般に融通しておったのが、いままで復帰前の沖繩銀行経営の大体行き方であったのです。そのほうは復帰後にもできるわけですか。
  22. 岩瀬義郎

    岩瀬説明員 たいへん恐縮ですけれども、現在私は確信もって申し上げられませんけれども、アメリカ銀行支店がいま沖繩にございます。いまの金融引き締めの本来の姿から申しますと、外国銀行支店であっても、そこから資金の供給を受ける場合は、受けます沖繩琉球銀行とか沖繩銀行とかが実際に銀行間で金融を融通し合う場合には、やはり規制対象としてむぞうさにそういう資金を引いてくることはできないようになっております。ただ、ダイレクトにアメリカ支店沖繩企業資金貸し付けるということにつきましては、現在どういう規制になっておりますか、ちょっと私正確じゃございませんので、調べまして御返答いたします。
  23. 國場幸昌

    國場委員 時間がないので、ずいぶん聞きたいことはあるのですが、沖繩地元金融業界としましては、日銀または三長銀といいますと、日本興業銀行日本長期信用銀行日本不動産銀行、かようなるものから借り入れて、いまの苦しいような経営を正常に戻そうというようなことは考えつつも、そこに問題があるのが、日本銀行のほうのいわゆる裏づけとかいろいろ指揮を受けなければならない。これはほんとうかうそか知りませんが、こういうようなことになると、人事権に対してでも日本銀行のほうからとやかく介入されるというようなこともある。これは新聞に書いてありますので、私は真相はわかりません。こういうことになってきたときに、日銀のほうでは、経営を充実するためにやはり指導監督は絶対必要だと思うのですが、人事権に対して介入するということがございますかどうか。
  24. 岩瀬義郎

    岩瀬説明員 金融機関一般大蔵省が監督いたしております場合、これは金融秩序の維持とか、金融行政上において一般国民大衆に迷惑をかけるとか、あるいは預金者に迷惑を及ぼしたかというようなことで、金融機関自身経営あり方等についていろいろと指摘をし、指示をすることはございます。これはあくまでも行政上の指示でございますけれども、直接人事に介入することはございません。  ただ、もしそういった何か行政監督指導を受けるような、指摘を受けるような、あるいは場合によっては不正な事件が起きたとかいうような場合に、金融機関は社会公共的に非常に重い責任を持っておる機関でございますから、そういう機関がみずから責任を感じて、そういう人事に対して何らかの措置を内部的に講じるということは、時間的には相前後して行なわれることはあるかと存じます。
  25. 國場幸昌

    國場委員 沖繩開発金融公庫のほうは開発庁が管理されておりますね。昨年度は大体百五十億くらいの未消化だ、こういうことでしたが、ことしは大体もう会計年度が半年も過ぎなんとしておるが、見通しはどうですか。聞くところによると、環境金融公庫だとかあるいは住宅資金だとか、また産発資金にしましても、大手沖繩企業には、それが海洋博に関連するホテル規模の大きいホテルとかこれには貸すが、しかし、何十名以上でないといかないとかいうようなことで、ずいぶん条件がうるさいので、こういうようなことではとてもとても借りることに対しては問題があってできない。できないというのは、借りるほうがとてもややこしくて、条件がむずかしくて、なるほどしろうとにしますと、市中銀行とは違いまして、形式的にもずいぶんややこしい手続があるかしれませんが、その点は、はなはだしきは、たとえば環境衛生金融公庫になりますと、各出先機関支店に申し込みがあるようです。そうするとそこのほうから、君は環境衛生組合というものの中にあるので、貸せないのだというような逆なことをいうのが、コザのほうからの声がありましたが、事実こういうことがあるものであるか。昨年、たぶん十一億と私は記憶しておりますが、この環境衛生に対しての融資、これがどうなっておりますか。その他住宅資金産発資金、そういうものが、いま言うようなホテルにしましても大型企業でないと融資はできないのだというようなことで、ずいぶん悪い評判であるわけですが、その点どうですか。いま消化率はどういうぐあいになっておりますか。
  26. 岡田純夫

    岡田政府委員 本年度消化状況をまだ鋭意進めておるところでございますので、報告を受けておりません。しかしながら、四十七年度につきましては先生指摘のように、全体で五百三十億の貸し付けワクの中で三百二十三億の消化をいたしておる。こういうことでございますが、これも当初は、もっぱら復帰直後の零細企業に対する低利融資に鋭意力を入れておったものでございますので、本格的な貸し付け作業に入りましたのは四十七年の暮れあたりからでございます。したがいまして、そういうふうなピッチから申しますと、四十八年度は相当程度消化していくものだというふうに考えております。  ただその中で、大型規模でないと云々ということは、私どもは全くそのようには考えてもおりませんし、そういうことのないように運営をいたしております。  復帰時点沖繩公庫がつくられますときに、産発資金等につきましての大型企業への要望はもちろんございますけれども、これは現在需要に応じ切れない場合におきましても、ほかのほうから回さないというふうな運営の方針をとっております。したがいまして、大企業によって、他の環衛でございますとか住宅でございますとか、そういうふうなものが圧迫を受けるようなことがないようにいたしております。また、中小企業でございますとか環衛その他のワクにつきましても、十分需要にはこたえていけるものと考えております。  また、来年度のことにつきましては、物価単価等の問題もございますので、これは全く無視して考えてまいるわけにはまいりませんので、先生指摘のような、住宅単価の問題でございますとか、そういう実情に即した問題につきましては、ぜひ強力に考えてまいりたい、こういうことで考えております。
  27. 國場幸昌

    國場委員 それじゃひとつ大蔵省、いまのような事情ですので、金融機関がとまりますと、企業は将棋ごまと一緒で、根の浅い脆弱な零細企業の多い沖繩の現在の状況で、他の都道府県とは条件が違いますので、ひとつ抜本的な対策をもって、そのほうに対しての特別なる配慮をお願いしたいと思います。  また開発金融公庫にしましても、いまさっきの事情のような状況でございますので、金融公庫がワクを広げて、現状打開のため事務的御指導をいただきますよう、事務的にもずいぶんうとくて、ちょっと指導すれば、ああもうるさい、やかましいからといういようなことで、これも市中銀行の短期の資金を枯渇させた大きな要因にもなっておるということを解しますので、私は、指導するというお気持ちで、愛情を持って、ひとつ予算が全額消化されるようなことを努力していただきたい、これを希望するわけでございます。  それから通産省にお願いしたいわけですが、新聞報道を見ますと、御承知のとおり、これだけ期待を受けて、しかも沖繩の経済基盤あるいは振興開発に対しての目玉商品としまして、復帰記念事業としての海洋博をやって沖繩県民を喜ばしてやろう、こういうようなことでございましたが、しかしいまの状況では、決してそれに対してみんながみんな喜んでというようなことに協力が欠けておるがゆえに、最近に至っては、はたしてできるだろうかというような声も出てくるというようなことでございますが、新聞報道を見ますと、海洋博規模縮小、それで最悪のときは五五%博になるんじゃないか。資金とか時間とかこういうような問題からしまして、これにはずいぶん見通しが暗いような報道もされておりますのは御案内のとおりなんです。そこで、それが進捗しない原因は一体那辺にあるのかというような問題を、ひとつお聞かせしていただきたいと思います。
  28. 増山孝明

    ○増山説明員 ただいま先生お話しいただきましたような諸問題がございまして、現地にそのような声があるということは私どもも聞いておりますが、問題は、海洋博という非常に大きな事業が短期間に実施される、そのことによっていろいろな問題が発生するというようなことによりまして、こういうような意見が出されておると思います。  現実を御説明申し上げますと、海洋博の会場の件でございますが、これは、私どものほうで監督しております博覧会協会のほうで工事を実施いたしておりますが、ことしの六月に会場計画を決定いたしまして、以後設計に入り、すでに一部の工事を実施いたしてあります。また、近く本格的な土地造成工事に着手するというような段階にございまして、計画どおり順調に進行しているというような現状でございます。
  29. 國場幸昌

    國場委員 土地の買収、それは沖繩県のほうの責任だと、こう思うわけなんです。ところがそれのみならず関連設備にしましても、最近における物価高騰あるいはまた品不足、こういうようなことも大きく遅延をしておる原因をつくっておると解するわけなんです。  そこで、これに対する予算面において、何か新聞報道を見ますと、六十五億の追加をせにゃできない、しかもこれが六十五億をしましても会場内においての美化、それから仕事をこれから減らさにゃいけないんだ、クラスター、こういう方面を間引きして縮小してやるんだ、こういうようなことも報ぜられておりますが、その面はいかがですか。
  30. 増山孝明

    ○増山説明員 博覧会の会場の設備の問題でございますが、ただいま資材等の暴騰に伴いましてどのような影響が工事費の面にあらわれるかということを計算しておりまして、調査中でございまして、その調査結果を待ちまして対策を検討するという段階でございます。したがいまして目下数字の調査中という状況でございます。
  31. 國場幸昌

    國場委員 資材の手当て、これは海洋博のみならず、関連する設備に対して高いばかりじゃなくして、たとえば鉄筋のごときは、何か、説明を聞きますと五万四千円ぐらいが末端価格だというにもかかわらず十万円余りもするというような、こういうような、ちょっと常識では想像できないような形になっておるというようなことですが、沖繩においては、たびたび私は説明を聞きますたびに、特別にして、こういうような困ることのないように、タイムリミットがあるのでそれに間に合わすべく優先して、沖繩には資材においては便宜をはかってやるんだ、こういうようなことをよく聞かされますが、事実はしかしそうじゃないんですよ。だからそういう方面に対しての通産省としましての手配ですね、これはどうしておるものであるか。この点は通産省がやっておるはずですが、開発庁のほうでもその点に対しては、海洋博のみならず、振興計画を推進する意味においても——達成率から見ましても御案内のとおり、これじゃ予算というのも、ことしの予算は〇・三%、昨年度が債務負担行為を起こしたのが六五%で執行率は三三%だと、こういうような報道もされておるような実績からしますと、予算も絵にかいたもちのごとく、これは来年になったら流れるのかどうか、こういうことを考えるわけですが、その点に対して、通産省の資材手当て、こういうものはどうなっておりますか、また開発庁でもよろしゅうございますので、その点に対する御所見を賜わりたいのであります。
  32. 渥美謙二

