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1973-03-29 第71回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年三月二十九日(木曜日)    午前十一時三分開議  出席委員    委員長代理理事 安井 吉典君    理事 國場 幸昌君 理事 佐藤 孝行君    理事 床次 徳二君 理事 中村 拓道君    理事 西銘 順治君 理事 上原 康助君    理事 正森 成二君       田中 龍夫君    本名  武君       加藤 清政君    安里積千代君       瀬長亀次郎君  出席国務大臣         労 働 大 臣 加藤常太郎君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)      坪川 信三君  出席政府委員         防衛施設庁労務         部長      松崎鎮一郎君         沖繩開発庁総務         局長      岡田 純夫君         沖繩開発庁振興         局長      渥美 謙二君         厚生省薬務局長 松下 廉蔵君         通商産業省企業         局参事官    三枝 英夫君         中小企業庁計画         部長      原山 義史君         労働省労働基準         局長      渡邊 健二君         労働省職業安定         局長      道正 邦彦君  委員外出席者         法務省矯正局保         安課長     岩崎 隆弥君         外務省アメリカ         局外務参事官  角谷  清君         厚生省医務局総         務課長     山高 章夫君         運輸省港湾局参         事官      高橋 全吉君         運輸省自動車局         業務部旅客課長 森  雅史君         運輸省航空局飛         行場部長    隅  健三君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 委員の異動 三月二十九日  辞任         補欠選任   熊谷 義雄君     竹中 修一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  沖繩問題に関する件      ————◇—————
  2. 安井吉典

    安井委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が病気のため出席できませんので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。  沖繩及び北方に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。上原康助君。
  3. 上原康助

    上原委員 時間が午前三十分しかありませんので、その範囲で、いま沖繩現地で大きな社会問題に発展しつつある那覇軍港における労働者の解雇問題について、労働大臣関係政府委員の御意見なり、またこの問題にどう政府として対処してこられたのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。  すでに新聞報道なりいろいろな面で、軍港湾労働者の解雇問題が持ち上がっておりますので、経緯等について政府関係省庁もおわかりだと思います。そこで、三月三十一日付で千八十四名ですか、の労働者全員解雇になるということは、これまでに類を見ない大きな問題だと私たち見ているわけです。  まずお尋ねしたいことは、運輸省は、この軍港湾荷役取り扱いなりこの解雇問題についてどう対処してこられたのか、運輸省見解を最初に承っておきたいと思います。
  4. 高橋全吉

    高橋説明員 お答えいたします。  いま先生の御質問のありました港湾運送事業者でございますが、これは沖繩法港湾運送事業法によりまして、第四条におきまして行なっておった港湾運送事業者、すなわち米国政府のために行なう港湾運送事業であって、米国政府と正式に契約したものについては港湾運送事業法適用がございません。  それで、すでに沖繩政府の当時に、この事業者は、一般港湾運送事業免許申請を四十五年の七月六日に出してございます。しかしながら、沖繩復帰に伴いまして、その四条の適用及び免許申請そのものが、今度は本土法に引き継がれております。したがいまして、現状においては、港湾運送事業免許がそのまま申請が生きておるということでございまして、現在、これは運輸大臣の権限でございますが、いまだに現地におきましていろいろ調査をしておる、こういう段階でございます。したがいまして現段階においては、われわれ了知しておるところでは、いろいろ一般免許につきましてこれを処理することにつきまして、現地におきましては、既存事業所の問題あるいは復帰に伴います港における港勢取り扱い貨物量、その他いろいろ調査事項がございまして、まだ中央には申達してございません。
  5. 上原康助

    上原委員 四十五年の七月六日に港湾運送事業一般免許認可申請を出している、これは当時の琉球政府に対してでしょう。運輸省に対しては、國場組港湾運送事業法復帰時点免許申請をやったのですが、どうなんですか、その取り扱いはどうなったんですか。
  6. 高橋全吉

    高橋説明員 お答えいたします。  日本政府に対しては申請はしておりませんけれども琉球政府申請したものがそのまま効力として引き継がれておる、こういうことでございます。
  7. 上原康助

    上原委員 それはどういう根拠によって引き継がれたという解釈をしておられるのですか。
  8. 高橋全吉

    高橋説明員 昭和四十七年四月二十八日付の沖繩復帰に伴う運輸省関係法令の改正に関する政令、この政令の第七条によりまして、この申請効力は引き継がれております。
  9. 上原康助

    上原委員 じゃお伺いしたいんですが、港湾運送事業に従事をするにあたっては、復帰以後は、港湾運送事業法に基づいた事業を営まなければいけないという解釈には、運輸省は立っていないのですか。
  10. 高橋全吉

    高橋説明員 先ほど冒頭私申し上げましたように、旧沖繩法第四号によりまして、米軍との正式の契約によるものにつきましては、港湾運送事業法適用除外いたしております。したがいまして、港湾運送事業法国内法適用するにつきましては、第四条によります事業者につきましては、依然として、復帰後三カ月以内に届け出をしたものにつきましては、その効力が生きておるということでございまして、本土法におきましても港湾運送事業法適用はございません。
  11. 上原康助

    上原委員 本土の場合は港湾運送事業法に基づいてしか運送事業はできないわけでしょう。
  12. 高橋全吉

    高橋説明員 原則としては先生のおっしゃるとおりでございますが、ただ、沖繩法との関係で法制上米軍契約をしておる業者につきましては適用除外をされておる、こういうことでございます。
  13. 上原康助

    上原委員 運送事業法に基づかないで復帰後もずっと事業を継続をしてきている。しかし原則としては、本土の場合、港湾運送事業法に基づかなければ荷役業務取り扱い運送事業はできないわけですね。しかも、先ほど政令をおあげになって、その中でも、いま指摘のあった点では三月以内には、運送事業に従事する場合には免許のキャラクターについて申請しなければいかないわけでしょう。昭和四十五年の時点で当時の琉球政府に言ったから、これが生きているんだというだけで、これをないがしろにしておった運輸省責任というのは重大だと思うのです。なれ合いじゃありませんか。港湾運送事業法に基づくとやはりいろいろの制約があるということは、私が申し上げるまでもなく、運輸省が十分わかっていると思うのです。なぜそれを調査もしないで今日の事態を招いたのか、その点について、もう少し確たる答弁をやっていただきたいと思うのです。
  14. 高橋全吉

    高橋説明員 四十五年の七月六日に第四条適用事業者が、一般沖繩法に基づく港湾運送事業申請を出したわけでございますが、復帰まで、琉球政府といたしましてもこれに対しての処分をしておりません。それはいろいろ理由があったかと思いますが、復帰に伴いまして、私が先ほど申し上げました政令によりまして、本土に引き継がれているわけでございますが、これはいま沖繩開発庁総合事務局においていろいろ調査していると思いますが、私たちの聞くところによりますと、復帰に伴いましていろいろ情勢が変わった。申請は当時の申請でございます。したがいまして、申請事業者の将来の事業計画等をも慎重に審議する必要がある、こういうことで現在まで総合事務局のほうで調査を続けておる。復帰後約一年になりますけれども、まだその状態が続いているということで、慎重に現地におきましては調査を進めておる、こういうことでございます。
  15. 上原康助

    上原委員 一事が万事、慎重に、あるいは調査をするということで御答弁をこれまでやっているわけですが、皆さんが慎重に調査を進める間にこういう問題が起きているわけです。そういう答弁では納得できませんよ。  港湾運送事業法免許申請にあたってはいろいろここに書いてあるわけでしょう。一号から五号まであるし、さらに第二項においては「前項の申請書には、事業収支見積その他運輸省令で定める事項を記載した書類を添附しなければならない。」この点について調査したのですか。國場組運送事業を継続してやっていくということについて、もし運輸省令で、たとえば特別措置法でそういう除外規定があったにしても、復帰後において運送事業を営むという事業者に対しては、当然こういう調査皆さんは緊急にやらなければいかぬことじゃないですか。  さらに、運送事業法運賃及び料金の問題にしても、いま本土ではやはり一港湾料金主義ということでやっているわけでしょう。軍との契約だからということで、業者がどういう契約内容をやっているのか、どういう事業計画をやっているのかということに対しても調査も何もやらない。さらに運賃料金の問題についても、全く港湾運送事業法を無視した経営のあり方労務あり方、こういう事態が今日の千五十四名の解雇問題に出てきている。それに対しては、運輸省法律論だけをいまたてになさっているのですが、起きている問題に対して、じゃどうしようとなさるのですか。この運送事業法の問題と、もう一つは千五十名余り労働者が解雇されようとしている事態に対して、どう対処していかれようとしているのか。その二点についてあらためて見解を求めたいと思います。
  16. 高橋全吉

    高橋説明員 運送事業法に基づきまして免許申請を出しますときには、先生おっしゃったようないろいろ事業計画を出すことになっておりますが、何せ復帰前の四十五年の七月に出した申請でございます。その後、現地におきまして私たち問い合わせましたところ、復帰に伴いまして、先ほど申し上げましたように、いろいろ既存業界との関係あるいは港における取り扱い貨物量の問題あるいは申請事業者の将来の事業計画、これ等についても実際に問い合わせておる、そういうことで現在まで至っておる、こういうことでございます。  それで、もう一つ労働の問題でございますが、これは事業法での問題ではなくて、むしろ私は労働対策の問題、このように考えております。
  17. 上原康助

    上原委員 そうしますと、運輸省労働対策の問題ということで、本来ならば運送事業法に基づいてやらなければいかない港湾事業というものを、調査とか慎重にやるとかいうことで復帰後約一年も経過してしまった。そういう過程で千五十四名の解雇問題か出たわけですよ。それに対しては、当然運送事業という面ではいろいろ問題はあるのだが、この解雇問題については関係ないというのですか。労働対策の問題ということで済まされると思うのですか。
  18. 高橋全吉

    高橋説明員 私、労働問題と申しましたのは、私たちだけで措置すべき問題じゃなくて、関係省庁とも相談しながらやらざるを得ないだろう、こういう意味で申し上げたわけでございます。
  19. 上原康助

    上原委員 じゃ、さらにお尋ねしますが、今後、新しい業者が軍の荷役を請負するとかあるいはこの運送事業の問題ですね。その場合は、港湾運送事業法適用されるのですか、従前どおり方向でやるのですか、その点、はっきりさしてください。
  20. 高橋全吉

  21. 上原康助

    上原委員 今後新しい業者が出てきた場合は、港湾運送事業法適用になる。いままではならなかった理由は何ですか。
  22. 高橋全吉

    高橋説明員 これは、先ほど法律論で申し上げましたように、旧沖繩法の第四条によって港湾運送事業法適用除外されておりまして、それが復帰に伴いまして運輸省政令を改正いたしまして、現在、沖繩法の第四条の適用事業者は、復帰後三カ月以内に届け出た場合にはその効力が生きておる、こういうことでございまして、今後新しく米軍との契約を結んで港湾運送事業に従事する者については、当然に港湾運送事業法適用になります。
  23. 上原康助

    上原委員 そこが問題なんですよ。そこが、三カ月以内に申請もしていないわけでしょう。それに対して行政指導もやっていない。今度新しい業者が出てきたら運送事業法によってやらなければいけないということであれば、当然これまでの問題についても運輸省がやらなければいけないという論理になるんじゃないですか。その点はこれ以上議論してもいけませんので、これからは運送事業法適用されるという点で一応承わっておきたいと思います。しかし、いまの答弁では私は納得するものではありません。いずれかの機会にこの点についてはさらにもう少し議論をしてまいりたいと思うのです。  そこで次に、外務省いらしていますか。——外務省お尋ねしたいのですが、この軍港湾労務者の問題、旧沖繩の第四種雇用員の問題というのは、これまでもたびたびこの委員会なりほかの委員会なりでもお尋ねをしてきたわけですが、事、軍との契約の問題なんですよね。その意味で、今回の軍港湾の解雇問題について何らかの対米折衝なり、この問題解決外務省としてこれまで取り組んでこられたのかどうか、また、今度のこの解雇問題についてどういう対処をしようとしておられるのか、その点お尋ねしておきたいと思うのです。
  24. 角谷清

    角谷説明員 本件が非常に重大な件であることはよく存じております。ただ、外務省といたしましては、直接この問題と申しますよりは、やはり関係官庁がございますから、外務省といたしましては、一般的な話といたしましては、絶えずアメリカ側労務問題の重要性というものは注意を喚起いたしておりますし、話もしております。しかし、直接には所管関係官庁にお願いする、こういう立場でございます。
  25. 上原康助

    上原委員 重ねてお聞きしたいのですが、起きている軍港湾の解雇問題について、外務省は何らかの形で現地米軍とか、あるいはアメリカ大使館でもいいから、話し合いをしたことがありますか。それが一つ。  いま関係省庁話し合いというのですが、どの省と話し合いを持ったのか。じゃ、こういう問題についての窓口はどこですか。
  26. 角谷清

