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1972-08-29 第69回国会 参議院 社会労働委員会 閉会後第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十七年八月二十九日(火曜日) 午後一時六分開会
—————————————
委員
の
異動
八月十一日
辞任
補欠選任
塩出
啓典
君
柏原
ヤス
君 八月十四日
辞任
補欠選任
安田
隆明
君
山崎
五郎
君 八月二十九日
辞任
補欠選任
上原 正吉君
土屋
義彦
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
矢山
有作
君 理 事 丸茂 重貞君 小平 芳平君 委 員
石本
茂君 川野辺 静君
高橋文五郎
君
土屋
義彦
君
山崎
五郎
君
藤原
道子
君
高山
恒雄君
小笠原貞子
君 国務大臣 厚 生 大 臣 塩見 俊二君 労 働 大 臣 田村 元君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
説明員
外務省アメリカ
局長事務代理
橘 正忠君
厚生省公衆衛生
局長
加倉井駿一
君
厚生省環境衛生
局長
浦田 純一君
厚生省医務局長
滝沢 正君
厚生省薬務局長
松下
廉蔵
君
厚生省社会局庶
務課長
藤森 昭一君
厚生省社会局更
生
課長
角田 耕一君
厚生省児童家庭
局長
穴山 徳夫君
厚生省年金局長
横田 陽吉君
水産庁長官官房
調査
官 前田 優君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
社会保障制度等
に関する
調査
及び労働問題に関 する
調査
(
派遣委員
の
報告
) (米国
原爆傷害調査委員会
問題及び
原爆被爆者
援護問題に関する件) (
同和鉱業棚原病院廃止問題等
に関する件) (
食品中毒
及び
薬品
による
健康被害者
の
救済制
度に関する件) (
難病対策
に関する件) (
心身障害児対策
に関する件) (
簡易水道
の
整備等
に関する件) (
老人福祉対策
に関する件) (
リハビリテーション
に関する件) (
沖繩
における
米軍
への給水契約問題に関する 件)
—————————————
矢山有作
1
○
委員長
(
矢山有作
君) ただいまから
社会労働委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る八月十一日、
塩出啓典
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
柏原ヤス
君が、また、八月十四日、
安田隆明
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
山崎五郎
君がそれぞれ選任されました。
—————————————
矢山有作
2
○
委員長
(
矢山有作
君)
社会保障制度等
に関する
調査
及び労働問題に関する
調査
を議題とし、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。 まず第一班、
岡山
、
広島班
の御
報告
を願います。
藤原道子
君。
藤原道子
3
○
藤原道子
君 第一班は、去る八月一日より四日までの四日間、
矢山委員長
、
石本委員
、
高山委員
、それに私、
藤原
の編成によりまして、
岡山
、
広島
両県下の厚生、
労働行政
の
実情調査
をしてまいりました。 両県における
調査項目
は、
離島
の
医療対策
、
心身障害児者施設
の
状況
、
同和鉱業株式会社棚原鉱業所
の合理化問題、
スモン病対策
、
原爆被爆者対策
、
勤労者
の
福祉施設
の
整備
、
保健所
の
運営
、
福山地域
の
水質汚濁状況等
の諸問題でありました。 以下、日程と
調査項目
について概要を御
報告
いたします。 まず、
瀬戸内海
の
離島
における
医療対策
について申し上げます。現在、
瀬戸内海
には、大小六百余の島々が点在しておりますが、
住民
がいるのに
医療機関
が存在しない島が、
広島
、
岡山
、愛媛、香川の四県で七十六を数え、
人口
は約五万人に及んでいます。これら
医療
の谷間に置かれた
地域住民
に対して、現在、
社会福祉法人済生会
が
昭和
三十六年五月から
巡回診療船済生丸
による
巡回診療
を今日まで約十年間行なっております。 そして、
診療開始
以来、四十六年度までに
診療
を取り
扱つた島民
は延べ九万五百七十二人を数え、また、過去五カ年間の
各科別延べ人員
四万六千六百四人の
診療
のうち約八・九%に当たる要
精密検診者
四千百五十一人が発見され それぞれの処置がなされたとの
報告
がありました。ところがその
巡回診療
の中核となる
診療船
の
機能
が低下し、
巡航速度
の低下、さらに潮風によって
レントゲン等
の
精密機械装備
の損耗が意外に早く、ひんぱんに故障が生じております。
診療船
の
耐用年数
は、十二年が限度だといわれ、時代に即応する
診療需要
にこたえる意味からも新造船の
必要性
に迫られ、これに要する
予算金額
は諸装備を含め約一億円と計算されております。
わが国
は、
昭和
三十六年以来形の上では、国民皆
保険制度
がとられ、これによってこれらの島々にも国保の恩恵が行き渡っていたはずであります。
保険料
は徴収されているのに、十分な国保の恩恵に浴することが薄いのが、これら
離島
を含む
過疎地域
であり、この
島民たち
の切実な要求にこたえるためにも、済生丸再建問題で、国が大きな視点から
対策
を立てる必要があると考えられるのであります。
心身障害児者
の
施設
問題では、
津山市内
にある
社会福祉法人津山みのり学園
と、
岡山
市にある
総合社会福祉施設旭川荘
の二つの
施設
を視察しました。
津山みのり学園
は、
津山
市の
中心部
から離れた小高い静かな丘陵にあり、
精神薄弱児通園施設
と
精神薄弱者授産施設
を併設しております。この
施設
の特質は、
年齢
、能力、
家庭経済
の制約を取り払い、自分の力で生きる
喜び
を与える点にあり、現在、四歳から五十四歳までの幅広い
年齢層
の
精神薄弱児者
五十七人が入園しております。
入園者
は、一、
団体生活
を通して
社会生活
に適応する。二、
健康習慣
の実践、三、徹底した訓練により
職業人
としての自覚を持つ、四、余暇の利用の
学習等
をモットーに、
牧野園長
をはじめ
職員
の献身的な努力に、父母の会、
津山
市等の強力なバックアップが結合して、
授産施設
で
農作業
にいそしんでおります。現在、二百頭の
肥育牛
、年間百五十頭の
肥育豚
を飼育し、年間二百五十キログラムの養蚕を生産するなど畜産を
中心
に
農作業
に従事しており、これら
生産物
を商品として市場に出荷しております。そして、年間五百万円の純益をあげ、
入園者
に対して、太陽の下で、土に親しませ、
健康増進
をはかりながら、生産の
喜び
を与えるとともに、
学園
の債務が返済される来年以降より一人
当たり月額
一万三千円前後の賃金を支払い、物を買う
喜び
をも与えたいと
関係者
は言っておりました。 こうした
状況
のもとで、現在、この
学園
に入園を希望する人が多いといわれておりますが、定員が一ぱいのため断わり続けているとの話で、これら切実な希望を満たすためにも血の通った
