○安里委員 先般も、アメリカ軍人あるいは軍属同士の中におきまして、この麻薬の取引を原因といたしまして殺人事件までも起こっておるような
状況であります。これが単にアメリカの軍人だけの間であればまだ彼らの自業自得といわれましょうけれ
ども、これが一般民間に流されてくる、あるいは場合によってはそれが暴力団の資金源にもつながってくるというようなことになりますと、それによって行なわれるところの悪というものはたいへんなものになってくると思います。
いまアメリカ当局のそれぞれの
機関の警察、憲兵当局などと打ち合わせて連携をとって云々ということがあるわけですけれ
ども、そうなってきますと、私はこれは警察だけの問題ではないと思うのです。私はアメリカにとっても非常な恥ずべき事態だと
考えております。ことに、ベトナム戦争にこれが重大な
関係があるということをわれわれは見のがしてはならない、こう思うのでございまして、ベトナム戦争の結果、ベトナムにおいて中毒した、あるいはそれを常用する、あるいは場合によっては負傷者の治療に使われたというようなことがあるかもしれません。少なくとも、これはベトナム戦争に
関連が絶対にないとはいえませんし、むしろ常識的にベトナム帰りの兵隊に多いということも事実でございまして、戦争の結果であり、いかに戦争というものが、単に銃器を持って殺し合うというだけじゃなくして、しかけておるところのアメリカ自体の中にも、それから銃後にあるところの無
関係の人々にも、大きな害悪を及ぼすかということを非常に思うわけです。アメリカとしてはこれに対してどう
考えておるか。
私は、この
一つの事実を通じまして、単に警察当局だけでこれは取り締まる、厳重にするといったってとてもできるものではないと思うのです。当然このような害悪というものが日本に、特に
沖繩に及んでくるということでありますならば、これは単なる取り締まり当局だけのものじゃなくして、日米間における重大なる問題だ、私はこう思うのです。
外務大臣とされましては、ただこの事態を、こういうことがあるのだということをお聞きのがしされるだけの問題では決してないと私は思います。そしてまた、警察当局だけが、それぞれのアメリカの当局と打ち合わして取り締まるというような問題でおさまるべき問題でない。
そこで
外務大臣として、こういった問題に対してもっと高い
立場から、これは国際的
立場からも問題にすべきところの大きな問題だと思うのです。日本に
関係ないところのアメリカの軍人が、こういうものを日本に持ち込んでくることはたいへんな問題です。
そこでこの問題に対して、
政府とされまして、アメリカに何らかの
申し入れと申しますか、あるいはこういうことの起こらないための
措置を、高い
立場から提起されたことがあるかどうか。ないとすれば、このまま放置されて、単に取り締まり当局にまかせるだけでいいのかどうか、その点
外務大臣からお伺いしたいと思います。