    角谷説明員 本件につきまして、外務省が直接アメリカ側と話し合っておるということは特にございません。  窓口はどこかという御質問でございますが、窓口はどこかということは、ちょっと私ども外務省がきめるわけにもまいりませんので、これはしかるべき方面がきめられると思いますが、外務省といたしましては、関係官庁に直接的にはやっていただくわけでございますけれども、側面から、その必要があればもちろんアメリカ側と話も行なうということになろうと思います。
  27. 上原康助

    上原委員 運輸省はこの件についての窓口はどこだとお考えですか。
  28. 高橋全吉

    高橋説明員 運輸省としましては、労働問題ですから、もちろん運輸省及び労働省あるいは防衛施設庁等と相談しながらやるべき問題だと思っております。
  29. 上原康助

    上原委員 防衛施設庁いらしていますね。防衛施設庁はこの件について、もちろん軍港湾だけに限るわけじゃないのですが、第四種雇用員の問題については、所管の省はどこだとお考えですか。また、この軍港湾の問題についてどういう取り組みをこれまで施設庁としてやってこられたのか、二点あわせてお答えください。
  30. 松崎鎮一郎

    松崎政府委員 私どもとして、この旧四種の問題につきましては、軍と業者の間の問題、それから企業労働者の間の問題であるように思いますので、私どもの直接やっております間接雇用の問題と離れますので、若干むずかしい問題かありますが、協力できる面については協力してまいりたい、そういうふうに思っております。所管の問題についてはちょっと私どもはそういう立場にございませんので、お許しいただきたいと思います。
  31. 上原康助

    上原委員 こういう問題についても、施設庁関係はあるというお考えはあるわけですね。
  32. 松崎鎮一郎

    松崎政府委員 たとえば米軍のほうで、直接ある部分について自分が労務者として使いたいというような話がありますと関係が生じます。
  33. 上原康助

    上原委員 では労働省お尋ねしたいのですが、いまお聞きのように運輸省あるいは外務省施設庁、いずれも何か奥歯にものをはさんだような非常に消極的なお答えしかないわけですね。おそらく労働省もそういうお答えをまたするのじゃないかと思うのです。  そこで、労働省は、これまでこの問題についてどういうふうに——大体いきさつはわかるのですが、関係ないとは言えない問題なんですね。どうこの問題を解決していくためにやっておられるのか、その点まずお聞きかせいただきたいと思います。
  34. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 これは本土沖繩も同様でありまして、関係各省庁がいろいろな問題に関連を持っております。先ほどからの質疑応答を聞いておりますと、どうも問題の紛糾するのは、やれこれは労働省とか、やれこっちだとか、こういうようにすきっと、お説のいろいろな問題をひもどいていくのになかなかこれは困難な面があると思います。そういう面で私見でありますけれども、これは私見政府の方針でも私はあると思うのでありますが、やはり施設庁外務省沖繩開発庁労働省——港湾関係においてはこれは何といっても人を使うのだから労働省が主体ということでもないと思います、運輸省、こういうような関係省庁連絡機関を設けて、そこの下部機構として沖繩県と、こういうのも関連して、やはり定期的に協議して、一つ機関を設けて、これを一つ一つひもどいていく。これが必要だということを特にいまの質疑応答を聞きまして痛感いたしましたから、さような方向に持っていくように私としては国務大臣として善処いたしたいと思います。
  35. 上原康助

    上原委員 私がいろいろ各省に対してお尋ねしたことも、結論はそうでなければいけないということが私は従来から持論としてあるわけですね。外務省に聞けばこれは労働問題だ、施設庁は自衛隊のことはやるのだが、人のことはさっぱり忘れているというような状態労働省は首切られた人の失業対策をどうするか、運輸省は人の問題はさておいて、港湾運送事業法法律論争しかしない、開発庁縦割りにしか行政はなっていないのだということになると、この種の復帰処理の問題あるいは戦後処理の問題は一つ解決しないのですよ。いまいみじくも大臣はそういう見解を持っているということでしたが、私は提案としてあるいは意見として確かめておきたいのですが、当面この軍港湾の問題を緊急に解決していくということで、旧四種の問題を含めて、軍との関係においてはこれはやはり外務省もかむわけです。それから沖繩開発庁総理府でもいいわけです。総理府とさらに防衛施設庁労働省、この四者が、キャップは労働省がなろうが、施設庁がなろうが、外務省がなろうが、開発庁がなろうが、それはかまいません。四省に担当官を置いて、その担当官が必要に応じて連絡協議会なりあるいは対策委員会と呼んでもいいでしょう。それをもって早急にこの問題を解決していく。旧四種の問題で法的に手当てをすべき問題についてはやる、あるいは行政指導でやらなければいけない面は行政指導でやる、各省縦割りでできる問題はその委員会の合意のもとで進めていくことになるともう少しすっきりすることができると思うのですよ。その用意があるかどうか。あまり時間がありませんから、労働大臣はじめ各省全部お答えください。
  36. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 もう私先ほど申したとおり、お説は時宜を得た措置と思います。これは労働大臣がいろいろ四つを指導するということもできないかもわかりませんが、国務大臣として私はそういう意見を持っておりますので、お説のようにしたい所存であります。
  37. 上原康助

    上原委員 外務省防衛施設庁、それから開発庁、そういう方向でやるということでいいですね。
  38. 角谷清

    角谷説明員 労働大臣のお考えはけっこうなお考えであると存じます。
  39. 松崎鎮一郎

    松崎政府委員 労働大臣のお考え、よくわかりました。
  40. 上原康助

    上原委員 よくわかりましたではいけないわけですよ。その方向——皆さんが一番大きな責任があるんですよ。これはあとで議論しますが、開発庁もいいですね。
  41. 岡田純夫

    岡田政府委員 労働大臣のおことばに従いまして善処いたしてまいりたいと思います。
  42. 上原康助

    上原委員 時間がまいりましたので、この委員会なり連絡協議会を持つということがはっきりしましたので、それをまず一つ解決をしていく窓口といいますか、そういう方向でさらにこまかい議論は後ほどまたやってまいりたいと思いますが、運輸省もいいですね。
  43. 高橋全吉

    高橋説明員 運輸省も善処いたしたいと思います。
  44. 安井吉典

  45. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 労働大臣お尋ねしたいと思いますが、いまさっきの質疑応答の中で、特に米軍の四種雇用という問題については、関係各省連絡協議会みたいなものをつくってやると言われておりましたが、いずれにいたしましても、しかしその連絡協議会といいましても窓口の省がなければならないし、それはやはり何といっても労働省だと思うのですが、前もって確認したいと思うのですが、それでいいですか。
  46. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 私は、責任がれではありませんが、先ほど上原議員からも話があったように、四種問題のいろいろな対策、これは労働省が全部やるというわけにも、これは責任がれでなく、やはり各関係省庁と先ほど言ったような連絡をとって、やはりちょっと谷間のような感じがありますから、これは大いに私もやりますけれども、やはり関係各省連絡をとっていかなかったら、労働省でなかなか全部やるということもできないので、いま言ったような機関をひとつ設けて、大いにこれに対処いたしたいと思います。
  47. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 私が申し上げるのは、こういった関係各省集まるでしょう、それにはやはり呼びかけ人が必要なんです、何といっても呼びかけるのは労働省、特にこれは第一種とかいうふうなのは国が労務を提供するわけですから、これはもう施設庁中心になりますが、いずれにいたしましても軍から契約を受けて、契約をした者のもとに使われている労働者、これはいま基地内では床屋の理容組合理容業者があって、それが契約をして理髪をやっているのですね。これもやはり四種なんです。いまも問題になっている軍港湾、いま那覇軍港の問題は國場組が請け負って、それで労働者一千人余り使っている現状であって、そういう問題についてやはり労働省が、連絡協議会呼びかけ人というのもおかしいのですが、さあ集まりましょうというのは労働省でないといけないでしょう。官房長官ではまさかいかぬと思うのです。
  48. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 みなどうもまだその点が、どこを中心にするか、センターにするかということは、先ほど上原議員の説もまとめていただいたのでありますが、どうもいろいろな関係はともかくも、私の考えとしては労働省がひとつ呼びかけてやろう、こういうような気持ちがいまひらめいておりますので、瀬長議員のお説のようにやります。これはもういたしかたありません、いたしかたありませんというのは悪いですが、やります。
  49. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 そこで具体的な問題に入りますが、現在、きょうは二十九日ですが、あさってが期限で、那覇軍港で働いている國場組にいま使われている労働者が千人余り、これが三十一日限り首切られる。その場合、去年の八月の解雇予告は、八月二十八日に解雇予告ということで、労働基準法第二十条に基づいてお知らせしますということで九月三十日に解雇する、八月二十八日ですから約一カ月の予告期間を置いて解雇予告をしております。今度の場合は三月十日に予告して、もちろんこの中には労働基準法は書いてありません、それは三月三十一日に皆さんを解雇いたしますというお知らせ、「従業員の皆さんに、社長國場幸太郎」という名前で出ております。これは明らかに労働基準法に照らしても不法だと思うのですが、どんなものでしょうか。
  50. 渡邊健二

    ○渡邊(健)政府委員 お答えいたします。  労働基準法第二十条におきましては、労働者を解雇する場合には三十日前に予告すべきことがきめられておるわけでございますから、使用者といたしましては三十日前の予告が必要なわけでございます。ただ、その予告期間が三十日を下回る場合におきましては、下回る日数一日について解雇予告手当として一日分の平均賃金を支払いますれば、法の違反にならない旨が同じく基準法二十条で規定されておりますので、現地の基準監督署といたしましては、それらのことを含めまして基準法違反にならないよう現在指導をいたしておるところでございます。
  51. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 いま労働基準法にも違反しているという点はお認めになったわけですが、さてそれでは千人余りがもう無条件に首切られて、かってになれというふうな処置をとられているために、軍港湾で働く千余人の労働者は、一体あしたからどうなるんだろうというふうなことで、権利の問題もちろんあります。首切られる場合には退職金の問題もあるでしょうし、そういった問題の具体的なことも示されておらない。軍と契約が切れるから、もう君たちは解雇だというようなことで、全軍労、軍港湾労働組合では、きょうから三十一日まで、もうやむにやまれず団結権を活用してストをやり、さらに四月一日からは逆に就労のストをやるということをきめておりますが、これは、労働者としては、労働組合としては追い詰められない限りストなどというそういうことはやらない。しかもこの四種の労働者は非常にみじめなんですね。どこをたよっていいかということになりますと、私が最初に申し上げたのは、さっき政府委員の説明なさったところでも明らかなとおり、労働基準法に違反している場合には違反しないようにしなさいという指導もやられる、そういった関係で、いま軍港湾労働組合では本土の全港湾の支援も受けまして、知事にも要請をいたしておりますね。さらにメープルズ司令官などにも知事を通じてやっておるが、いまだに解決しない、そうして追い込まれておりますが、労働者のそういう要求について労働大臣はどういうふうにお考えなのか、これからの対策を聞かしてほしい。どこをたよればいいのかな、あしたからどうしてめしを食べていくのか、こういった状態です。しかも千余名、家族を加えると五千名以上になります。こういった点について御意見を承りたいと思います。
  52. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 先ほど上原議員からもお話がありましたが、四種問題、港湾労働従事者の問題、これはいろいろな本土に帰った一つの副産物のような関係でありますが、やむを得ないというか、ほんとうにお気の毒にたえない。当面の関係者は施設庁がいろいろ駐留軍との関係上お世話をしておった関係もありますが、やはり請負制度になっておる、こういうような関係で、駐留軍離職者の特別措置法という法律にも呼びかける、こういうことで、かような問題は、今後の問題に対しましてはやはり労働省がいろいろお世話をしなければならぬという覚悟はいたしております。しからば、労働省のいろいろな、最後にはいろいろな金の問題にも、経済的な問題、予算の問題にも関係してきますが、やはりそのたよるべき根拠は沖繩振興開発特別措置法、これと駐留軍の関係の離職者と大体同程度の関係がありますので、この法律によっていろいろ対策を講じる。そうなりますと、総理府関係にも乗ることでありますけれども、やはり離職者に対する相談、いろいろなことを労働省中心になって、先ほど申し上げたように、いろいろ援護、相談について、離職者の対策とかいろいろ今後のことについてお世話を申し上げることはやぶさかでありません。
  53. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 いま現に当面している千人余り港湾労働者は、当面これだけやってくれ、どんなにせっぱ詰まっているかということはこれでわかりますが、二つあります。一つは、國場組軍港湾荷役をやめるにしても、労働者の問題をきちっとして、退職金の問題もあるでしょう、いろいろな問題があります。きちっとしてやるべきだという措置と、もう一つは、これが期待できない場合、三カ月の暫定期間を置いて、その中で次期契約者の問題などを見きわめさせるべきだ。國場組契約しようが別のものが契約しようが、いずれにしても三カ月間はゆとりを持たせたい。それだけ切迫している。そういった要求について労働省は御存じですか。
  54. 道正邦彦

