○河口陽一君 私は、
米価を生産調整、二点について発言いたしたいと
考えていますが、午前中
戸叶委員と佐藤
委員から
北海道農業について御親切な御発言がございましたことは、まことに感謝にたえません。いまほども
論議がございましたが、
戸叶発言の中に、
田中総理が
北海道の水田をやめさすと断言されておるという御発言がございましたが、私ども、それに近いような
足立発言が
新聞記事に載りましたので、これは総理にも
足立農相にも確かめまして、先ほど来やりとりのあったようなことで、私どもも了承をいたしております。どうか、
北海道の農業を刺激するような発言は、ひとつ差し控えていただきたい。というのは、私は、日本農業の基地は
北海道であると自負をいたし、
農民もそのように
考えて取り組んでおります。前向きでやっておりますんですから、それに水をかけるような議員なりあるいは当事者なりの発言は、これは今後慎重を期していただきたいと、要望を申し上げておきます。
米価の問題については、皆さん御承知のとおり、毎年、年中行事のような大規模な、大騒ぎが行なわれておることに対して、皆さんが、知恵を出し合って対処することをくふうされておると思います。そういう立場から、
農林大臣も、先刻来
新聞にいろいろな記事が出ますが、これも、前向きで取り組む
考えで対応されておると私どもは、
考えておるわけでございますが、
米価決定にあたって、
農林省は
農民の味方であるという一つの信頼官庁としてわれわれは
考えておるんですが、どうもそのやられることは、何か
農民に負担をしわ寄せしていくような行動になっておると、
考えと行動が一致しておらぬように受けとめる。私のひがみかどうか知りませんが、そういう感じがいたしますので、こういう問題をひとつ払拭するような対策はないもんかと私なりに
考えたんです。
まあ、終戦後の混乱時に労働運動が非常に盛んになりまして、官庁といわず民間企業といわず、問題が行き詰まるとストライキをやって、企業なりあるいは私鉄がとまってしまう。これではいかぬというので衆知を集めた結果、皆さん御承知の人事院というものができて、そこで適正な賃金の計算が行なわれた。そうして
政府はその人事院勧告に対してはまじめに取っ組んで、これを実施するという態度になりましてから、そうした官公庁のストというようなことが解消されたように私は、受けとめております。
私は、そういう経過から
考えて、
農林省は、
農民の賃金である
米価に対して、人事院的な立場でこの
米価というものを試算をしていただくならば、私は、こういう年中行事の大騒ぎは起こさなくても済むんではないか、こういうことが
考えられて、
自民党のベトコン部隊でもこういう発言をいたしておいたのでございますが、ひとつ、発想の転換という、まことに新しい適切なことばが生まれております。大臣もたびたびそういう発言もされておるようでございますが、
米価の試算については、もっと理解のできるような試算の
やり方がないものか。しかし、米が余り、生産調整もしておる場合であるから、試算の結果はこういう金額になるが、そういう客観的な経済的な諸情勢から、この
程度はひとつ
農民もがまんをせいという、それがほんとうの話し合いの結論でなかろうかと思うのです。
頭から、こういう計算しかならないというて、三・〇三%値上げすれば再生産が確保されて
食管制度に抵触しないというような態度であるがゆえに、
農業団体、
農民がこれに反駁を加える。しかも、要求した四千円近い値上げに対して、五百円に足らぬ値上げで事を終わらす。これは、先ほど
戸叶議員は
自民党の密室と言われておりますが、
自民党員一人として、あのベトコン部隊の議員は満足したわけではございません。
事情やむを得ないというので、涙をのんでこれを了承せざるを得なくなったというせっぱ詰まった
考えで、この
米価を了承せざるを得なかったというのが実態でございます。
そういうことで、議員も、国民を代表して、そうして最終決定権を持っておるように選挙民からは言われて、
考えておられる。その議員自体は要求が達成されない。
農林省も、
農民のことに対してはどの省よりもお
考えをいただいておると思います。決して、この
米価を
農民が喜ぶ
米価というお気持ちで出しておられるものではないことは明白であります。まあ、そういうぐあいに、みんなが困って、みんなが行き詰まっておるというこの事態に対して、やはりこれだけの知恵者がおれば、もっとすっきりした
米価のきめ方があるはずである。私は、いまの
農政の行き方を見ると、うしろ向き、
あと追いの
農政しか行なわれておらぬと
考えるわけでございまして、近代化された時代において、従来馬でがた馬車を引っぱってそれに乗っておった者が、これを自動車に乗りかえると言ったら、だれ一人不平を言う者がないはずであります。したがって、
農政を推進するにあたって、
農林省の負担を軽減して、そうして
農民にしわ寄せをするような
農政をやるから
農民から反駁が来るので、がた馬車から自動車に乗りかえるような
農政を、ここで発想の転換で樹立をされれば、
農民、国民は、あげてこれに賛成をするはずである。
国内の経済の推移、あるいは社会的情勢など、これは、最近においては、われわれが地方に帰って報告する前に、テレビ、ラジオが徹底をいたしておりますから、むしろわれわれよりも
農民のほうが
農政を知っておりますよ。もう日本国民の知識は、経済についても、政治についても、同じレベルになっておるのです。その中において、われわれが帰って報告をいたしましても、二番せんじ、三番せんじの報告にとどまるというのが、日本の現状の文化の状態でございます。だから、ここでそれだけの知能を持つ
農民を相手に
農政を立てられる限りにおいては、ひとつ、がた馬車から自動車に乗りかえるような
農政、それが発想の転換と私は
考えるので、そういう発想の転換をこの際やっていただけば、問題は解決すると思います。
農民にしわ寄せをして犠牲を払わすような発想の転換であれば、これはあくまで与党といえども、抵抗せざるを得ないというのが私の心境でございます。そういう
意味で、
北海道農業も、この
北限地帯の水田については、私ども以上に
農民は心配をいたしております。いろいろ苦心をいたしております。したがって、そこにがた馬車から自動車に乗りかえるようなあたたかいと申しますか、前途に対して希望の持てる農業
政策なり予算なりを配慮願えれば、これは文句なしに
北限地帯の農業は転換をいたします。転換いたしたくてしょうがないというのが
農民の心情でございますから、首切り
農政のような発想でなく、もっと、いま申し上げたような、抽象的な発言でございますが、知恵を出して、
農林省にはエリートがたくさんおられるのですから、ひとつ知恵を出して、こうした
考え方のもとにこの
米価問題に対して、明年まで一年間ありますから、ひとつ御
研究を願って対応していただきたい。まず
米価決定にあたっては、明年も
全国の
農民代表が何万人も東京に集まってきて、あの経費だけでも私は、膨大なものだと思います。そういう経費があるならば、使わすならば、その時間があるならば、農業
政策に対して国がもっと積極的にやっても、何もむだづかいにならぬと
考えます。どうか皆さん、知恵を十分に発揮して、幸いベテランの
足立農相でございます、経験も豊かでございます。どうか
農民にしわ寄せをするという
農政でなく、
農民が喜んで乗りかえのできるようなひとつ
農政をぜひともお願いをいたしたい。
米価に関する私の発言は以上で終わりますが、これに対して大臣、何か御
意見があったら承りたい。