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1972-11-08 第70回国会 衆議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十七年十月二十七日)(金 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の 通りである。    委員長 天野 光晴君    理事 大野  明君 理事 田村 良平君    理事 葉梨 信行君 理事 服部 安司君    理事 山本 幸雄君 理事 阿部 昭吾君    理事 小川新一郎君 理事 渡辺 武三君       池田 清志君    小沢 一郎君       梶山 静六君    佐々木義武君       野中 英二君    浜田 幸一君       藤尾 正行君    村田敬次郎君       森下 國雄君    山下 徳夫君     早稻田柳右エ門君    渡部 恒三君       井上 普方君    卜部 政巳君       佐野 憲治君    松浦 利尚君       柳田 秀一君    新井 彬之君       北側 義一君    吉田 之久君       浦井  洋君 ――――――――――――――――――――― 昭和四十七年十一月八日(水曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 天野 光晴君    理事 大野  明君 理事 田村 良平君    理事 葉梨 信行君 理事 服部 安司君    理事 山本 幸雄君 理事 阿部 昭吾君    理事 渡辺 武三君       池田 清志君    梶山 静六君       浜田 幸一君    森下 國雄君     早稻田柳右エ門君    井上 普方君       佐野 憲治君    松浦 利尚君       新井 彬之君    北側 義一君       浦井  洋君  出席政府委員         建設政務次官  小渕 恵三君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省計画局長 高橋 弘篤君         建設省道路局長 高橋国一郎君  委員外出席者         通商産業省企業         局工業用水課長 植田 守昭君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月七日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     愛知 揆一君 同日  辞任         補欠選任   愛知 揆一君     浜田 幸一君     ――――――――――――― 十一月六日  高速自動車道交通管理に関する請願鈴木善  幸君紹介)(第二号)  公団住宅家賃値上げ反対等に関する請願佐野  憲治紹介)(第五五号)  同(松浦利尚君紹介)(第五六号) 同月七日  公団住宅家賃値上げ反対等に関する請願浦井  洋君紹介)(第二〇八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十一月六日  新国道四号線、有料道路日光宇都宮線及び国道  五〇号線のバイパス建設促進に関する陳情書  (第八六号)  新東京国際空港北関東大規模都市間の幹線道  路建設に関する陳情書  (第八七  号)  京滋バイパス無料化に関する陳情書  (第八八号)  国道四五号線の整備促進等に関する陳情書  (第八九号)  地すべり対策に関する陳情書  (  第九〇号)  急傾斜地崩壊対策事業採択基準の拡大に関する  陳情書外一件  (第九一号)  住宅建設促進に関する陳情書外一件  (第九二号)  水資源の確保に関する陳情書  (  第九三号)  水資源開発制度の確立に関する陳情書  (第九四号)  水源地域開発法早期制定に関する陳情書  (第九五号)  斐伊川水系治水対策に関する陳情書  (第九六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  建設行政基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 天野光晴

    天野委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、  一、建設行政基本施策に関する事項  二、国土計画に関する事項  三、地方計画に関する事項  四、都市計画に関する事項  五、河川に関する事項  六、道路に関する事項  七、住宅に関する事項  八、建築に関する事項 以上八項目について、建設行政実情調査し、その運営を適正ならしめるため、小委員会の設置、関係方面からの説明聴取及び資料要求等の方法により、本会期調査を進めるため、議長承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 天野光晴