    ○道正政府委員 お答えいたします。  國場組の問題につきましては、私ども非常に重大な関心を持って対処するつもりでございます。先般も担当官沖繩に派遣いたしまして、実態等も調査いたさせました。それから大臣の御指示もいただきまして、屋良知事にも直接私、電話を差し上げまして、知事としての御尽力もお願いしたわけでございます。しかし、事態は非常に困難な方向に進んでおりまして憂慮いたしております。ただいま先生御指摘の点は、私としては承知いたしております。  ただ、法律の違反の問題はこれは是正しなければならないわけでございますけれども、やはり直接労使間でお話し合いをいただかなければ解決しない問題もございますので、私どもといたしましては、側面からいろいろ援助は申し上げるつもりでございますけれども、現在、労使間の話し合いが円滑に進むように事態を見ておるわけでございます。
  55. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 同じく港湾労働者の問題ですが、二月三日に、これは新聞ですでに御承知と思いますが、アメリカの毒ガスで作業中十二名、民間を加えますと十七、八名になるようですが、これが十二名毒ガスでやられまして病院に入った。重症患者は金城俊広さんという労働者でありますが、これがなおって病院を退院した人もおります。ところが軍病院で浜松病院というのがありますが、この浜松病院で検査した結果、後遺症はないのだという判断でほうり出されておるが、特にいま申し上げました金城さん外五名、合計六名はいまだに吐き気を催したりしてほとんど仕事にありつけない。こういうもう職場で現に災害を受けて、警察もこれを認めておるわけであります。こういう災害を受けた労働者に対する救済策、これは労働省のほうでどうお考えか、一応意見を聞かしてください。
  56. 渡邊健二

    ○渡邊(健)政府委員 二月三日におきます塩素ガスの中毒問題はよく私どもも承知いたしておりまして、基準監督署も十分この問題を調査いたしております。こういうような業務上に基づく災害につきましては、これは労災保険法によって所要の給付がなされるわけでございます。  なお、先生御指摘のように治癒したか治癒しないかというような問題について問題がある場合には、十分に慎重に事情を調べまして適正な処置をいたすようにいたしておるところでございます。
  57. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 こういった種の労働者のいわゆる補償については、労働省が担当して処置していくということを確認していいですか。
  58. 渡邊健二

    ○渡邊(健)政府委員 労災保険に加入しておる者については、労災保険から所要の療養、休業等の給付をいたして十分な保護をはかっておるわけでございます。
  59. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 次に、これは基地労働者全体にわたる権利の問題についてお聞きしたいと思います。「在日米軍の施設および区域内における従業員の行為」という題で、基地労働者に知らせますということで、沖繩におるアメリカ軍の基地に働いておる労働者は軍規則、これに従わなければならない、この中にたいへんなことが書いてあるのです。労働組合その他の従業員団体の活動は禁じられております、軍規則によって。いわゆる「在日米軍の施設および区域内では、労働組合その他の従業員団体の活動は禁じられています。」ということで、具体的に集会、デモ、一切の行事、政治的団体または一般団体の会員の会合や集まり、その他公式、非公式を問わず、集まる権利さえこの軍規則は踏みにじっておる。それからたいへんなことを書いておるのです。労働組合費を徴収したり、あるいは加入を勧誘したりというようなこともやってはならないのだというこの現軍規則、これは私特に労働大臣にお聞きしたいのは、この前予算委の第一分科会ですか、施設庁長官の意見をただしました、防衛庁長官の意見も。基本労務契約の中でも、冒頭に労働関係法規はこれを守るということが書かれております。憲法の規定、団結権、団体交渉権、罷業権、これは保障されておるし、さらに同じ憲法でも表現の自由が保障されておる。労働組合法、労働基準法これの中にも労働者のほんとうに団結して生活を守り、権利を擁護するというように規定されておる。こういった問題は、アメリカの基地に働くからということで、日本人労働者がこのような軍規則なるものに縛られていいのかどうかという点については、まだ政府が統一見解を出していないように私は考えるわけなのです。  御参考のために、この前の施設庁長官のこの見解は、基地内でもあくまでも憲法は、あるいは労働関係諸法規の精神を守らなければいかぬ、ただし職務命令であればやむを得ないのではないかというふうな見解なのです。これは職務命令というものではなくて、軍規則なのです。そのうちアメリカの法規が日本人に適用される。しかも憲法に規定された表現の自由、集会の自由、集まる自由、組合費を徴収してもいかない、このようなことは、しかも日本国内にあるわけなんですよ。これに対して、これは労働大臣のひとつ断固たる意思表示が必要ではないか。何万という労働者がおります。これは四種であってもかまいません。三種、二種も同じです。これは一種の労働者に対する皆さんへということなのですが、これに対して大臣の御意見を承りたいと思います。
  60. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 瀬長議員の御質問の中のいわゆる労働三法は、駐留軍の関係のあらゆる四種も含めてこれは適用されることは当然であります。しかし、やはり職場が駐留軍の関係、軍の関係ということでありますので、この点は労働省がいろいろ見解を統一して私のほうから申し上げるということがなかなかむずかしい点もありますので、施設庁から重ねてひとつ答弁さしたいと思います。
  61. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 施設庁お立ちになる前にもう一点確認したいのは、労働大臣として、特に日本国民の基軸権利なんです。その基本権利が施設内に行くと奪われる。集まる権利、ものを言う権利、これすらない。労働組合からいうならば、組合費を徴収するにしてもどこで一体徴収するのか。こういうことは少し行き過ぎじゃないかなという感じはいたしませんでしたか。これを確認してから……。
  62. 道正邦彦

    ○道正政府委員 ただいま労働大臣から御答弁申し上げましたとおりに、基地労働者皆さんに対しましても、憲法はもちろん労働三法は適用になるわけでございますが、いわゆる就業規則は、これは一般事業場等にもあるわけでございます。詳細は防衛施設庁のほうから御説明すべきが当然だと思いますが、その内容いかんによりまして、私どもといたしましても関係省庁連絡をいたしまして、もし違法なことがあるということであれば、これは是正、改善をしなければいかぬというふうに考えます。
  63. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 私がいま確認しようと思ったのは、憲法の問題、労働諸法規の問題、これは当然のことですね。ところが基地内だからといって、区域、施設内だからといって、侵されてはならない基本権利、二人集まれば集会なんです、集まって話をしてもいかぬ、おい、一緒に行こうじゃないかという行動もいけない、のぼりを立ててもいかぬ、バッジをつけてもいかぬ、リボンをつけてもいかぬ、はち巻きもいけません、さらに組合費も徴収しちゃいけませんということは、日本の労働大臣ですから、少し行き過ぎだなと思われるかどうかということを聞いておるだけの話なんです。それだけなんです。
  64. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 これは労使関係話し合いをすることはけっこうでありますが、思われるかどうかというと、これはもう思いますと……。
  65. 瀬長亀次郎

    瀬長委員 そうでしょう。  そこで、時間がまいりましたので、この私が問題を出しましたのは、この件は四種も同じです。國場組契約労務を提供しますね。現地、港に行きますと軍人です、業務命令はほとんど……。國場組労務をただ提供するという機械にすぎない。そこにおける人権というのが奪われているということになると、これはいかぬわけです。これは四種、理髪、理容業者も同じなんです。そういった安保条約に基づきまして、地位協定に基づいて提供された日本人労働者が、日本人としての基本的権利をこの現軍規則が奪っておるという事実なんです。これは英文もありますし、翻訳もあります。この点につきましては要望をいたしまして、時間が来ましたので、質問を終わりたいと思うのです。ぜひ労働省が主体になりまして——関係しているのは施設庁でしょう、施設庁のような見解、すなわち職場命令はやむを得ないのではないか、やむを得なければ日本人労働者は基本的権利を奪われていいかどうか、ものを言える権利さえ奪われていいかどうか、そういった点は、特に、最初に連絡協議会を持たれると言った。そこは、基本的な問題ですから、、ぜひ労働大臣奮闘していただきたいと思います。
  66. 加藤常太郎

    加藤国務大臣 なかなかこれは、根本の理念はそのとおりでありますが、やはり安保条約なり駐留軍の関係、アメリカも任務についておるのでありますから、やはりこれも労使関係という立場で、その間、日本の政府が入っておりますが、いろいろ具体的になりますと、必ずしも労働大臣の思うようにいかない、こういう関係が先般の予算委員会の分科会でも話がありましたけれども、なかなかむずかしく困難な問題も伏在しておりますが、労働省としては、やはりいろいろな点について、できるだけ関係各省連絡をとって、御趣旨に沿うような趣旨に持っていきたい所存でありますが、現実の事柄につきましては、施設庁も、いろいろ先般申し上げましたように、きょうは瀬長さんからお聞きがありませんが、なかなか困難な問題もあるという点もひとつ御了察をいただきたいと思います。
  67. 安井吉典

    安井委員長代理 瀬長君の質疑は終わりました。  次に、國場幸昌君。
  68. 國場幸昌

    國場委員 坪川長官におかれましては、去る二十四日から二十六日まで、御就任なされまして最初の沖繩入りをなされて、つぶさに沖繩の実態を調査され、目まぐるしい復帰後においての沖繩の状況をいかにお感じ取りなされましたか。県民は長官の意欲的な行動に対し、大いに期待をしておるわけでございます。  三月五日の毎日新聞と琉球新報の世論調査にもありますとおり、復帰前の四月の調査では、県民の七一%が喜んで期待した復帰だったのに、いざ実現してみると、今回の調査では、県民の半数をわずかにこえる五二%しかよかったと答えた者はおりません。あとの半数近い四七%の各々は復帰前のほうがよかったというのが二四%、復帰前と変わらないが二三%は失望しておるというような考え方に立つ人がおるわけでございます。それに反しまして、本土調査の、復帰してよかった五七%、復帰前のほうがよかったというのが七%というすなおな喜びに対して、沖繩県民の複雑なる気持ちはまさに新聞等に発表されておるとおりだと思います。  沖繩視察中いろいろな問題に触れられ、また各団体との話し合いの中から何を感じ取られ、沖繩開発長官といたしまして、今後沖繩が、名実ともに、豊かにして明るい沖繩をつくるんだという素朴な沖繩県民の心を体し、長官といたしまして、今後の沖繩振興開発問題、その他においての諸問題に対していかような策定をなさんとするものであるか、総理府長官の御意見を賜わりたいと思います。
  69. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 沖繩開発の担当長官といたしまして、私として一番気にいたしておりましたことは、復帰後すでに一回、また復帰前にすでに二回沖繩を視察しておる体験は持っておりますけれども責任者となって、就任いたしまして以来十カ月になった沖繩というものの現実を正確に把握いたし、この目で見、この耳で聞きました上に立っての沖繩行政というものの一つの指針を求めたいと思って現地に参りますことを熱願いたしておったのでございますが、各政党の皆さまの非常な御配意と、また沖繩県出身の衆参両院の各先生方の非常なうしろだてによりまして、これが実現をいたしましたことを感謝いたしておるような次第であります。  御指摘のとおりに、三日間にわたりましては、短時ではございましたけれども視察をいたしてまいりまして、直ちにその重要なる点につきまして閣議にも報告いたしたわけでございます。  その最も重要なものの五点を申し上げますならば、やはり基地の整理縮小というものがいかに切実な訴えであり、いかに重要な課題であるかという問題。その次は、物価の高騰という、沖繩県皆さんの不安感、事実高騰しつつある物価に対するところの抑制をどういたすべきであるかということ。次は、やはり土地の高騰、土地の買い占め、土地の利用計画、土地の使用計画、規制というものが非常に重要であるという問題。次は、労務資材のいわゆる需給に対するところの最近の逼迫した状況であるという問題。次は、いわゆる時限立法によって制定されておる沖繩の開発計画というものが、海洋博等によってしわ寄せを受けてはたいへんだということ、あくまでも沖繩開発の基本計画によって、これを開発、産業の振興を推し進めるという基本的な国の政治がなお一そう必要であるということ。次は、海洋博という国家的な、世界的な行事に対しまして、微動だにもしない体制を整えながら、これを国、県また地区の関係市町村一体となってこれに取り組み、予定の計画に基づいて推進すべきであるという問題。次は、沖繩海洋博が行なわれることによってのデメリットをどうすべきかという問題、いわゆる物価あるいは御承知のとおりに労務資材の高騰、また道徳の面から来るところの売春あるいは麻薬というような問題等も含めましての、物心両面にわたるところのデメリットに対する政治の上の重大なる施策に万全を期さなければならぬという問題。もう一つは、さっき申し上げましたような土地問題というようなことに対するところの問題、それから何と言いましても、沖繩独自の持つとうとい一つの亜熱帯地域におけるところの観光あるいは保養地帯の育成、こういう問題、もう一つは、やはり常夏の国にふさわしいところの緑に包まれました環境というものが都市開発の上においても必要である。言いかえますならば、公園というものが、那覇市を見ましても、何か殺風景なものを感ずる。これは基地からくる問題もあります。そうした公園の造成、それと道路と歩道との区別がはっきりせないようなあの町の街路を思いますときに、このことを解決する前に、いわゆる工事が重複していくような都市開発計画でなくして、いまのうちに下水計画を完成してしまわなければいかぬ。そして街路の側溝を進めなければならぬという、いわゆる都市計画並びに街路事業の仕事をもっと側面的に、また全面的に打ち出さなければならぬ、こういうようなことをつくづく痛感いたしまして、閣議にもそうした問題を含めまして報告をいたし、また、担当大臣であるところの中曽根通産大臣に対しましても、海洋博担当大臣として積極的に取り組んでいただき、すみやかなる機会に現地にも行っていただくよう要請いたしたわけでございます。
  70. 國場幸昌

