運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1972-10-28 第70回国会 衆議院 本会議 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十七年十月二十八日(土曜日)
—————————————
開 会 式 午前十時五十九分
参議院議長
、
衆議院参議院
の副
議長
、
常任委員長
、議員、
内閣総理大臣
その他の
国務大臣
及び
最高裁判所長官
は、
式場
である
参議院議場
に入り、所定の位置に着いた。 午前十一時
天皇陛下
は、
衆議院議長
の前行で
式場
に入られ、お席に着かれた。
衆議院議長
は、左の
式辞
を述べた。 …………………………………
天皇陛下
の御臨席をいただき、第七十回
国会
の
開会式
をあげるにあたり、
衆議院
及び
参議院
を代表して、
式辞
を申し述べます。 このたび、多年の
懸案
であった
わが国
と
中国
との
友好関係
が
樹立
の運びとなりましたことは、まことに
喜び
にたえません。 われわれは、この際、さらに諸
外国
との
親善
を深め、
世界
平和に寄与するとともに、
国民生活
の安定、
福祉
の
向上
を目ざし、当面する諸問題の
解決
をはからなければなりません。 ここに、
開会式
を行なうにあたり、われわれに負荷された
使命達成
のために
最善
をつくし、もって
国民
の委託にこたえようとするものであります。 ………………………………… 次いで、
天皇陛下
から左のお
ことば
を賜わった。 ………………………………… 本日、第七十回
国会
の
開会式
に臨み、全
国民
を代表する諸君と親しく一堂に会することは、わたくしの
喜び
とするところであります。 現下の
内外
の
情勢
は、きわめて多端でありますが、この間に処して、
わが国
が、諸
外国
との
友好親善
と
国民生活
の
安定向上
のため、たゆみない
努力
を続け、その
成果
をあげつつあることは深く多とするところであります。 しかしながら、変動する
内外
の
情勢
に対処し、今後さらに国運の
進展
を図り、
国際社会
の
信頼
を高めていくためには、なおいっそうの
努力
を要すると思います。 ここに、
国会
が、当面の諸問題を
審議
するにあたり、国権の
最高機関
として、その
使命
を遺憾なく果たし、
国民
の信託にこたえることを切に望みます。 …………………………………
衆議院議長
は、お
ことば書
をお受けした。 午前十一時六分
天皇陛下
は、
参議院議長
の前行で
式場
を出られた。 次いで、一同は
式場
を出た。 午前十一時七分式を終わる
————◇—————
昭和
四十七年十月二十八日(土曜日)
—————————————
議事日程
第二号
昭和
四十七年十月二十八日 午後一時
開議
一
国務大臣
の
演説
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
田中内閣総理大臣
の
所信
に関する
演説
大平外務大臣
の
外交
に関する
演説
植木大蔵大臣
の
財政
に関する
演説
午後一時三分
開議
船田中
1
○
議長
(
船田
中君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
国務大臣
の
演説
船田中
2
○
議長
(
船田
中君)
内閣総理大臣
から
所信
に関する
演説
、
外務大臣
から
外交
に関する
演説
、
大蔵大臣
から
財政
に関する
演説
のため、発言を求められております。順次これを許します。
内閣総理大臣田中角榮
君。 〔
内閣総理大臣田中角榮
君
登壇
〕
田中角榮
3
○
内閣総理大臣
(
田中角榮
君) 第七十回
国会
が開かれるにあたり、当面する
内外
の諸問題について、
所信
を述べます。 本年七月国政を担当することになりましてから今日に至るまで、
国民
の皆さまから寄せられた激励に対し心からお礼を申し上げます。(
拍手
)特に、
日中国交正常化
のために
中国
を訪問した際に寄せられた
各界各層
をあげての御
理解
に対し、深く感謝申し上げます。(
拍手
) 戦後
四半世紀
を過ぎた今日、
わが国
には
内外とも
に多くの困難な
課題
が山積しております。しかし、これらの
課題
は、これまで多くの
苦難
を乗り越えてきたわれわれ
日本
人に
解決
できないはずはありません。私は、
国民各位
とともに、
国民
のすべてがあしたに希望をつなぐことができる
社会
を築くため、熟慮し、断行してまいる覚悟であります。(
拍手
) 七〇年代の
政治
には、強力なリーダーシップが求められております。新しい
時代
には新しい
政治
が必要であります。
政治家
は、
国民
にテーマを示して具体的な
目標
を明らかにし、期限を示して
政策
の
実現
に
全力
を傾けるべきであります。(
拍手
) 私が