    天野委員長 建設行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。阿部昭吾君。
  6. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 簡潔にお尋ねをいたします。  前に鹿島工業開発の問題についてお尋ねをしたのでありますが、あの当時問題になりましたように、いま鹿島工業用水一期工事から二期工事に入っておるわけであります。この二期工事にからんで、建設省用地関係者に対する土地収用事業認定申請が昨年の暮れに出たわけであります。これに対して建設省事業認定承認を与えた。与えましたが、いま目下それに基づいて茨城県の土地収用委員会において審査が行なわれておるのである。この審査の過程の中で実はいろいろな問題が起こってきておる。したがって、私がお尋ねしたいのは、建設省への土地収用に関する事業認定申請というものは一体何かということであります。単なる形式だけ整っておればいいというものなのか、あるいはやはり内容についても建設省一定の見きわめをつけてやることなのかという問題なんでありますが、従来のやり方から見ますと、書類審査だけで、現実状況や何かというものの把握が全く行なわれぬままに承認をする、こういう状況になっておるように思うのです。そこで、いまここに通産省工業用水担当者がおいででありますが、二期工事の六十万トン給水、これがなかなか土地収用委員会の作業も進みませんで、まだ決着がつかない。そこで、並行して走っております、すでに完成しておりまする二十万トン給水の一期工業用水送水管バイパスみたいな連結管を三本ほどつくって、そして一期の二十万トン給水管の中に二期の六十万トン給水計画の水の相当部分バイパスで通していこう、こういう工事が目下行なわれておるのであります。このような、いわば給水計画それ自体を変えるような場合、これは一体どういうことになるのか。工水法の規定からいいますと、給水計画を変えようとするときには事前に通産大臣承認がなければならぬ、こういうふうに明示をされておる。しかし事実上これは通産大臣の許可を得ないままでいま給水計画、つまり二十万トン給水計画のすでに完成してある送水管の中に二期工業用水の六十万トンのある部分水量を流し込むところのバイパス連結管というものを、どんどん工事を進めておる。ところがさすがに茨城県の土地収用委員会は、これは工水法とのかかわりにおいて疑義ありというので、現状段階ではこの工事は進行しないでストップをしておるのです。こういう状況になっておるわけです。したがって、私はここで一ぺんこの前にも、前の西村大臣の当時に高橋局長との間に二、三やりとりをした経過がありますけれども建設省の、土地収用に対する事業認定申請が行なわれてきました場合の扱う態度は、やはりもっと厳格でなければならぬというふうに実は思うのであります。特にいまの鹿島工業開発、これは大臣にも慎重に対処してもらわなければならぬと私は思うのでありますが、鹿島には公害がないなんということを大臣があそこへ行ってきわめて気楽に言っておるようであります。私ももちろん、現状日本社会、この現状の中から多年、工業の再配置が必要であるという論を長い間持ってまいりました。しかし、工業の再配置はいまの歴史の要求でありますけれども、同時に、分散すればどうでもいいというものじゃないのだ。やはりやるからには、公害の問題につきましても、産業的ないろいろな配置の問題にしても、諸般の条件を整備して、地域住民の福祉、こういうものに正確にこたえるという最善の努力が前提にならなければならない。そういう観点から見ますと、建設省があの収用委員会事業認定申請に対して認定をしたやり方は、どうもきわめてずさんだ、こう言わざるを得ないのでありますが、現状段階局長はどのように認識をされておるのか、このことをまずお聞きしたいのであります。
  7. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 事業認定あたりましては、先生もすでに御承知のように要件がございまして、二十条でいろいろございますが、その中に、その「事業計画土地の適正且つ合理的な利用に寄与するものであること」ということ、それからその収用または使用が「公益上の必要があるものであること」という二点がございます。こういう二点によりまして、先生のおっしゃるような諸般事情を十分考慮しながら認定するということで私どもも臨んでいるわけでございまして、そういう意味におきましては先生のおっしゃるように慎重に考慮しているつもりでございます。先生のおっしゃるような、あの事業認定書公害を起こさないような、環境を保持するというようなことを響いておったわけでございまして、私どもといたしましてもそういう点も考慮しながら、その環境維持をする、公害を起こさぬような、そういう権限を持った行政機関が定めた基準というものが正確で厳格に守られるということを前提に、私ども事業認定いたしておるわけでございます。その後におきましてその環境基準もいろいろ検討され、あるいは改定され、また今後もいろいろ検討されることであろうと存じます。そういう方面におきまして、そういう公害のないようなものになることを私どもも期待いたしておる次第であります。