民間福祉施設
の
充足対策
を盛り込んでもらいたいとの
要望
がありました。
総合社会福祉施設旭川荘
は、
敬天愛人
、
人間尊重
の
社会
の実現を目ざして、
昭和
三十一年六月に設立され、三十二年四月に、
肢体不自由児
、
精神薄弱児
、
乳児等
を収容する最も先駆的、効率的な子どもから
老人
までの
総合施設
を志向して発足しました。その後、四十二年
重症心身障害児
、翌四十三年には
特別養護老人ホーム
の
施設
を増設し、さらに四十六年に
社会福祉職員養成施設
を開設し、現在、その
規模
は、
収容児者
約七百人、
職員
三百五十人、学生約百八十人となっております。そして、今後の
旭川荘
の課題は、
民間社会事業
の特質を発揮して、変容する
社会
の
要望
にこたえながら一そう内容の充実をはかり
心身障害児者
を
中心
とした新しい
村づくり
におかれているということでした。 しかし、こうした意欲的なプランを持った当
施設
も幾多の
問題点
をかかえております。どの
民間施設
にも共通する問題ですが、
施設職員
の
地方公務員並み
の
給与水準
の確保など待遇問題、
職員
の
不足
から
労働条件
が
労働基準法
の最低の線にも到達できず、オーバー・ワークと休日休暇が思うようにとれないとの訴えがありました。また、
職員不足
の問題は、
資質向上
のための研修にさく時間がとれないという問題にもつながるので、働きながら常時研修ができるような
旭川荘
に併設された
研修施設
の拡充に特別の援助を願いたいと強く
要望
されました。 次に、
同和鉱業株式会社柵原鉱業所
の合理化問題について、
会社側労働組合
、さらに
柵原
町の各
関係者
からそれぞれ事情を聴取いたしました。 去る六月三十日に、
会社側
から
労働組合
、
柵原
町に示された
合理化案
は、すでに
委員各位
のお手元に配付された資料のとおりでありますが、簡単にその内容について御説明申し上げます。 この
鉱業所
は、東洋一の
硫化鉱脈
を有するところで、月産六万トンの
鉱石採掘能力
を有する
施設
であります。ところが、一方において、
公害対策
としての
脱硫設備
から回収される硫黄、
硫酸等
の増加、他方において、米の
減反政策
による肥料の
需要減
、昨年の
円切り上げ
を含む
ドルショック等
による
生産コスト高
が原因で、本年四月より二万トンの
大幅減産
に迫られ、現在、三万五千トンの
生産体制
に
規模
を縮小せざるを得なくなったと
会社側
は説明していました。その結果、今後は、一、
柵原鉱業所
の
硫化鉄鉱
を月産三万五千トンに
減産縮小
する。二、
減産縮小
によって千三百七人の
従業員
のうち八百一人を整理し、五百六人で今後の
生産活動
を継続する。三、
柵原鉱業所
の
片上鉄道部門
は
柵原
の減産を主体とする
輸送量減
に対応して縮小する。四、
柵原鉱業所付属病院
は
診療所形態
に
規模
を縮小する。五、
鉱業所工作部門
を廃止して、これを主体として新
会社
である
同和工営会社
を発足させ、整理した
従業員
の一部を吸収させる等によって
事業
を継続するというものであります。この
合理化計画
が実際に実施されると、整理の
対象
となる
従業員
の
生活権
の問題をはじめ、
地元柵原
町の財政、さらに
鉄道
、
病院
など
地域住民
に直結する
日常生活
の諸
問題等
その及ぼす
影響
は大きいものがあります。 私
たち
が当地を訪れたときには、まだ、この
合理化計画
について、
会社側
と
組合側
との本格的な交渉は行なう段階ではありませんでした。まず、
組合側
では、この
合理化案
に対して、まっ向から反対の態度を示しております。その理由として、
従業員
の多くが
中高年齢者
であり、現在、国が強力に
雇用政策
を進めている中にあって、なおかつ、
中高年齢者
の
労働市場
は逼迫しており、このさなかに全
従業員
の半数以上にも及ぶ大量の
人員整理
を断行することは、長年まじめに働いて
会社
のために貢献してきた
中高年齢労働者
に対する非情な
スクラップ政策
であって、雇用と
生活
を守る観点から容認できないとしております。 一方、
柵原
町や
地域住民
の側からの
問題点
を整理いたしますと、
柵原
町の財政問題では、
町税収入
における
柵原鉱業所
の占める割合が大きく
昭和
四十七年度の場合、昨年よりその比重がやや低下したとはいえ、全体で約一億二千万円のうち、
鉱業所
の割合は、
鉱産税
、
固定資産税
など約五千万円にも達しており、今後の
町財政逼迫
が懸念されるところであります。 次に、
地域
の公共機関化した
柵原病院
と
片上鉄道
の問題に触れたいと思います。
柵原病院
の
利用状況
は、
昭和
四十六年には八千百五十九人が利用し、そのうち四百四十五人が入院しましたが、このうち五〇%強が
鉱業所関係者
で、他は
一般町民
となっております。したがって、町民の
病院
に対する
依存度
は強くなっており、こうした中で、
柵原
町の
過疎化現象
が進行しています。
病院
の
規模縮小
は、
過疎化
の中で、
地域住民
の大きな問題となっていることがわかりました。一方、
片上鉄道
は、一日十二往復の運行を行なっており、これに一日約五千人の人々が
通勤通学
に利用しているとのことで、この問題についても、今後の成り行き次第では
住民
の足が奪われるのではないかと心配されており、
鉄道
の縮小廃止問題は
柵原
町の
過疎化
を一そう促進される要因が含まれております。 このように、
柵原
町は
鉱業所
の存在によって発展してまいり、
鉱業所抜き
にしては考えられない状態になっております。今回の
合理化計画
が推し進められますと、
柵原
町のみでなく、直接、間接的に
影響
を受けるのは三市十二町村にも及ぶといわれ、これは
岡山
県下の全
市町村
の四分の一にも達するとまでいわれております。したがって、今回の合理化問題は、ただ単に
会社
の
経営採算
のみで割り切れるかどうか、企業の
社会的責任
、さらに
地域社会
と企業の
関係
にまで問題が広がっていることを知った次第であります。 次に、
スモン病対策
を尋ねて井原市を訪れました。井原市を
中心
に
岡山
県全域に
スモン病患者
が発生しており、
昭和
四十七年六月末現在、県下の
累積スモン病患者
は、九百九十四人を数え、そのうち六十五人の方々が死亡いたしております。
スモン病患者
の
発生状況
は、
昭和
三十二年に一人が初発してから、四十三年二百七十四人、四十四年二百三十二人をピークに、その後
減少傾向
をたどり、四十六年十九人でありましたが、四十七年に至っては、いまだ発生を見ておりません。
スモン病
の原因については、
厚生省
の
スモン調査研究協議会
がキノホルムであるという結論が出されましたが、その完全な
治療方法
が確立されていないのは御承知のとおりであります。
岡山
県では、四十五年度から全
治療患者
を
対象
に、薬品を配布し、さらに四十六年度から入院、
通院患者
を問わず、
治療費
の
自己負担
がある者に対して、
自己負担額
の八割を支給し、残余の二割を
市町村
において負担するように指導してまいりました。また、
治療対策
については、
岡山
大学が
中心
になって
原因究明
と
治療法
の
研究
が進められております。 井原市及び
市民病院
において、
