○
成瀬幡治君 私も、こういう、何といいますか、
ドル対策全体をこれだけで解決するんじゃなくて、日本
経済全体の問題ということはわかるわけですよ。ですから、日本
経済の体質そのものにいろいろと議論もしてこなければ、この根本的な問題は解決せないかもしれませんが、一応それはそれとして、あなたのほうが、まあこのぐらいに大体
輸出入関係はなっていくんじゃないかと。貿易の、
輸出はこのぐらい伸びていく、
輸入はこうなってくると。そういう中で、これだけの手当てをするから経常収支なら経常収支の黒字がこのぐらい出てくると。そして、それで
外貨準備高のほうへどのぐらい持っていくのかどうかと。そうすれば、もうヨーロッパのほうからは円の切り上げの問題は出ておらぬとこうおっしゃるがね、私はそう甘くは実は考えていなくて、ニクソンが再選されれば何をやってくるかといえば、私は、日米の貿易
調整が大きな課題になってくると。それはいわゆる貿易の自由化につながってくるわけです。公平論者ですからね。だから、そういうことだけで、それじゃ公平に日本の
国内ができるかというと、なかなかそういうわけにはいかないだろうということになれば、当然円の切り上げの声が起きてくるというのが大体順序であろうと思っておるわけです。
ですから、
政府は、いやいやありませんよと言って
——と言うのは私はいいことだと思うんですよ。これだけの準備をし、こういうことをやっていく、それでこれだけで防ぎ切れますからけっこうですと、こういうことをやらないとどうにもなりませんと片方では言いながらやっていくことはいいことなんですが、どうも一どう言ったらいいですか、少し考えが甘いと申しましょうか、あるいは本気でやれないじゃないかと。それは、
国内問題等があって、なかなか、特に
輸入の問題になれば、日本の国の置かれておる中小企業なりあるいは農業
関係等があって容易じゃないだろうということもわかりますが、何かこう、聞いておると、うわのそらのような話になっちまって、そうして、これでやってみてもまたいかなんだわいということがこやしないか。だから、結局
大蔵省の本音は、ある程度は努力してみるけれ
ども、いつかはやられてもやむを得ぬと、まあ二百八十円というのが通り
相場になっているんだから、これがむしろ二百八十円になったほうがいいんじゃないかということを期待しつつ
提案をしておられるんじゃないかというふうに思うわけなんですよ。もう現に二百八十円で実勢レートなり
取引が行なわれておることはあなたのほうも御承知なんですから、織り込み済みと言っちゃたいへん悪いですけれ
どもね、だから、そこの辺のところをどう判断してみえるやら、私のほうの、こういううがったことを言うほうが間違っておるということなのかどうなのか。ちょっとこう、
大蔵省の私は真意というんですかね、あるいは閣僚懇談会の真意がつかみかねているわけなんです。だから、そこのところについて非常に
疑いを持って見ておるんだから、何かこう、あんたのほうも、説得力のある
説明がしてもらいたいと思うんです。いまのようなことじゃ、ちょっと納得しかねるんですがね。ただ、これだけやったらこれだけできそうだと、これだけやったらこうなりそうだと言われても、しばしば食い違ってきておるわけです。ですから、たとえばそれじゃ、対アメリカとの
関係の貿易
調整ではこうなって、アメリカからのもう絶対に圧力はなくなるんだという確信が持てましょうか。まあヨーロッパは巻き込まれてくるほうですよ。アメリカとの
関係がうまくいかなければヨーロッパへ伸びていくわけですよ。
それからもう
一つは、確かに輸銀のほうでいろいろとワクを広げておやりになるということは非常にいいことだと思っています。で、そちらのほうのこともこれからも援助等、いろんな
意味でひもつき援助等はやめられて、この
意味で
改正されていくだろうということは思っております。思っておりますが、そこへ逃げ道を求められるのか、そうじゃなくて、こういう
制度のほうで大体輸銀以外のものにウエートを置いておられるのか、その辺のところがちょっと理解に苦しむわけですよ。私の理解が悪いのかな。どうもかみ合わないから、よくどうもふに落ちないわけです。重ねてひとつ御
説明願いたいと思います。