    國場委員 沖繩特別措置法あるいはまた振興開発法、かようなる政府沖繩に対する予算に対しては、あらゆる面から特典を与えておるわけではございますが、しかし物価変動によって、このせっかくの予算が社会公共設備投資、この消化力が全然進まない、かような問題をかもしておるのが実情でございます。  ことし、来年の会計年度末までに沖繩に設備投資せられる金額はおおよそ二千五百億くらいの予想だそうでございます。振興開発計画と相まって、二カ年後に迫ってきておる海洋博、これを計画どおりに成功させまた進行させるためには、抜本的な対策が必要だということは言うまでもございません。そこで私は、大臣もお聞きでありましたとおり、この予算は、復帰前においてアメリカの行政権下にあったときの行政府予算、それは八〇%といえども市町村の負担に対しての融資制度、それが予算額に対しての八〇%をめどにし、その金額に対して融資が受けられる、こういうことでございます。ところが復帰後においては、物価の値上がりどころか、政府からの補助予算は差し引いて、その残りの分に対して融資をするんだ、こういうようなことのようでございます。市町村としましては、物価は上がる、八〇%、九〇%の助成額といえども事実は四〇%、三〇%の負担を見積もることなくしてはこの工事が実現できない、執行できない、こういうような実情に迫られておるのが現状のようでございます。市町村工事にしましても、県予算にしましても、入札というものに対してはほとんど希望、意欲を失って、行き先不安により、また市町村としましては、その負担能力もないというようなことで消化能力を云々されておるといえども、これが八方ふさがりの状況であるということでございます。  それに対しまして私は一つ提案いたしたいのでございますが、予算を変更することはできない。そうしますと、あと補正予算をもってするかどうかということでございますが、私は年々においての振興開発計画に従うところの年次計画を立てると同時に、その金額に対しての仕事の分量一〇〇というものを、物価の値上がりだけを差し引くところに縮小する。それで予算は全額消化していくということはすなわち単価を上げるということでございます。かようなる方法でもやらなければ、必要に迫られておるところの施設、それはほとんど不発に終わる。せっかくの国の思いやり、特別なるおはからいによる特典ありといえども、しかし、その点に対してはどうにもできないというようないまの沖繩市町村あるいはまた県の財政状態でございます。それに対しまして、大臣はいかような御所見をお持ちでありますか承りたいのであります。
  71. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 國場議員の御指摘になりました点で、私、こういうように解釈いたしておるわけでございますが、開発を進める場合におけるところの地元負担というものの軽減、いわゆる補助の問題ということが第一、また沖繩の資材その他のいわゆる単価の問題、この二つじゃなかろうかと私は理解しておるのでございます。  その第一のほうにつきましては、國場議員も御承知のとおりに、私、また政府といたしましては、なるべく沖繩の地元のほうに負担をかけないようにいたすということを一つの方針ととっておりますので、補助法にいたしましても補助率にいたしましても、内地と比べますとあらゆる面において補助率はずいぶんかさ上げされておる。だいぶ内地と違う。この間起工式が行なわれました全島の送水管の問題にいたしましても、本土と比べますと四分の三補助率がかさ上げになっておるというようなこと、あるいは海洋博の関連事業その他を見ましても、数字ははっきりとはなにしましたが、千百三十九億、そのうち大体地元負担は三十九億にすぎないというような問題、あるいはその他の補助率すべての点においてだいぶ違うというような方針をとっておるような次第であります。ことに本部町の海洋博の現地に近いところの運天港なども、全額国庫負担で補助事業をやるというようにいたしております。港湾あるいは道路、そうした重要な仕事に対しては十分の十という補助率をもって推進をいたしておるということ。  もう一つは、二番目の物価高に伴う沖繩のいわゆる資材その他のことを考えると、沖繩単価といいますか、一つの工事を推進する場合の単価をやはりもう少し考える必要があるのじゃなかろうかということを私は行っている途中にも痛感をいたして、そして、私のいわゆる沖繩開発の事務局の担当の人にも相談をいたし、建設省にも連絡をさせまして、来週ごろと思いますが、沖繩のそうした単価をどうすべきかということについて、建設省から調査官を派遣してもらうということにいたしているような事態でございますので、政府といたしましては、そういう二つの御指摘になった点については、ひとつこれからも十分配慮いたしたい、こう考えております。
  72. 國場幸昌

    國場委員 大臣はやはり三日間においての御視察、私が考えることを大臣はもうすでに先取りしてこれをなされておるというこの御熱心さに対し、感謝、お礼を申し上げます。  次は、御案内のとおり、海洋博実現に対してでございますが、あと約七百日そこそこしかないというこの海洋博は、ぜがひでもやり遂げなければいかないというのが、大臣の常日ごろにおっしゃっておるのもよく理解しておるわけでございます。ところが沖繩現地においては、大臣も御承知のとおり、はたしてこれがあと二カ年足らずで実現できるかということを考えました場合に、私は不安を持つわけでございます。労務関係にしましても、二、三万の労働者が足りないといっておるし、あるいはまた、御案内のとおり那覇空港におりますと、那覇の町に入るまでに四十分もかかるというようなあの渋滞ぶり。いま約二時間足らずで行っておりますが、五、六百万の動員をするということになりますと、道路問題が、実現できるかできないかということを一番大きく左右するわけでございますが、これは外務省のほうがおられましたら、外務省のほうで御返事していただきたいのですが、軍用地にかかるところの用地問題に対していかような話し合いがなされ、どれだけの進展を見ておるかどうか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。外務省あるいは施設庁、どちらでもかまいません。
  73. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 國場委員非常に御心配になっての、基本的な問題に触れておられる重要な問題だけは、担当大臣ではございませんけれども、私としての考えを申し上げておきたいと思います。  海洋博に対するところの事態に対しての不安感から来る、いわゆる現地でいろいろ取りざたされておるということは、私はまことに遺憾でもあり、残念なことだと思うのでございます。きょうも沖繩から参りましたきのう付の新聞でございますか、それを見ますと、一面に海洋博何とかという見出しで、かなり悲観的な予想の上に立って出ておる記事を読んで非常にびっくりもしたのでございます。政府みずから、あるいは関係当局がそういうような考えを一部に持っているかのような予想的な記事も入っておることに対しても、なお驚いたのでございますので、これはひとつはっきりと申し上げておきますが、二階堂官房長官も、また中曽根担当通産大臣も、沖繩開発庁の私も、いま絶対そういうような考えを片りんにも持っていないということだけははっきり表明申し上げて、従来どおりの既定方針をもってこれを進めるということだけを、政府の総意として、当然ではございますが、ここでさらに申し上げておきたいと思います。  それから、先ほど数字の上で、海洋博の地元負担が三十九億と申しましたが、三十四億であり、本部を回る水道の補助率が、内地は四分の一でございますが、三分の二であるということを正確に申し上げておきたいと思います。
  74. 角谷清

    角谷説明員 ただいま大臣からお答えがございましたが、外務省といたしましても、沖繩の基地問題につきましては、これは政府全体のお考えとして基地の整理統合ということを進めるということになっておりまして、この点につきましては、アメリカとの間におきましても、御承知のとおり、昨年のサンクレメンテにおきます首脳会談、それから先般開催いたしました第十四回安保協議委員会というものにおきましても、日米の間で整理統合を今後とも進めていくという了解になっております。  それから、沖繩博との関係におきましても、もちろんこれは二年後に行なわれるということはわれわれ事務当局も承知いたしておりまして、それに基地が障害にならぬようにという観点から、必要であるところの、たとえば道路の問題とか空港の問題とかいうことにつきましては、可能な限り海洋博のお手伝いをできるようにということで進めておるわけでございます。ただ、ものによりましては、これはやはり安保条約というような大きな目的のあるものでございますから、必ずしも海洋博の観点で十全というところまでいくかどうか、これはまたちょっと別の問題と申しますか、かなりむずかしい問題も実際はあろうかと思いますが、一般論といたしましては、先ほど長官からもございましたとおり、外務省もその指示のもとに対米交渉等を進めたい、こう考えておる次第でございます。
  75. 國場幸昌

    國場委員 どうも外務省のお話を聞きました場合には、これはゆうちょう。こういうことではとても期限に間に合うことではないわけでございまして、もちろん相手があることであるし、安保条約の権限を振り回すというようなアメリカの立場であるとすれば、これはちょっと不可能になるおそれもあるわけです。私がそれを急がなければいけないということは、これは早く急いで双方の合意を得ることができないと、その地域における設計とか測量とか、かようなるものができないわけなんです。幾らほかのほうが進んでも、軍用地を使用せねばいけないという現場にかかると、みんな中断してしまうのです。でありますので、タイムリミットを考えました場合、これは何をおいてでも、安保条約は永続するといえども、これは二カ年足らずのうちにぜひ必要とする用地でございますので、もっとタイムリミットに合わすような根強い交渉をしていただきたいことを希望いたします。その点に対して、現地のほうから、すでにどこどこだというようなことも来ておるはずなんですが、さっきのお話によりますと、日米協議委員会の中では、基地は漸次縮小していくという基本線に沿うてということは話し合っておるが、しかし、この問題にはまだ話に入ってないのかどうか、もし入っておりましたら、その結果はどうであったか、こういうようなことをお聞かせいただきたい。
  76. 角谷清

    角谷説明員 具体的なアメリカ側との話につきましての御質問でございますが、たとえば、たしか道路で、アメリカ軍の基地に関連する道路が二つあるかと思いますが、これにつきましては、私の承知いたしておりますところは、防衛施設庁のほうにおきまして現地話し合いを進めておりまして、かなり話が煮詰まっておると了解しておる次第でございます。
  77. 國場幸昌

    國場委員 運輸省来ておられますか。——じゃ、ちょっとお伺いします。  沖繩の、いまさっきの話の中からもありますとおり、大きな問題になっておるのが交通の渋滞の問題でございます。そこに走るバス、タクシー、かようなるものは歩いたほうが早いというのが、あの、那覇市においてでも奇跡の一マイルという国際通りというのがございます。いまさっきも申し上げましたとおり、飛行場から、海洋博につきましても今度のまた国体にしましても、どういうぐあいにしてあのふくそうする道路で観客をさばいていくかという問題が一番問題になるわけなんです。  それに対しまして、運輸省と建設省は道路関係で合議がなされておるかどうか。その問題に対して、もし話し合いがされておりましたら、また運輸省としましてのかようなる問題をどう解決するのだというような腹案がありましたらお聞かせいただきたいことを希望するわけでございます。
  78. 森雅史

    ○森説明員 ただいま御質問の交通の流れをよくするということでございますが、交通の流れ全体の問題といたしましては警察庁の所管になると思います。  お尋ねの趣旨は特に海洋博の場合のことというふうに了解いたしまして、その際の観客輸送の一環として、バス輸送をどうするかという点が一つ問題になっておりますけれども、これにつきましては海洋博協会のほうで、最盛時相当の観光客が入ってくるだろう、その際、沖繩現地のバス事業者だけでは所要の車両が確保できない。そこで本土からバスを応援にきていただきたいというような話が出ております。これにつきましては、現在検討中という段階でございます。
  79. 國場幸昌