治療法
の
早期開発
、はり、きゆう、指圧、マッサージの活用、通院及び介護にかわるすべての費用の
公費負担
、
スモン専門
の
病院
と
リハビリテーション施設
の設置、
スモン手帳
の交付、
スモン
に基づく
生活困窮者
の
生活保障
の実施など十項目に及び
要望
が出されております。 次に、
雇用促進事業団委託
の
倉敷勤労総合福祉センター
「
山陽ハイツ
」及び
福山勤労総合福祉センター
「
備後ハイツ
」を視察してまいりましたが、
勤労者
のいこいの場として今後の発展が注目されます。
広島
県の視察は
原爆被爆者対策
が
中心
であります。 まず、私
たち
一行は、
原爆慰霊碑
に参拝した後、
財団法人広島原爆被爆者援護事業団
が
運営
する
広島原爆被爆者養護ホーム
を訪れました。
昭和
四十五年に開所したこの
ホーム
は、
被爆者
で居宅において
養護
を受けることが困難な
老人たち
を、一般と
特別養護
の二つに分けております。そして、現在、所長以下三十七人の
職員
でもって
一般養護
百人、
特別養護
五十人の
合計
百五十人が入所し、
平均年齢
七十五歳、最高九十三歳となっております。 これら
老人たち
はほとんど全員が主ないし四種類の疾病を持っており、特に
健康管理
の面に大きな注意を払う必要があり、疾病の種類は、
循環器系疾病
が圧倒的に多く、次いで
整形外科系
、
造血機能系
、
じん臓機能系
の順に多くなっています。この
治療
には、
ホーム
の
医務室
のほか隣接の
市立病院等
を利用し、同時に、
機能回復訓練
も実施して
健康管理
を行なっております。
施設
の
運営費
は、四十六年度六千三百万円で、そのうち五千八百万円が
国庫補助
、五百万円が県・市の負担となっています。
入所者
の一人一カ月
当たり
の
必要経費
は、
一般養護
が約二万八千円、
特別養護
約五万円で四十七年度は総額七千三百万円の予算が見込まれております。
施設
の
不足
はここでも問題となり、入所を待って、自宅や
病院等
で待期している
被爆老人
が多くいるといわれておりますが、退所のおもな理由は死亡によってであり、毎月一人の割合でなくなられておるといわれてます。そこで、さらに、百人を新たに収容できる
増築工事
が行なわれており、来年四月に完成する予定であります。
看護婦
の
不足
から寮母がかわりにつとめるといった実態と、
老人
のプライバシーを守るため個室が少なくとも全室の三分の一ないし四分の一は必要であることの指摘がありました。 五十床の
ベッド
を持つ
原爆被爆者検診センター
は、
人間ドック方式
による
被爆者
の
健康検診
を行なっております。
検診
は二泊三日を原則としており、これに要する経費について、国から一人
当たり
一万八千百四十八円の
委託費
の増額が
要望
されました。
昭和
三十一年九月に開院した
日本赤十字広島原爆病院
は、百七十床の
ベッド
を持ち、一日
平均
百五十四人の
被爆者
が入院し、百六十四人が通院しております。この
病院
の
経営状況
は、
昭和
四十六年の場合、
経常収入
二億九千百九十三万六千円、支出は三億三千三百八十九万三千円で
赤字経営
が続いております。 現在、この
病院
で
治療
が受けられるのは、
原爆被爆者手帳
を持った人々に限られ、
被爆者
二世に対して
治療
の
対象
からはずされているところに大きな
問題点
があります。この十二年間に、四歳から二十二歳の
被爆者
二世のうち、男五人、女七人の
合計
十二人が、
広島市内
とその周辺で、典型的な
原爆症
といわれる
白血病
で若い命を落としております。
原爆放射線
の
遺伝的影響
はないということの判定ができない限りは、
わが国
で唯一の
原爆治療専門病院
において、これら
被爆
二世、三世の
健康管理
が行なわれ得るよう、措置がなされる必要があると考えられるのであります。 次に、当
病院
で、
昭和
三十一年から四十六年までの
入院患者
の
悪性腫瘍
の分類を見ると、
胃ガン
の三百三十五人を筆頭に
肺ガン
の百十五人、
白血病
九十一人、
腸ガン
と乳ガンのおのおの八十四人となっており、
胃ガン
の
入院患者
が圧倒的に多くなっております。
胃ガン
についても
原爆症認定
の範囲の拡大を希望する意見がありました。
昭和
二十三年、
米国学士院
、
学術会議
と、
わが国
の
国立予防衛生研究所
によって設立された
原爆傷害調査委員会
−以下
ABCC
といいます−は、
被爆者
と非
被爆者
の寿命の
比較調査
、
原爆放射能
が人体に及ぼす
影響調査
、さらにこの両
調査
の
対象者
十万人の中の
死亡者
に対する
病理学調査
を
中心
に、遺伝、
白血病
、悪性新
生物調査
を行なっています。現在、
ABCC
の
職員
は
ダーリング所長
以下
米国人
三十人、日本人六百六十四人、七一年度
会計年度
で
米国側
十三億千六百万円、
日本側
六千七百万円の予算でもって
調査研究活動
を行なっております。 私どもは、
ダーリング所長
を交え、
清水医科社会学部長
、
和田顧問
(前
広島大教授
)らと懇談して、1
研究成果
を国民に知らせる努力が足りないの ではないか。 2 すべての資料が日本に返還されているのか。 3
運営
問題に関する日米間の話し合いがどこま で進んでいるのか。 4 他の
医療機関
との
協力体制
が十分に組まれて いるのか。 5
研究
だけでなく
治療
にも力を入れて
被爆者
と の直結をはかるべきではないか。 等の諸点について意見の交換をいたしました。 なお、
ABCC
に関する今後の
問題点
につきましては、すでに当
委員会
において論議が行われたところでありますから、詳しく摘示することは省かせていただきますが、
運営
の主体性を
日本側
が持つよう改革されること。
調査
、
研究
、
医療
、
福祉
が総合された
運営
に転換されること。他の
研究機関
との
協力関係
が再検討され、
放射能
の
影響
と
治療
に関する
研究
が一元化されること、等について、早急に
解決策
が見出されることを期待してやまない次第であります。 以上で、
岡山
、
広島
両県の
報告
を終わりますが、両県及び
施設等
から提出されました
要望事項
を
会議録
の末尾に
掲載方
を
委員長
においてお取りはからいくださるようお願いいたしまして、
報告
を終わらしていただきます。
矢山有作
4
○
委員長
(
矢山有作
君) 次に、第二班、
北海道班
の御
報告
を願います。
小笠原貞子
君。
小笠原貞子
5
○
小笠原貞子
君 第二班は、
大橋理事
、
上田委員
、
柏原委員
、私とが参加いたしまして、七月二十五日から二十八日まで、
北海道
における
過疎地域
の
医療対策
と
リハビリテーション
の
実情調査
を行ないました。 その際、視察いたしました
施設
は
道立札幌肢体不自由児総合療育センター
、
道立身体障害者更生指導所
、
重度身体障害者更生指導所
、
身体障害者更生相談所
、
労働福祉事業団美唄労災病院
、
道立太陽
の園、
厚生年金登別整形外科病院等
であります。 まず、
過疎地域
の
医療対策
について御
報告
申し上げます。 初めに、
北海道
の概況を見ますと、
人口
は、
昭和
四十五年の
国政調査
では、約五百十八万人で、四国四県と福岡、大分両県を除く九州五県の
合計
よりもやや多いのであります。また、面積は七万八千五百十二平方キロメートルで四国、九州の各県及び