  8. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 そうすると、事業認定申請当時と違って、今度連結管などをつくって工水法違反をするようなやり方茨城当局はやっておるのです。これはその事実について収用委員会でも明らかに認められました。こういう場合に、事業認定を与えたところの建設省としての態度ももっと鮮明にされるべきではないかというふうに思うのです。その辺はどうでしょう。
  9. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 御指摘のいわゆる第一期管と第二期管の連結管についてでございます。これは県からいろいろ報告、事情聴取をいたしましたところ、この連結管工事維持管理上の目的のためのものである。一方が故障した場合に、また定期補修という場合の維持管理上の目的のものであるという説明があったわけでございます。そういう意味におきまして土地収用法におきましては、あらかじめ私ども申請がありました事業計画内容からいたしましては著しい変更ということではないということで、そういう判断をいたして、収用委員会がそれについていろいろ判断をするということになっておるわけでございます。
  10. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 だから局長、やはりもっと勉強して、調査をせぬと建設省はだめです。つまり、いまもめているでしょう。バイパスはずっとすぐその前を通るのですよ。またもう一カ所もめているのです。もめている前でさっとバイパスをつくって、一期工事がすでに完成しておるところへパイプでつなぐのですよ。これが維持管理ですか。したがって、維持管理ではなくて、水の量、給水計画は変わるのですということを土地収用委員会当局ははっきり言明しておるのですよ。だから建設省も、県が言ってきたから間違いないだろうということではなくて、現場はやはりちゃんと調査をして、そして事実はどうかということで国会では答弁しなければだめです。こっちもしろうとではないのです。ちゃんとそこをパイプが通らぬというので、そのまん前で一期工事のところへバイパスをやって、もめている。問題は、企業の側では二号炉、六百五十万トンの粗鋼生産炉が動かなければならぬのです。そうするとどうしても水が要る。したがって維持管理ではなくて、そこへ一月までに水を届けるためにはバイパスでいかなければならぬということで、いまやっておるのです。維持管理じゃないということをはっきり向こうで言っておるのです。それを同長ともあろう人が、県では維持管理だというからそれは工水法関係なし、これはだめです。やはりもっとちゃんとしなければだめです。
  11. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 この問題につきましては、県から実は数回担当課長のところに来ました際に私のところにも来て、話を聞いたわけであります。相当ども慎重に扱ったわけでありますけれども、いろいろ説明を聞いたり、また茨城県議会におきましても県側はそういう答弁をしております。一応そういうことで議会も終わったと聞いておるわけでございまして、維持管理目的連結管を通すと判断いたしたつもりでございます。   〔委員長退席服部委員長代理着席
  12. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 局長、いま、個人の財産権を取り上げるかいなかという機能を持つ土地収用委員会で、県側は、これは維持管理じゃない、当面確かに計画は変わるのですと、はっきり言い切っているのですよ。だからこそいま工事ができなくてストップしたのです。いずれも何だかんだともめております。だから、県の判断がそうでした——そう単純なものではありません。事実ごらんなさいよ。パイプは詰まっているのですから、つながりませんから、その前からこうバイパスをやるのが、これが維持管理ですか。維持管理じゃない。みんなもめているところからつないでおるのです。話を聞くだけでなくて、それを現場へ行ってちゃんと見てやらなければだめです。答弁は要りません。私と局長の仲ですから答弁は要りませんが、もっと正確に把握するために、行かなければだめです。工水法の精神からも明らかにこれは問題がありますから、工事をやめなさいということをあそこの土地収用委員会委員長——茨大の何か先生ですよ、この先生が、これは問題があるから工事を休みなさいと勧告しておるのです。