    國場委員 じゃ、運輸省、まあそのほうは道路問題であれば建設省にあるし、あるいはまたその他にあるようでございますから、直接運輸省関係するものをお聞きしたいと思います。  御案内のとおり、沖繩は二十八年余にわたって交通区分が右側通行でございます。この問題につきましては、警察庁にはずいぶん質問もしたわけでございますが、しかし厳然としてこれは長年なじんできた右側を直ちに左側に変えるとなると、時代に逆行すると同時に、しかもアメリカが五、六万という自動車を持っておるさなかにありて、沖繩は左に今度変えるということになると、これはたいへんな問題だ。スウェーデン、アイスランドとかいうような例は、たぶん一九六七年かの年でございましたが、国をあげてこれを右側に切りかえた。しかも世界の動きというのは現在左側を通行区分にしておるのが、イギリスとその属領と日本だけである。かようなることからした場合には、五カ年くらいはその推移を見て切りかえたらどうだ、こういうようなことも盛んに私はお願いしたわけですが、き然として、一国に二つの通行区分というのは国際条約において認めることはできない。しかし私は、この国際条約において二つの通行区分は認められないというのは、いまアメリカのフィジー諸島に——これはあらゆるところから私は資料を取りました。現に右側通行のアメリカにおいて、左側を離島であるというようなことでそのまま認められておるという事実があるわけなんです。  私は、この前総理府長官にお伴しまして行ったわけなんですが、沖繩県民の声は賛否両論あることはこれはいなめません。ところが、これが警察庁の再三念を押しておっしゃることには、海洋博の前、来年の八月に切りかえるべく努力をしておる。切りかえる段階になると、さて、それでは、いままでの右側に備えたバスの問題、道路問題、かようなるものに対していかような準備があるかどうか。車は御承知のとおり、そういうような改正の上に立って、沖繩では新しい車の入ってくるのはほとんどが右ハンドルに変わってきております。そうしますと、バスに対しての補償問題があります。もちろん国家がなすべき道路に対しては、交通信号その他カーブに対してのいろいろな改良しなければいけない点が出てくるでしょう。問題になるのは、地域に企業をなしておるバスの、これは御承知のとおり一分一秒を争うものであって、改良するから、この改良費に対して出してあげようとか、そういうことではこれは通らないわけなんです。一時に、十二時なら十二時の時間を期して一斉にこれを変えるということになりますので、そうすると、それに対しまして、警察庁のほうでは私の質問に対して、これは業者に対して損失を与えない、当然これは国家が補償すべきだ、このようなことであったわけなんです。この前聞きましたら、これは運輸省のほうの管轄であるので、向こうのほうでそのような予算に対しては関係があるので、向こうと話し合うというようなことをおっしゃったわけなんです。いかがですか。そのほうに対して、また総理府長官も、県民の意思を尊重してこれは慎重を期さなければいけない、こういうようなことをおっしゃったのは事実でございます。  そこで、同じ政府でいろいろな見解があるということになると、これは日にちは迫ってくるし、それに対しての、バスの切りかえに対してのいわゆる準備もしなければいけない。業者は御承知のとおり、あとでバス企業に対しての政府のなにをただそうと思うのですが、いかがですか。警察庁とこれらは合議の上で来年の八月か九月ころ、海洋博開催一年前に切りかわるということですか。切りかえるというようなことは合議をなされておるわけですか。それに対する予算とかそういうものに対しては、いかようなお考え方を持っておられますか。
  80. 森雅史

    ○森説明員 沖繩の左側通行区分の切りかえの問題につきましては、総理府それから沖繩開発庁、警察庁、私のほうと、その関係当局の間で現在いろいろ問題点——海洋博前に繰り上げるという要請が地元の県知事のほうからも出ておりますし、そういう点について検討中という段階にございます。  それで、ただいま御指摘のバスにつきまして、一般乗り合いバスが、通行区分の切りかえというとになりますと、当然左側通行になりますので、当然バスのドアの位置を右から左につけかえなければいかぬというような具体的な措置が必要になってくるということでございまして、いま言いましたように、沖繩で約八百両バスがございますが、これを一定期日を期して切りかえるということになろうかと思います。そういうことになると思います。その場合、どういう形でそういうことをやったらいいのか、スムーズにそういう移行ができるようにするためには、どういう形でやったらいいのかという具体的な処理の方法、それに伴いまして、改造をいたしますれば改造費用とか、あるいは代替をいたしますれば新車の購入とか、当然いろいろな費用負担が出てまいります。したがって、右左側通行区分の切りかえに伴って必要となる措置、そのしかた、そういう不可避的に発生するような負担につきましては、所要の財政措置を講ずるということで、実はまだ検討中の段階でございまして、内容が確定しておりませんので、具体的には申し上げられませんけれども、そういう方向でひとつこれから検討してまいりたい。それで、これにつきましては、政府部内ということで、財政当局にも話をいたさなければなりませんし、それから、来年の八月というふうにかりに切りかえ時期がきまった場合には、四十九年度予算で処理をしなければいけないということでございまして、そういう所要の措置につきましては、今後検討してまいりたいというように考えております。
  81. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 ただいまの車の運行切りかえの問題、これは私、就任以来非常に重要な問題と思って、これに対しての考え方、あるいはそれの決意等について苦慮いたしておる次第でございます。これを海洋博前に行なう、しからば行なう時期がどうあるべきであるかということを考える、ところが、それに対しまして、いわゆるこれを切りかえる場合に、やはり県民の方々の非常な協力を得なければならぬ、その場合に、かなりのそうした切りかえる場合の一つの準備的な行動も必要である、しからばそう行なうといった場合に、海洋博その他を通じて、資材その他の運搬等から来る輸送体制が非常に大きくなってきておる。そうすると、それを今度は切りかえを実施することによって、これがどういうような悪影響が出てきて、海洋博の準備作業に一つのマイナスの面が出てくるのではないか、こういうような面までもやはり緻密に、計画的に考えていかなければならぬ。しからば、これを一つの方法として、海洋博後にやるべきであるかという問題になってくると、両論が出てくる。両論の場合にやはりマイナスの面として出てくるのは、フェリーボートなどの準備が急がれておるというようなことから、内地から来るマイカーの方々が、いわゆる大きいまた一つの危険性を持ってくるのではないか、戸惑いを持つのではないか。それよって交通に渋滞あるいは交通事故が頻発するのではなかろうか、こういうふうに、私はいろいろな面を真剣にあらゆる角度から討議すべきであるということを考えておりましたので、先日沖繩現地に参りましたときに、屋良知事さんにお願いいたして、どちらがいいか、県民の命を預かっている県民の父であるあなたが、県民の合意を求める場合に、どちらがしあわせのためにいいか、海洋博に対しても、一般の問題を含めて考えてもらうのがあなたの責任ではなかろうか、私たちはそれを踏まえて処理方向を決定したいから、県民の総意がどこにあるかをすみやかなる機会に見抜いていただいて、そして一ぺん二人で相談しようじゃありませんか、私は別れるときに屋良知事さんにもお願いして別れたような次第であります。事、県民並びに観光客の生命に関する大事な問題でもあり、海洋博の推進、海洋博のいろいろの面に大きい影響を与える問題でございますから、私は、そうした使命感を持って取り組むべきであるという行政指導も行なっていることを御了解願いたいと思います。
  82. 國場幸昌

    國場委員 その問題はおっしゃるとおり重要な問題でございまして、これは相当日にちを、きょうから切りかえるよというような簡単なわけにはいかない。バス業者に対しても、あるいはもちろん政府としましては交通信号の問題も整備していかなければいけないでございましょう。ところで、沖繩の予算のほうでは、もうすでに左側交通に切りかえるべく、交通信号機に対しては、道路整備に対しては予算がすでに組まれてございます。だから、その辺も、今度縦貫道路をつくるとか、五十八号線国道を整備するとか、こういうものに対してももうちゅうちょするひまがないわけです。関係する各省のほうでは一日も早くはっきりしたところの、こうやるのだということの基本線を出していただきたいことを希望して次の質問に移ります。  詳しくいろいろ質問しようとも思いますが、時間に制限がございましてなにですから、御了承をいただきたいと思います。南西航空ですね。この南西航空は御承知のとおり、アメリカの施政権当時許可されたもので、復帰対策要綱を見ますと、六カ月以内にまた再申請をする、しかし、いままでの企業に対してはそれを認めるということになっております。ところが、それではこれを許可するには、許可基準というのは言うまでもなくあるわけでございますが、御案内のとおり、南西航空を許可することに対して、一番重要な格納庫がいまだにできてないわけであります。その格納庫は、どんなにしてでも政府がその飛行場内において土地の提供をしなければいけないわけなんです。だから、業者もいま露天において整備しておる。それが雨も降り、いろいろ天候の都合もあり、ずいぶんむだなことで、それに対しては苦しんでおるのだというようなことでございます。それで、大体三カ月であったでしょうか、六カ月であったでしょうか、これもまた日にちのリミットがありまして、それではその基準を条件として許可するというようなことになると、いつまでたっても認可を得ることができないことになるわけなんです。だから飛行場の中央になりましょうか、いま自衛隊の使っておるところ、そこのほうが一番希望しておるところでもあるし、大体七百坪ぐらいあれば可能だそうでございます。それに対して運輸省としまして、やはりいま沖繩の各離島の唯一の交通に対しての役割りを果たしておるわけでございますので、その格納庫の敷地、これに対してどういうようなお考えをお持ちでありますか、ひとつお伺いしたいわけです。
  83. 隅健三

    ○隅説明員 ただいま先生の御指摘のとおり、南西航空が機体を整備いたします格納庫がございません。炎天下で整備をしておる。非常に御不便をおかけしているということは、十分存じております。ただ、空港におきます民間航空の用地と申しますか、やややはり狭隘でございまして、現在のところ格納庫に対する適地というものはございませんけれども、将来、先生がいま御指摘になりました中央部におきまして、これをわれわれは那覇空港の中核といたしまして、ターミナル、それからエプロン、駐車場を考えております。これの一環といたしまして、この那覇空港の全体計画の中に、どうしても南西航空の格納庫の用地を確保する必要がございますので、われわれは全体計画の中でできるだけ早く南西航空の格納庫の用地を確保するためいろいろ対策を検討いたしておりますけれども、やはり諸般の事情がございまして非常におくれていることは、申しわけないと存じます。  なお、沖繩地区におきますこの民間航空で、ことに南西航空の果たす役割りが非常に大きい、そのためには整備が安全上絶対必要であるということを十分認識いたしまして、できるだけ早く南西航空の格納庫の用地を確保するように努力いたしたいと存じます。
  84. 國場幸昌

    國場委員 よくわかりました。それじゃ、国のほうは、適格基準に乗ってないので免許取り消しをするんだとか、いまの操業にブレーキのかかるようなことはないでしょうね。
  85. 隅健三

    ○隅説明員 航空局といたしましては、現在の那覇空港の状況を十分承知しております。南西航空の特殊事情というものも十分存じておりますので、この点、適当に処置をいたしたいというふうに考えております。
  86. 國場幸昌

    國場委員 時間がありませんので、それじゃ簡単なやつを一つ……。  御案内のとおり、復帰しますと、外人の犯罪者に対しての取り扱いはわが国のほうでなさなければいかないということになっております。御案内のとおり、沖繩復帰前においては、外人事件に対しては、また基地内においてでも、沖繩のほうではこれが突っ込んでできなかったわけです。ところが、そういうような道が開かれましたが、しかしそれに対する受け入れ体制が全然できてない。刑務所においてでも、いま現在定員六十八名に対して百五十名が収容されておる。それが、外人のことならやはり生活様式も違うわけでございますので、便所の改造もし、いままで通訳もおらなくて済むというのが今度は少なくとも三、四名いなければいけない。食費にいたしましても、ほとんど倍が必要となってくる。こういうことで、いま沖繩の刑務所のほうではてんやわんやしておるわけでございます。御案内のとおり、麻痺薬のいろいろな問題もございまして、ますますこれがふえていくんじゃないかというような風潮があるわけなんです。それに対する今後の扱い方、それに対する受け入れ体制、いかようなことでなされようとするものであるか、またそれに対する措置として予算面においてはどういうぐあいになっておるか、その点、これは法務省でしょうか……。
  87. 岩崎隆弥

    ○岩崎説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘のように、建物、設備がかなり不備でございます。これは私たち復帰当時引き受けましていろいろ検討したわけでございますが、たいへん不備な点がございまして、御指摘のように、刑事被告人を入れます拘置監はかなり狭小な状態になっております。これにつきましては、昨年度約百名ほどの受刑者を内地のほうへ送りまして、入れる場所をすかしまして、そちらへ入れるというような措置を講じておるわけでございますが、昨年いたしました具体的な対策といたしましては、便所の水洗化、これは拘置区を中心にいたしまして便所の水洗化等をいたしました。それから、刑が確定いたしますと、横須賀刑務所のほうに直ちに送る。収容のスペースがやはりありませんので、そういう措置もとっております。  なお、問題は今後でございますが、これにつきましては、沖繩の刑務所長、技官をただいま呼んでおります。今後どうするのかということについて、最後の詰めをいたしております。  なお、そのいろいろな工事をやらなければならないわけでございますが、民間業者とのこの契約の締結が円滑にまいらない場合も予想いたしまして、われわれのほうで、受刑者で技能者がおります。九州管内の技能者を営繕班を組織して送り込んで、早急にやろうというようなことも、最後の検討をいたしておる段階でございます。
  88. 安井吉典