広島
、山口、島根の十四県の
合計
よりもやや広く、実に国土の二一%を占める広大な
地域
であります。
北海道
では二百十五の
市町村
のうち、
過疎地域緊急措置法
による
過疎地域
の指定を受けている
市町村
は百三十八で市が九つも含まれております。
全国
の
市町村
の三分の一が
過疎地域
であるのに対して、
北海道
では三分の二近い六割五分の多くに達しており、また、
過疎人口
は
全国
八・五%であるのに対して
北海道
では二五・七%と三倍にもなっている
状況
でございます。 次に、
北海道
における
医療施設
の現状を見ますと、
昭和
四十五年十二月末で
病院
四百九十八、
病院病床
数六万七千八百六十、
一般診療所
二千五百五十九、
診療所病床
数一万六千百七十四でございます。
病院
とその
病床数
は
全国平均
よりかなり多いようですが、
診療所
とその
病床数
は
平均
より少ないのでございます。現在、
基幹病院
としましては、
中央病院
二、
地方病院
十一、
地区病院
五十二のほか、
救急医療センター
六、
がんセンター
六、ガンの
外来精密検査センター
一、
リハビリテーションセンター
十、
僻地医療
の
親元病院
である
地域センター病院
三が
整備済み
で、
保健所
は五十二であります。道内二百十三
市町村
のうち、
病院
のない町村は六十六、
公的病院
のない
市町村
は八十九であり、
常勤医師
の一人もいないのは釧路村だけでありますが、
保健婦
の全くいない
市町村
は十五であり、市で
保健婦
のいないのは登別市であります。無
医地区
は昨年一月末で三百五十七の
地区
のうち、
僻地診療所設置
五十一、
患者輸送地区
二百二十九、
巡回診療地区
百十、その他の
対策地区
七であり、無
医地区数
は、
全国
第一位で、第二位は新潟県二百二十二、第三位は岩手県の百九十三であります。
医師
は、札幌市とその周辺に六六%も集中し、
人口
十万対九十九、
歯科医師
は二十九でいずれも
全国平均
より二割少なく、
看護婦
は二百八十五、
保健婦
は十六で
全国平均
より多いのですが、助産婦は、
全国
二十七・一に対して二十・六とやや低い
状況
にあります。
医療確保
の問題としましては、
医師
、
看護婦
の養成、充足など重要かつ基本的な問題がありますが、
地域医療システム
に重点を置いてみると、まず、市部の問題としては、第一に、
病院
間及び
病院診療所
間の連携の改善、第二に、
専門医療施設
の
整備
、第三に、
在宅医療——ホーム
・ケアの強化、第四に、
病院
による
公衆衛生活動
の推進などがあります。また、郡部における問題としては、第一に、
広域医療圏計画
の推進、第二に、
親元病院
の
整備
、第三には
地域保健婦
の増員などがあげられております。
全国
第一の無
医地域
を有し、かつ広大なる
過疎地域
を持っている
状況
から見ても
地域医療対策そのもの
が
過疎医療対策
といっても過言ではない状態でありました。
地域医療対策
の
計画
としては、第三期
北海道総合開発計画
に基づき、本年は第二年目にあたり、その緒についたばかりであります。市部においては、特殊な
専門医療施設
の
整備
を促進することとしており、具体的には、
小児総合保健センター
の
計画
が総工費二十億円で目下進められており、
昭和
五十年に完成の
予定
であります。また、
老人医療センター
についても国の方針をまって
整備
する
予定
であり、さらに今後
救急医療センター
六カ所、
がんセンター
四カ所、
リハビリテーションセンター
五カ所等について
昭和
五十五年までに
整備
する
予定
といわれています。
僻地医療
の
親元病院
である
地域センター病院
については、あと十六カ所を
整備
する
計画
であり、これは新設でなく既存の道立、町立、日赤、厚生連などの特殊法人立の
病院
の中から、
人口
約三十万人に二ないし三の
保健所
のブロックに一つの
病院
を選んで
医師
の増員、
施設
設備の拡充、検査
研究
機能
の強化をはかり、
親元病院
の使命を果たさせようとする
計画
であります。 一方郡部の将来としては、
地域保健婦
は現在四百十四名いますが、大幅の増員が必要であり、
巡回診療
車、輸送車、雪上車の
整備
を進め、ヘリコプターは防衛庁、海上保安庁のものを大いに活用し、電話、高速ファクシミリ、有線テレビなど通信連絡
施設
、道路、特に林道、農道の
整備
などを促進する必要があるということであります。また
保健所
については二十カ所の基幹
保健所
を
整備
し、公害、食品衛生などの環境保健と母子、
老人
などの対人保健の強化をはかる構想であります。 さらに、
医師
確保
対策
としては、
昭和
四十五年から実施している医学生に一人月額三万円を支給する医学修学資金制度により現在三十八名が支給を受けているが、これをさらに拡充し、一方、一昨年町村会が設立した
医師
確保の
事業
を行なう
医師
対策
協議会によりすでに三十七名を確保し、実績をあげていることは注目すべき点であります。これらを強化するとともに明年度から旭川市に定員百名の国立医大を開校し、さらに
昭和
五十五年までに道東に医大を一校新設し、あわせて現在の北大、札幌医大の医学部、歯学部入学定員の増加を急いでいるという
状況
であります。 特に
不足
している
看護婦
の養成については、
昭和
五十五年までに需給が均衡するように一千名程度定員を増加し、また、
リハビリテーション
を担当する理学療法士、作業療法士をはじめ視能、言語、聴能の訓練士の養成にも着手し、その際特に札幌圏に片寄らないブロック制にバランスのよくとれた養成
計画
を推進することとしているようであります。国の
対策
としては、格調高い実質の伴う
医療
基本法の制定、
医療対策
に対する補助金、地方債交付税、
医療
費など諸制度の改善、国立
病院
、療養所の近代化、医大、歯大など国立教育機関の
整備
促進などを強く
要望
されたのであります。
北海道
の
医療
のうち、古いものでは急性伝染病、結核、精神障害、新しいものでは母子保健、ガン、食品衛生、献血などの分野で占めた輝かしい業績は、
全国
的に見てもトップクラスのものであり、常にパイオニア的立場を維持してきた歴史があります。
過疎医療対策
についても長期
計画
に基づいて遂行されており、この場合でも、パイオニア的な立場に立って理想的
地域医療システム
を開発し、実施に移していくものと思われます。 次に、
リハビリテーション
の実情について御
報告
申し上げます。
北海道
衛生部を経由した理学療法士及び作業療法士の免許申請件数は、本年六月現在では前者七十名、後者二百五十名となっております。これに対し昨年から実施された
北海道総合開発計画
では十
年間
における必要数としては理学療法士七百五十七名、作業療法士八百七十七名という大幅な増員
計画
が示されております。また、外傷の
リハビリテーションセンター
、脳卒中
リハビリテーションセンター
は
人口
百万に一カ所が必要といわれており、外傷
リハビリテーションセンター
六カ所、脳卒中
リハビリテーションセンター
四カ所があり、さらに今後、新設
計画
としてはそれぞれ三カ所、二カ所を五十五年までに
整備
する
予定
となっております。
老人
等の
リハビリテーション施設
における理学療法、作業療法従事