日中国交正常化
に取り組み、また、
日本列島改造
を提唱したのも、時の
流れ
、
時代
の
要請
を痛切に感じたからにほかなりません。(
拍手
)
政治
は、
国民
すべてのものであります。
民主政治
は、
一つ一つ
の
政策
がどんなにすぐれていても、
国民各位
の
理解
と
支持
がなければ、その
政策効果
をあげることはできません。 私は、私の提案を
国民
の
皆さん
に問いかけるとともに、広く
皆さん
の
意見
に耳を傾け、その中から
政治
の
課題
をくみ取り、
内外
の
政策
を果断に実行してまいります。(
拍手
) 今日の
国際社会
には、
随所
に不安定な
要因
のあることは事実でありますが、
世界
には
対決
ではなく、
話し合い
による
緊張緩和
を求める
動き
が始まっております。 このような
世界情勢
の中で、
わが国
は、
中華人民共和国
との
国交
の
正常化
を
実現
いたしました。私は、去る九月、
中華人民共和国
を訪問し、
毛澤東主席
と会見するとともに、
周恩来首相
をはじめ
中国政府首脳
と
会談
し、
国交正常化
問題をはじめ
日中両国
が関心を持つ諸問題について、率直な
意見
の
交換
を行ない、九月二十九日
共同声明
に署名いたしました。これにより、長い間の
両国
間の不正常な
状態
に終止符が打たれ、
両国
間に
外交関係
が
樹立
されました。ここにあらためて
国会
に御報告いたします。(
拍手
) 多年の
懸案
であった
日中両国
間の
国交
が
正常化
され、
善隣友好関係
の
基礎
ができたのでありますが、日中問題が
解決
できたのは、
時代
の
流れ
の中にあって、
国民世論
の強力な
支持
があったからであります。私は、このような
国際情勢
の
変化
と過去半世紀に及んだ
日中両国
の不幸な
関係
を熟慮した上で、
国交正常化
を決断したのであります。この機会に、
日中関係
の
改善
と
交流
の
拡大
に尽力してこられた各方面の
方々
に衷心より
敬意
を表するものであります。(
拍手
)
日中両国
は、今回の
共同声明
において
主権
及び
領土保全
の
相互尊重
、
内政
に対する
相互不干渉
をはじめとする諸
原則
の
基礎
の上に、平和と
友好
の
関係
を確立することを
内外
に明らかにいたしました。
日中国交
の
正常化
によって、
わが国
の
外交
は
世界
的な広がりを持つに至ったのでありますが、このことは、同時に
わが国
の
国際社会
における
責任
が一段と加わり、人類の平和と
繁栄
にさらに貢献すべき
義務
を負うに至ったことを意味するものであります。 インドシナ半島においては平和が到来しようとしており、朝鮮半島においても
南北
の
話し合い
が進められております。このような好ましい事態を一そう
発展
させるためには、これらの国を取り巻く
環境
がより安定し、恵まれたものにならなければなりません。今日の
国際社会
は、これまでの東西の対立を清算して
南北
の問題に取り組むべき時期に直面をいたしております。すなわち、
南北
問題の
解決
なくして、
世界
の調和ある
発展
と恒久の平和は約束されません。
先進工業国
としてゆるぎない地歩を固めた
わが国
は、
開発途上国
、とりわけ
アジア諸国
の
経済
の
発展
と民生の安定のために一そう寄与しなければなりません。 私は、
さき
にハワイにおいて
ニクソン米国大統領
と
会談
し、
日米両国
の当面する諸問題について、率直に
意見
の
交換
を行ない、
相互
に
理解
を深めてまいりました。
日本
と
米国
は、
政治
、
経済
、
社会
、
文化
の各
分野
において深い
関係
を持ってきたのでありますが、新しい
段階
に入った
日米両国
の今後における
友好協力関係
の
維持増進
は、
日米両国
にとどまらず
アジア太平洋全域
の安全と
繁栄
に欠くことのできないものであります。
わが国
と
ソ連
は、
貿易
、
経済
、
文化
の各
分野
で
交流
を深めておりますが、さらに
平和条約
を締結して
日ソ両国
間に安定した
友好親善
の
関係
を
樹立
する必要があります。(
拍手
)このため、私は、
日ソ国交樹立
以来の
懸案
である北方領土問題を
国民
の
支持
のもとに
解決
したいと考えております。(
拍手
) 最近
世界
的に
緊張緩和
の
動き
が見られるとはいえ、
わが国
が今後とも平和と安全を維持していくためには、
米国
との
安全保障体制
を堅持しつつ、自衛上
最小限度
の
防衛力
を
整備
していくことが必要であります。(
拍手
)このたび、
政府
が第四次
防衛力整備計画
を決定しましたのもこのためであります。(
拍手
) われわれは、戦後の荒廃の中からみずからの力によって今日の国力の
発展
と
繁栄
を築き上げてまいりました。しかし、こうした
繁栄
の陰には、
公害
、過密と過疎、
物価
高、
住宅難
など
解決