    安井委員長代理 國場君、時間が来ていますから……。
  89. 國場幸昌

    國場委員 まだ時間は三分あります。
  90. 安井吉典

    安井委員長代理 いや、ありません。オーバーしておりますから、あと本会議の時間がありますので。
  91. 國場幸昌

    國場委員 それじゃこれをもって終わります。
  92. 安井吉典

    安井委員長代理 これで國場君の質疑は終わりました。  次に、上原康助君。
  93. 上原康助

    上原委員 先ほど沖繩の旧四種雇用員の問題についていろいろお尋ねをして、外務省開発庁労働省防衛施設庁、そうして今回の場合、特に那覇の軍港湾労働者の解雇問題が起きていますので、運輸省も含めて連絡協議会かあるいは対策委員会政府部内に設けて早急に対処していくという、労働大臣をはじめ各関係政府委員の御見解といいますか、決意の表明がありました。  そこで、きょうは限られた時間でありますので、この問題だけにしぼってさらに詰めてまいりたいと思うのですが大臣沖繩に行かれて、先ほどいろいろお感じになった点を述べておられたのですが、その忙しい中で行っていただいたことに対して、また、やろうとしておられることに対して敬意も表しますし、やっていただきたいんだが、残念ながら、労働関係団体とはほとんどお会いしていないわけですね。特に緊急課題である軍港湾の問題あるいは全軍労の問題等については、意見の交換をしていない。そういう態度じゃ、真の県民の復帰後の不満といいますか、要求にこたえる姿勢は生まれてこないじゃないか。その点、ぜひ今後の施政を進める上にあたって配慮していただきたいし、反対する意見を率直に聞くことがより民主的なあるいは建設的な問題解決につながっていくということも政治においてはあり得るという点を念を押しておきたいと思います。  そこで軍港湾の問題ですが、これは三月三十一日で全員解雇なんですね。したがって、もう残された日にちというのは二、三日しかございません。ですから、連絡協議会なり対策委員会をお持ちになるということであるならば、きようにでもあすにでも政府関係でそういった委員会を持たなければいかないと思うのです。その用意があるかどうか。先ほど窓口のキャップをだれにするかというのでいろいろ問題になったのですが、やはり開発庁長官として、この際、軍港湾の問題に対処していくということで呼びかけをするとか、労働大臣も決意を表明したわけですから、きようにでもあすにでも対策委員会を持つ御用意があるかどうか。私は持つべきだと思うのです。その点についてまずお聞かせいただきたいと思うのです。
  94. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 前段に申されました点についてでございますが、出発の前に秘書官からも、そういうような要望がありましたらどうされますかと、スケジュールを組むときに話を持ち出してきましたから、私はどなたとも喜んで会うから、ちっとも遠慮せずに会うようにしてくれ、こういうようなことを私は私なりに申して、指示もしておったのでございます。どういうような都合か、そういうような会見のお申し込みもなかったものですから、私はお会いする機会を失ったわけで、私自身がそれを拒否しようとか、あるいはこれに対する拒絶なんという気持ちはみじんもございません。同じ日本人でございますし、大事な沖繩基地に働いておる御苦労な方々でございますから、こういう人々の要望を聞くということが、私は政治家の当然の姿であると考えておりますので、この点は御理解願いたい、こう思っております。  二番目の問題については、非常に重要な問題でもございますし、当然そうした問題に対しての救済措置を講ずべきでありますので、私は関係省庁に対し理解ある協力をひとつお願いして、すみやかなる機会に、連絡協議会のもとにおいて何らかの結論を出してもらおう、こう思って期待をいたしておる次第であります。
  95. 上原康助

    上原委員 重ねて念を押しますが、三月三十一日というせっぱ詰まった問題になっているわけですね。先ほど大臣は、最初の議論のときはお見えになっていないのでわからないかもしれませんが、連絡協議会を持つということは各省庁一致しているわけです。ですからきようにもあすにも持っていただく、そういう用意はあるという受けとめ方でいいのですね。
  96. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 そのとおりでございます。
  97. 上原康助

    上原委員 そこで、持つということになれば、やはり組合側からの要求というのも出ていると思うのです。せめて六十日の期間は必要だと言っているわけですね。そばに國場さんもおられるから言いにくい面もあるが、大体二十日間で千名余り労働者を首切るというのは、道義的な問題もあると思うのです。労働基準法の問題もさることならが、そういうかっこうじゃいけないのです。最低ぎりぎり六十日の猶予期間を置いて——國場組と軍側との話し合いもあるでしょう。あるいは労使間の話し合いもあるでしょう。また政府としてもどう対処していくべきかといういろいろな話し合いをやらなければいけないと思うのです。まず六十日間の猶予を置くという方向での対策を、外務省なり関係省庁の設置をされる側の委員会で話し合うべきだと思うのです。その点はどういうお考えを持っておられるのか聞かしていただきたいと思います。
  98. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 細目にわたる問題でございますので、政府委員をして答弁させます。
  99. 道正邦彦

    ○道正政府委員 先ほど協議会を設置するというお話でございまして、労働大臣、またただいまは総務長官からも同じような御趣旨の御答弁もございました。実は担当の責任者の方々全部おそろいでございますので、さっそく関係者が打ち合わせしまして、担当をだれにするかというようなことも、実は関係各省庁とも打ち合せを済ませまして、さっそく発足させたいと思います。  いまの問題について組合のほうから非常に強い御要望が出ていることは承知をいたしております。しかしながら、関係する方面がございますので、そのまますっきり組合側の要望にこたえ得るかどうかは今後の問題でございますけれども、そういう問題についても当然協議会の場で検討いたしたいと思います。
  100. 上原康助

    上原委員 いま沖繩港湾事業に従事している業者は、港湾運送事業法に基づいて許可されている業者幾つありますか。——私の調べたところでは八社ございますね。先ほどの運輸省答弁では、今後軍港湾の業務を請け負うためには、港湾運送事業法に基づいてやらなければならないという確たる答弁があったわけです。その中で國場組は、沖繩通運株式会社ということで実際港湾事業をやっているのですよ。そうであるなら、当然働いている労働者に対しては配置転換もきくと思うのです。私はそれなりの思いやりは、会社側のほうにも行政指導立場でもやるべきだと思う。引き合わないからといって千五十名余の人を紙きれ一枚で首切っていいという道理はない。そういう面も含めてこの連絡協議会で、ぜひやっていただきたいし、またその程度は運輸省にしても労働省にしても開発庁にしてもやるべきだと思うのです。御答弁いただきたいと思います。
  101. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 いま直ちに運輸省政府委員を呼ぶように私指示しましたから、もうちょっとお待ち願いたいと思います。
  102. 安井吉典

    安井委員長代理 速記をとめて。
  103. 安井吉典

    安井委員長代理 速記を始めて。  上原君。
  104. 上原康助

    上原委員 あとの発言者の時間も気になるのですが、大臣、私は何も国場さんを責めているわけじゃないのですよ。実際問題として一方において運送事業をやっておるわけですね。さらに土木部とか國場組ともあろうものが、こういうことでいいかということを客観的に私は見ているわけです。やはり港湾業務に従事している労働者、ほんとうに責任ある企業であるならば、あるいは社長にただしてみたが、運輸省も全然指導をやっていない、港湾運送事業法の問題についても。復帰前の申請があったからそれを根拠にして、まあ、なれ合いでつくったかわからぬが特別措置法をつくってやっているのですね。そういうことでは労働者が犠牲になるわけなんです。そういう面でも、六十日間の猶予期間をもって労使間の話し合い米軍との話し合い政府との話し合いをやるべきだと思うのです。ぜひひとつ、行政指導でそういう面をやっていくお考えがあるのかどうか、開発庁長官にあらためてお伺いしておきたいと思うのです。  さらに労働省見解もこれには求めたい。なぜならば、海洋博で労務者不足というようなことでいろいろいっておりますが、やはり労働者には労働者の生活があるわけなんです。平均勤務年数は國場組の場合は常勤雇用は十六年ですよ。臨時雇用員にしても約九カ年、八・七カ年。新しい職場に移されると平均年齢幾らありますか。五十歳余りでしょう、常用雇用は。そういう状態ではどうしても労働者の生計が立たない。だから、こっちでは切ってこっちではまた新たに雇うということでは私はいかないと思うのですね。しかも、いま海洋博に向けて沖繩企業の一部の方々には、韓国やあるいは台湾から労務者を入れようというような計画もあるわけでしょう。そういうことに対しても労働省はどうするのか、あわせて見解を求めておきたいと思うのです。
  105. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 上原議員の御指摘になった御意見は御意見として、先ほどから私は十分拝聴いたしております。したがって、運輸省政府委員が参りまして、また答弁もいたすことと思います。それらを踏まえまして各協議会に話し合いを続けてもらいたい、こういうことでひとつ御理解願いたいと思います。
  106. 道正邦彦

    ○道正政府委員 お答えいたします。  沖繩の海洋博の労働力確保対策につきましては、大阪の万国博覧会の際の経験がございます。こういうものを十分に生かしまして、現地労働者を優先的に紹介するという基本方針のもとに、ただし不足する技能労働者につきましては、関係方面と密接な連絡をとりまして、県別に送出目標数も設定いたしまして、計画的に本土労働者の紹介につとめるつもりでございます。  なお、外国人労働者を入れるという話がございましたけれども、これは先般、一月末に雇用対策基本計画を閣議決定お願いしたわけでございますが、その際にも労働大臣から発言をしていただきまして、計画期間中は外国人労働力を入れないということを再確認いたしております。したがいまして沖繩海洋博につきましては、外国人労働力を入れるつもりはございません。  いわゆる國場組の解雇問題につきまして、海洋博との関連等でお尋ねがあったわけでございますが、本土の場合にもこの種の大量解雇が従来ともあったわけでございます。そういう際には、当該企業とされまして、自分の関連企業等にごあっせんをいただくということをお願いしているわけでございます。したがいまして、不幸にして離職されました方々に対しましては、これは國場組責任者の皆さまと十分相談いたしまして、また労働者の意向も聞かなければいかぬ問題でもあろうかと思いますが、可能な限り関連の企業に移っていただくことができますれば、そういう方向も非常に大きな対策一つになるわけでございますので、関係者と十分連絡をしたいと思います。
  107. 上原康助

    上原委員 もう時間がありませんので、ほかの件については質問を留保しますが、最後にぜひ、きょうあすじゅうに対策委員会を持って、この問題をやるということは確約いただきたいと思います。  それと六十日の猶予期間の問題、これは國場組と米側の関係がありますのでなかなかむずかしいかもしれぬ。しかし、行政指導の面で可能性が全然ないとは言えない問題だと思うのです。  そこであと一点だけ念を押しておきたいのですが、振興開発特別措置法でしたか、例の失業者求職手帳の交付については、当然この千五十四名の方々は該当するんでしょうね。それが一つ。  もう一点、この連絡協議会で検討する事項として、これは後ほどまたこまかく議論したいのですが、やはり根本的に解決をしていくには、四種問題は何といっても離職者等臨時措置法そのものを適用する方向でやらなければいけないのですよ。それもあわせて検討するということを、防衛施設庁労働省答弁を求めておきたいと思うのです。
  108. 道正邦彦

    ○道正政府委員 第一点目の離職者対策につきまして、沖繩特別措置法が出ていることは御指摘のとおりでございます。  第二点の問題につきましては第四種の問題、非常にむずかしい問題がたくさんございます。それで、いま直ちにどういう方向で臨むか確答申し上げるわけにまいらない問題でございますけれども労働省といたしましては、第四種の問題を含めて協議会の場で検討していただきたいというふうに思っております。
  109. 松崎鎮一郎

    松崎政府委員 お答えいたします。  いまの早急に開かれる予定の協議会で私どものできますことを協力いたしますが、その駐留軍等の離職者臨時措置法の対象にできるかどうかという問題につきましては、私どもの職分からいたしますと、いまの法律で直ちに実施に移すにはなかなか難点がございます。
  110. 上原康助