それを、収用委員会なんかへ行く前に建設省事業認定をしたのです。快刀乱麻を断つような態度をすぱっとやらぬと、政治に対する国民信頼は確立できない。そういう意味局長はひとつ今後十分慎重、厳重に、確たる態度をとってもらう。そうしないと、政府がみんな企業とべったりなんという印象が出てまいります。やはりいまの建設大臣ども、私などの子供の時代から農工一体論工業分散論というやつをぶっておったのです。実は私も出かせぎがものすごく多い地帯におって、日本工業の再配置論者なのです。しかし、企業べったりで、金もうけ競争第一主義のやり方でいったならば、いまみたいなむちゃなことも起こってくるのですよ。そうならぬように、やはり確たる態度をとらしていくのが政治の責任です。そういう意味で、県が言ってきました、それで何度も聞きましたが、そうでした、これじゃだめです。現実土地収用委員会で違いますということに、はっきりなっているのですから、もっと実情をよく調査して、政治に対する信頼をしっかりと確立できるような形のやり方をしてもらいたい。  時間がありませんから次にいきます。  そこで、鹿島の場合に、企業がちょっと水を使い過ぎるのです。君津新日鉄なんかに比べると、とにかく水を倍も使うのです。単位当たり粗鋼生産に必要とする水の量が倍なんです。神戸製鋼なんかに比べると三倍なんです。あそこに霞ケ浦や北浦があるからいいんだというようなことではだめです。ぼくら琵琶湖の場合も、琵琶湖の水位を下げることについて、各党全く一致で、現地へ行って、大阪や下流のメガロポリス地域の水問題を解決するというので、われわれは下水道やその他いろいろなもので滋賀県の地元一定の措置を講じて、水を送ってもらうことにしたわけですね。あの法律を通した。しかも、君津新日鉄単位当たり粗鋼生産の水の量は半分でやっておるのです。神戸製鋼では三分の一。これは通産省で出しておる資料です。茨城だけは三倍の水、これはいけません。局長、こういうあたり事業認定をやるときにちゃんとせなければならぬじゃないか。水を粗末にしちゃいかぬ。水はいま貴重な財産です。水と空気と土地——これからの七〇年代、八〇年代の日本を展望した場合、これは日本の大きな大きな資源でしょう。その場合に、神戸製鋼あたりに比較して三倍も水を使わすなんということが、いまの計画の中ではっきりしておるわけです。建設省はやはりこれを事業認定をやるときにチェックせなければならぬでしょう。どうです、その辺は考えましたか。
  13. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、事業認定の場合にはいろいろな要件に合致するかどうか慎重に検討するわけでございます。したがいまして、そういう使用水量のことはもちろん検討の対象にいたしておるわけでございます。手元に資料がございませんので、その数量について申し上げるわけにはいきませんけれども、例をあげられました鹿島の場合、特に特別の事情水量をよけいに使うというふうに私ども考えずに事業認定をいたしておるわけでございます。
  14. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 私、いま具体的に言ったのです。水の量が君津新日鉄は約半分、神戸製鋼は三分の一に近いんですよ。現実君津どもみんな新しい炉をつくって、プラントをつくってやっておるわけです。水をよけい使うやつは粗鋼生産がうんと低コストでできるというのです。君津や何かのときは、水は大事にせなければならぬということで、地元にこたえなければならぬというので、新日鉄ではちょうど鹿島の半分、五十何%くらいの水の量で単位当たり粗鋼生産の水をまかなっておるのです。神戸製鋼は三分の一なんですよ。こんなあたりのことを万般調査しましたとあなた言っておりますが、事業認定を安易にやっている。   〔服部委員長代理退席大野(明)委員長代理着席企業のほうは、水をよけい使ってよろしいということになれば安上がりでどんどんできますから、さっき言ったとおり、わずか二十何メートルのところに一千万の裏金買収をやって用地取得をやろうというむちゃなことさえ始まってくるのです。水を三倍も使ってよろしいということになると安上がりで済むことになるので、わずか二十何メートルのところに、公定価格十何万のところに一千万の裏金買収費を使うという、こんなむちゃなことが始まってくるのです。だから建設省は、やはりしっかりとそのあたりのところを調査をして認定するかしないかやらなければだめですね。私の考え方に局長はどうですか。三倍ですよ、三倍。
  15. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 具体的な事例は別として、事業認定をする際にそういうことも十分考慮しながら、慎重によく検討すべきであるということについては、私も同じように考えておる次第でございます。
