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國場委員 よくわかりました。
長官もよく努力されておるということを
承知でございますが、しかし、この問題はずいぶんむずかしい問題でございまして、相当な腹がまえといいましょうか、これは
長官が
幾ら誠意をもってやろうとしても、やはり
金庫番である
大蔵省のほうがどういうような反応を示すものであるか、あるいはまた、一番問題になっておる
資材の問題、
労務の問題、かようなる問題で前途にいろいろ困難さがあるということでございます。
海洋博の
仕事というのは、御
案内のとおりまだ着手もしておりません。ところが、
沖繩県民の声というのは、
海洋博がきたから
物価が上がったのだというように、いわゆる
海洋博に
物価高の
責任を負わさんとする。それに延期しなければいけないというような説も出ておるような今日において、私が
考えまするのには、御
案内のとおり、
本土におきましても
一般においての
過剰流動性とか、承りますと、必要以上の、約六兆円という余剰の
日銀券が出回ったがために、今日これを回収して
物価の安定をはかると同時に、社会不安をなくする、こういうようなことであると私は
考えるわけでございますが、しかし、いまさっきも申し上げましたとおり、
海洋博によって
沖繩の
物価がずいぶん高騰しておるのだ、
海洋博の
仕事はまだ全然始まっておりません。だからそれを見ましても、
海洋博がたけなわになってきて、事実において
労働賃金も上がる、あるいはまた
資材も
不足するということであれば別なんですが、しかし何もまだ
——海洋博に対しての
仕事は
民間投資によるホテルが二、三カ所いま着手しておるだけであって、セメントの
不足にしましても
労務の
不足にしましても、
一般においての
投資がそれだけふえてきておるということは事実でございます。しかし、私が
総理府長官に
お願いしたいのは、
海洋博の影響を受けて
沖繩の
物価が全面的に騰貴したのだというようなことは、これはいまの段階としては当たらない、こういうことを
考えるわけであります。しかし世論というのはおそろしいもので、事実そうでなくてもそうだといえばそうだそうだ、こういうことになるのは事実でございます。その点に対して、
担当大臣としましてこれに対する
措置、
一つの実態というものをよく
県民のほうにも、あるいはまた
各種団体に
——いま延期してやったほうがいいんだとか、こういうことで、
海洋博の今後においての進行に対してブレーキがかかるようなことがあってはいけませんので、その点もよくひとつ御教示していただきたいということを希望するわけでございます。
それから問題がたくさんありますが、時間が迫っておりますので……。
ショッピング観光といわれた
沖繩において、
本土の
経済の
変動により、せっかく
沖繩の立ちおくれの
格差是正のためということで、
制度化されたところの
沖繩復帰に伴う
特別措置法、これがいまさっきも
大臣がおっしゃったとおり、
事務のふなれであるとかいろいろな問題がかさみまして、しかし
特別措置法というのは、御
案内のとおり
時限立法でございまして、大体五カ年以内には
本土並みの
制度化をするように、諸
税制問題であろうが
物価問題であろうが、段階的にこれがジョイントするようになっておるのは御
案内のとおりでございます。ところが、たとえば
税制問題にしますと、昨年五月十五日、昨年きりで
本土並みになるんだというような、
税制とかその他においてもそれにちなむところの
本土並みの法令で
特別措置はしておるのだというにしては、わずか六カ月やそこらやりまして、
沖繩には
特別措置法をしたのだ、こういうようなことで、
特別措置によってあるいは
振興開発法に従って、
沖繩の立ちおくれの
格差是正のためだと、こういうことで、その
趣旨はよくわかるが、
事務のふなれのために、四十七年度
予算は
設備投資に対しては三十何%しか進捗してないとか、あるいは特別に
制度化されたところの
開発金融公庫に対しての融資問題、これは昨年百五十億も余っておるというようなことを見ました場合に、この
特別措置法というのは、極端に言って、そう言っては語弊があるかもしれませんが、悪いものは先行しまして
——御
案内のとおり
沖繩は低
物価政策をもって今日まで
制度化してきた、不自然ながらも、一
国並みの
行政の中で
琉球政府がやってきたわけであります。その中では、やはり収入に見合うところの支出、
物価問題にしましても
税制にしましても、やはり特別なる低
物価政策をやっておりましたが、いまさっきも申し上げましたとおり、
特別措置法をやったといえ
ども、これは時限的に自然に五カ年でジョイントされるわけで、どちらかといいますと悪いほうのものは先行して、特典を与えるべきところの
特別措置法によるものが、
事務の不行き届きとかあるいは
能力とか、かようなる問題で、そういうような
恩恵に浴してないという批判もまた強いわけなんです。
そこで私は、
沖繩はいま
産業といいましても、
企業誘致だといっても、
復帰して一年にならんとしておりますが、そう進んでおるわけでもないし、ただ
一つたよるべきものは、
沖繩に対しての
ショッピング観光、これを
魅力として、今日まで
特別措置法によって大体五カ年を基準にしてやってきておりますけれ
ども、いまさっきも申し上げましたとおり、
日本の
経済変動によって貿易の
自由化というようなことに
——規制品目とかあるいは
関税によって、それで
国内産業を育成するということでやっておりましたところのものが、ほとんど
自由化に向かいつつあるというような今日、
沖繩の
ショッピング観光というものの
魅力が失われつつある。私は
特別措置法の
趣旨からしますと、この
本土の
経済変動によって、いまみたいな
輸入品に対しての問題、いわゆる
税率をダウンさせるということになりますと、それにスライドするところの
沖繩においての
特別措置法に対してのいわゆる
税制品目、これもスライドして、目的とするところの
ショッピング観光、これを
特別措置法で五カ年間、
沖繩のこういう
企業が打撃を受けないように期待するわけですが、これは
大蔵省の御
見解を承りたいと思います。