    ○渥美政府委員 海洋博の関連公共事業の進捗状況でございますが、御指摘のように必ずしも順調にいっておりません。その理由は、やはりその前提になります用地の取得あるいは漁業権交渉、こういうものが大きな工事でなかなかセットできませんで、進んでおりませんでしたけれども、幸いに、このところ五十八号線も全部契約ができました。あるいは、ひっかかっておりました渡久地新港の漁業権の問題がらみも着工承認が得られる。あるいは北部の新川ダムにつきましても、地元との話し合いができるというような条件が相当に整ってまいりました。したがいまして、あとはまだいろいろ問題がございますけれども、かなり大きな部分は順調に仕事が進んでいくのじゃないだろうか、こういう見通しを立てております。  それから資材、労務等につきましてでございますけれども、これは先般来御説明申し上げておりますように、関連施設部会というものを海洋博推進本部の中に設けました。ただ、これは海洋博の工事関係だけでなくて、沖繩全般の公共工事あるいは民間工事も含めまして、どのぐらいの資材の需給見通しになるだろう、そのためにはどういう手を打たなければならない、これは、実は流通施設からいろいろ手をつけなければいけません。そういうふうな計画を立てまして、いろいろ仕事を現実に進めてございます。鉄鋼あるいはビニール管であるとかあるいはセメントであるとか、日本全体が御承知のような状況でございますので、なかなか沖繩につきましてもそういう資材手当てが困難である、こういう実情にございますけれども、これは品目別に通産省が中心になられまして業界を指導して、特に沖繩に配慮していただくようにということで、いろいろ手段を講じていただいている、かように考えております。
  33. 國場幸昌

    國場委員 あと三分間だけ御質問申し上げます。  沖繩物価高騰の一番大きな原因をなしておるのは何であるか、これは労働力不足による影響が一番大きいわけなんです。何か話に聞きますと、沖繩には一万二千名の失業者がおられる。それに八千名が失業保険を取っておるので、これを就職させて、その後でないと他からの技術導入あるいはまた一般の労務の導入はまかりならぬ、こういうようなことをいわれておると聞いておりますが、時間がありませんから一人でちょっとしゃべりますが、この沖繩には失業者というのは、私に言わせればほとんどない、こういうことを言いたいわけなんです。労働保険というものの盲点というのを労働省はどう考えておられるか知りませんが、事実において、私ども復帰のときには三カ年という特別措置というのを講じたのは、いわゆる沖繩基地の従業員が多いので、この方たちが困ることのないように、失業に対しては職業訓練とかあるいはまた雇用者に対しては雇用奨励金とか、こういうようなものも与えて三カ年は保障しようというようなことで、六〇%というようななにをしたわけなんですが、これはとても、よしあしで、管理の方法に大きな問題があると思うのです。職業の選択というのは自分にあるけれども、事実において、この人たちがほんとうに失業者であるかどうか、どのくらい真相をつかんでおるかということを私は疑うわけです。六〇%の保険給付を受けて、就職することなく、軽貨物自動車によるタクシー違法行為をいたしておるのが現状であります。自分がかせぎをしながら二重にかせぐ者もある。これは本土でも一緒ですよ。こういうようなことは、せっかくの失業保険というものが何のためにあるかということで、かえってこれが惰民をつくり、惰労をつくり、そして企業の、ひいては零細企業に対してまで大きな影響を及ぼす、こういうようなことを考えるわけですが、労働省としまして、いまの失業保険というものの管理に対しましてどういうようなことをお考えでありますか。また、私がいま申し上げましたとおりのことを御存じであるかどうかということをお伺いしたいわけです。
  34. 遠藤政夫

    ○遠藤(政)政府委員 沖繩県下で労働力不足という声が非常に強いことも承知いたしておりますが、同時に、沖繩県下におきましては、復帰後、基地の縮小その他いろいろな経済変化によりまして、かなりの失業者が実在していることも先生承知のとおりでございます。こういったことにつきましては、沖繩特別措置法なり、失業保険法なり、こういった制度によりまして、失業している方々にできるだけ早く再就職の機会を与える、あるいは沖繩海洋博その他の関連工事につきまして、人手不足の面におきましては、現地の県内の、こういった失業している人たちを最優先的にこういう工事に充当していく、こういうことで私ども施策を進めてまいっておりますが、今後こういった海洋博関連工事等におきまして人手不足を生じました暁におきましては、関係県とも十分協議いたしまして、労働力の確保に万全を期してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  失業保険法におきましては御指摘のとおりでございまして、いろいろとこの制度を悪用、乱用する向きも必ずしもあとを断たない状況でございます。私どもは、先般来、社会労働委員会におきまして、この失業保険制度の抜本的検討を早急に進めるように、こういう御指摘もございますので、目下着々その準備を進めておるような次第でございまして、今後早急にその結論を得まして、この悪用されたりあるいは乱用されているというような向きを是正するように努力してまいりたいと思います。
  35. 國場幸昌

    國場委員 時間がもうありませんから、終わりますが、労働問題に対しては、これはずいぶん言いたいこともあるわけなんですが、どうぞひとつ、私は尋常なる失業者に対して大いにこれを高度に利用していただきたいということを希望しつつも、しかしそういうような盲点をついて、盲点といいましょうか、なにであっちゃいけないと考えまするがゆえにそういうことを申し上げるわけですので、ひとつよろしく御理解のほどをお願いします。  以上で終わります。
  36. 浅井美幸

    浅井委員長 上原康助君。
  37. 上原康助

    ○上原委員 本日はおもに沖繩の航空運賃の問題を中心に、あと二、三点お尋ねをしたいと思います。  ただいま同僚委員のほうからも、沖繩の施政権返還後の物価問題あるいはその他の状況等について御指摘がありましたが、復帰してから一年四カ月の期間が経過をいたしましたが、当初私たち県民を含めあるいは政府の方々も含めて、想像できなかった、予見できなかった事情というのが出てきております。特に海洋博沖繩で開催をし、復帰後の沖繩の経済開発あるいは社会基盤の整備等を進めていくという意味で当初の目的を立てられ、今日まできているわけですが、それが大きな要因となって、今日の物価高の問題、県民生活に及ぼしている影響というのは、私たちがここで議論をする以上に深刻なものがあるということは、政府の関係者もある意味では御理解をいただいているかと思うのです。そういう事情を踏まえて、できれば沖繩振興開発の基本についていろいろ意見を述べながら議論もしたいわけですが、現在の沖繩物価問題あるいは第一次産業、特に農漁民、中小零細企業に与えている影響、県民生活というものを開発庁なり政府がどうつかんでおられるのか。これに対して、物価問題を中心にいわゆる一般にいわれている海洋博からもたらされるデメリットというものをどう解消していかれようとするのか、まず現段階における、今日一カ年余を経過した沖繩の実情を踏まえて、政府の諸施策というものをどう進めようとしていかれるのか、開発庁の見解を賜わってから具体的な問題に入りたいと思います。
  38. 岡田純夫

    岡田政府委員 お答え申し上げます。  確かに復帰直後、いわゆるドルの換算の問題等に関連いたしまして、急激に上昇いたしたことは事実でございます。その時点ではそれなりに緊急の措置をとってまいりました。それ以後の物価の推移を見てまいりますというと、確かに本土とともに上昇基調にはございますが、沖繩の場合に特にその原因となっていると考えられるのは野菜あるいは生鮮魚介類、もっともこの生鮮魚介類というものは先生特に御承知のように、台風でございますとかそのときの状況に支配されます。したがいまして、中心になりますものは野菜等が突き上げ原因になって全体として上がっている、こういうふうに考えております。  それと海洋博の問題につきましては、いわば本格的にはこれから実施の段階に入りつつあるというふうなことでございまして、関係ないとは申せませんので、海洋博推進本部の中に、御承知のように施設部会それから物価部会という二つの部会を設けまして、資材、労務というような面からは施設部会において従来から検討を加えてきております。一方物価の問題と海洋博というふうな関連から物価部会を設けまして、さらにその中で特に夏場の野菜といったようなことにつきましては小委員会まで設けまして、それに対する対策をどのように考えていったらいいか、現地におけるところの生産の強化ということ、これがやはり肝心になると思います。しかしながらいろいろな緊急事態——緊急事態と申しますか急激な夏枯れ等によるところの、家庭の方々に最もぴんとくるところのそういうふうな物資の値上がりというふうなことに対しては、十分配慮をいたさなければならない、これにはどうしたらいいかということを考えておりまして、来年度予算にもその要求をいたしておる、こういうふうな状況でございます。
  39. 上原康助

    ○上原委員 ただいま御答弁のあった件については、たびたび本委員会あるいはほかの委員会等でもお答えになっているわけですが、ただ残念ながら、海洋博推進本部に施設部会やら物価部会などを設けて沖繩物価対策をやっていく、あるいは資材、労務供給の問題等含めて対策を講じていくということは、もう繰り返し強調されてきたことなんですよね。だが先ほど冒頭申し上げましたように、残念ながらその効果というものがあらわれない。単なる生鮮食料品だけの問題じゃないわけですよね、いまのインフレ傾向というのは。御承知のように本土復帰してから、何と復帰前の三倍以上のお客さんが本土内外から行っている。そうしますと、必然的に需要というのが沖繩の狭い範囲で高まるというのは常識なんです。そういう面等を含めての対策というものがおろそかにされている根本の問題があると私は思うのですね。そこまでお考えになって、この物価対策というものをやらなければいけないということを、あらためて指摘をしておきたいと思うのです。  そこで、ただでさえそういうインフレ傾向、物価高騰が続いているのに、それをさらに誘発する形での公共料金の値上げというのが県民生活に与える影響というのはますます大きいわけです。これまでも、タクシー運賃あるいはバス料金その他の公共料金というのが復帰後軒並みに上がってきております。  そういう状況下で、さらに、報道をされているところによりますとおもに先島航路ですね。いわゆる宮古、八重山、南大東、久米島、与那国等々の離島の航空運賃を大幅に値上げをするという動きが出てきております。これに対して運輸省はどういうお考えを持っておるのか、南西航空株式会社からどういう運賃改定の申請が出されているのか、説明をいただきたいと思います。
  40. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいまの御質問の、南西航空からどのような運賃値上げの申請が出ているかという点につきましては、去る八月の三十一日に南西航空から申請が出ておりまして、これを概略申しますと、旅客運賃では平均三五・一%、貨物運賃では約一%の値上げ要求となっております。  会社側が申します運賃値上げの理由といたしましては、四十八年度から燃料税が課される、また航行援助施設利用料が賦課されることになるということ、また、本土復帰を契機として諸物価高騰、人件費の上昇が非常に著しい、三番目といたしましてSTOL機の導入によるコストの上昇があることなどをあげております。  それで運輸省といたしましては、この運賃改正申請の詳細、原価計算の妥当性等について申請者から十分説明を求め、かつ資料の提出を求めましてこれの検討を進めますとともに、運輸審議会に諮問あるいは経済企画庁と協議等の手続を経まして、最終的に妥当な結論を得たいというふうに考えております。
  41. 上原康助