  16. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 局長、きょう私は時間がなくて十分申し上げるわけにいきませんが、いまのバイパス工事現地はもめております。したがって、ただ茨城県庁の、裏金買収費一千万も持っていくような側の皆さん意見だけ聞いても公平な意見は出てきません、判断は生まれません。そこでやはり土地収用委員会委員長とかあるいは地元関係者とか、そういう皆さんの言い分もよく聞いて、建設省はいかなる態度をとるのか、これはやっぱりがっちりしなければだめですね。茨城県の県庁、いま告発されてがたがたしているのですよ。その意見だけ聞いて、すべて万般何とかうまくいっていると思いますなんて、これはだめです。そういうのを、木村大臣の最もきらう官僚的政治やり方というのですよ。やはり血の通った政治というのは、現実をしっかりと踏まえてやらなければならぬ。私のほうでちゃんと調査しましたと言いますけれども調査しておらぬです。水を三倍も使うのですよ。水をむだにしてはいけません。あそこの霞ケ浦でも何でも、だんだん魚がおらぬようになりました。水を大量に使うから、重金属その他の汚染物質を大量の水で薄めますから、排出口のところでちょっと調べた段階では排出基準にあまりさわらぬということになる。しかし鹿島灘一帯、あのあたりを全体の量として汚染しますから、魚がぼんぼん浮いてくるということになるのです。だから、建設省はもっとしっかりせなければだめです。そうでないと建設省までが企業べったり癒着、こういうことで国民の批判を浴びることになる。もっとしっかりしてやってもらいたい。私も今度当選してまいりましたらこの問題をあらためてまたやりますから、そのおつもりでひとつ御答弁をお願いをしておきたい。
  17. 高橋弘篤

    高橋(弘)政府委員 いまの数量その他の問題につきましては、実はいま資料を持っておりませんし、担当者もかわっておりますので、横にいる連中も記憶がないので明確にお答え申し上げられぬのですけれども、私の記憶によりますと、その調査をあの当時いたしましたところ、ほかの地点と比べて特別に多く使っているということではないということでございますので、さらにまたその点については調査をいたします。  連結管の問題につきましては、特に私ども慎重にいろいろいたしたわけでございます。特に私ども最後までこれは判断を下さなかったのです。相当長いこと、県は何度も来ました。最後企業局長を私の部屋にも呼びまして、私どもやっと判断したというわけでございまして、決して軽々しく考えた次第ではございません。しかしながら一般論としましては、土地収用法運用あたりましては、私権の制限は相当きびしゅうございますから、非常に慎重な態度で臨むべきであるという先生の御意見はごもっともでございますので、私ども、今後の運用あたりましては、そういうことを旨といたしましてこの事務の処理に当たりたいというふうに考えておる次第でございます。
  18. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 これで私の質問を終わりますが、局長、まだやはりあなたの答弁はだめです。私から言わせると三十五点、代議士選挙ならば落選疑いなしですよ。もっと事実をしっかりと踏まえて、その上でいかなければだめです。連結管幾つなんといったって、バイパスなんです。維持管理なんかと関係ない。電気やなにかと違うのですから。水を流すパイプなのですよ。これを、至るところでバイパスをつくっているなんて例は全国でほとんどありませんでしょう。そこで時間がないから局長に言っておくが、やはりもっとしっかりと事実を踏まえていかないといけない。水を三倍も使っておるというこの現実を見過ごすわけにいかぬのです。水はものすごい貴重な日本資源なのです。もっとしっかりしなければいかぬ。企業べったりではいけません。  そこで高橋道路局長、第七次道路整備五カ年計画、これは新しい国会が始まったならば大いに審査をしていかなければならぬ問題になりますけれども、いままでのいろいろな、たとえば一種改良の場合はどういう基準、二種改良はどういう基準特改四種はどうのこうのという基準がありますね。この基準を、新しい第七次五カ年計画段階では再検討すべきものが相当出てきておるように思います。各県段階なり自治体、市町村、みんなそのことを希望しております。局長、これはやはり改定すべき時期じゃありませんか。やはり相当大胆な改定が必要な時期に来ておると思いますけれども、この点はどうですか。これはいい答弁が出れば私の質問はこれで終わります。
  19. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 第七次道路整備五カ年計画の案をつくりまして、ただいま予算要求中でございますが、おっしゃるとおり、第七次道路整備五カ年計画におきましてはただいままでの道路整備の方向を全く転換いたしまして、たとえば環境整備であるとか、特に緑ないしは人の道路について重点を置くとか、いろいろな点でもって新しく発想の転換を行なっております。したがいまして、ただいま御指摘のございました特改一種、二種等をはじめ、すべてのものについて再検討を行ないたいというふうに考えております。