    上原委員 いまの件については質問をさらに留保しておいて、いずれの機会かに詰めたいと思います。  以上です。
  111. 安井吉典

    安井委員長代理 上原君の質疑はこれで終わりました。  続いて正森成二君。
  112. 正森成二

    ○正森委員 大臣も二十四日から一百間沖繩に行かれて、海洋博に関連して沖繩の物価、資材の値上がり、そういうものが非常にたいへんだということは認識されてお帰りになったと思います。私は、大臣よりも先見の明があったのかなかったのか、一月前に沖繩に行っていろいろ調べてまいりました。それについていろいろ申し上げますと長いのですが、きょうは二十分時間が延長していますので、ほんの一、二点についてお聞きしてあとは留保したいと思います。  最初に、大臣及び厚生省の関係の方に伺いたいと思いますが、本土復帰に伴って、昔の琉球政府立の那覇市民病院といわれておったのですが、それが琉球大学の附属病院というのに変わったために、地域病院としての役割りが、これが十分に果たせなくなったということがあったと思いますが、それについてどうお考えになっておりますか。  なお時間がありませんので二つ、三つまとめて申します。  さらに、那覇の日赤病院というように通称いわれておりますが、その病院についても非常に看護婦不足、医師不足のために、やむを得ず病院の四階にある内科ベッドが閉鎖されてしまった。テーベー病棟、結核ですね。伝染病棟が全然なくなってしまうというような事態が起こっております。救急体制が非常に悪いために、那覇市内で発生したいろいろな救急の病人についても、これを県立中部病院に送るということをやっておりました。ところが、今度はその県立中部病院が三月十五日から診療を縮小して、那覇地区からの患者をお断わりということになったわけでございます。ところがそれがさらに悪化して、四月一日からは救急室を閉鎖してしまうということが三月二十七日付の沖繩タイムス等で報ぜられております。これを見ると、看護婦さんもやめる、事務員もやめる、非常に労働強化で、おまけに待遇が悪い、こういうようになっておるわけです。こういうような点を考えてみますと、本土復帰だあるいは海洋博だというようにいわれておりますが、その前に県民の命が守られないというような状況になってまいります。それについて、厚生省あるいは現地をごらんになったはずですから坪川大臣の御所見を承り、それに対してどういう対策を立てられるつもりか、承りたいと思います。
  113. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 全く同感でございまして、沖繩開発の振興計画の重要な部門といたしまして、沖繩の保健医療の充実、社会福祉の施設ということが大きな柱としてうたわれておるような次第でございますので、開発庁といたしましてもこれを踏まえまして、医療施設などの充実に対しましては、四十八年度にはかなり配慮いたしたつもりでございます。地方公共団体に対する医療の予算にいたしましても三億近い、二億八千七百万ほどの予算も計上いたしておるというような状態でございます。さらに、沖繩のリゾートゾーンとしての、保養地帯としての特殊性を考えますときに、こうした保健医療の充実、社会福祉の施設というようなところには万全を期したい、こう考え、全くの同感で、御趣旨に沿うよう最善の予算配慮も行政指導も今後いたしてまいりたい。  病院その他に関しては政府委員から答弁させます。
  114. 山高章夫

    ○山高説明員 御答弁申し上げます。  二点でございますが、第一点の那覇病院でございますが、これは先生御承知のように、復帰と同時に琉球大学の附属病院になりまして、現在大学の附属病院として教育に重点を置いて経営しておるということでございますが、私ども、やはり沖繩のように特に医療機関の少ない地域におきましては、こういった病院にやはり地域医療に参加していただく必要があると考えております。そういう意味で文部省にも連絡をとりまして、そういう面でも十分御協力をいただくように努力したいと思っております。  それから第二点でございますが、日赤病院につきましては、実は私、手元にこまかい資料がございませんのでなにでございますが、先生のお話の重点は、沖繩における救急医療をどうするかというお話だと思います。救急医療につきましては、やはり那覇地区では、どうしても中部病院に救急患者を搬送するというケースが多いようでございまして、中部病院にかなり負担がかかっているというのが実情のようでございます。そういう意味でかなり負担がかかっているために、中部病院のほうもやむを得ない措置としていろいろのことをお考えのようでございますが、沖繩県のほうもこの問題を非常に重視いたしまして、現在県当局で地域の医師会その他と協議をしながら、地域ごとに救急指定病院をつくるとか、そういうような努力をしているようでございますので、私どももできる限りそういう点について県に御協力を申し上げたいと思っております。
  115. 正森成二

    ○正森委員 いまお答えがあったわけですけれども、これは十分なお答えになっていないと思うのです。附属病院になった昔の琉球政府立の那覇市民病院というのが事実上地域病院としての機能を喪失していた時期がある。現在もそれは完全には直されてはおらない。そして日赤病院はベッドがあるのに患者も入院させないというような状況だ。  そこで、あなた自身も答弁でお認めになっておるように、県立中部病院へやむなく那覇から運ぶ。運ぶ途中で患者が死亡してしまうというような事件すらある。そこでその県立中部病院が救急病院として、これはもう四月一日からお断わりだということで救急室を閉鎖する、こういうようにちゃんと載っている。そうなれば回り回ってしわ寄せが来て、「中部病院ついにダウン」こう書いてあるけれども、それじゃ沖繩県民の福祉、生命を守るということは十分にできないまま努力するということになっておるのじゃないかというふうに思います。  そこで大臣に伺いたいのですが、大臣は四十八年度予算で予算も増し十分なことを、十分とはおっしゃらなかったかもしれないけれども、できるだけのことをやっておるというように言われましたが、それじゃ伺いますが、四十七年度は十分のことをなさったというように思っておられますか。
  116. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 四十七年度は御承知のとおりに復帰直後の予算対策でもございますので、これがはたしてそれに即応されるだけの期待を盛った予算配慮であるかいなかにつきましては、私といたしましても、自信をもってこれに対して満足すべき点でありましたという御答弁は遠慮申し上げたい、こう思っております。
  117. 正森成二

    ○正森委員 それじゃ私から申し上げますが、「国庫補助による公共事業中入札不調しらべ」というのがございます。厚生関係について申しますと、これはずいぶんあるのですが、重度障害者更生援護施設費あるいは精神薄弱児施設整備費、精神薄弱者更生施設補助といった合計七つの件について予算額が三億七千二十八万三千円。それに対して、実際上県が負担をしても超過負担が二億一千三百八十八万七千円要るということで、いずれも入札不調、こういうことになっております。つまり、せっかく予算があるのに、県も積み立て、国もやっているのに、実際上予算が消化されないという事態が起こっているのです。こういう事態考えると、予算をくれてやったからそれでいいというようなことを言っておったのではだめなんで、その予算がはたして所期の、病院なりあるいは重度身体障害者の施設をつくるのにふさわしい額であるかどうか、つまり超過負担がないかどうかということを考えなければ入札が不調になる。あるいは落札が不調になるということが起こるわけなんですね。四十七年度ですらこうだ。四十八年度は海洋博で建築資材の値上がりというのはものすごい。したがって、いま大臣が予算を幾らつけましたというようなことをおっしゃっておりますが、その予算がはたしてほんとうに沖繩県民の利益を守るために、実際に建物が建つのかどうかということについて配慮されなければ、これは予算をお与えになってもこれが予算未執行で残るということになってくると思います。それについて大臣は、関係大臣にも、この実情を調査なさって適切な手段をおとりになるということがぜひとも必要だと思いますが、いかがですか。
  118. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 四十七年度並びに四十八年度の予算執行の現状等を憂えられましての御質疑でございます。この問題につきましては私も非常に心配いたしておりまして、視察をいたす前から現地の重要な問題点として、私もそうした気持ちを持ってこのたびも現地に参ったわけでございます。言いかえますならば、保健衛生の施設の問題、あるいは文教施設の問題、あるいはその他関連の重要な沖繩開発等に必要とする予算執行の面において、大きな隘路が出てまいってきておるということを私もよく理解もいたしておりますので、これはやはり何といいましても、資材の不足、労務の不足が原因をいたしておるということも考えますとともに、ちょうど年度末に発注が行なわれたという事態、またその事態がちょうどサトウキビその他の収穫に重なってきておるというような特殊事情もありましたことも、私は残念なことだったという一つのそうした客観条件も非常に心配もいたし、そうした条件のあったことも御理解もいただけるんじゃないか、こう思うのでございます。  そういうようなことを考えますときに、私は先ほども申しましたように、海洋博の関連事業としてのデメリットに出てくるという一つの問題になることを考えるときに、現地で行なうところの施設部会、物価部会におきましても、中央からも現地に参りましていろいろと協議に参加をしていく。中央におけるところの協議会、施設部会、物価部会に対しましても、沖繩現地の方々の御参加も願って、いわゆる縦、横十分の連絡調整をはかりながら協議の万全を期したい、こういうような気持ちで、そうした問題点をひとつ除去してまいりたい、こういうような気持ちでおるようなわけでございます。  先ほどの保健衛生の二億八千万と申しましたのは、これは正確には二億三千七百万でございますので、これは訂正といいますか、思い違っていたことを御了解おき願いたいと思います。  いずれにいたしましても、こういうようなことからくるところの問題を十分踏まえまして、しかもそれを推進する場合には内地の本土の大手筋、本土業者を優先するのでなくして、あくまでも沖繩の、現地業者を優先するという基本方針を立てなければならぬということとともに、もう一つは、そういうような点を解明するのには、各関係省庁において需給の見通しと需給の打開をひとつ十分調査し、そして価格的にもこれに対する対策を講じて、そして官庁において需給体制の月次計画のようなものを立てて、そしてこれを執行する。また業者におかれてもそういうような点を踏まえまして、需給体制をまとめてひとつ引き受けて、それに対する計画を立てるというような部会での調整もいたしておりますので、そういうような不安感をぜひとも除去いたしながら沖繩の開発と海洋博に取り組んでまいりたい、こう考えておりますので、御了解願いたいと思います。
  119. 正森成二

    ○正森委員 いま大臣答弁を承っておりますと、年度末でいろいろなことが重なる、労務費の値上がり、資材の値上がりというようなのがおもな原因であると受け取れるような御答弁でありました。しかしながら、四十六年度の予算がすでに非常に大きく未執行で残っておる。四十七年度も、私が調査しました段階では、執行状況は五〇%を少し上に上がっているような状況だった。こういうように二年も続いておるということは、単に資材の値上がりあるいは労務費の値上がりだけでは済まない問題があるんじゃないか。私が思いますのに、沖繩県が祖国に復帰してまいりまして、何とか今までの二十数年間の御苦労に報いなければならないということで、公共事業費等についての補率助というものは、本土のいままでの各県よりも大幅に上げております。しかし沖繩の財政がきわめて乏しいからそれでも十分でない。それが第一点。第二点に、単価をきめるにあたって不当に低く見積もっておる。そのために超過負担が出るということがあるのではないか。例をあげてみますと、たとえば学校関係では那覇高校をはじめとして十八の学校が落札不調ということになっておる。特に宜野座高校に至っては入札の申し出すら一つもない、こういうことになっておるんですね。それは平米当たりの値段というものが不当に安く見積もられておるために、そもそも入札に業者が集まってこないということになっております。  そこで私は申し上げたい。沖繩県民に対してその真の利益を守るために、まず政府の補助率を大幅に上げること、それから単価の見積もりについて、沖繩の現在の状況、特に海洋博における労賃やあるいは建築資材の値上がり、あるいは地元の建築業者が比較的少ない、そこへ仕事が集中するということも見合った上での単価というものをきめる必要があるのではないか。そうでなしに労務費が上がっておる、建築資材が上がっておるというだけでは、これは現象面をとらえただけにすぎず、行政あるいは政治の立場として、ほんとうに沖繩県民の苦労を解決することにはならない。予算はつけても学校は建たず、病院は建たずということになってしまうと思います。それについての大臣答弁を伺いたい。
  120. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 いま御指摘になりました点も私は全く否定するものではなく、肯定しながら同感でございます。それと私は、お考え願いたいと思いますのは、やはり万やむを得ない事情もあったなと思いますことは、二十七年不幸な異民族によっての支配下にあった沖繩、おかげで復帰になった、それによるところの、日本本土へのあらゆる制度の復帰に伴うふなれな点もあったと私は思うのでございます。これも私は行政上の非常に重要な問題ではなかろうかと、こう考えまして、二十四日に参りましたその日、いわゆる沖繩開発庁の事務局の局長をはじめ各責任者に対して、事態現状を聞きながら、問題のいわゆる打開、隘路を見つけながら解明をいたしたのであります。その次には、さっそく県庁に参りまして、知事はじめ副知事、各部長、幹部クラス全員が御集合をいただいておりましたので、各部長等によって意見の開陳をお願いいたし、知事の総意もお聞きいたしまして、私は私なりの行政配慮をして、そうしていま問題になっているような問題点に対するいわゆる事務関係者の一つの横の連絡調整を密にするということが大事であるということ、もう一つ現地のこれらに関連する業界の代表、各種団体との話を合同の場で話をしながら、これらに対する協議の場を持った。それも私は、いま憂えられるそういう問題、十カ月しかたたない、いわゆる復帰、制度上の切りかえによる不安、ふなれ、こういうような問題にやはり取り組まなければならぬということから、私はそういうような問題もいたしましたことは当然でございますけれども、もう一つは、いわゆるさきにも申しましたように単価の問題、これは非常に大事な問題でございますので、今週は建設省のほうも現地に行って、補助単価の問題についてとり組んでもらうということになっておりますので、これも一つの重要な問題として行政的に指示いたしましたことを御了承願いたいと思います。
  121. 正森成二

