○安里
委員 沖繩の今日のいろいろな問題というのは、
復帰前から予想されていた問題、予想されなかった問題、もう
一つが施策の誤り、対処の誤り、この三つの点が錯雑しての今日の状況であると
考えております。
そこで、正直な話、長官が閣議に報告をされました、あるいはまた田中総理が言われた問題は、今日の
段階においてある
意味では手おくれだと私は思うのです。しかし、手おくれでありましても、やらなければならぬところの問題だと思います。そこで、単に閣議に報告された、総理がそういう
考えであるというだけでは、これは
意味をなさないのでありまして、問題は、これらの提起された問題に
政府の
各省がどのように具体的に取り組むかというところに問題があると私は思う。さもなければ、こういうことがあったということだけ長官言われても何の
意味もなきない。そこで次の機会に、いまここにあげられておりますところの地域の利用計画を進めるためには、
米軍基地の整理縮小がきわめて重要だ、このきわめて重要なることに対して具体的にどうするかということの方針。二番目には、物価高に対する県民の不安の解消。物価の問題は、これは
本土も同じことでございますけれ
ども、それ以上の要素があります。特に物価問題については、農林省、企画庁にも総理は配慮しろ、全力を尽くしてもらいたい、特に十分な手配をしろということを述べたと言っております。この総理の
考えに対して、農林当局、企画庁当局、その他の
官庁も同じであります。当然建設問題にも
関係していくでありましょう。
各省が具体的にこの方針に従ってどういう
考えをもってやろうとするか、私は、これをただことばだけじゃなくして、閣議でそう報告した、総理がそう言ったじゃなくして、これが具体的にどういうふうにあらわされるかという問題を次に明らかにしたいと思いますので、長官の
所管事項もございますけれ
ども、
関係各省にもお伝えくださって、この次にはそれに対する具体策があらわれるように要望しておきたいと思います。
それから、いまの土地の問題でありますが、これはいまに始まったことじゃないのです。
復帰前の当
委員会におきましても問題になりました。特に民社党の門司亮先輩が再三にわたって取り上げたところの問題、地籍
調査はいまのうちに完了しておかなければなりません。けれ
ども、なかなか手がついておりません。そこで、問題はどこにあるかという
一つのポイントは、これは一体
政府のどこが主管かということがぼけておるのではないかと私は思うのです。普通の場合だったらあるいは法務省の
所管かもしれません。しかし、基地問題がある、あるいは開発の問題があるということになりますと、
各省とも何だか
責任を回避しているような気がいたします。そこで、この地籍
調査の問題、これは一体どこが
責任を持って、どの省が
責任を持ってやるか、これもぜひ明らかにしていただきたい、こういうふうに思っております。
それから与儀の問題、これは確定問題でありますが、ただ
一つだけ聞いておきたいのは、一体、払い下げるというのでございますけれ
ども、けっこうだと思いますが、これに条件がついていらっしゃるか。あるいは有料、あるいは代替地を持ってくるとか、そういったような条件がついての問題であるかどうか。この問題は、地方自治の問題、さらに教育問題とも
関係がありますし、また大蔵省
関係の国有財産の処分に関する法令の問題もありましょうから、その問題を討議したい。
もう
一つは、ここに環境庁が来ておられますけれ
ども、これは
沖繩の開発と環境保全、これも総理が施政方針の演説の中におきまして、
沖繩の問題は、
沖繩の特性と環境保全を優先して
考える、こう言っております。けれ
ども、環境保全ということがはたして
政府の
考えておられるようにどれだけ配慮されているか。開発ばかりいたしまして、ある場合におきまして環境問題とはマッチしない、そごする問題があります。現に西表の横断道路をつくるための農林省
関係の道路等、西表の環境保全ということは環境庁との問題がいろいろあります。環境庁といたしましては、
沖繩におきましての出店は西表の国立公園の管
理事務所が
一つあるだけであります。環境保全を優先すると言いながら、開発に重点を置いて、
沖繩の自然環境を保全するという
対策がなっておらないと私は思う。だから、ほんとうにこの開発と環境保全との相調和ということがどのようにあれするか、これも次の機会に環境庁とあわせてお聞きしたいと思います。
以上問題だけ提起いたしまして、私の時間は終わりたいと思います。