を要する数多くの問題が生じております。一方、
所得水準
の上昇により
国民
が求めるものも高度かつ多様化し、特に
人間性充実
の欲求が高まってきております。 これらの
要請
にこたえ、
経済成長
の
成果
を
国民
の
福祉
に役立てていく
成長活用
の
経済政策
を確立していくことが肝要であります。(
拍手
) この
観点
から見て、
日本列島
の
改造
は、
内政
の重要な
課題
であります。(
拍手
)
明治
以来百年間の
わが国経済
の
発展
をささえてきた
都市集中
の奔流を大胆に転換し、民族の活力と
日本経済
のたくましい力を
日本列島
の
全域
に展開して国土の
均衡
ある
利用
をはかっていかなければなりません。(
拍手
)
政府
は、
工業
の全国的再
配置
と
高速交通
・
情報ネットワーク
の
整備
を意欲的に
推進
するとともに、
既存都市
の機能の
充実
と
生活環境
の
整備
を進め、あわせて魅力的な
地方都市
を育成してまいります。(
拍手
)
経済
と人の
流れ
を変えることにより
土地
の
供給量
は大幅に増加されます。また、全国的な
土地利用計画
の策定、
税制等
の
活用
によって
土地
問題の
解決
は一そう促進されるのであります。(
拍手
)
公害
については、規制の強化、
公害防止技術
の
開発
、
工業
の
適正配置
、いわゆる
工場法
の制定など
各般
の
施策
を強力に実施することによって、
経済成長
を続けながら
公害
を除去していくことが可能であります。(
拍手
)また、
公害被害者
に対する救済の実効を期するため、
損害賠償保障制度
の創設を進めてまいります。
物価
、特に
消費者物価
の安定は、
国民生活
の
向上
にとって必要不可欠の
条件
であります。従来から
中小企業
、
サービス業等
の低
生産性部門
の
構造改善
、
生鮮食料品
を中心とした
流通機構
の
近代化
、
輸入
の促進、
競争条件
の
整備
などの
施策
が進められてきました。しかし、なお
努力
を要する点のあることも事実であります。今後とも、総合的な
物価対策
を
推進
するとともに、
消費者
の手にする商品の
安全性
の確保など
消費生活
上の質的問題についても万全を期してまいります。(
拍手
) 豊かな
国民生活
を
実現
するために欠くことのできないものは、
社会保障
の
充実
であります。このため、今日までの
経済成長
の
成果
を思い切って
国民福祉
の面に振り向けなければなりません。(
拍手
)特に、
わが国
は急速に
高齢化社会
を迎えようとしており、総合的な
老人対策
が
国民的課題
となっております。(
拍手
)また、今日の
繁栄
のために
苦難
の汗を流してこられた
方々
に対する手厚い
配慮
が必要であります。中でも
年金制度
については、これを
充実
して
老後生活
のささえとなる
年金
を
実現
する
決意
であります。(
拍手
)さらに、
寝たきり老人
の援護、
老人医療制度
の
充実
などをはじめ、
高齢者
の雇用、定年の延長などを
推進
してまいります。 以上のほか、
心身障害者
をはじめ
社会
的に困難な
立場
にある
人々
のため
施設等
の
整備
、
充実
をはかり、難病に悩む
人々
に対しては原因の究明、
治療方法
の研究、
医療施設
の
整備
など総合的な
施策
を
推進
いたします。(
拍手
) なお、
国民
が十分な
余暇
を
利用
することのできる
社会
を
実現
するため、週休二日制をはじめ
余暇利用
の
条件
の
整備
につとめてまいります。(
拍手
)
農業
については、
総合農政
の
推進
のもとに
農村
の
環境整備
を強力に実施して高
生産農業
の
実現
と高
福祉農村
の建設をはかり、
農工一体
の実をあげてまいります。(
拍手
)
中小企業
につきましては、
国際化
の
進展等
による
環境
の
変化
に適応し得るようにするため、
構造改善
の
推進
をはじめとする
各般
の
施策
を強化いたします。 本年は、学制が発布されてから百年になります。先人のたゆみない
努力
によって
世界
に比類のない
義務教育制度
をはじめ、
わが国
の
教育
は目ざましい
発展
を遂げてまいりました。
明治
百年という
時代
の転換期にあたって、
教育
の占める役割は、重要となってきております。私は、
学校施設
の
整備充実等
をはかるとともに、
さき
の
中央教育審議会
の答申を踏まえ、
科学技術
の振興を含む
教育
の
制度
、内容の
充実
を積極的に
推進
し、あわせて次代をになう青少年の健全な育成につとめます。(
拍手
) 当面する最も緊急な
課題
は、
国際収支対策
であります。昨年末、
多国間通貨調整
が
実現
し、さらに、去る五月以降
対外経済緊急対策
を実施してまいりました。しかし、
わが国
の
貿易収支
は引き続き大幅な
黒字
を続けております。
国際的地位
が急速に
向上
しつつある