職員
の
状況
を見ると、有資格者はきわめて少なく理学療法士十二名、作業療法士はわずかに二名という貧弱な内容であり、今後における養成確保が望まれております。しかしながら、
北海道
にはこれらの養成
施設
を欠き、
全国
的に見てもその養成定数はきわめて少ないため充足は困難であるので目下養成所の設置について着々と準備を進めている段階であります。ちなみに、
全国
における
リハビリテーション
養成所は、理学療法士五カ所、作業療法士三カ所、視能訓練士一カ所があります。言語聴能士としては、まだ身分法ができていないが、国立の聴能言語専門
職員
養成所が一カ所だけであり、本年すでに二十二名の卒業生を送り出しており、また、
施設
においては、せっかく専門
職員
でありながら一般
職員
として処遇を受けている現状であることから、早急に身分法を制定すべきものであると思います。また、国の理学療法士の養成
計画
では
昭和
五十二年までに理学療法士、作業療法士の養成所設置は四十名定員で、国・公・私立合わせて二十カ所、視能訓練士養成所は同様四十名定員八カ所を
整備
する
予定
となっております。しかし、国の十カ年養成
計画
によると、
昭和
五十七年における充足率は理学療法士で六五・五%、作業療法士では四六・七%と需要を満たすまでに至らず、視能訓練士がようやく九七・五%となっているにすぎない状態であります。言語聴能士については
必要性
を認めながらも養成
計画
もないという
状況
であります。おくれている
リハビリテーション
についてもこの際、国は再検討を行ない積極的に
対策
を講ずべきであると考えられます。また、視察
施設
は主として
リハビリテーション
を
中心
とした
調査
をしておりますが、いずれも
医師
、
看護婦
の確保に苦慮しておりましたが、なかんづく、理学療法士、作業療法上等の
職員
も著しい
不足
を示しております。
北海道
では最も早くから
リハビリテーション
が
整備
されているといわれていた美唄市の労災
病院
を見ても、理学療法を受けている患者二百名に対し理学療法の
職員
六名中三名が有資格者であり、作業療法では患者約六十名に対し
職員
四名のうち有資格者はわずかに一名、言語療法は患者八名に対し言語聴能士一名という
状況
でありました。同じ美唄市にある身体障害者更生指導所においては理学療法士、作業療法士の資格のある者は一人もおらず、
医師
については、労災
病院
より派遣して
診療
に当たっているという状態で専門
職員
が皆無という点はかかる
施設
としては問題があると思います。視能訓練士についてはほとんどの
リハビリテーションセンター
施設
に置かれておらず、
道立札幌肢体不自由児総合療育センター
では院長はポリオによる脚延長手術を開発されたことで有名であるが、ここでさえも、札幌医大より一週間に二、三回出張してもらって視能訓練を行なっているというような実態でありました。また、厚生年金登別整形外科
病院
においては、財団法人厚生団の委託経営により、独立採算制であり、
運営費
についての予算が十分でないということでありました。したがって、作業療法における材料費についても計上されていないために、たとえば粘土によってせっかく作品をつくってもそれをこわして再び粘土として利用するという状態でありました。また、作業療法は現在、
社会
保険の点数表の中に出ていないので認知してもらいたいという
要望
がありましたが、これは早急に改善すべきであると思います。財団法人厚生団に
福祉施設
を委託経営していることについてはかねてから、国会においても、しばしば論議になっていたところであり、いまだに改善されていませんが、今回の視察によって法律に規定されてあるとおり、年金
福祉
事業
団で行なわしめるべきであることを確信を深めたのであります。 なお、来年一月から
老人
医療
の無料化が実施されることになりますが、労災
病院
及び厚生年金
病院
の両院長から
老人
の
入院患者
が多くなり、家庭でも引き取らない者が増加するのではないかと憂慮されて、特別
老人
ホーム
の増設と
医師
、
看護婦
の確保を強く
要望
されてまいりました。 また、
老人
の
リハビリテーション
は、
病院
、
施設
などでは効果をあげても家庭に復帰してからのケアが十分でないために逆戻りになるというケースが多く、居宅
福祉
サービスにおけるケースワーカーとの連携協力が望まれました。 次に、
施設
における
医師
、
看護婦
の確保とは別に
職員
の定数増員と措置費の増額が
要望
されております。 中でも、
道立太陽
の園は精神薄弱者総合援護
施設
でありますが、措置費については、費用負担は国八、道二の
割合
となっておりますが、国の予算が十分でないために、たとえば収容児の理髪代にもことを欠き、道よりの持ち出しが多く、したがって、国立、道五の負担
割合
となっており実額に似合った大幅な増額が
要望
されていました。また、この
施設
は精薄児者ともに収容しており、
医療
費については精薄児のほうは児童
福祉
法により知事の権限で無料となっていますが、精神薄弱者
福祉
法の場合には
社会
保険における
自己負担
分について父兄負担となっているので、精薄児者の法の一元化が望まれておりました。 以上が
施設
における
要望
、
問題点
の概要でありますが、
リハビリテーション
もまだ新しい分野であるために、
北海道
に限らず
全国
的に言えることでありますが、専門的技術
職員
が
不足
していることが特に、指摘されます。国としても今後
リハビリテーション
を十分に受ける体制を確立するためには、その
研究
開発、情報交換、
リハビリテーションセンター
施設
の指導等に当たる専門機関のないことが大きな障害となっており、かつ、
リハビリテーション
技術は今後も急速に進歩することが予測されるところであって、将来を展望して早急に基幹
施設
を新設する必要があります。また、在宅サービスを充実するため、
リハビリテーション
体系を軸としたチームワークである
地域
的な各種機関の連絡組織を一段と強化する必要があります。 なお、その他、厚生行政及び
労働行政
に対する
要望事項
については、資料として
会議録
に
掲載方
をお取りはからい願いたいと思います。 以上をもって第二班の
報告
を終わらせていただきます。
矢山有作
6
○
委員長
(
矢山有作
君) 別に御発言もなければ、
派遣委員
の
報告
はこれをもって終了いたしました。 ただいまの両君の
報告
中御
要望
のございました
資料
の
会議録
掲載につきましては、これを本日の
会議録
の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
矢山有作
7
○
委員長
(
矢山有作
君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
—————————————
矢山有作
8
○
委員長
(
矢山有作
君) それでは、
社会保障制度等
に関する
調査
について質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
藤原道子
9
○
藤原道子
君 私は、外務省の時間的な
影響
があるそうで、質問の順位を変えまして、
ABCC
に関しての御質問をいたしたいと思います。 そこで、四半世紀にわたって
広島
、長崎で
原爆放射線
の医学的