    ○上原委員 いま、南西航空から出された運賃値上げ申請についての概要の説明があったわけですが、同時に、中身に入る前にもう少し、いわゆる沖繩航路、国内航路になってからの沖繩の航空運賃について、本土の国内線と比較をして妥当な料金だと運輸省は見ておられるのかですね。そこら辺についても見解を賜わりたいと思います。
  42. 寺井久美

    ○寺井政府委員 本土復帰前の沖繩の運賃というものは、本土に比較いたしまして、経営者側が努力をしてかなり切り詰めた運営をいたしておるというふうに考えておりますが、相対的に申し上げますと、特に安いあるいは特に高いというようなことはないかというように考えております。
  43. 上原康助

    ○上原委員 じゃあ航空運賃をきめる場合の基準は大体どういうふうになっているのか。まあいろいろのファクターを集計なさると思うのですが、運賃をきめる場合に、距離ということもかなりウエートがあると私は思うのですね。本土のたとえば北海道−東京でも東京−大阪−福岡でもよろしいし、沖繩−東京、沖繩−大阪等と比較して、いま、そんなに高いというか、相対的には高くもない、安くもない、大体適正だというような御答弁でしたが、運賃をきめる場合に最も重点になる基準は何ですか。
  44. 寺井久美

    ○寺井政府委員 お答え申し上げます。  運賃をきめます一番基本となりますのは適正なる原価、それから適正なる利潤ということでございます。これはもちろん使用いたします器材あるいは路線等の事情によりまして、ある意味でコストがまちまちでございます。ただ、ただいま御指摘のような、運賃が内地に比べてどうであったかという点につきまして一例を申し上げますと、たとえば東京−大阪という路線につきましてはキロ当たりの運賃が十三円七十七銭、それから大阪−福岡というのが十四円四十二銭、こういうふうになっておりますが、たとえば那覇−宮古、これは十四円二十二銭、那覇−石垣十四円七十一銭というふうにほぼ近い線になっております。また沖繩の路線の中でそのキロ当たり運賃が一番高いのは那覇−南大東でございますが、これが二十円九十一銭、これがかなり高くなっております。その他のところはただいま申し上げましたように十四円台から七円台、内地におきましても大阪−札幌十七円三十八銭というように路線によって多少でこぼこがございますが、おおむねこのような水準におさまっておるということでございます。
  45. 上原康助

    ○上原委員 数字的に述べると一キロメートルの単価といいますか、そんなに差はないんだという御説明のようですが、復帰前確かにドルでしたよね。御承知のように運賃も、実際の切りかえは三百五円でやって、運賃については三百六十円で切りかえられた。そこにも問題はあったと思うのですね。国際線の場合は機内におけるサービスだって、皆さんも何回か行かれていろいろわかると思うのです。現在は国内線になったというだけのことで、それだけ機内におけるサービスその他の面においてもがらっと変わっている。そうしますと、やはり航空会社にしてみればそれだけ少ない経費で済むというのもこれまた常識でしょう。  さらに需要度の面からいっても、いまの沖繩航路というのは、私は本土の国内線と比べても需要度は高いほうだと見ているのですね。あれだけの観光客なり関係者が沖繩へ行き来をしておられる。そういう面からしても、もう少し沖繩のこの航空運賃の問題については再検討する必要が私はあるんじゃないかという気がするわけですよ。いまたとえば大阪−東京間は確かに十三円七十七銭ですよね、一キロ。しかし東京−沖繩間は一キロ当たり十五円六十五銭のコストになっている。その面だけ省いてみても、相当沖繩の場合は高いということがいえると思うのですね。あるいは札幌−大阪間を比較してみても、東京−沖繩とでは一キロメートルのコストは高いですよ。そのむらというものについても、もう一ぺん私は再検討をする必要がこの際あるんじゃないかと思うのです。特に先ほど沖繩の先島線の点も触れましたが、最近また国内線の航空運賃を全般的に上げるということを日航、全日空、東亜航空ですか申請を、これはもうやったのですか、やろうと準備をしているわけでしょう。そういう面とのからみで、あらためて沖繩の航空運賃問題について御検討をする御意思があるのかどうか。私は再検討を要すると思うのです。その点いかがですか。
  46. 寺井久美

    ○寺井政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘になりましたとおり、従前沖繩関係の運賃がドルであった。これが円に切りかわりましたために、実際の利用者が切りかえによる負担を感じるという心理的な影響は、まことに御指摘のとおりだと思います。それから国内線全般の運賃申請もすでに出ております。目下われわれはこれは検討しておりますけれども、それと沖繩の南西航空の運賃値上げの申請を一律に扱うわけにはまいりませんと思いますが、同じに合理的なコストに基づく合理的な利潤を見込んでおるかどうかというような点、基本的にはそのような考え方で両社の運賃の値上げ申請の妥当性というものを検討してまいりたい、かように考えております。
  47. 上原康助

    ○上原委員 そこで、検討なさるわけですね。いま申請されている運賃改定申請の場合に、沖繩航路について全般的に検討するというのが一つ。もう一つは南西航空から、特にあれは独占路線ですから、その二点について御検討なさるということですね。
  48. 寺井久美

    ○寺井政府委員 さようでございます。合理的なコスト、合理的な利潤という観点に基づきまして、両方とも検討させていただきます。
  49. 上原康助

    ○上原委員 合理的な利潤、合理的な運賃という、合理的というのは利用するほうに合理的でないと、会社に合理的であってはこっちのほうが困るので、その点はいまの御答弁では納得できません。  そこで、具体的にお尋ねしてみたいのですが、先ほど平均して三五・一%だという御説明で、航空燃料の問題あるいは使用料、また人件費のアップというようなことがおもな改定の申請だという御説明でしたが、個々の路線について具体的に述べてみますと、何と那覇−久米島間の場合ですと、申請されたのは五四・二%の実に大幅な値上げ申請だと思うのです。さらに那覇−南大東が二八%、那覇−宮古五〇・八%、那覇−石垣三六・三%、宮古−石垣が三一・八%、石垣−与那国の場合は倍、九八・二%というような航空運賃改定申請だと聞いているわけです。これは会社側がそういう申請をしておっても、石垣市、いわゆる八重山の方々、宮古の方々、与那国の方々は絶対そういう改定ではいかぬ、改定してもらっては困るというまた強い要請なり陳情なりを受けているわけでしょう。これだけの大幅アップということは、どう考えても私たちの常識では考えられない。確かにいまの南西航空の実情からしてもいろいろな問題があると思うのです。空港整備の問題なり人件費のアップ、そういうことは社会的に考慮していかなければいかないということもわかるわけですが、当然現在の沖繩復帰後の沖繩のそういった経済状況なり物価問題等考えた場合に、特に公共料金が上がることによって他の諸物価への値上がりの誘発というのは大きな、これは本土でもどこだって同じなんです。そういう面からして、この問題は私は凍結をすべきだと思うのです。もしどうしてもやっていけないということなら、政府がそれに対する助成をこの際抜本的に考えてしかるべきだと思う。これは沖繩のいまの南西航空だけではありません。奄美大島と喜界島間が一番短い。東亜航空ですか、そこだって大きな問題になっているわけです。そういう状況等に対しては、地域住民特に離島に住んでおられる住民の利便、交通というものを考えた場合に、もっと運輸省として、国内全般についてローカル線についての政策的配慮、政治的配慮というものは私はこの際やるべきだと思うのです。これだけ大幅な航空運賃の申請が出ているというわけですから、そのお考えはないですか。
  50. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいま御指摘ございましたように、南西航空の運賃値上げ申請、路線によってはかなり大幅な値上げの申請の出ておりますのはそのとおりでございます。ただ、これは会社の申請でございまして、われわれこれが妥当性のあるものかどうかについては目下検討中であることを申し上げておきたいと思います。  また、この離島その他の問題について、抜本的な助成を考えるべきではないかという御示唆につきましては、現在のところ直ちにどのような手を打つかという具体策は持っておりませんが、十分御意見尊重して検討させていただきたいと思います。
  51. 上原康助