わが国
は、
世界
の
経済交流
の安定した
拡大
を維持していく上で大きな
責任
を持っております。
経済
の順調な
発展
をはかりつつ、両三年の間に
経常収支
の
黒字額
を
国民
総生産の一%以内にとどめるためには、有効な
国際収支対策
を実施しなければなりません。
政府
が去る十月二十日あらためて
対外経済政策
の
推進
について当面とるべき
施策
を決定したのはこのためであります。すなわち、
貿易
・
資本
の
自由化
をはじめ、
関税率
の引き下げによる
輸入
の
拡大
、
開発途上国
への
経済協力
の
拡充等
を促進していくことであります。 いかなる国も他の
国々
との調和を欠いた
経済政策
を追求することは許されません。
わが国
のみが
対外収支
の
黒字
を累増させていくことは、国際的な
理解
を得られるものではありません。
国際収支
の
均衡
を回復し、
世界各国
と協調しながら
わが国
の
繁栄
を維持していくためには、
日本経済
の
国際化
を
推進
し、
経済構造
の改革をはかる必要があります。(
拍手
)また、
充実
した
経済力
を積極的に
国民福祉
の
向上
に
活用
していかなければなりません。 当面している
国際収支
の問題は、
わが国
が経験したことのないきわめて困難な
課題
であります。私は、
国民的英知
を結集し、
国民各位
の
理解
と
協力
を得ながらこの問題に取り組んでまいります。(
拍手
)
政府
は、今
国会
に、
公務員給与
の
改善
、
公共投資
の追加などに必要な
補正予算
と、緊急に
立法措置
を要する諸法案を提出いたしました。
公共投資
については、道路、下水道、
環境衛生施設
の
整備等
のほか、
災害復旧事業
、
社会福祉施設
をはじめとする
各種施設
の
整備
をあわせ、
事業費
の規模は一兆円にのぼります。これらの
公共投資
は、相対的に立ちおくれている
社会資本
の
整備
を一そう促進するものであり、同時に、当面の
緊急課題
である
国際収支
の
均衡回復
に資するものでもあります。よろしく御
審議
をお願いいたします。(
拍手
) 戦後
四半世紀
にわたり
わが国
は、
平和憲法
のもとに一貫して
平和国家
としてのあり方を堅持し、
国際社会
との
協調融和
の中で
発展
の道を求めてまいりました。私は、外においてはあらゆる国との
平和維持
に
努力
し、内にあっては
国民福祉
の
向上
に
最善
を尽くすことを
政治
の
目標
としてまいります。
世界
の
国々
からは一そう
信頼
され、
国民
の一人一人がこの国に生をうけたことを
喜び
とする国をつくり上げていくため、
全力
を傾けてまいります。(
拍手
)あくまでも現実に立脚し、勇気をもって事に当たれば、理想の
実現
は可能であります。(
拍手
)私は、
政治責任
を明らかにして決断と実行の
政治
を遂行する
決意
であります。(
拍手
) 以上、
所信
の一端を申し述べましたが、一そうの御
協力
を切望してやみません。(
拍手
)
—————————————
船田中
4
○
議長
(
船田
中君)
外務大臣大平正芳
君。 〔
国務大臣大平正芳
君
登壇
〕
大平正芳
5
○
国務大臣
(
大平正芳
君) 最初に、最近
実現
を見ました
わが国
と
中華人民共和国
との間の
国交正常化
について御報告いたします。
中国
は、
わが国
にとりまして最も重要な隣国の
一つ
であり、
日中の間
には二千年にわたる長い
交流
と
伝統的友好
の
歴史
がありました。しかし、遺憾ながら
日中関係
は過去数十年にわたり不幸な経過をたどってまいりました。戦後におきましても、
わが国
をめぐる
内外
の
情勢
を反映して長く不正常の
状態
を脱却するに至らなかったのであります。 今日、
世界
はいわゆる多極化の
時代
に入り、
国際情勢
にはかつてない
流動化
の様相が見られます。そして、全体の趨勢としては
対決
の
時代
から対話によって平和を指向する
時代
へと移行しつつあるものの、なお
随所
に
不安定要因
が根深く存在することも否定できません。特に
アジア
においてしかりであります。
わが国
の
外交
は
アジア
の安定と
繁栄
に寄与することを基本の方針としております。
日中両国
の
国交
を
正常化
し、
両国
の間に
善隣友好
の
関係
を
樹立
することは、
アジア
の安定と
繁栄
の
基礎
を固めるために最も重要なことでございます。
田中内閣
は、その組閣以来、昨年の
国連
における
中国
代表権問題の
審議
の帰結、
ニクソン米大統領
の
中国訪問
などによって急速に高まってまいりました
日中国交正常化
への
国民
の願望にこたえなければならないと考えてまいりました。
他方
、この問題につき、
中国側
がとみに真剣かつ実際的な姿勢を示すようになったことに対し、いかに処するかについても思いをめぐらしてまいりました。また、
日中国交正常化