調査
、
研究
を続けてきた米国の
ABCC
のあり方をめぐって、最近大きな
問題点
として国会でも議論されているので、若干お尋ねしたいと思います。 そこで、
昭和
二十七年の対日講和条約によって米国の独占行政がはずされてから、もう二十
年間
も
ABCC
が米国の一方的な
運営
によって存在している法的根拠はどこにあるのか、この間に
ABCC
の法的地位について
日米
間で話し合ったことがあるのかどうか、御説明を願いたいと思います。
橘正忠
10
○
説明員
(橘正忠君)
ABCC
は、一九四六年の十一月に米国の大統領の命令に基づいて米国政府の機関でございます原子力
委員会
とそれから米国の学士院との契約に基づいて設定されまして、
日本
との
関係
におきましては、一九五二年、
昭和
二十七年の十月の二十二日、それから二十三日付の在京米国大使館と外務省との間の口上書によりまして、その交換によりまして
日本
での活動が認められた形となっております。
藤原道子
11
○
藤原道子
君 在
日米
大使館と外務省との間で
ABCC
に関する口上書というものができていますね、これの効果は、効力はどうなんですか。
橘正忠
12
○
説明員
(橘正忠君)
ABCC
はただいま御説明申し上げましたような次第で、米国政府の
日本
における政府機関に準ずるものと考えられますが、その
日本
における活動とか、それの持つべき権利というものを政府との間できめたものがこの口上書の性格でございます。
藤原道子
13
○
藤原道子
君 それのちょっと
内容
を聞かしてください。
橘正忠
14
○
説明員
(橘正忠君) 口上書の
内容
は公表されております。その
内容
はこの
委員会
及び
日本
に一時的に居住する米国籍の
職員
についてその
研究
のために税金あるいは関税上の特権、
恩恵
が与えられる、それからこの
委員会
——
ABCC
とこの
職員
とは、ただいま申し上げましたような目的につきましては、合衆国の政府機関の性格と、それから大使館に付属する政府機関の
職員
の性格を有するものとみなします、それからこの
ABCC
はもっぱら米国の資金によって
運営
されて、
日本側
の当局との緊密な協力のもとに相互に利益をもたらす学術的な
事業
に従事しておるものでございます。これに対する
日本
国政府の厚意的な配慮と理解を感謝しますという趣旨の口上書が米側から出ておりまして、
日本側
がこの口上書に対しましてそこに述べられている了解を確認しますという口上書をこちらの外務省から米国大使館に送っております。
藤原道子
15
○
藤原道子
君 そこで、この六十二条の、これには「
ABCC
は「
米国学士院
——
学術会議
と
日本
国
厚生省
国立予防衛生研究所
との日・米共同
調査
研究機関
」といわれている」のですね。ところがこの契約の中で、六十一条の「
国立予防衛生研究所
に、支所を置き、その名称及び位置は、次の通りとする。」となっておりますけれども、正式なものには共同
調査
研究機関
ということが入ってないのです。これはどういうことなんでしょう。
橘正忠
16
○
説明員
(橘正忠君) ただいまのお尋ねの六十一条と申されましたのは、教えていただければ……。
藤原道子
17
○
藤原道子
君 私きょうは時間がないので、あなたも時間がないし、私もないのですけれども、これは口上書です。口上書ってありますね。その中です。在
日米
大使館と外務省間、これの
ABCC
に関する口上書、これはよく調べてからこの次にじゃあ答弁してください。私はこの点がひとつ納得がいかないのでお伺いしたんです。 そこで、次に私
たち
が今回
ABCC
のあり方について
調査
してきたが、
ABCC
の
研究
は、表面上は
厚生省
の予防衛生
研究
所と共同
研究
ということになっているけれども、
調査
研究
の
計画
、管理あるいは
運営
、
財政
、人事の
主体
は
米国側
にあることがわかった。そして二十七年の独立後、
日本
での存在するための法的根拠があいまいのまま、占領時代の継続として今日まで放置されております。したがって、
ABCC
は原爆を投下した加害者であるアメリカが、戦略として次の核戦争に備えて
被爆者
をモルモットにしていると言っても過言でないのが実態であるように思います。そこで、
ABCC
の
調査
研究
の
計画
、管理、
運営
、
財政
、人事について
わが国
はどの程度タッチしているのか、それぞれについて御説明を願いたい。 さらに、それが共同
研究
ということになるのかどうか。いやしくも二国間の共同
研究
と言うからには、五〇%ずつの分担があって言えることだと思うが、どうなっておるか。七部門あるのに部長のうちの六人までがアメリカなんです。
米国人
の部長。それで
日本
人が部長といわれているのはたった一人なんですね。これでは共同体制と言えるかどうか。まあ
研究
財政
については加害者のアメリカが全額を持って、
運営
は被害者の
わが国
にまかすのが私
たち
はモラルではないかと、こういうふうに思うのです。ところがほとんどがアメリカが持っているというようなことで、こうしたモルモットにされているのだというような空気が非常に強く流れている。これらについてどのようにお考えになるか。
加倉井駿一
18
○
説明員
(
加倉井駿一
君) お答えいたします。
ABCC
の
研究
結果の発表等につきましては、
ABCC
並びに私どもの予防衛生
研究
所長
の共同の
研究
結果の発表という形で行なわれております。さらに
研究
内容
等につきまして、
ABCC
内部に
日本側
諮問
委員会
というものが設定されておりまして、十分
研究
の結果等については検討いたしました上で発表する仕組みになっております。なお、御指摘の資金面につきましては御説のとおり
米国側
が多額の費用を
負担
いたしておりまして、その執行等につきましても
米国側
の一応指導のもとに
運営
をされるという
状態
にございます。ただ、今後の
ABCC
の問題につきましては、最近非公式にアメリカ側からその
内容
等について検討したいという申し出がございまして、
関係
各省の担当官等と内々今後のあり方等につきましても検討を開始いたしておる次第でございます。
藤原道子
19
○
藤原道子
君
昭和
二十七年の十月二十二日付の外務事務次官から
厚生
事務次官あての覚え書きによりますと、「添付の一九五二年十月二十二日付
日米
政府間の了解確認書写しによって、
広島
および長崎に
研究
施設
をもつ米国政府の
原爆傷害調査委員会
(
ABCC
)は、在
日米
国大使館の付属機関と認められること、そうして、この
委員会
ならびに米国籍をもつその上級
職員
は、米国大使館及びその
職員
と同様の特権的待遇が与えられることを御参考までに通知する。」と書いてある。これは外務事務次官から
厚生
事務次官にあてた覚え書きなんです。もちろんこの覚え書きは今日でも生きていると思いますが、ここでいう上級米国
職員
の特権的待遇の
内容
は何でしょうか。それから三十六人いるといわれる
米国人
に全員特権的待遇が認められているのか、一日も早くこのような屈辱的な覚え書きを撤回すべきではないかと私は思いますけれどもいかがでございましょうか。
橘正忠
20
○
説明員
(橘正忠君) 先生御指摘の口上書、一九五二年の十月、約二十年前の口上書でございますが、その口上書におきまして米国籍を有する