  20. 阿部昭吾

    阿部(昭)委員 以上で終わります。  井上委員がちょっと、私が時間をはしょりましたので、関連で……。
  21. 井上普方

    井上委員 私は道路局長に、今度の補正予算の道路予算関係説明をひとつお願いいたしたいと思います。今度の補正予算の中には公共事業がかなり入っておる。その中の道路関係について、概略でよろしいのですけれども伺いたい。
  22. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 こまかい資料はちょっと持ち合わせませんのですが、今回の補正予算は、御承知のように補正予算でございますから四十七年度中に事業の執行ができるという目安のもとに、直轄並びに各都道府県に対しまして予算の執行のできる範囲で資料を求めまして、それをもとにして予算要求をしたわけでございます。総額で、事業費で二千二百三十三億四千九百万円、国費で千四百七十八億六千四百万円になっておりますが、その中にはいわゆる事業の工事費だけじゃございませんで、一部、用地費の先買いしていただいているものにつきましても、それを県ないしは市が立てかえておるところに返還するような費用も一部含んでおります。
  23. 井上普方

    井上委員 そこで、地方自治体に対しまして、当然、県道でございましたならば、あるいはまた二級国道でございましたならば、地元負担がございます。これに対する手当てはどうなっておるのですか。地方財政計画との関連においてどうなっておりますか。   〔大野(明)委員長代理退席、田村(良)委員長代理着席
  24. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 これは単に道路だけじゃございませんで、今度の補正予算全体についての費用負担の問題でございますので、官房長ないしは大蔵省のほうから答弁すべきかと思いますが、道路につきましても、軽油引取税等地方財源はかなりの伸びを示しておりまして、それによって裏負担をするほか、不足する場合におきましては起債等によって処理されるものというふうに考えられます。
  25. 井上普方

    井上委員 私も先般来実態を聞きますと、公共事業をたくさんつくるのはけっこうだ、しかしながらその裏づけが、すなわち国庫補助あるいはまた起債等々がつきかねておって、事業執行の上において非常に問題があるのだという話を実は承っておるのであります。ここらあたりのところはまだ資料をあまりお持ち合わせでないようですから、この点はひとつこの程度におくといたしまして、政務次官、この点はひとつ十分御留意になって、地方財政に対してひどい圧迫にならないような措置をおとりになることを強く要望しておきたいと思います。  続きまして、高橋局長、あなたにこの前、国道五十五号線を見ていただいた。あの際に、わずか十キロ少々のところで、ラッシュの時期には一時間四十分から五十分、あるいはまた普通のときでも大体四十分ぐらいの時間がかかる。この実態をごらんになって、日本でもまれに見る渋滞状況だ、こう言われたことを、私、覚えておるのでありますが、ところがこの五十五号線の渋滞を解消するに際して、おたくはバイパス計画を持っておられる。このバイパス計画は三十八年に計画せられて、四十四年から実施施工命令が出ておる。しかしその用地の取得については、建設省としては県に委託しておるというのが実態であろうと思います。ところが、御承知のように県に委託しておるところの用地取得が遅々として進まない。区画整理をやるといいましても仕事が進まない。そこで建設省としては土木部長に区画整理の専門家を持っていかれた。一応、区画整理審議会のほうも再三にわたって計画変更をやっておるというようなことで、先般、五十八ヘクタールでしたかの区画整理に対しまして審議会は承諾を与えたようなのであります。しかし、私がその後調べてみますと、土地の所有者たちがその区画整理を好んでおらないのであります。それで、どうもあの地帯はいま非常に発展しようとする土地でございますが、区域外の人が思惑買いをしておるところもかなりある。そういうような人は区画整理に賛成しておるけれども、純然たる農家の人々はほとんど実は賛成しておらないのであります。五十八ヘクタールのうち四十九ヘクタールを持っておる農民が区画整理に反対しておる、こういう実態なのです。しかし区画整理ができぬからということであのバイパスをじんぜん日をおくならば、五十五号線の渋滞というのはますますひどくなる。これは私も区画整理方式でいくのが理想的だと思いますし、現在、土地所有制度を認めた上においては、道路計画をやる場合、その周辺の区画整理をやっていくことが理論的に正しいとは思います。しかし現在の、いままで五年間渋滞に苦しめられ、現在でもあのような状況で、これ以上延ばすわけにはまいらないと思うのです。そういたしますならば、この区画整理に反対しておる方々が、バイパスの直接買収をやってくれることをこの農民たちが賛成しておる以上、あなた方はある程度ここで切りかえなければならない時期に来ているのじゃないか、こう思うですが、いかがでございます。