が、
米国
、
ソ連
をはじめ
アジア
・
太平洋地域
の
諸国
と
わが国
との
関係
に対して、いかなる
影響
を及ぼすことになるかについても
十分検討
を加えてまいりました。その結果、
政府
はいまや
日中国交正常化
の
実現
をはかる機が熟したと判断し、この多年にわたる
懸案
の
解決
に取り組む
決意
を固め、
中国側
の招請にこたえ、
田中総理大臣
は、九月下旬北京を訪問し、
同国首脳
との
会談
を行なったのであります。
日中両国
の間には、申すまでもなく、
政治信条
や
社会制度
の
相違
がございます。また、戦後の
世界政治
におけるおのおのの
立場
や事情も違っております。しかしながら、今回の
日中首脳会談
におきましては、
友好
的な雰囲気の中で
相互
に率直な
意見
を
交換
いたしました結果、かかる
相違
は
相違
として残しつつも、
国交正常化
を通じて
アジア
の平和に貢献しようという道標を追求することにおいては一致したのであります。かような基本的な
理解
に立ちまして、
相互
の
理解
と互譲の精神により一鋭意
交渉
を重ねました結果、ついに
国交正常化
につき合意に達することができました。(
拍手
)かくて
日中関係
の
歴史
は新たな
段階
を迎えることになりました。
日中国交正常化
はもとより
政府
のみの力によって成就したものではありません。この際、私は、これまで長きにわたり日中の
交流
と
国交
の
正常化
に尽力を惜しまれなかった与党、野党の
関係者
をはじめ、
各界
の先達に対し、深い
敬意
と感謝を表明いたします。(
拍手
)また、今回の
首脳会談
にあたって
国民各層
から
政府
に寄せられました御
理解
と御支援に対し、厚く感謝するものであります。
日中会談
の
成果
は、九月二十九日に発表されました
共同声明
に示されており、また、それに尽きております。 ここにその主要な点について御説明申し上げます。
日中両国
間の不正常な
状態
は、
共同声明発出
の日をもって終わりを告げ、この口から
両国
の間に
国交
、すなわち、正式の
外交関係
が
樹立
されました。この
外交関係
が十分機能するためには双方の
大使
館を設置し、
大使
を
交換
することが必要であることは申すまでもありません。
政府
といたしましては、そのための所要の準備をできるだけすみやかに整えたい
所存
でございます。 次に、
台湾
の
地位
に関してでございますが、
サンフランシスコ平和条約
により
台湾
を放棄した
わが国
といたしましては、
台湾
の
法的地位
につきまして独自の認定を行なう
立場
にないことは、従来から
政府
が繰り返し明らかにしておるとおりでございます。しかしながら、
他方
、
カイロ宣言
、
ポツダム宣言
の経緯に照らせば、
台湾
は、これらの両
宣言
が意図したところに従い
中国
に返還されるべきものであるというのが、
ポツダム宣言
を受諾した
政府
の変わらない
見解
であります。
共同声明
に明らかにされておる「
ポツダム宣言
第八項に基づく
立場
を堅持する」との
政府
の
立場
は、このような
見解
をあらわしたものであります。
中華人民共和国政府
は、この
共同声明
において、
賠償放棄
を
宣言
いたしました。過去における
中国大陸
での戦争がもたらした惨禍がいかに大きなものであったかを考えまするならば、
わが国
としては、ここに示された
中国側
の態度に深く感謝すべきであると考えます。(
拍手
)
日中国交正常化
が、第三国に向かってなされたものではないことは申すまでもありません。一衣帯水の間にあり、
歴史
的にも深い
関係
にある
日中両国
が、正常な
国交
を持つことはいわば当然のことであります。そしてこのことは、
わが国
が
米国
その他の
諸国
と緊密な
友好関係
を持つことと両立すべきであるし、また、両立させ得るものと信ずるものであります。 また、
共同声明
は、今後の
日中関係
に適用さるべき諸
原則
を明示しております。すなわち、
主権
と
領土保全
の
相互尊重
、
相互不可侵
、
内政不干渉
、
平等互恵
及び
平和共存
の五
原則
がそれであります。さらに、
両国
はこれらの
原則
及び
国連憲章
の諸
原則
に従い、紛争の
平和的解決
と武力の不行使を
相互
に確認いたしました。
共同声明
においてその
締結交渉
を約しておりまする
平和友好条約
は、このような指針を踏まえつつ、将来の
日中間
の
善隣友好関係
を確固たるものにしようとすることを目的とするものであります。 なお、
日華平和条約
について申し上げます。
共同声明発出
の際に明らかにいたしましたとおり、
日中国交正常化
の結果として、
日華平和条約
は、その存続の意義を失い、終了したものと認められるというのが
政府
の
見解
でございます。
日中国交正常化
の結果、これまで
わが国
と密接な
関係
にあった
台湾
との
外交関係