職員
につきましては口上書の上では適当な課税及び関税上の
恩恵
が与えられるということと、それから軍票の使用を認めるということが書いてございます。現実には軍票の使用はその当時はございましたがなくなりましたので、この点は消えております。現在まで残っておりますのは所得税と関税等の免除という特権が残っております。
藤原道子
21
○
藤原道子
君 この問題については先の衆議院でも問題になっているのですよね。本年五月末のこのときに外務省の高島外務省条約
局長
ですか、非常に深く反省していると言われているのです。これはどういう意味で反省しているのか今後どうする方針でいられるのかそれを聞きたい。
橘正忠
22
○
説明員
(橘正忠君) ただいま申し上げました現在残っております関税、所得税上の特権のうち、所得税法につきましては所得税法の第九条第一項八号というもので政府機関の
職員
というものには認められると思いますが、関税につきましては、口上書の形で特権を認めたということが、ただいまその後の検討に照らしますと必ずしも適当ではなかったのではないかという意味で深く反省をしておる次第でございます。この点はつとに米側に対しましても改正を必要とするということを申し入れてございまして、ただいま検討を進めておるところでございます。
藤原道子
23
○
藤原道子
君 いま検討していらっしゃる、まだあれは出ていないんですね。ところがことしの三月三十日の衆議院の
社会労働委員会
で超党派で「(
ABCC
)と
国立予防衛生研究所
の
協力関係
について再検討するとともに、各省にまたがる
研究機関
及び民間
医療機関
が
放射能
の
影響
や
治療
についての
研究
を一元的に行ないうるよう促進を図ること。」と決議をしておりますが、この決議のあと、政府はどのような検討を行なっておいでになるか。これは三月の三十日の決議なんです。これについてどのような検討をしておいでになるかをお伺いしたい。
橘正忠
24
○
説明員
(橘正忠君) 先ほど御答弁申し上げましたように、口上書の中で関税についての特権を認めた点が不適当であったという点につきましては、つとに米側に申し入れて、米側においても、検討さしてくれということでただいま前向きの検討が続いております。ただ、この問題につきましては、先ほど大臣のほうからもお話がございましたように、全般的なわがほうの協力といいますか協同といいますか、そういう
研究
の体制の問題もございますので、この
二つ
の問題がこの
ABCC
のあり方についてはあるわけでございます。とりあえず前者のほうにつきましては、そういうわけで米側にこの点の改善をすでに申し入れておる次第でございます。後段につきましては、むしろわがほうにおける直接
関係
の省庁における
日本側
の今後のあり方ということの見通し、構想というものが固まりますのを待ちまして、米側との折衝に入るということになると考えております。
藤原道子
25
○
藤原道子
君
わが国
内の問題ですから、三月にきまった決議ですから、もう八月も終わりになりますよね。だから、国内的な問題だから、もう相当の結論が出てもいい時期じゃないか。したがって、どういうふうな方向でお進めになったかを伺ったわけですから、これは一日も早くこの
対策
が確立されることを強く
要望
いたします。このように、
ABCC
のあり方をめぐって問題が国会の内外で論議されているさなかに、
米国側
は今後二十五
年間
の
研究
が必要と言明している。
ABCC
の上部機関である
米国学士院
の
ABCC
の諮問
委員会
は六月二十六日の
会議
で、
ABCC
の重要性を再確認し、
年間
五百万ドルの
予算
を
確保
すると発表しており、外務省に
ABCC
の将来について政府間交渉を申し入れていると聞いておりますが、
日本
政府としてこの米側の申し入れに対してどのように話を進めようとしておいでになるか、お尋ねいたしたい。
橘正忠
26
○
説明員
(橘正忠君) 先ほど
厚生
大臣から御答弁ございましたように……
藤原道子
27
○
藤原道子
君 まだないわよ。
橘正忠
28
○
説明員
(橘正忠君)
ABCC
のあり方につきましては米側からもかねて申し入れがございまして、いわゆるたたき台ということでわがほうにも先方の考え方を言ってきております。ただ、その間米側と若干のやりとりはございますが、この問題につきましては
関係
省庁における今後の協力のあり方というものが固まりました場合に初めて米側との話し合いができると考えておりますので、その実態につきましては
関係
省庁のほうにお尋ねいただきたいと存じます。
矢山有作
29
○
委員長
(
矢山有作
君) 関連してお聞きしたいのですが、外務省のほう、この
ABCC
の問題について十分な認識を持たずに答弁しているのじゃないですか。問題の所在は、これが当初
設置
されたのは大統領命令によって
設置
された。しかも
日本
との間で、まあ何というのか、話し合いができたのは平和条約の成立後でしょう。これは一片の口上書によってやっているわけだ。ここのところに問題があるわけだ。一片の口上書で外交官特権的なものを認めるような機関の存在が許されるのか。一体、平和条約との
関係
でどう考えているのですか。これは法的地位がきわめてあいまいですよ、
ABCC
の。その点が第一の問題なんです。しかも口上書でそういったものを、あいまいもことしたものを認めておいて、すでに二十年なんですよ。二十年の間そういったものを放置してきたという、その責任は一体どうなるかという問題を追及しているわけです。この点の認識を持って答弁していただかぬと、いまのような、どこに焦点があるのやらわからぬような答弁になってしまう。もう一ぺん答弁して下さい。——もう一ぺん言いましょうか。大統領命令によって占領下に
設置
された、そういう機関なんでしょう。それが平和条約が発効して、ことばをかえて言うなら、
日本
が独立国になったと称せられる時点で、一片の口上書によってこうした外交官特権を許されたようなものの存在を許してきた。しかも、二十年それを放置してきたという、その責任は一体どうなるんだと言っている。法的地位がきわめてあいまいだ。第一点は、それを放置した責任を追及している。これを外務省はどう考えているか。その点をはっきり答弁しないとだめだ。
橘正忠
30
○
説明員
(橘正忠君)
ABCC
の
設置
の、米側内部における手続としては、米大統領の命令というものが基礎になって、原子力
委員会
と学士院との間の契約で
設置
されたものと思います。これは米側内部の手続でございます。これを受けまして、御指摘のとおり平和条約ができました後に、間もなく口上書の形で、
日本
における
ABCC
の活動、それからそれに伴う特権というものを認めたわけでございます。その口上書の形で特に関税につきましてまで特権を認めたということは、先ほど申し上げましたとおり、適当でない面もあるということを反省して、これについては米側に改善をすでに申し入れてあるという実情でございます。繰り返しになりますが以上が実態でございます。
矢山有作
31
○
委員長
(
矢山有作
君) だから問題は、一片の口上書でそういったものを認めておいて、二十
年間
放置しておった問題がいま追及されているわけでしょう。それに対していまごろになってアメリカに協議を申し込んでいると言うけれども、ところがアメリカのほうは、先ほどの質問を聞いていると、かなりの大きな