  26. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、五十五号線の徳島南バイパスにつきましては、すでに着工して三年余を経過しておりますが、特に徳島側のほうの区画整理事業がたいへん難航しているというように聞いております。いまも先生がお話しのとおり、区画整理事業によって用地を生み出すという方法は最も近代的な方法と申しますか、すぐれた方法でございまして、地域の開発計画にマッチさせるという、しかも道路も敷地もとれるということでたいへんいい計画でございますけれども、残念なことには緊急な道路整備には必ずしも間に合わない場合が多うございまして、実は各所で困っているわけでございます。ただいま先生指摘のように、この地区につきましても大部分の方が反対であるということになりますと、区画整理事業としては成り立ちません。実情をよく調べました上で、もしそういうことが事実でありましたならば直接買収方式に切りかえてもよろしいというふうに考えております。
  27. 井上普方

    井上委員 一例を申し上げますと、北浜地区では五十三人の農家のうちで五人しか賛成しておりません。南浜地区では五十二人のうちで四人しか賛成しておりません。山城地区では三十二人のうち三人しか賛成いたしておりません。そういたしますと、北浜地区では十四ヘクタールのうちで賛成しておるのは一・七ヘクタール、南浜では十三・四ヘクタールのうちで二ヘクタール、こういうような実態なんです。これでやろうとしてもできません。すみやかにやること、これがともかく緊急の要務であります。これは行政当局のメンツや何かにとらわれることなく、あの渋滞をともかく解消しなければならぬ。これは国道でございますので、委託せられておるのが県でございますから、県はメンツ上あるいは文句を言うかもしらぬ。しかし国民はもうしんぼうできない段階になってきているわけですから、ここらあたり早急にひとつ実情調査せられ、私も持っておる資料を差し上げますから、再検討せられて、ともかくやられることをここでお約束できると思いますけれども、この点もう一度確認いたしておきたいと思います。  それからもう一つ、その後、小松島側の買収は市当局に聞いてもかなり順調に進んでおるようでありますが、しかしその南のほう、阿南バイパスのほうにつきましては来年から買収されるというようなお話やに承っておるのであります。この際、区画整理方式でいくのかあるいはまた直接買収でいくのか、ここらあたりもひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。
  28. 高橋国一郎

    高橋(国)政府委員 徳島南バイパスの区画整理区間につきましても、先ほどお話し申し上げましたように、至急実情調査いたしまして、反対者が大部分であるならば直接買収に至急に切りかえたいといま考えております。  それから第二番目の阿南バイパスにつきましては、四十八年度から新規着工したいということでただいま大蔵省と事務折衝中でございます。ただ、御承知のようにルートがまだ完全にはきまっておりません。例の川を渡る場所、先生と一緒に現地を拝見させていただきましたが、若干問題がございますので、その点の調整をした上でないと着工できませんが、方式としてはやはり直接買収方式がよろしいのではないかというふうに私は考えております。これは目下検討中でございます。
  29. 井上普方

    井上委員 もう時間がございませんので、最後局長、全国でも至るところでこういうような道路について、区画整理事業に無理解なと申しますか、十分に理解できぬがために、あるいは農民独特の、所有地の面積減になるがためにともかく反対するというような気分が非常に強いと思うのであります。その際に、理屈では区画整理がいいんだけれども、とにかく感情的に反対だというようなところも私はたくさん出てきておると思います。しかもこれが行政当局のメンツであるとか、あるいはいままで計画したんだからというような過去のいきさつにとらわれて事業が進まないというところがかなり多いのじゃないかと私は思います。こういうような際には、特に国道でございましたならば実情をすみやかに把握せられまして、住民にあるいは国民に迷惑をかけないように、ひとつ御努力願いたいことをお願いいたしまして、私は質問を終わります。
  30. 田村良平

    田村(良)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午前十一時十六分散会