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井上委員 私も先般来実態を聞きますと、公共事業をたくさんつくるのはけっこうだ、しかしながらその裏づけが、すなわち国庫補助あるいはまた起債等々がつきかねておって、事業執行の上において非常に問題があるのだという話を実は承っておるのであります。ここら
あたりのところはまだ
資料をあまりお持ち合わせでないようですから、この点はひとつこの程度におくといたしまして、政務次官、この点はひとつ十分御留意になって、地方財政に対してひどい圧迫にならないような措置をおとりになることを強く要望しておきたいと思います。
続きまして、
高橋局長、あなたにこの前、
国道五十五号線を見ていただいた。あの際に、わずか十キロ少々のところで、ラッシュの時期には一時間四十分から五十分、あるいはまた普通のときでも大体四十分ぐらいの時間がかかる。この実態をごらんになって、
日本でもまれに見る渋滞
状況だ、こう言われたことを、私、覚えておるのでありますが、ところがこの五十五号線の渋滞を解消するに際して、おたくは
バイパス計画を持っておられる。この
バイパス計画は三十八年に
計画せられて、四十四年から実施施工命令が出ておる。しかしその用地の取得については、
建設省としては県に委託しておるというのが実態であろうと思います。ところが、御承知のように県に委託しておるところの
用地取得が遅々として進まない。区画整理をやるといいましても仕事が進まない。そこで
建設省としては土木部長に区画整理の専門家を持っていかれた。一応、区画整理審議会のほうも再三にわたって
計画変更をやっておるというようなことで、先般、五十八ヘクタールでしたかの区画整理に対しまして審議会は承諾を与えたようなのであります。しかし、私がその後調べてみますと、
土地の所有者たちがその区画整理を好んでおらないのであります。それで、どうもあの地帯はいま非常に発展しようとする
土地でございますが、区域外の人が思惑買いをしておるところもかなりある。そういうような人は区画整理に賛成しておるけれ
ども、純然たる農家の人々はほとんど実は賛成しておらないのであります。五十八ヘクタールのうち四十九ヘクタールを持っておる農民が区画整理に反対しておる、こういう実態なのです。しかし区画整理ができぬからということであの
バイパスをじんぜん日をおくならば、五十五号線の渋滞というのはますますひどくなる。これは私も区画整理方式でいくのが理想的だと思いますし、現在、
土地所有制度を認めた上においては、
道路計画をやる場合、その周辺の区画整理をやっていくことが理論的に正しいとは思います。しかし現在の、いままで五年間渋滞に苦しめられ、現在でもあのような
状況で、これ以上延ばすわけにはまいらないと思うのです。そういたしますならば、この区画整理に反対しておる方々が、
バイパスの直接買収をやってくれることをこの農民たちが賛成しておる以上、あなた方はある程度ここで切りかえなければならない時期に来ているのじゃないか、こう思うですが、いかがでございます。