    ○正森委員 時間になりましたので、最後に一点だけお聞きして終わります。  私は、海洋博が行なわれる現地の本部町にも行ってまいりました。そこで、予算を企画関係の人に会って調べますと、四十八年度の事業計画は、本部町で十八億三千九十二万二千円、そのうち地元負担が七億五千三百六十万五千円、ところが自己資金はわずか五千五百八十一万八千円、起債の占める割合は五億七千九百八十八万八千円、こういう割合になっております。そして四十九年度もほぼ同じような割合で起債が四億八千九百六十二万余り見込まれております。こういうようになりますと、自己資金のほぼ十倍に近い起債をかかえて、しかもこれが連続三年続くということになってまいります。これでは本部町というようなきわめて小さな町は事実上破産してしまう、起債というのは結局は自分が返さなければならない。そこで、いまのように病院についてもきわめて不十分な状況だ、地元のところは、赤ちゃんがまるでおとなの食事を押しつけられるようなものだ、それについて適切な配慮がなければ、海洋博というものは決して沖繩県民の利益にならないで、逆に借金だけを残す、あるいは高校が建たない、病院が建たないということになってしまうのじゃないかというように心配いたします。  そこで、答弁していただくと時間がたちますので、結論だけ申し上げますが、大臣がこの間おいでになって、沖繩タイムスの三月二十七日には、「海洋博の時期、再検討か」ということで大きく載っております。ところが二十八日には「県、できれば延期希望」、宮里副知事談話で「政府がオーケーなら延期したほうがよいのは当然だ。」こう言うておる。しかし、二十七日の閣議で予定どうり推進する、こういうように報道されております。したがって、現地の声をお聞きになって、五十年に海洋博を開くというのは、この年でなければぐあいが悪いというようにお考えになったのでしょうけれども、五十一年に開く予定だったフィラデルフィアの万博がなくなるというようなこともあるわけですから、だからいろいろなこまかい対策を立てられるだけでなしに、海洋博の時期、内容について十分再検討されるということも必要ではないかというように思いますが、國場さんに対してお答えになりましたけれども、私は結論としてそういう抜本的なことも考える必要があるということを大臣に申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  122. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 要望だけでというお話でございますけれども、大事な問題ですから、誤解を生じてはいけませんからお答え申し上げておきます。  政府といたしましては、私は沖繩開発庁長官としての立場から発言するのでございますが、担当責任大臣である中曽根大臣も、官房長官の二階堂先生も、また不肖私も、また政府も、そうした点についてはまだ何の考えも微動だに変わっていないということを表明申し上げておきたい。そうした新聞も読みましたけれども、どうも私はそれを読んで、すべてが想像的な記事だなあと、こういうことだけ申し上げておきます。
  123. 正森成二

    ○正森委員 それでは質問を終わります。  しかし、これは想像的な記事ではなしに、沖繩県民の希望と不安がこういうものを書かしたのだということを心に入れて行政をなさらないと、たいへんなことになるということを申し上げておきます。終わります。
  124. 安井吉典

    安井委員長代理 正森君の質問は終わりました。  続いて安里積千代君。
  125. 安里積千代

    ○安里委員 戦場から、さらにアメリカの軍事基地としての施政権二十七年、それから沖繩復帰するという、さらに復帰後におきまする海洋博の問題その他日本本土における政治のあらゆる情勢、こういったもののしわ寄せを受けまして、沖繩問題というものかいままさにいろいろな問題が錯雑をいたしております。本日の委員会におきまして、各委員から取り上げられたあらゆる問題、これは本土にないところのいろいろな問題というものが現実に押し寄せてきております。そこで、時間の経過もそういった現実を踏まえての時間の超過だと思いました。私に与えられました、予約した時間は、本会議を前にいたしましてあと五分しか残っておりません。延ばしてもいいのでありまするけれども、ただ言いっぱなし、あるいは答えっぱなしではいけないのでありまして、ほんとうに心あって、真実にわれわれは取り組まなければならぬ、真剣に話さなければならぬと思っております。  そこで私は本日は問題の提起だけをいたしまして、これらに対しまするいろいろな御答弁その他は次の機会に譲りたいと思っております。  こういうさ中に、長官が沖繩においでになっていろいろな視察をされたということは時宜を得たと思うのでありますが、そこであらかじめ確認をして、そうして確認の中から私は次の機会に御答弁をいただきたい、こう思っております。  長官が沖繩視察後におきまして閣議に対しましていろいろなことを申されております。重要な四つの点をあげますと、地域の土地利用計画をつくるため米軍基地の整理縮小がきわめて重要である、二番目には物価高に対する県民の不安の解消、三番目には土地の買い占め、地価抑制等を緊急にしなければならない、四番目には海洋博関連工事は地元の労務企業を優先的に利用する点などを強調されたということが新聞に報道されております。とともに注目すべきことは、その閣議におきまして、田中総理は特に発言を求めて物価抑制に全力を尽くしてもらいたい、特に農林、経済企画庁は十分に手配をされたい、また労務、資材などの手配も、関係省庁協力して万全を期するようにということが言われたということが報ぜられております。  さらに、軍用地主その他からの要望といたしまして、土地の調査ということが述べられて、土地調査を早急に行なう必要があるが、場合によっては土地の利用計画を含め、特別措置法を講じなければならないとの考えを明らかにした、こういうふうに述べられております。さらにおみやげ、おみやげということばはきらいでありますが、おみやげとして、前から問題になっておりました与儀のタンク敷地の開放されたものが、与儀小学校の校地に払い下げるということの決定を伝えた、こういうことがいわれております。  いま申し上げたことはそれぞれ新聞に報道されたことでございますが、確認いたしたいのは、そのとおり閣議にも報告され、田中総理はまたそのような発言をされたというふうに確認してよろしゅうございますか。それだけを承っておきたいと思います。
  126. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 まったくそのとおりでございます。ただここで誤解されるといけませんので申し上げておきたいと思うのでございますが、田中総理は非常に積極的にみずから発言されまして、経企庁長官に、またあるいは農林大臣、通産大臣等に、物価その他に対して万全を期してくれという強い指示もありました。また、各ほかの閣僚からも、沖繩海洋博に対する期待感などの発言等もありました。すべてそのとおりでございます。ただ、いわゆる大きく取り上げられるといいますか、その中にあって関心を持たれるような問題は、いわゆる土地の特別措置法というものがこう大きくクローズアップといいますか、焦点になるというようなことからきて、誤解を生じてはいけませんことは、いわゆる沖繩の土地問題は非常に重要である、そうして政府といたしましても、三十二億の沖繩の土地基金を出した、ところがこれに対する利用計画というものがまだ全然できていないというようなことを考えてみましたり、あるいはせっかく悲願である基地が返ってきたが、その基地のあと地利用計画というものが何らまだ明らかに出ていない、そして持ち主、地主ですらまだわからぬというようなことで、地代までももらえない、払わぬというようなことなどを考えてみましたり、道路の区画がどうもまだはっきりしない、それとともに土地の調査がまだ完備されていないというような、いろいろな条件を考えてみますと、いわゆる国道法に適用する問題、あるいは御承知のとおりに、不動産登記法の問題、いろいろの問題がこうした点にやはり影響もしてまいりますので、こういうような点を考えて、土地問題を真剣に考えなければならぬということを痛感いたしましたので、今度田中内閣によって決定いたします、御理解をいただき、議決を見ましての、いわゆる新たなる土地計画に基づく土地税制、土地の規制、利用、あらゆる問題に適用されるとおりでございますので、それに上のせしたような特別措置法考えているというようなことでないということだけは、ひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。
  127. 安里積千代

    ○安里委員 沖繩の今日のいろいろな問題というのは、復帰前から予想されていた問題、予想されなかった問題、もう一つが施策の誤り、対処の誤り、この三つの点が錯雑しての今日の状況であると考えております。  そこで、正直な話、長官が閣議に報告をされました、あるいはまた田中総理が言われた問題は、今日の段階においてある意味では手おくれだと私は思うのです。しかし、手おくれでありましても、やらなければならぬところの問題だと思います。そこで、単に閣議に報告された、総理がそういう考えであるというだけでは、これは意味をなさないのでありまして、問題は、これらの提起された問題に政府各省がどのように具体的に取り組むかというところに問題があると私は思う。さもなければ、こういうことがあったということだけ長官言われても何の意味もなきない。そこで次の機会に、いまここにあげられておりますところの地域の利用計画を進めるためには、米軍基地の整理縮小がきわめて重要だ、このきわめて重要なることに対して具体的にどうするかということの方針。二番目には、物価高に対する県民の不安の解消。物価の問題は、これは本土も同じことでございますけれども、それ以上の要素があります。特に物価問題については、農林省、企画庁にも総理は配慮しろ、全力を尽くしてもらいたい、特に十分な手配をしろということを述べたと言っております。この総理の考えに対して、農林当局、企画庁当局、その他の官庁も同じであります。当然建設問題にも関係していくでありましょう。各省が具体的にこの方針に従ってどういう考えをもってやろうとするか、私は、これをただことばだけじゃなくして、閣議でそう報告した、総理がそう言ったじゃなくして、これが具体的にどういうふうにあらわされるかという問題を次に明らかにしたいと思いますので、長官の所管事項もございますけれども関係各省にもお伝えくださって、この次にはそれに対する具体策があらわれるように要望しておきたいと思います。  それから、いまの土地の問題でありますが、これはいまに始まったことじゃないのです。復帰前の当委員会におきましても問題になりました。特に民社党の門司亮先輩が再三にわたって取り上げたところの問題、地籍調査はいまのうちに完了しておかなければなりません。けれども、なかなか手がついておりません。そこで、問題はどこにあるかという一つのポイントは、これは一体政府のどこが主管かということがぼけておるのではないかと私は思うのです。普通の場合だったらあるいは法務省の所管かもしれません。しかし、基地問題がある、あるいは開発の問題があるということになりますと、各省とも何だか責任を回避しているような気がいたします。そこで、この地籍調査の問題、これは一体どこが責任を持って、どの省が責任を持ってやるか、これもぜひ明らかにしていただきたい、こういうふうに思っております。  それから与儀の問題、これは確定問題でありますが、ただ一つだけ聞いておきたいのは、一体、払い下げるというのでございますけれども、けっこうだと思いますが、これに条件がついていらっしゃるか。あるいは有料、あるいは代替地を持ってくるとか、そういったような条件がついての問題であるかどうか。この問題は、地方自治の問題、さらに教育問題とも関係がありますし、また大蔵省関係の国有財産の処分に関する法令の問題もありましょうから、その問題を討議したい。  もう一つは、ここに環境庁が来ておられますけれども、これは沖繩の開発と環境保全、これも総理が施政方針の演説の中におきまして、沖繩の問題は、沖繩の特性と環境保全を優先して考える、こう言っております。けれども、環境保全ということがはたして政府考えておられるようにどれだけ配慮されているか。開発ばかりいたしまして、ある場合におきまして環境問題とはマッチしない、そごする問題があります。現に西表の横断道路をつくるための農林省関係の道路等、西表の環境保全ということは環境庁との問題がいろいろあります。環境庁といたしましては、沖繩におきましての出店は西表の国立公園の管理事務所が一つあるだけであります。環境保全を優先すると言いながら、開発に重点を置いて、沖繩の自然環境を保全するという対策がなっておらないと私は思う。だから、ほんとうにこの開発と環境保全との相調和ということがどのようにあれするか、これも次の機会に環境庁とあわせてお聞きしたいと思います。  以上問題だけ提起いたしまして、私の時間は終わりたいと思います。
  128. 安井吉典

    安井委員長代理 安里積千代君の質疑は終わりました。  なお、この際、ちょっと政府に申し上げたいのですが、先ほどの上原君の質問の際、運輸省の出席がなかったことを遺憾に思います。  そこで、委員長からのお願いですが、先ほど提起された案件は、三月三十一日がタイムリミットだとすると、きょう、あす、あさってと三日しかございませんので、きょうじゅうに直ちに開発庁防衛施設庁外務省労働省運輸省ですか、各省庁の連絡会議を持って対策をお進めいただきたいと思います。よろしいですね。
  129. 坪川信三

    ○坪川国務大臣 本日直ちに労働省中心に協議の場を持ちます。
  130. 安井吉典

    安井委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時五十九分散会