は遺憾ながら維持できなくなったのであります。しかしながら、
政府
としては、
台湾
と
わが国
との間に人の往来や
経済
、
文化
をはじめ
各種
の
民間レベル
での
交流
を、今後ともでき得る限り継続していくことを希望しており、そのために必要な
措置
を講ずる用意があります。
台湾
に在留する邦人の
生命財産
の保護は、
台湾
における官民の
配慮
により、今日まで幸いに事なきを得ておりますが、
政府
としても、これに対し、今後とも
十分注意
を払ってまいる
所存
であります。(
拍手
)
日中国交正常化
によりまして、
米国
、
ソ連
をはじめ
アジア
・
太平洋地域
の
諸国
、特に
東南アジア各国
と
わが国
との
関係
は、いささかもそこなわれるものではなく、一そう拡充されるべきものであると考えます。しかし、
政府
としては、
中国
との新しい
関係
が、これら
諸国
に及ぼすことあるべき
影響
に十分留意し、今後これら
諸国
との
関係
を処理するにあたりましては、従来にも増してきめのこまかい
配慮
を払ってまいる
所存
であります。先般の
日米首脳会談
におきましても、かかる
観点
から
米国政府首脳
に対しまして、
日中国交正常化
についての
わが国
の
立場
と考え方を率直に伝えた次第であります。また、
わが国
と緊密な
関係
を持つその他の
各国
に対しても、できるだけ広範に
理解
を求めてまいりました。さらに私は、最近、豪州、ニュージーランド、
米国
及び
ソ連
を歴訪して、
関係国首脳
に対し、
日中国交正常化交渉
の趣旨を伝え、その
理解
を深めてまいりました。また、
政府
が韓国及び
東南アジア諸国
に対してそれぞれ
特派大使
を派遣いたしましたのも、同様な考慮に基づくものであります。
日中国交
の
正常化
は
日中間
の
歴史
に新しいページを開くものであります。しかし、これはいままでなかった道が開かれたというに過ぎないのであります。問題は、今後われわれがいかにしてこの道を
拡大
し、
発展
させるかにかかっております。
両国関係
の将来、ひいては
アジア
・
太平洋地域
の平和と安定は、
両国
のこれからの
努力
に大きく依存しておると思います。 私は、何をおきましても、
日中相互
の間に不動の
信頼
がつちかわれなければならないと考えます。われわれは
お互い
の
ことば
に信をおき、かつ、
お互い
の
ことば
を行為によって裏書きすることが必要であると思います。(
拍手
)さらに、
両国
が、
アジア地域
の平和と安定、秩序と
繁栄
に貢献することが肝要であると思います。そのためにわれわれは何を行なうべきか、何を行なってはならないかについて、正しい判断を持ち、慎重に行動すべきであると考えております。
日中両国
は、このような不動の
信頼
とけじめのある
国交
を通じてのみ、
両国
間に末長き
友好関係
を築き、
発展
させることができるものと考えます。
政府
としてはこのためにせっかく
努力
をいたす
所存
であります。(
拍手
) 以上、私は、
日中国交
の
正常化
につきまして御報告をいたしましたが、この時点に立って、私は、あらためて、
わが国
が
国際社会
においていかなる
立場
をとり、いかなる道を歩むべきかという
外交
上の方針につき一言いたしたいと思います。
わが国
としては、
わが国
存立の主体的、客観的な諸
条件
を踏まえて、あくまでも平和に徹する国として、内においてはそれにふさわしいみずからの
内政
を整え、外に向かっては国際的な信用を高めつつ諸
外国
との
交流
を進め、
世界
の平和と
繁栄
に貢献すべきであると信じます。 私は、
わが国
の国力の
充実
に伴い、今日
世界
における
わが国
の
責任
と役割りが年とともに増大しておることを痛感するものであります。
内外
にわたるかような
責任
を果たして、初めて
わが国
の安全が保たれ、その国益が維持されるものと信じます。(
拍手
) 日米
友好関係
を堅持することはわが
外交
の基軸であり、寸時もゆるがせにしてはならないものであると信じます。(
拍手
)これとともに、
わが国
は中・ソをはじめ
アジア
の近隣
諸国
との
友好関係
をますます緊密なものにしなければなりません。さらに、
わが国
は広く環太平洋
諸国
との
関係
を密接にし、新しい展開を示しつつありまする欧州
諸国
との
関係
を増進する必要があります。また、われわれは、国際連合を通じて国際
協力
を
推進
し、特に、軍備の規制及び
経済
社会
面における国際
協力
の
分野
で応分の貢献をしなければなりません。 われわれはまた、
わが国
の
経済政策
が
世界
経済
にますます大きな
影響
を与えつつあること、とりわけ
わが国
が
世界
の通貨
貿易
体制においてきわめて大きな比重を占めることを自覚しなければならないと信じます。その自覚に立ちまして
わが国
はみずからの
経済
の長期的利益と、
世界
経済