    ○上原委員 これは離島、僻地の関係者というのはもう深刻な問題だと思うのです。特に情報化時代という今日、飛行機というのは、かつての社用族が利用するということではないわけですよ。大衆の足になりつつある。そういう面からしても、私は奄美群島なり沖繩の離島については、もっと政府の政策的配慮というのが必要だと思うのですね。ぜひ聞き流さずに、そういった問題を含めて、根本的に改善をしていただきたいということを強く求めておきたいと思うのです。  さらに、本土ですと、国鉄というのが大衆の足になっているわけですが、沖繩の場合にはそういう鉄軌道が全然ないわけです。四国だってもはや橋がかかろうとしている、北海道だって陸続きになる。沖繩の場合は、橋をかけようにも、トンネルを掘ろうにも掘れない状態なんです。そういう面からでも、沖繩の交通体系の問題、陸上輸送あるいは海上輸送、航空路、そういうことについては——本土の国民は、直接は受けていないにしても、国鉄の運賃の改定、いろんな問題、財政問題、問題はありますけれども、国民一人一人は、国の交通政策によって相当の利益というよりも利便を受けていることは事実なんですね、戦後この方。しかし、沖繩にそういう恩恵というものは全然ないわけでしょう。国民平等の原則から考えても、やはり運賃問題に対してどうしても会社の採算がとれないということであるならば、それ相応の国の助成策というのがあってしかるべきだと思うのです。その点を含めて、この申請をされている運賃改定については考えていただきたい。関係者はほとんどもう一〇〇%、現在このような大幅な運賃改定をなされた場合には、先島住民の受ける打撃というものは一そう深刻になると、猛烈に反対をしております。そういう面で、ただ合理的なとか、あるいは適正なというようなことでこの問題をお考えにならずに、関係者の意というものを体して運賃改定をぜひ中止をするように要求をしておきたいと思うのです。  そこで、復帰後の通行税の問題と関連して、空港利用料の問題とか航行援助施設利用料あるいは航空機燃料税というようなものが、これまた、詳しくは知りませんけれども、いま全国一律になっているわけでしょう、採算の合うほうもあるいはローカル線で四苦八苦しているようなところでも。ここにも私は不合理があると思うのです。大体料金の二〇%は税金で吸い上げているんじゃないですか。国鉄だって赤字路線については国の財投をやっているわけでしょう、補助を。そういうものを、先ほど指摘しましたように、税制において考慮をするか、あるいは政策的に、税制も政策ですが配慮をするか、方法はあると思うのですよ。なぜ今日までこの問題がないがしろにされているか、私はむしろふしぎなくらいなんです。その点について、税制面においても考慮は払う必要はないのかどうかお考えを聞きたいと思います。
  52. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいま燃料税あるいは着陸料、航行援助料こういうものを非常に多く取っておる、こういう面からも調整は考えられないかという御質問の趣旨かと存じますが、沖繩につきましては燃料税については、内地と比べまして一年ズレて適用しております。また航行援助料につきましては本土の十分の一、十分の三、十分の五というふうに、四十七年度から少しずつ上げていって、五十一年度本土並みになるという考え方で進めております。  空港整備につきましては、航行援助施設も含めまして、すべて燃料税あるいは着陸料、航行援助料というようなものを中心といたしまして整備をする計画になっておりまして、究極的には利用者が大部分これを負担するというような考え方になっております。したがいまして、特に税制の面で格差をつけるというようなことを目下のところは考えておりません。
  53. 上原康助

    ○上原委員 この件はここで議論してもそう簡単にすぐできますということにはいかないと思いますが、いずれまた、もう少し私も勉強してからやりたいと思いますが、こういうことは当然考えるべきですよ。特に僻地の航路についてはぜひそういった配慮をやらない限り、幾ら口先で離島振興とかというようなことを言ってみても、ますます政治の恩恵というものを——恩恵というよりも地域住民、離島住民のいわゆる差別のない生活環境づくりというものはできないのではないのですか。その点あらためて議論もしたいと思うのですが、ぜひお考えになっていただきたいと思います。  時間もあまりありませんので、あと一つ、石垣−与那国間が現在YS11六十人乗りが運航しているわけですが、これを十月一日からですか、二十人乗りの小型機に切りかえるということらしいですね。現在六十人乗りをずっと運航してきているのに、しかも需要は高まっているんですよ。石垣−与那国間も安全度からいっても小型機に切りかえるということは私たちは非常に問題だと思うのですね。ああいう絶海の孤島で、風速もかなり速いのに、なぜこれを切りかえなければいけないのか、切りかえる必要は毛頭ないと思います。現在まで運航してきたのですから、この切りかえによって——もちろん石垣−与那国間の運賃というものが、先ほど申し上げましたように、九八%、約二倍も上がる、こういうことまでやらないでもいいのではないかと思うのですが、その理由と、なぜそうするのか、明確にお答えになっていただいて、ぜひ取り下げていただきたいと思います。これを再検討していただきたい。
  54. 寺井久美

    ○寺井政府委員 お答え申し上げます。  与那国島の空港につきましては、本土復帰の特別措置によりまして、引き続いてYS11が運航しておりますけれども、この空港の基準がYS11を使用する空港としては合わないという事情にございます。YS11用の空港に整備をすれば、もちろんYS11が就航できるわけでございますが、地形等自然条件のために、この基準に合う空港として整備することが非常に困難でございます。そこで、沖繩県とも十分協議をいたしまして、このような空港にはSTOLを就航させるということで、STOL用の空港として整備をするというふうに決定をした次第であります。  なおYS11よりもSTOLのほうが不安全であるというようなことはないというふうに考えておりますし、STOLになりました場合に、一機の客席数は少のうございますが、就航便数が増加いたしますので、絶対量として現在のYS11の輸送量に比べまして、減少するというようには考えておりません。
  55. 上原康助

    ○上原委員 あなた専門家のくせに、そういう答弁ではいけませんよ。そういう御答弁では納得しませんよ。STOLになれば、回数ふやしたって、運ぶ人間の数だってますます支障を来たすのはあたりまえじゃないですか。荷物だって手荷物しか持てないわけでしょう。政府も利用者の立場に立ってものごとは判断してくださいよ。  安全度の面から見ても、風速は常時十五メートルから二十メートル、しかも台風常襲地帯でしょう。低気圧が来ると欠航だということにもなる。いまだって南西航空は乗れない飛行機だ。われわれだって先島に行こうにも、一週間前に申し込まなければとれない、こういう状態です。しかもあなた、失礼ですが、何か県とも相談して、県も了解したような言い分ですが、県は了解していないでしょう。運輸省が押しつけているのではないですか。裏には、南西航空が石垣−宮古の間の便をふやしたい、いままで間に合わなかったから、増便をするには機数が足りないので、いま石垣から与那国に就航しているYSをどうしてもそこに振り向けたいというのが真意じゃないですか。飛行場だって、私の調べたところでは、昭和四十二年から今日までYSの事故は一回もない。何とか飛べる状況にあるのに、わざわざSTOLを持ってきて二十人乗りに切りかえる。週に三、四回あったのを一日四回にすれば、二十名だって多くなるんだ、そんな算術計算ではだめです。関係者は猛烈に反対しているじゃないですか。そこまで行政政府の権力というものは左右すべきでないと思う。再検討の御意思はないですか。
  56. 寺井久美

    ○寺井政府委員 航空局といたしましては、航空の安全ということをまず第一に考えて航空政策を実施いたしておりまして、確かに南西航空は与那国等で事故を起こした事例はございません。これは米軍の基準によって飛んでおりましたわけでございまして、わが国の関係の基準では、YSを十分に飛ばせる基準に残念ながら合致しないという状態でございまして、合致しない状態の空港に航空局としてはYSを飛ばせるというわけにはまいらない次第でございまして、この基準に合致するような形態の航空機によってサービスをせざるを得ない、残念ながらそのように考えております。
  57. 上原康助

    ○上原委員 そうしますと、YSを就航させるに合致する滑走路なり施設にする余地はないのですか。むしろそれをやるべきじゃないですか。今日までそれをやるべきじゃなかったですか。復帰してからも一年半あったわけです。そんな逆戻りするやり方はよしてくださいよ。
  58. 隅健三

    ○隅説明員 返還にあたりまして、われわれは四十七年に詳細なる各空港の調査をいたしました。与那国の空港につきましては、二十六度のほうに険座鼻という隆起サンゴ礁がございます。これが一つ。それからもう一つは与那国製糖の煙突がございます。また一方では、八度のほうに丘陵と道路がございます。これが侵入方面にオーバーになる。そこで、この険座鼻を削るかどうかという点について慎重に検討いたしました。この険座鼻は島の観光名所でもございますし、また宗教的にも非常に重要な個所でございます。そこで、これを削るということは県民感情として非常にむずかしい。ほとんど困難に近い。また、これを取りましても下に人家が相当ございますので、危険性もございます。こういうととで、険座鼻のこれを削ることを断念いたしました。  そこで、新しい空港あるいは滑走路の方向を振るという点につきまして検討いたしておりますが、先生承知のように与那国は相当丘陵の多いところでございまして、この与那国の空港も海軍がここをやっとつくりまして、それを米軍が補修して現在使っているように伺っております。そういうことで、島のほかの地域あるいは方向について調査をさらにいたしますけれども、その点非常に困難な点が多いように伺っております。
  59. 上原康助

    ○上原委員 時間が来ましたが、地形的にそういう困難性があるということも、関係者の陳情を受けて私もある程度知っております。しかし四十二年から今日まで、何とかでなくて定期に就航してきたわけでしょう。それを前向きに改善していくというならば、どなたも異論はないと思うのです。安全性の面だけ航空局の皆さんは強調なさるけれども、安全性をいうなら、那覇空港のP3や自衛隊機を取ったらもっと安全性なんです、私に言わせれば。根本的にそういう安全性を強調しながら、現在の那覇空港は何ですか。ターミナルはイモを洗うみたいで、しかも羽田だって第三ロビーをつくって、あんな狭いところにジャンボを持ってくるから人間はあふれているじゃないか。そういう面の改善はやらないでおいて、こういう僻地の問題については法律や規則でぎゅうぎゅう締めるというような、そういう政治はよしていただきたいと思うのです。  この問題はきょうは結論が出ないかもしれませんが、ぜひ、県当局あるいは与那国町、石垣市の関係者の方々ともう一度話し合っていただいて、はたしていま御指摘なさったようなことが技術的に不可能なのかどうか。私は、話し合えば改善の余地があると思います。そういうことで、そういう結論が出るまではSTOLを就航させるのを見合わすということはできますか。
  60. 寺井久美

    ○寺井政府委員 STOL機の就航の時期につきましては、まだ十月一日というようなことにきまっておりません。ですから、多少これは余裕がございますが、先生のおっしゃいますように、地元の十分御意見を伺って検討させていただきたいと思いますが、私は、ただいまSTOL機の就航を見合すというお約束は残念ながらいたしかねます。
  61. 上原康助

