○
阿部(助)
委員 これは運輸
委員会じゃありませんからあまり詳しく申し上げないで、幸いに当選してきたらゆっくりやりますけれ
ども、ひどいのは、新造船を外国へ売る、それをチャーターバックする、それに
日本船員を乗っけて、それをまた郵船はジャパンラインに貸し付けるなんということをやる。あるいはまた、イギリスのエッソですか、そこに船を貸して三光さんがやっておるということになると、今度海員法の適用を受けない、あるいは海員には海員に対するいろんな社会保障の面があるわけだけれ
ども、それの適用すらまた受けられないことになってしまうというような、ある意味で先ほど来お話しの福祉国家とはおおよそ逆行した形の中で
労働者がこき使われているというふうな問題が多々あるわけです。電波法の違反の問題であるとかというのを私は聞いておる。ここでは詳しく申し上げませんけれ
ども、そういう問題もある。そういう問題も私はもう少し真剣に一ただ会社の利益追求だけやっていれば、
労働者がどうなろうと一それは会社としては利益追求をやりたいでしょう。この決算書を見ましても、役員報酬はふえておるけれ
ども、
職員の支払いのほうは絶対額で減っておるなんということになっておる。それで蓄積はちゃんとある。ストをやってたいへん困ったみたいなことを言っておるけれ
ども、内部蓄積はびくともしないくらいお持ちになっておる。そうしてなおかつ国の保護でこれからコンテナ船だ、いや、なんでございますということで、開銀融資だ、利子補給だというものを際限もなく国に
要求しておる。これが船会社の実態だ、私はこう思うのであります。
そういう点で円対策の面でも全くしり抜けだという点をもう少し
大蔵省のほうもきちんとしないと、私はいままでの円対策にも冒頭申し上げましたようにたいへん大きな
不満があります。そして林さんがここで幾ら声を大にして円の切り上げは絶対に避けてみせるといって宣言をされてみたところで、間もなく切り上げになるだろう、私はこう想像するわけですし、もう迫られておると私は思うのであります。しかし、そういう場合が来るかもわからぬ、やむを得ないかもわからぬ、だけれ
ども、それなりのベストを尽くして対策を立てた上でやむを得ないなら別だけれ
ども、何かいまのようなしり抜けの話ばかりしておいて、それでまた切り上げましたでは、ちょっと今度はほんとうに
皆さん、
大蔵省に責任をとってもらわなければいかぬと私は思うのです。そういう点でもう少しきちんとした円対策を立てる。特にその場合に一番要望したいのは、
日本の
労働賃金の低さというもの、国内の
労働賃金の低さというものを
考える。その問題をなくさない限りどうしようもない。
もう
一つは、先ほど広瀬
委員からお話しのように、輸出価格と国内価格との格差の大きなものは是正するというお
考えにならないのか、これだけひとつお伺いしておきたいと思うのであります。
この二重価格、これが私は一番問題だと思うのであります。いろいろな理屈をつければつけられる。理屈も私は何べんか聞いております。しかし、
日本の農民の米は高い高いというけれ
ども、中国へ硫安を輸出するときは一かます五百円じゃないですか。大体五百円でしょう。
日本の農民には、農協利潤は少しあるけれ
ども、大体八百円ですよ。そんな
日本の国内の農民に高い硫安を使わせておいて、
日本のおまえたちの米は高いなんていったって、これどうしようもないですよ。物価が上がる、物価が上がるというが、上がったら、生産性が高まってコストの下がったものを下げればいいじゃないですか。それを下げないで国内で高くやっておけば、物価は上がりますよ。
労働賃金のかかるものは物価は上がればいい。そのかわり、生産性の高まったものは下げればいいじゃないですか。そこで物価の安定があると思うのですが、いまのようなことを何とか是正する
方針をとるのかとらないのか。企画庁の方、おいでになっていないですか。
——政務次官からお答えを願って私の質問をやめます。