の調和的な
発展
のために、果断な
施策
を進めなければなりません。さらに、
わが国
としては、
アジア
、中近東、アフリカ、中南米等の
開発途上国
の
開発
にできる限りの貢献をすることは当然の責務であります。われわれは、これら
諸国
の
発展
にとって真に利益となるような
協力
を行なうために一そうの
努力
をいたす必要があると思います。また、
各国
との
相互
理解
を増進するため、
文化
交流
も一段と
推進
したいと考えております。 かくしてこそ、
わが国
は将来長きにわたり、
わが国
の安全と
国民
の
繁栄
、
福祉
等を確保しつつ、広く
わが国
の対外
関係
を安定した
基礎
の上に置き、進んで
世界
の平和と
繁栄
に貢献できるものと信じます。 最近、ベトナム紛争の終息をめぐって活発な
動き
が見られます。
わが国
としては、当事者間の真剣な
話し合い
がすみやかに妥結し、インドシナ半島の平和が一日も早く到来し、かつ、これが永続することを心から希求いたしております。 以上、私は、
日中国交正常化
について御報告申し上げますとともに、それに関連して
わが国
の
外交
方針につき、
所信
の一端を申し述べました。
国民各位
の御
理解
と御
協力
をお願い申し上げます。(
拍手
)
—————————————
船田中
6
○
議長
(
船田
中君)
大蔵大臣
植木庚子郎君。 〔
国務大臣
植木庚子郎君
登壇
〕
植木庚子郎
7
○
国務大臣
(植木庚子郎君) ここに、
昭和
四十七年度
補正予算
の提出にあたり、その大綱を説明申し上げ、あわせて最近の
内外
経済
情勢
と今後の
財政
金融
政策
につき、
所信
の一端を申し述べたいと存じます。(
拍手
) まず、今回提出にかかる
昭和
四十七年度
補正予算
の大綱につき、説明申し上げます。 最近の国内
経済
は、本年度における積極大型予算の執行、数次にわたる公定歩合の引き下げなど
財政
金融面からの諸
施策
が講じられたこともあり、おおむね順調な景気回復の過程をたどっております。しかし、
社会資本
の
整備等
に対する
国民
の
要請
はなおきわめて強いものがあり、
他方
、
国際収支
面では、昨年末の通貨調整後もかなり大幅な
黒字
が続いております。
政府
は、これら
内外
の諸
情勢
に顧み、
昭和
四十七年度
補正予算
の編成にあたりましては、人事院勧告の実施等に伴う公務員の給与
改善
費、法人税の増収に伴う地方交付税交付金の追加、米の生産調整に要する経費、
義務
教育
費国庫負担金等の
義務
的経費の追加等につき、所要の補正
措置
を講ずるほか、
社会資本
の
整備
を一そう促進しますとともに、当面の
緊急課題
たる
国際収支
の
均衡回復
に資するため、
公共投資
の追加を行なうことといたしました。
公共投資
につきましては、一般公共事業及び
災害復旧事業
のほか、
社会
福祉
、文教、医療
関係
その他の
各種施設
の
整備等
をあわせ、
事業費
の規模で約一兆円の追加を行なうこととし、これらに必要な歳出予算及び国庫債務負担行為の追加を行なうことといたしております。 以上の歳出の追加に伴う財源といたしましては、既定経費の節減、予備費の減額を行なうほか、歳入予算において、租税及び印紙収入の増加二千八百二十億円を計上しますとともに、国債三千六百億円を増額するなど、所要の補正
措置
を講ずることといたしております。 この結果、
昭和
四十七年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも六千五百十三億円を増加して十二兆千百八十九億円と相なるのであります。 また、ただいま申し述べました一般会計予算補正等に関連して、道路
整備
特別会計等の特別会計及び
日本
国有鉄道等の
政府
関係
機関につきましても、それぞれ所要の予算補正を行なうことといたしております。 なお、
財政
投融資につきましては、すでに去る八月に二千六百六十八億円の追加を行なったのでありますが、さらに今回の予算補正等に関連しまして、総額五千三十億円の追加を行なうことといたしております。 以上が
昭和
四十七年度
補正予算
の大綱であります。 何とぞ、
関係
の諸法律案とともに、御
審議
の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。(
拍手
) この機会に、最近の
内外
経済
情勢
と今後の
財政
金融
政策
について一言申し述べたいと存じます。 昨年末に行なわれました多国間の通貨調整は、戦後
四半世紀
にわたる国際
経済
体制に一転機を画するものであり、いまや、国際通貨
制度
の改革は、国際
経済
面における最も重要な
課題
となっております。私は、去る九月末、国際通貨基金及び
世界
銀行の年次総会に出席し、あわせて
各国
の通貨当局の首脳と
会談
してまいりましたが、
各国
とも、国際通貨
制度
の改革に強い意欲を示しており、本