    ○上原委員 なかなかしぶといんだね。あなた。いまの立場でそういう御答弁しかできないかもしれませんが、いま私が申し上げたことも含めてぜひ御検討いただいて、地域住民の強い要望でもありますし、さらに今後海洋博の問題いろいろありますけれども、先島や与那国関係、離島を含めて、いろいろな経済的な刺激を与えるという面からしても、むしろ整備すべきなんです。与那国にしても久米島、南大東、宮古、八重山、全部そういうことをやらないものですから、いろいろな意見が出てくる。それを含めて、十月一日からすぐ実施するということはないということですので、ぜひ政府のほうでも再検討していただいて、地域住民の要望に沿えるようにしていただきたいと思います。  あと、いろいろお尋ねしたかったのですが、きょうはこの点で終えたいと思いますが、開発庁にいまの点、直接の担当は運輸省でしょうが、冒頭申し上げた物価問題等の関係において、航空運賃の改定というのはますます沖繩物価高騰を誘発し、県民生活に打撃を与える。そういう意味で、関係省庁ぜひ連絡をとり合って、この問題について県民の関係者の要望に沿えるように、ひとつ特段の御配慮をお願いしておきたいと思うのですが、いま申し上げた二点についてお答えがあればいただきたいと思います。
  62. 岡田純夫

    岡田政府委員 お答え申し上げます。  確かに先生おっしゃいましたように、海上はるかに離れた島でございますので、それと本土との関係、物価の問題に関連いたしましても、極力あらゆる面から短絡化を進めたいというふうに考えております。そういう面で、各省庁に強力に要請してまいりたいと思います。
  63. 浅井美幸

  64. 安里積千代

    ○安里委員 復帰後の沖繩の問題、いろいろありまするけれども、復帰の記念の大きな仕事として海洋博の問題がございます。海洋博の問題に関連をしていろいろ問題が起こっていることは、もう御承知のとおりでございます。     〔委員長退席、安井委員長代理着席〕 私は、せっかく計画した、また進行中の海洋博の計画でございますので、何とかして成功せしめなければならぬという基本的な考えを持っているわけでございますが、そういう立場で若干お聞きしたいと思います。  成功させたいという気持ちを持っておりまするけれども、残念ながら非常な心配をいたしております。はたして政府が、あるいは関係者の方々が予期しておったような、期待しておったような成功をするかどうか、私はこれに対して心配をしておるものでございます。当局とされまして、現在の状態においてはたしてこれが予想されるとおりの成功を見ることができるような状況にあると見ておられるかどうか、それとも、現在の状況から判断して、その見通しというものは決して明るくないんだというような見通しを持っておられるかどうか、これは所管の通産省関係から承りたいと思います。
  65. 増山孝明

    ○増山説明員 沖繩海洋博の会場の件でございますけれども、六月に会場計画を策定いたしまして、現在すでに工事を着工いたしまして、さらに近く本格的な造成工事が開始されるという段階でございまして、私どもといたしましては計画どおり順調に進行しているものと考えております。
  66. 安里積千代

    ○安里委員 順調に進行しておるということでございますが、それはたいへん甘いお考えでないか、こう思うのです。御承知のとおり、関連をしまする現段階におきましてしなければならない土地の提供、あるいはほぼ完了しているようでございまするけれども、あと五百日かそこらの日にちしかございません。これに関しまして、はたして予定されたところの施設、工事、これがほんとうに完了できる状況にあるかどうか、技術的な問題もありましょうけれども、四囲の物価の問題あるいは資材の問題もございましょうけれども、そういったあらゆる問題を含めて、だいじょうぶ、予定どおり進行できるのだ、こういう確信を持っておられるわけでございますか。そこに現在何の不安も持ってない状況、その趣旨で進めておられると承ってよろしゅうございますか。
  67. 増山孝明

    ○増山説明員 資材面あるいは労務面に問題があるということは承知いたしておりますが、この問題につきましては推進対策本部の中の関連施設部会におきまして、資材、労務に対する対策を決定いたしておりまして、この対策に従いまして問題の発生するごとに着々と手を打っておりまして、それをもちまして計画どおり進めたいというように考えております。
  68. 安里積千代

    ○安里委員 進めたいという希望はいいんです。ただ、現実にそれが予期どおりできるかどうかということにつきましては、不安を持つわけでございます。問題は、いま現在におきましても、これによって派生しましたいろいろな問題から、反対あるいは延期しなければならないというところの声もございます。あるいはまた、現在の状況からすると、規模ですか、計画を縮小しなければならない、こういうような意見も出始めております。縮小するにしろ何にしろ、あるいは工事や施設を突貫工事でしゃにむに完成させるということは可能でございまするけれども、政府といたしましては、これを成功せしめるために、当初の計画を幾らかでも縮小する、あるいは変更するというような考えはなくて、現在予定どおり完成の見込みは十分ある、こういう自信を持っておられるわけでございますか。
  69. 増山孝明

    ○増山説明員 縮小の議論が現地において行なわれているということは存じておりますが、これは最近におきます資材の予想以上の価格の高騰によるところではないかと考えますが、この点につきましては、目下資材の価格の値上がりが、建設計画にどういうような影響を及ぼすであろうかということを調査中でございまして、この調査結果を待ちまして対策を決定いたしたい、このように考えております。
  70. 安里積千代

    ○安里委員 そこがちょっとあれなんですが、これから何か対策を講じなさるというようなことでございますので、現在の状況からしますと、なかなか困難な要素というものが相当あるんじゃないか、いまはもう対策を講ずる時期じゃないんじゃないか、もうすでにいろいろな施設に着手して、どんどん進めておらなければならない時期じゃないか、こう思うわけでございまするが、皆さんとされまして十分これができるんだということでありますならば、あえてそれを追及することはやめたいと思います。  ただ考えますというと、日本の技術、こういった面からしますならば、確かに何とかして施設あるいは関連する諸工事というものを進めることは、私はできると思います。それは信頼したいと思いますが、しかしそれをやるためには、相当の無理を私は覚悟しなければならぬのじゃないか。労働力の問題あるいはたとえば物価の上昇から来ますところの単価の値上げ、いまの予算では十分できないから、さらに金額を上げて、労務賃でもそうでしょうし、あるいは機材の面でもそうでございましょう、そういった点によって仕事ができる、こういうことも考えられるわけでございまするが、しかし問題は無理してと申しますか、どうしてもやはり予定どおり完成しなければならないという、そのためには単価の問題あるいは賃金の問題、そういった問題についてもいまのような状況じゃいかずに考え直さなければならぬ面があるんじゃないか。そうせずにおいて、いまの状況においてだいじょうぶだということは、たいへん甘いお考えじゃなかろうかと思うのですが、その心配もございませんか。
  71. 増山孝明

    ○増山説明員 ただいまの点につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、資材、労賃の問題、これにつきまして目下検討中でございまして、数字を調査いたしておりまして、その結果を待ちまして検討をいたしたい、このような状況にございます。
  72. 安里積千代

    ○安里委員 私は、せっかく政府が計画したことでございまするし、それに国際的につながりを持つものでございますので、これを現在段階において中止するあるいは延期するというようなことはでき得ない状況にあると思います。したがって、どんな無理をしてでもこれを完成するというような方向にいかなければならないところにきておるのだ、こう思っております。しかし問題は、そうすることによって、つまり沖繩復帰後における一つの大きな事業として、海洋博を成功せしめるという至上命令と申しますか、このことのために資材の確保あるいは労働力の吸収、賃金の問題あらゆる問題が海洋博を中心に注がれてくる。しかも海洋博関係というものは、本土における大手企業などがどうしても中心にならざるを得ないと思います。相当大幅な工事、高度の技術を要する、そういったことから考えますと、これをずっと推し進めていきますと、できないことはございませんでしょうけれども、それによって沖繩現地におけるところのしわ寄せというものがどのようにくるかというようなことについてはお考えでございましょうか。
  73. 渥美謙二

    ○渥美政府委員 海洋博全般の問題は通産省が所管しておりますし、ただいま管理官のほうから会場の問題を中心にお話があったと思います。私ども開発庁といたしましては、特に関連公共事業ということを問題にしているわけでございますけれども、これは御承知のようにいわゆる沖繩振興開発、社会基盤の整備を早急に整備したい。それについて海洋博の開催というものが一つの柱ということになっているわけでございまして、その観点から申しますれば、関連施設をりっぱに早急に整備いたしたいということで考えているわけでございます。ただ、先ほども御答弁申し上げましたように、最近非常にいろいろな大きな工事、五十八号線はじめ、そういう関連公共事業の大きな工事が着手、進捗の見通しがついてまいりました。ただその他いろいろなところで、なおかつ用地の問題でございますとかそういうことが固まっていない、そういう仕事があることも事実でございます。これは海洋博開催という時期を一つのめどにして、私どもぜひそれを早急に整備いたしたいということを考えているということは先ほど申し上げたとおりでございますが、何ぶん復帰ということに伴いまして急激に沖繩振興開発をはかりたい、いろいろな社会基盤の整備にいたしましても、大体振興開発計画の前半ぐらいに本土並み水準に持ってまいりたい、こういうことで、この海洋博関連ということのみならず全般のいろいろ施設工事というようなものが相当急激に始まってまいりました。これは従来の沖繩の経済規模に比べますと相当な量でございます。その関係でいろいろ摩擦が生じているということは事実でございますが、そこで、何べんも申しますが、関連施設部会で、一体どういうふうな資材をどういうふうな手立てでどう流していけばいいか。特に砕石というようなものは、県内の増産を非常に大幅にお願いしましてもやはりこれはとてもまかない切れない。そういった場合に、どこかから船で運んでこなければいけませんが、ものの性質からいってどうしてもこれはコストが高くなる。それを今度一般民間工事のほうで負担しないで済むような方法はないか。つまりいまいろいろ検討しておりますけれども、公団の事業であるとかあるいは国の直轄事業であるとかそういうところで吸収して、いわゆる民間が使用されるものにはそういうはね返りがなるべく少ないようにする方法はないか、その他いろいろ検討しているところでございます。全般的にいろいろな摩擦みたいなものはあるかと思いますけれども、いかにしてその摩擦を少なくして、そうしてそういう関連公共事業が予定どおり進み、できるだけ社会基盤の整備をはかってまいりたい、かように努力しているところでございます。
  74. 安里積千代

