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西村関一君 関連。
先ほど来ベンジャミン事件についていろいろ
質疑応答がありました。私は、この問題につきましては外務
委員会においてあらためて
質問をするつもりでございますが、この際、政府のこの犯罪捜査並びに公安、治安、
検察等の姿勢についてお伺いをしたいのであります。具体的に昨日起こりました事例についてお尋ねをいたします。
昨日、滋賀県を訪問しました木村国家公安
委員長が、滋賀県警本部において、本部長以下百名余りの幹部を集めて訓示をした中で、重大な発言があったことは政府も御承知のところだと思うんでございます。きょうの朝刊各紙にこの問題が報道されておりますことによりましても、国民がこのことを知って驚いておるのであります。私は、まさかこのようなことが事実だろうかと、自分の耳を疑ったのでありますが、木村大臣は、滋賀県におきまして、
社会党、共産党、連合赤軍は人を傷つけたり殺したりする暴力集団である、天下の公党であるところの
社会党、共産党
——野党第一党であるところの
社会党に対して、連合赤軍と並べて、人を傷つけたり殺したりする暴力集団である、こういう発言は聞きのがすことはできません。これは警察の元締めである国家公安
委員長としての木村大臣の発言とも思えないものであります。大臣はまだ東京に帰っていないようでありますから、おそらく答弁を求めましても、大臣から聞いてみなければ真相がわからないと、こうお答えになるだろうと思いますけれ
ども、これだけ各紙に報道され、また、私も
現地の者たちに電話連絡をとりまして、それを確かめたのであります。山下官房副
長官は滋賀県の御出身であり、滋賀県の自由民主党の県連会長をしておられる。こういう重大な発言に対して、その立場からもこれは聞き捨てになすっていらっしゃらないと思うんでございます。私は、たまたま滋賀県の
社会党の県本部の
委員長でございます。滋賀県において
社会党が中傷され誹謗され、連合赤軍と同列に取り扱われたんでは、これは党としてももちろん問題でございますが、滋賀県の
社会党の県本部の
委員長として、私はきょうのこの
委員会において、こういう発言をする大臣、まあ木村さんはときどき放言をするようでありますけれ
ども、この放言はこれは許せない。これはひとつどういうふうに
事情を聴取しておられるか。山下官房副
長官から、おそらくそのことの真相についての
事情を聞いておられると思いますから、これに対する御見解を承りたいし、郡法務大臣からは、やはり大臣のお立場から、もしこれが事実であるといたしますならば
——事実でないとは、これだけの報道
機関が取り上げておりまする問題、しかも、私もある程度
調査をいたしまして真相を確めて、きょうこの
委員会で発言をいたします前に、山下官房副
長官にも電話でこういう重大なことが起こっているということを御注意申し上げて、私はいまこの関連
質問に立っているのであります。こういう考え方では、私は警察庁を統べているところの国家公安
委員長としてこれは不適格だと言わざるを得ないのであります。
一体、
社会党が人を傷つけたり人を殺したりする、そういう暴力集団であるとは一体何の根拠をもってそういうことを言われるか。私は党の
機関にはかって、これは重大な問題にすべきだと、これは大臣の責任にも及ぶ問題だと考えておるのでございますが、私は、何か
あとから管区の警察庁
長官と県本部長とが警察の記者室にやってきて釈明した。それで大臣もまた、一時間あまりたってから出てきて釈明をした。その釈明の中におきましても、ことばが足りなかったけれ
どもと言いながら、なお
社会党、共産党は人を騒がしたり傷つけたりするところの集団である、連合赤軍は人を殺したり、あやめておる、こういうふうに分けて言ったようでありますけれ
ども、しかし依然としてそういう姿勢を改めてない。
社会党が人を騒がしたり人を傷つけたりする政党であるという認識は改まってない。連合赤軍と同じだということは言い直したようでありますけれ
ども、この姿勢は改まっていないのである。
私は、こういう閣僚が田中内閣にいるということは、これではまっとうな民主政治が行なわれないと思うのであります。郡大臣はこれはやっぱり
検察の元締めでありますし、国家治安の問題につきましても重大な責任を持っていらっしゃる閣僚の一人であります。また木村大臣は、国家公安
委員長というようなものはこれは伴食大臣であって、それで建設大臣を兼ねることになったのだ、
——一体国家公安
委員長たるものが伴食である、つけたりである、そういうようなことを発言することは、これもきょうの新聞に出ている記事でございますが、これは大津においての発言ではございませんけれ
ども、そういうようなことを放言する。これはけしからぬことだと私は思うのであります。こういうことではアメリカに対してものを言うことができないし、また、まっとうな治安行政を進めることはできないと私は思うんでございますが、これは山下官房副
長官、大臣が帰ってないからと言ってお逃げにならないで、ひとつあなたの御見解、政府の御見解
——官房副
長官は、これは内閣の官房
長官の代理として残っておられるんでございますから、内閣の大番頭として、こういうことがまかり通っていいのかどうかということ。それから郡大臣からは、こういう政府の姿勢に対して、若干の反省があっていいんじゃないかということについて、両氏から、官房副
長官と郡大臣から私は御見解を伺いたいと思うんでございます。