課題
解決
の準備を担当する二十カ国委員会の正式発足とも相まちまして、その作業はいよいよ本格的着手の
段階
に入りました。
他方
、
貿易
面につきましては、
世界
貿易
の
拡大
、
自由化
の促進を目的とする次期国際ラウンド
交渉
の明年からの開始を目ざして、鋭意準備作業が進められております。
わが国
といたしましては、
国際的地位
の
向上
とこれに伴う国際的責務の増大を認識し、新しい国際
経済
秩序確立のための国際
会議
におきましては、これを成功に導くよう積極的に寄与する心がまえが肝要と存じます。 次に、
わが国
の最近の
国際収支
の動向について見ますと、昨年末に行なわれた通貨調整後も、なお相当の
貿易収支
の
黒字
が続いております。通貨調整の効果が
国際収支
面に浸透するまでにかなりの期間を要しますことは、国際的に共通した認識となっておりますが、
国際収支
の現況に徴しまするとき、これを適正な水準に戻すためには、引き続き格段の
政策
努力
を払うべきものと考えます。
政府
は、本年五月、
対外経済緊急対策
を策定し、諸般の
措置
を講じてまいりましたが、この際さらにその内容を拡充することといたしまして、去る十月二十日、
輸入
の
拡大
、輸出の適正化、
資本
の
自由化
、
経済協力
の拡充、
福祉
対策の
充実
等、対外
経済
関係
の調整を主眼とする総合的な諸
施策
の
推進
を決定し、そのすみやかな実施をはかりますため、所要の法律案をこの
国会
に提出することといたしました。 また、目を国内の
経済
動向に転じますと、
わが国経済
は今後も引き続き着実な成長を続けるものと思われますが、これまでの高度の成長に伴い、
公害
問題をはじめとする
各種
のひずみが増大するにつれまして、
国民
は、いまや、成長と
福祉
との調和を求め、真に人間性豊かな
福祉
社会
の建設を待ち望んでおります。 この意味におきまして、今後の
経済政策
の基本的
課題
は、安定
経済成長
のもとで
国民生活
の質的
充実
をはかりますとともに、あわせて対外
均衡
の回復を達成することにあると存じます。 よって、今後の
財政
金融
政策
の運営にあたりましては、
充実
した
経済力
と
国際収支
のゆとりを
活用
し、
物価
の安定に十分配意しつつ、相対的に立ちおくれている
社会資本
の
整備
と
社会保障
の
充実
のため、積極的に
努力
いたしてまいることが肝要であります。これと同時に、長期的な展望のもとに、
国民
の税負担等のあり方につき本格的な検討を加え、また、公債
政策
の健全な運営をはかることにより、民間部門と
政府
部門の間における資源配分の適正化を進める必要があると考えます。 また、激動する
内外
の
経済
情勢
に即応し、
各般
の
施策
を機動的に
活用
してまいりますため、金融
環境
の
整備
及び証券市場の育成指導につとめてまいる
所存
であります。 以上申し上げましたように、
わが国
は、いまや
内外
にわたる新たな試練と転換のときを迎えており、その前途には早急に
解決
をはかるべきたくさんの問題をかかえております。 私は、このときにあたり、内においては豊かな
福祉
社会
を建設し、外に対しては国際協調の精神をもって
世界
経済
の
発展
に寄与し得ますよう、
財政
金融
政策
の運営に
全力
を尽くしてまいる
所存
であります。
国民各位
の御
理解
と御
協力
を切にお願い申し上げます。(
拍手
)
————◇—————
浜田幸一
8
○浜田幸一君
国務大臣
の
演説
に対する質疑は延期し、来たる三十日午後一時より本
会議
を開きこれを行なうこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
船田中
9
○
議長
(
船田
中君) 浜田幸一君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
船田中
10
○
議長
(
船田
中君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十二分散会
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
田中 角榮君 法 務 大 臣 郡 祐一君 外 務 大 臣 大平 正芳君 大 蔵 大 臣 植木庚子郎君 文 部 大 臣 稻葉 修君 厚 生 大 臣 塩見 俊二君 農 林 大 臣 足立 篤郎君 通商産業大臣 中曽根康弘君 運 輸 大 臣 佐々木秀世君 郵 政 大 臣 三池 信君 労 働 大 臣 田村 元君 建 設 大 臣 木村 武雄君 自 治 大 臣 福田 一君 国 務 大 臣 有田 喜一君 国 務 大 臣 小山 長規君 国 務 大 臣 二階堂 進君 国 務 大 臣 濱野 清吾君 国 務 大 臣 本名 武君 国 務 大 臣 増原 恵吉君 国 務 大 臣 三木 武夫君
————◇—————