    ○安里委員 海洋博はどうしてもいまの予定どおり、縮小する気持ちもないし、いまの状況において十分成功せしめる見通しがあるという理解のもとに、私はそういう確信があればけっこうだと思いますが、私が心配いたしますのは、対外的な関係もあるし、政府として計画されたこの事業というものをどうしても成功させなければならないということになりますと、そこにどうしてもやはり無理が生じてくることが考えられてまいります。時間がございませんので、私はそれ以上を申しませんけれども、そうすることによっていろいろな問題というものが、沖繩現地における、ことに地方自治体の負担あるいは地方自治体の行なう公共事業沖繩自体の需要に応ずるところの問題というものがしわ寄せが来る。いまでさえ県も大きな事業であるところの海洋博に埋没しておる、そのことにみんな県政というものが目が注がれているという批判も受けるのでございますが、私はそれは決して単なる批判だけじゃなくして、これを成功させなければならないというようなことからしてすべての問題が海洋博中心になりまして、そのために起こるところの資材あるいはまた労働力、これが沖繩における特に中小企業本土における大企業はそれでいいかもしれないけれども、そのしわ寄せが来る。市町村の自治体におきますところの公共事業その他にも相当の負担がかかってくる。ここに無理が生じてくるのではないか。ですから成功させることはけっこうでございます。また責任をもってやることはけっこうでございますけれども、それによって起こるところのいろいろな支障、しわ寄せというものが県自体、自治体の上にあるいは民間企業の上に及んでおることを常に念頭に置かなければならないということを私は特に申し上げておきたいと思います。それに対する配慮なくして、ただ海洋博を成功させればいいという一点に着目いたしますと、政府の施策として非常に大きな失敗をもたらすものだ、このように思います。  そこで総体的に、海洋博をあの時期にあの沖繩でやるということ自体の中にも私は反省しなければならぬ問題があると考えております。目標そのものは非常にけっこうなことでございますけれども、大阪における万博の成功、こういう観念で臨んだかもしれませんけれども、時期的にも復帰の直後のいろいろな問題を処理しなければならぬ問題があるし、あるいは狭い沖繩に、しかもあれだけのことを一時にやる、こういったいろいろな問題というのが時期的にもあるいは地理的にも——本土内における大阪万博をやったのとは全然わけが違うのを同じ観念でやったのではないかということが一つと、もう一つは海洋博、万博だけにとらわれまして、これによって起こるいろいろな問題の配慮が足りなかったのじゃないか。  現にいまこれに関連をいたしまして、地元におきまする第一次産業の破壊につながるんだ、農業破壊につながるんだという声が強く起こっておることも御承知のとおりだと思っております。特に沖繩の基幹産業であるところのキビ産業にも、労働力の問題もそうでございまするけれども、賃金の引き上げその他も影響いたしまして、そして沖繩の基幹産業であるキビ作も壊滅になるんだというような心配さえも多く持っておるわけであります。ですから工事そのもの、海洋万博そのものを遂行することはけっこうでございまするけれども、それによって起こるところの、その他の産業に対する影響は非常に大きいと思っております。  農林省関係にお伺いしたいと思うのでございまするけれども、現地から強い要求もあったと考えております。次期のキビの買い上げ価格というものも、とうていこれは生産費に及ばないんだということが強くいわれております。そうなりますと、もちろん海洋博だけの問題ではございませんけれども、それが大きく作用いたしまして、物価の上昇、ところが農民の生産ものは上がらない、こういうことで離農する者も多くなってくる。沖繩の地理的条件を最も生かすべき、天然の土地というものを耕すところの農業生産というものがみんなつぶれてしまうというような心配も出てまいります。この沖繩の糖業、これを海洋博の実施とも関連づけましてどのように当局は考えておられるか。特に次期キビの買い上げ価格につきますところの沖繩の強い要求があるはずでございます。これに対しまして農林省当局のお考えをお聞きしたいと思います。
  75. 永井和夫

    ○永井説明員 御質問の第一点のサトウキビの買い入れ価格でございます。これは例年糖価安定法に基づきまして十一月二十日までに定めるというとになっております。したがいまして、本年度もそういう時期に決定いたすということになるわけでございます。それの算定にあたりましては本年の九月末に実施する、あるいは四十七年のサトウキビの生産等の各種統計をもとにいたしまして、私どもで算定をいたすということにいたしております。現在その資料を収集中でございまして、十一月の中旬ごろにはその数字が出てまいるということで、考えてまいりたいということで、具体的に価格のことについては現在とやかく申し上げる段階ではございません。  先生指摘の点につきましては、私どもそういう事情は十分地元から聞いておりまして、また現在収集中の諸調査には当然そういうような傾向も反映されてくるものというふうに考えておりますので、そういう事情も踏まえながら価格を決定していきたいと考えておるわけでございます。
  76. 安里積千代

    ○安里委員 時間がございませんので私はもう詳しくは申し上げません。昨年のトン当たり七千円に及ばないような価格、今年の農民の要求というものは、これでは現在の状況においても赤字が出る、赤字どころじゃない、働いて働きがいのないあれになる、トン当たり一万三千円、これは決して無理な要求ではないと思います。事務当局におきましてはいまの方式の中において算出するでございましょうけれども、少なくともちょうど主食米というものがどのようにして金額が算出されるか。主食米というものが国民生活にとって重大なものであるがゆえに、その確保のための処置も価格の上においてきめられておるはずでございます。私は糖業についてただ沖繩の農民を云々するという問題じゃなくして、政府自体が糖業についてどのような立場で考えるかという、この基本的な姿勢というものが改められなければいかぬと思っております。ただ農民のために、あるいは沖繩経済のために、基幹産業だから云々というだけではなくして、外国から安い砂糖を入れればいいという単純なものではなくして、どんな場合においても需要の何分の一かは常に国内において確保できるんだ、確保するんだ、国民全体に対する責任上、国内において甘味資源を確保するためには、これを耕作する者の生産意欲を失わしめず、それに応じて生産にいそしむことができるような価格を保障する、こういう立場でもって、国家の国民に対する甘味資源確保の立場から、外国等に依存することなく、国内において若干はいかなる場合においても確保するのだ、こういう高い政策的見地から沖繩の糖業を見て、そういう立場から価格の設定というものをしなければならぬ、私はそのように思うわけでございます。そうしなければ、沖繩だけの糖業のためにばく大な金を使うのかというような考えが生まれてくると私は思うのであります。政府とされまして、日本における甘味資源確保のための沖繩の糖業の位置づけ、その基本的なお考えだけを承って、そういうところから、今度の買い上げ価格につきましても配慮を願うということを強く要求しておきたいと思います。その基本的な考え方についてお聞きしたいと思うのです。
  77. 二瓶博

    ○二瓶説明員 沖繩県のサトウキビにつきましては、地域農業の重要な地位にあるということはただいま先生指摘のとおりでございまして、そういう認識に立ちまして、甘味資源特別措置法に基づきまして、サトウキビ生産振興地域というものに指定をいたしたわけでございます。  それとともに、土地基盤の整備、それから省力機械化の促進、そういうためのいろいろな機械がございますが、その機械の導入、それから収穫機械の開発というような生産振興対策の推進につとめてまいっておるわけでございます、今後ともサトウキビの沖繩の農業におきます重要性にかんがみまして、栽培の省力化、特に収穫作業の機械化を中心としました栽培の改善と生産組織の育成、土地基盤の整備というものを積極的に推進いたしますとともに、サトウキビと畜産等との複合経営の育成をも含めて、キビ生産の推進等、農家経営の改善につとめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  なお先生から、今後の長期的な需給といいますか、そういうような面を踏まえてというお話がございましたが、この面につきましては、農林省といたしましては昨年の十月に、農産物需給の展望と生産目標の試案というのを公表いたしておりますが、これにおきましては、五十七年を目標にいたしまして、自給率を二六%ないし二八%にいたしたい、かように考えておるわけでございまして、そういう目標に向かってただいま申し上げましたような生産対策、それから価格政策の適切な運用というようなことをはかりまして、その実現に努力してまいりたいと考えておるわけであります。
  78. 安里積千代

    ○安里委員 私が申し上げるのは、国内における自給率をどのくらいにするか、そうしますとそれにより生産が行なわれなければならぬ。生産するためには、簡単にいえば引き合うところの買い上げ価格を維持しなければなりません。いまの状況だと、みんな捨てていくというような状況になりますと、大事な自給率を高めていくというこの基本的な方針に反していくわけでございますから、農民たちが生産意欲を失わないように、国内自給力を確保するための処置というものは基本的に考えなければならない。これを従来のように、ただ事務的に計算されたところの価格だけでは、決して農民たちはこの自給力に協力できる問題ではないのだということを私は申し上げたかったわけでございます。  時間がございませんのであれでございますけれども、私は海洋博に関連をいたしましてもう一つだけお聞きしたいと思うのです。  私が心配いたしますのは、海洋博は、施設はできた、やれるでしょう。しかし施設ができただけじゃなくして、ここに多くの方々をお招きしなければならぬ。沖繩に来られる人、半年の間に五百万ともいわれております。そういう人たちをほんとうにスムーズに会場に運ぶことができるかという一つの心配がある。施設はできたけれども、せっかく見に来た人々に不満足な気持ちを与えてはいけないということが一つと、もう一つは、海洋博に来られる方々というのは、単に海洋博そのものだけじゃなくて、沖繩全体に対する、あるいは沖繩の自然を見、あるいは地方を見、こういったものをあわせて来られるという方が多いと思います。したがいまして、単に海洋博の現地だけの問題ではなくして、宮古、八重山に関係します地方、こういったものを含めて、五百万の内外から来られる方々を満足せしめるところのことをしなければならぬと思っております。そういうことの配慮がなければ不満足な結果に終わりはせぬかと私は心配いたしております。  そこで、先ほど上原委員からいわれておりました宮古、八重山のあの南西航空の航空賃の問題でございますが、上原委員が言ったとおりでございます。それはいまでさえさばき切れないところの状況である。より安全により多くの方々を送らなければならない。そこへまた航空賃が上がる。こういったことを考えますというと、海洋博を成功せしめるその関係からしましても、地方におけるところの航空賃の値上げというものは考えなければならぬ問題だ、こういうふうに思うわけでございます。  あと、いま沖繩で開放されております開放地の処理につきまして触れたかったのでありますが、時間がございませんので一つだけ私は申し上げておきたいと思っております。  一番問題になりますのは、軍用地が開放になりまして、あとどう利用するかという問題——その前に、前から問題になっておりますこれらの軍用地の地籍の確定ということがなされておらない。これが将来にも尾を引く大きな問題だと考えております。このことは、第六十七回国会の四十六年十一月に民社党の門司亮議員から、当時から、この確定に対してはすみやかにしなければならぬと要請があり、佐藤総理大臣も、困難な問題であるけれどもやる、こういうふうな答弁もございます。当時の長官の山中長官も言っております。あれからもう数年過ぎております。いまでも具体的に軍用地の確定というものにつきましてはほとんどなされておりません。  お聞きいたしたいのは、一体この問題はどこが主管になってやらなければならぬのであるかということだけを私は承りまして、あとのことは次の機会に回したいと思います。  本来地籍の問題は法務省関係であるかもしれません。開発庁にも関係があります。建設省にも関係があると思っております。しかしこの重大な問題は、どこが主管になって予算の関係であれ、実施の関係であれ、おやりなさるのであるか、どうもその責任の所在というものが非常に不明確でありますので、この機会に、どちらがこの問題を主管するのか。あるいは防衛施設庁の関係であるかどうか。役所の中におきますところの権限——みんな回避しておるような気持ちも出てくるわけでございますから、どこが一体主体としてこの問題に取り組まなければならないのか。施設庁か開発庁か法務省かあるいは建設省か、相関連するのでございましょうけれども、それをまとめて、どなたかひとつ関係の当局のお答えを願って、あと詳しいことにつきましては後にまたやりたいと思います。
  79. 岡田純夫

