○沖本
委員 いわゆる運賃値上げについてくる議論の中で、三方一両損であるとか、あるいは受益者負担の原則だとか、こういう形の議論が出てくるわけです。そちらのほうはよくそういうことをおっしゃるわけですけれ
ども、赤字線を受益者負担の原則の中でそのまますべての受益者に負担をしいられるということは、同じ原則の中でもものが違うと思います。そういうことですから、この赤字線の内容についてはもっと別途に明らかにしていただいて、国民がまるまる赤字線もかかえ込んだ運賃をしょわなければならない、こういうふうなことは受益者負担の原則の理論からもはみ出た理論である、私はこう考えるわけです。
時間もありませんから、この点十分お考えになっていただいて、新しくおつくりになる赤字線についてはそういうものがほかのほうの影響になったり、あるいは再建
計画の中に組み込まれたりするようなことのない内容を明らかにしていただきたい、こういうふうに考えます。
それからもう一点ですけれ
ども、時間がありませんからもう一つになってしまいます。
これは分科会でも絶えず言い続けて、
総裁からもいろいろ言われますけれ
ども、はてさて私のほうの
松本委員からの御
質問もありましたとおり、
東京周辺では第二山手線をつくるとか
東海道第二
新幹線の構想があるとか、これは再建
計画の中にあるのかないのかというような内容のものも出てきておるわけです。これは確かに輸送の隘路なり何なりというものを解決するためには新しい構想のものも出てこなければならないわけですね。それがちゃんとした議論なりきちっとした筋道が立って出てくればいいわけですけれ
ども……。私がこれと対象的に申し上げたいのは
大阪の城東貨物線の
建設に対してですけれ
ども、第三次長期
計画の中からはずされてしまって、現在に至るまでずっと——分科会でも
総裁のお答えは、ことしになってやっと
調査費が出ることになった、だから全然捨てたわけじゃないのだ、こういうことなんですけれ
ども、
大阪の城東貨物線の電化、客車化、それから全線を全部通してしまうという考え方の中には、明らかに黒字である、黒字が生まれるのだ、こういう内容のものが考えられておるわけです。ですから黒字に対する試算というものをおはじきになって、それでもなおかつおくれておるのかどうなのかという点になるわけですし、地元の負担ということも盛んにおっしゃいますけれ
ども、地元の負担も、
国鉄のほうがはっきりとそういう内容を明らかにしていただいて将来に対する見込みが出てくれば地元も考えないことはない、こういうことを言っておるわけです。だから赤字を解消するための再建
計画であるという内容のところへスポットを当てて考えていくと、こういうふうな黒字になるという見込みのあるところをそのまま捨ておいての議論というのはおかしいということになってくるわけです。まして
新幹線なり何なりというものは膨大な
建設費が要る。しかし将来の
国鉄があげる利益であり、あるいはそれを利用する人たちの便宜であり、あるいは
交通の近代化というような点から考えていくから当然国民も受け入れていくというような考えがずいぶんあるわけです。そういう中にあって、地方だから捨てられているのじゃないか、ただスポットが当てられやすい
東京周辺だからことさらにそういうふうにお考えになっているのじゃないか、こういうふうな疑問を全部が持っておるわけです。ですから、再建
計画にからめてその点をお考えになっていただいて、そして一億の
調査費がついておりますけれ
ども、それに対する青写真なり何なり、将来に向かっての明快な内容をこの際明らかにしていただきたいわけです。