    岡田政府委員 この問題は、たとえば不動産登記法でございますと法務省が関係しておられます。それから国土調査法の関係でございますと経済企画庁が関係しておられるというようなことでございますが、非軍用地の問題は沖繩開発庁、法務省、経済企画庁、それから軍用地の問題は防衛施設庁が関係してございますので防衛施設庁、ここら辺の省庁が一体となりまして、この種の問題の対策連絡会議を持っております。したがいまして、この場において軍用地の問題をどのように考えていくべきか、非軍用地の問題をどのように考えていくべきか、その間の並行的な問題もございますので、これをどういうふうに考えていくべきか、こういうことをお互いに協議しながら進めておる、こういう状態でございます。したがいまして、その連絡会議の場においてまとめてまいりたいということでございます。
  80. 安里積千代

    ○安里委員 その連絡会議というのはどこが主体になって開催しておるわけですか。
  81. 岡田純夫

    岡田政府委員 これはその会議のつど、じかに相談しながら場所その他につきましてもきめておる、こういう状態でございます。
  82. 安里積千代

    ○安里委員 私は地籍の問題を特に言っているのですよ。
  83. 岡田純夫

    岡田政府委員 それも承知いたしましてお答え申し上げております。なお、沖繩開発庁といたしましては、そういう問題についての推進ということは設置法上心得ております。したがいまして、推進という面からそういう意味での窓口になりまして、その会議に臨んでいるということでございます。したがいまして、場所とか今後の進め方というものはあくまでもその会議においてきめてまいっておる、こういうのが現状でございます。
  84. 安里積千代

    ○安里委員 終わります。
  85. 浅井美幸

  86. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最初にサトウキビ価格の引き上げ陳情が特に農林省に来ておると思いますが、今度の場合は去年と違って鹿児島が一緒になっております。要求は統一されております。さらに去年と違うのは、去年は沖繩県と生産者及び生産団体の意見は統一されておりませんでしたが、今度は県も議会も生産者団体も生産者も統一され、さらにこれが鹿児島と共同で陳情が行なわれております。  その陳情については、すでに御承知だと思いますが、ぜひこれは成功させなければいかぬという問題は、トン当たり六千九百五十円、これは安過ぎる、引き合わぬ、最低一万三千円にしろという問題と、さらに米穀買い入れ価格算定方式と同様、生産費及び所得補償方式により算定すること、不可分に結びついております。  したがってお聞きしたいのは二つです。一つは、こういった鹿児島を含めて、沖繩の統一された要求を正しいと思って前向きにその要求をぜひ実現させなければならないなということで、検討を加えておるのか、これが一つ。もう一つはいやちょっと高過ぎる。八〇%も上げるのじゃ高過ぎる。消費者にしわ寄せされるのじゃないか、また国税を食うんだ、いろいろ私聞いておりますが、いずれにしてもこれは高過ぎる、無理だというふうな意味で、しかも少しはふやさぬといかぬなということで検討を加えているか。これは大臣ではなくて事務当局が来ておられますので、この二つの点をはっきりお答え願いたいと思います。
  87. 永井和夫

    ○永井説明員 先ほど安里先生にもお答え申し上げましたように、十一月二十日の価格決定の時期を前にいたしまして、現在資料を収集中でございます。したがいまして、その統計数字が出てきたところを見まして、私どもの考え方というものを固めてまいりたいということでございまして、いまずばり御質問がございましたが、それにつきましては現在何とも申し上げられない段階でございます。
  88. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 そうしますと、沖繩から最初に生産者団体が来たのです。それから県議会が来た。それから知事もやってきた。今度はこれが鹿児島まで一体となって、県知事、県議会が一緒に来たのです。御存じですね。その反応はちっともないというわけですか。そういった資料を集めて何とか検討したいという段階ではないと思うのです。いずれにしても、こういった陳情に盛られた要求は無理じゃないな、この物価の値上がり、経済事情の変動などから見て、やはりこれは無理じゃないなといったような感じで実務を進めておるのか、これはむちゃくちゃだ、八〇%も値上げするのは何ごとだということで進めているのか、この両方しかないのです。これを答えてもらいたいと思います。
  89. 永井和夫

    ○永井説明員 地元からの御要望は私も十分伺っておりますし、それからその内容も私、自分なりに検討しています。しかしながら、具体的な四十八年度産の価格を決定するのをどうするかということに関しましては、先ほど申し上げたとおりでございますので、それらの事情が判明いたしませんと、どういうふうにいたすということは申し上げられないわけでございます。
  90. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 そうしますと、沖繩と鹿児島の共同要求については別に気にせぬでもいいのじゃないかというふうに解釈しているのですか。何の反応もない、反応は少しはあるでしょう。
  91. 永井和夫

    ○永井説明員 地元からのお話は私なりに十分お伺いいたしまして、確かにそういうような労賃の上昇等の御事情も現地にあるだろうということは承知しております。ただ、そういうものは、私どもが今回収集しております数字にも当然反映されるべきものというふうに考えておりますので、私どもはそういうものが出てまいりました段階で、具体的な数字をどういうふうにするかということを考えていきたい、こういうふうに見守っているところでございます。
  92. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私がことしの予算の分科会で農林大臣にお聞きしたときに、やはり一万三千円要求しました。これは偶然一致しておるのじゃないのです。いま一万三千円要求していますね。あのとき出したのは、あの委員会で申し上げましたが、いわゆる沖繩と他府県の農民の労働賃金を差別してはいけないのだ、米価の決定に対してその家族労働を含めて賃金はこれだけである、沖繩はこれだけだから、差別しないで、米価決定する賃金並みにすると一万三千円以下ではできないと要求したことに対しまして、最後に農林大臣は、この点についてはすでに沖繩県知事も了解しているのだということでした。  さらに私、追及しまして、砂糖類・でん粉関係法規集の中にありますように、第二十一条三項に、「最低生産者価格は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があるときは、改定することができる。」告示した場合でも、「農林大臣は、遅滞なく、改定後の最低生産者価格を告示しなければならない。」という項目があるから、告示した後でも大臣がその気になればできるのだ。これは、または生ずるおそれがあったのです。したがって、その場合、そういった改定の告示にしないで、とうとう六千九百五十円を押しつけられた。  そこで私がお聞きしたいのは、農林省自体の政策の破綻だと言うのですよ。破綻だと言うとあなた方かちんとくるかもしれないが、たとえば見通しの甘さがあったんじゃないかなと思うんですね。  そこで、それを確認する前に沖繩のキビの立ち枯れという問題、これは他府県であまりなじまないことばなんですが、この立ち枯れしたサトウキビのトン数、面積、すでに県の農林水産部、これから出しただけでも全県で五百六十三ヘクタール、一万八千トンに及んでおって、採算に合わないために放棄したというもの四千八百八十六トンとか、家畜飼料により、さらに土地の売却により、労働力不足により、その他ということになっておりますが、土地売却による放棄分がわずかに七百九十六トン、その他は、ほとんど値段があんなような値段でやられたために引き合わぬ、たとえ七千円でも、労働者の賃金が収穫するのに一トン当たり二人要りますから、三千円二人で六千円、それで千円しか残らぬじゃないか、ああもうほったらかしておけ、これが立ち枯れなんです。こういったようなものが見通せたわけです。物価が上がってくる、その他経済変動が見通せる。それが見通しがつかなかったということなんです。だから、したがって、六千九百五十円で決定した、県知事も承知しているからといって決定を無理やりにやったということでは、政府の政策の破綻なんですよ。あなたいま三八%のあれまで引き上げると言っておりましたが、いまのような千円くらい上げたからといって一体どうなるものか、どうにもならぬですよ。ますます立ち枯れが多くなってくる。サトウキビはつくったが、もう引き合わぬからほったらかしておく。次はトン当たり二万円くらいにきめないとできぬような状態になるおそれが十分ある経済変動の見通しがついている。その意味で、これまでの価格決定について六千九百五十円ときめたのは少し見通しが甘かったなぐらいの考えがありますか、課長さん。
  93. 永井和夫

    ○永井説明員 昨年の四十七年産のサトウキビの生産者価格を決定する場合には、それまでの物価、労賃の変動等は当然その参酌事項として考えたわけでございますが、沖繩の現地の農業労賃の推移を見てみますと、昨年一ぱいまでは大体千五百円から千七百円程度の水準のものが、本年二月に入りまして二千四百円と急騰しておる、こういう事情はあるというふうに考えられます。
  94. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 なお悪いな。そういった見通しがついていながら、なに農民のことだ、何とかなるだろうということで六千九百五十円ときめたとすれば、たいへんなことになりますよ。経済事情の変動がある程度予想される、物価も上がっていく、それが甘い見方であったためにこのような状態になって立ち枯れした、こういうふうにさせたということは農民の責任じゃありませんよ。農民が要求したにかかわらず、あなた方がこういう値段で押えたからこそこれが出た。これは県の農林水産部の事実調査によるトン数なんですね、一万八千トンというのは。現に私は立ち枯れしているそれを宮古に行って見ました。宮古がそのうち二百七町歩に及んでおる。こういった点について、はっきりいえば、やはり日本政府の農林省の政策の破綻を意味する。特にキビ生産農業に対する政策は間違っていた。破綻したので反省して、沖繩県の農民は、さらに鹿児島県の農民も今度こそ共同して——この法を直ちに改正しないでもちゃんと三項にあるのですよ、やろうと思えば。これについてやはり見通しが甘かったというふうに御答弁なさったほうが安全じゃないですか。これを知っていたがこういった無理やりなことをやったのだというふうに理解していいですか。
  95. 永井和夫

    ○永井説明員 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、昨年の十一月に、それまでの推移というものを前提にいたしまして価格を算定したわけでございますが、その昨年の事情は、大体昨年一ぱいは農業労賃というのはそう大きな変動はなかったけれども、今年に至りまして二月ごろから農業労賃が急激に上昇しておる、こういうような事情があったために、決定した価格というものについて、農家の方々のそういう点についての御意見があるということは現在承知しておるということを申し上げたわけでございます。
  96. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それで、あなた方の前向きに検討するかうしろ向きに検討するかによってきまりますが、農民の要求が実現するように——これが実現しないと立ち枯れはあと二倍、三倍になってくるということはもうはっきりしています。  そこで、比較はあまり正当ではありませんが、四十七年度の軍用地代、これは反当たり大体七万八千円になるのですよ。これは防衛施設庁で全部算定しましたら、四十八年度、もっと上がっていますよ。ところが、これさえ安いのだということで軍用地主はその引き上げ要求を出している。そこで、いま申し上げました砂糖の価格、トン当たり七千円。比較いたしますというとどうなるか。七千円で六トン出るとして四万二千円しかならない。一万三千円にしたときにやっと七万八千円くらいになる。ところが、そういう軍用地代さえ安いということで地主は値上げ要求しているのですよ。そういったものと比較しましても、一万三千円の農民の要求は当然であり、だれが見てもこれはやはりそれくらい引き上げぬと、基盤整備する間にもうサトウキビはつくってもだめだといって意欲がなくなってしまったら、甘味資源を一体あなたどう確保するのですか。確保できないような状態に追い込んでいってプランは立てていく。やれ三八%、やれ四〇%などという、そういったものが実現するためには、生産費を償うのだ、所得も補償できるのだ、農民が安心してサトウキビをつくれる状態にまず引き上げて、あとで基盤整備その他もできるでしょう。屋良知事も、この前会いましたが、これが農業の一番の中心眼目である、これをもし政府がやってくれなければ、沖繩のサトウキビの生産はほとんど破壊状態になる、こうなんですよ。これについてどう考えるのか。いま私は軍用地代と比較しましたが、これは正しい比較でないのです。安過ぎるから高くしろと要求しているのです。こういったものに比較してすらいまのような状態の格差が出てくる。そうすると、農民は踏んだりけったりということになりますよ。どうなんですか。
  97. 永井和夫

    ○永井説明員 地代との比較の御指摘がありましたが、地代と直接に比較することは、その土地条件等によりましていろいろあろうかと思います。私どもは直ちにそれに比較いたしまして生産者価格が高いか安いかというよりは、やはりあくまでも現在の農業事情のもとで、一定の方式によりまして適正な価格を算定してまいる、かように考えておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように現地におきます労賃の事情等も、この十一月二十日までの算定時期までには、これらのデータ等も収集して算定いたしますので、当然現地の事情はその中に織り込まれるもの、かように考えておるところでございます。
  98. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間がありませんので、一応糖業問題について私、もう少し確かめたいのですが、最初に申し上げました一万三千円のキビ価格の引き上げ要求、これは理解できますか、できないですか、はっきり答えてください、理解できないならできないと。
  99. 永井和夫

    ○永井説明員 いろいろな前提とか方式その他の問題はございますけれども、それなりの一つの考え方であるというふうに考えております。
  100. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 理解できるかどうか。できぬなら、できぬでいいですよ。そうすれば態度としてきまってくる。
  101. 永井和夫

    ○永井説明員 一つの考え方であると思います。
  102. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 いまの答弁からすると、農林省は沖繩だけでなしに、沖繩と鹿児島県の農民が要請した問題については当局は真剣に考えていない、理解していないという結論に達します。したがって、私これはいろいろ機会を見てさらに質問することにしますが、最後に那覇空軍基地の問題についてただ一点だけお伺いしたいのです。  沖繩返還のいわゆる沖繩国会で、政府は那覇飛行場、空軍基地を含めて、これは目玉商品などといって返すということをいった。これはうそでした。返すどころか、ますます那覇飛行場を中心として非常に危険になっている。  それで航空局にお伺いしたいのですが、いまタイからファントムがやってきていますね。十三ともいわれているし、二十ともいわれているが、これは事実います。それを見ました。P3は相変わらずとぐろを巻いている。演習は激化している。それで民間航空がやっている。これは非常に危険ですね。それで向こうのターミナルの責任者に聞いたら、民間機一に対して向こうは大体二・五くらいでひんぱんに発着するのではないか。それは非常に危険だと思いますが、危険であるのか、危険でないのか、これだけお答え願いたいのです。
  103. 内村信行

    ○内村(信)政府委員 危険でございません。
  104. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それで危険でなければ、現状のようにファントム——ファントムは何機いますか。これだけ答えてください。
  105. 内村信行

    ○内村(信)政府委員 私どもファントムあるいはP3対潜哨戒機あるいはA4等がきておるということは聞いておりますが、その数字は詰めてございません。
  106. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 数字を詰めていない、現に私も見ているし、県民も危険だなと思っているのですよ。ターミナルの責任者すらこの状態では危険だなということを言っておる。あなたは危険でない。ところが、答えは、ファントムが何機いるかわからぬという。わからなければ、危険じゃないというお答えが出るでしょう。これがわかって初めて、見ろ、十三機来たんだぞといって、たいへんなことになっていると言うか、いや、十三機来ても危険ではない、あと十機くらいふやしても危険じゃないと言うことができるでしょう。あなたはそれを知らない。知らぬで危険でないというのはどういう意味ですか。
  107. 内村信行

    ○内村(信)政府委員 私も沖繩におきます米軍の航空機がどういうふうに飛来してくるかということにつきましては、そのときどき違いますので、はっきりした数字は実はつかめないわけでございます。しかし、全体的な数字についてはつかめておりまして、大体昭和四十八年の一月から七月まで実績をとってみました。そうすると、平均的に見まして、民間のほうが月平均が大体三千四百弱、米軍が大体三千三百幾ら、それから自衛隊が千ちょっと、自衛隊と米軍を入れまして四千四百幾ら、大体五七%でございます。それから民間機のほうが、自衛隊プラス米軍に比べまして四三%、こういうことになっております。合計いたしますと七千七百八十機、これぐらいが月平均、一月から七月まで、いままでの実績によりますと飛んでおります。したがいまして、要するに航空の安全の問題は管制のセパレーションの問題でございます。したがいまして、ちゃんと管制に従って、セパレーションを完全にとってやってくるということになりますとその危険はない、そういうことになります。したがいまして、この七千七百八十機というのが沖繩の那覇空港のキャパシティーあるいは管制の能力からしてどうか、こういう問題になるわけでございますけれども、これについてはそういうふうな数は管制上危険ではない、こういうように申し上げたのであります。ちなみに名古屋の場合をとってみますと、大体月間平均、これは自衛隊と民間と共用しておりますが、九千八百二十五回ぐらいでございます。したがいまして、そういうところから見まして、大体危険はないというふうに申し上げたわけでございます。
  108. 浅井美幸

    浅井委員長 瀬長君に申し上げておきますが、この際、申し合わせの時間が過ぎておりますから、結論を急いでください。
  109. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間が来たようですので、一応締めたいと思いますが、那覇空軍基地は、実際は飛行場は返還する目玉商品でした。あれ政府はうそをいっておるのですよ。もうあなた、五月十五日以降一年余りでしょう。いまだに返還どころの騒ぎじゃない。これはうそです。P3もまたさらにファントムもやってきた。県知事はそれに対して反対して、その駐留を認めないということは沖繩県民の要望だと見なくちゃいかぬでしょう。いまあなたの御答弁聞いてもわかるのですが、ファントムが来たってまあだいじょうぶだ、安心だ、危険ではないんだといったような認識のもとで、あの飛行場、那覇空軍基地の使用を許すということに基本的になるわけなのです。非常に危険だ。だからそれを常態にするためには一体どうすればいいかという問題、今後の問題だろう。ファントムなど来ようと思わなかったんだ。実際はところがちゃんとやってきた。そういったもので約一カ月おるのか二カ月おるのか、一カ月くらいおるといいながら、今度は数カ月おったためしもある。したがってこういった問題は、危険性の問題から申し上げましてもやはり県民を不安におとしいれていることは事実なのです。この不安をどう取り除くかということは、国の大きい政策でなければならぬ。安全を保障せぬといかぬでしょう。ちっとも保障しない、危険を保障しているというような状態。これをどう直すかという問題については極力政府は具体的な方針を立てて、一日も早く県民の要求に従って、ファントムの撤去及び飛行場を含んで那覇空軍基地の解放、返還、これを要求して私質問を閉じますが、大臣にもぜひそのことを強く伝えてもらい、さらにこれは防衛庁、防衛施設庁に関係するので、その点の返還の問題についてはそれぞれ大臣に強く伝えてもらうことを要求しまして、質問を終わりたいと思います。
  110. 浅井美幸

    浅井委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後一時二十五分散会