予算
を組んで、そして
ABCC
の
研究
の
主体
性を
確保
しよう、そういう中で、
日本
に相談を持ちかけてきている。それがいまのアメリカ経済の
関係
からして、
主体
性はあくまでもアメリカに握りたいが、金はひとつ
日本
からも少し出させてやろう、こういうような考え方から交渉を持ち込んできているのだろうと思う。その交渉を受けて立つのに一体どういう態度で受けて立つのか、そこのところが問題だ、こう言うのです、もう一つの問題は。
日本
は、あなた方が言っているように独立国なんだから、そういう立場に立って問題の解決を急がなければならぬわけでしょう。この問題を二十
年間
放置してきたということに対して、先ほど政府のほうは
委員会
の席上で陳謝もしたわけでしょう。陳謝したのならその点を解決するために精力的にやらなければいかぬじゃないですか、もう少し
主体
性を持った立場で。そのことを強く要求しているわけです。私もそのことを要求しておきます。
藤原道子
32
○
藤原道子
君 とにかく講和条約ができてから今日まで、この長い間がそのままに過ぎている。しかもアメリカ側がまだ今後二十五
年間
の
研究
が必要だというようなことまで言っている。ところが、
日本
では、いまの御答弁では私のような者でも何としても納得がいかないのです。もう少し真剣に、独立国としての名誉にかけても真剣に考えてしかるべきじゃないか。しかも議会で、検討いたしますと答弁してからでももう相当に日がたっているのです。それできょうのような御答弁があろうとは私は思っておりませんでした。時間の
関係
がありますので、この点をよくお考えいただきまして、外務省として真剣に独立国の立場からひとつ新たなる方針を打ち出していただきたい。強く
要望
いたします。 そこで、今度
広島
や長崎などの地方自治体やあるいは市民の間では、
ABCC
を
日本
に移管してもらいたい、そして原爆後障害の
研究
所とか、あるいは
研究
と
資料
を受け継ぐばかりでなく
治療
を行なうこと、
研究
は自主、公開、民主、平和の四原則に立つこと、加害者としてのアメリカが
日本
に全面移管した場合、
研究
費を出さないというならば
運営
は政府の支出金、寄付金をたよってまかなうという具体的な提案を出しているそうでございますが、これらについて具体的に検討し、自治体や
被爆者
の
要望
にこたえるお考えがあるかどうか、こういうことについてどうお考えになっているか。
加倉井駿一
33
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 後遺症等の
研究
あるいは
治療
を
ABCC
移管後の機関にやらすべきであるという御趣旨に解しておりますが、現在の段階におきまして、先ほどいろいろお話がございましたように、
ABCC
の性格等につきまして問題がございますので、その後の処置についてただいま事務的に詰めたいというふうに考えまして、作業はいたしております。しかしながら、現在の体制といたしまして、
治療
は原爆
病院
で実施いたしておりますし、各種の
研究
結果につきましては
日本
とアメリカの両方の
研究
者の名前におきまして全面的に発表をいたしておりますので、そのままの現状におきまして差しつかえないというふうに私どもは理解いたしております。現在の
研究
発表につきましては両者の責任者の名前のもとに全面的に発表をいたしておりますので、現在の段階におきます体制においては差しつかえないんじゃないかというふうに考えておりますが、ただ、全面的な機関の移管その他につきましてはいろいろ問題がございますので、今後の検討にまちたいと考えておりますが、
研究
・
治療
体制については現在の体制で一応私どもといたしましては満足すべき
状態
にあるというふうに理解をいたしております。
藤原道子
34
○
藤原道子
君 費用の面についてはどうですか。
加倉井駿一
35
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 費用の面につきましては、やはり現在の
研究
のための要員の人件費その他あるいは
研究
方法等につきまして問題がございまして、全面的にこれを受け入れることができるかどうかというような問題もございまして、私どもといたしまして、もし向こうが、アメリカ側が
日本側
へ全面的に移管すべきであるということにつきまして、やはりこれも問題が多分にございます。したがって、そういう問題も含めまして今後検討すべきことだろうというふうに理解いたしております。
高山恒雄
36
○
高山
恒雄君 関連してひとつ。 この点は、そこに働いておる労働者の
意見
もわれわれは拝聴したものですから、しつこく質問するんですが、実際問題としてアメリカの経済情勢から見て、非常にアメリカは今日の情勢から見ると無理があると、したがって
日本
政府に対して経済的な援助をせよと、こう出てきた場合の権限というものはどうなのかと、——こういう危険性があるわけですよ。で、いまあなたの御説明を聞くと、従来のままで
運営
もよかろうと、こういうふうにおっしゃっておるんだが、金は出したわ、いままでの権限はアメリカがすべて権限を握っておったと、むしろここ数年前までは
研究
の結果の発表すらしなかったと、独占的にアメリカがやっておったのだと、こういううわさすら出たわけですね。実際に見学してみるとそうでもないという点もわれわれも理解することができましたけれども、実際問題として経済援助をするという態勢を
日本
がとらざるを得ない場合でもこのままでいこうとお考えになっておるのか、そういう点がお聞きしたいんですよ。
加倉井駿一
37
○
説明員
(
加倉井駿一
君)
ABCC
の
研究
組織と申しますか体制、これが
日本
の
研究機関
の
研究
体制その他と若干違う点がございまして、そのままの形でもし全面的に
日本側
に移管するということになりますと、やはりここには経済的な
問題等
もございましていろいろ支障があるのじゃないかというふうに予測されますので、もしそういう事態が予測される場合にはやはり事前に十分なる対処をいたさなければならぬというふうに考えております。ただ資金面におきまして全面的にアメリカ側からの援助によりまして
日本側
がもしその
研究
体制に入るということになりますとまた話は別になるかと思いますけれども、そこいらの問題がやはりこの
ABCC
の機関の性格という問題とからんでまいるというふうに考えておりますので、そこいらはやはり私ども実施官庁といたしましては慎重に対処せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
高山恒雄
38
○
高山
恒雄君 あなたも現地を見られたと思うが、膨大な
資料
ですよ。しかも、いまアメリカの
財政
力でやっておるわけなんです。それをどうしてもアメリカの
財政
上いかぬというので
日本
にある程度の依存をする、たとえば五〇%、八〇%と。そういう場合に
日本
の姿勢としてはどういう行き方をするのかということが問題であり、将来アメリカ側の
資料
を持って帰るということもなきにしもあらずだと思うのですね。これは持って帰ったってしようがないんでしょう、あの膨大な
資料
を。したがって、そういういませとぎわにきておることをそこに働く労働者といえども心配しておるわけなんです。そういう点に対する
対策
は、現実に起こってくるという事実があるならば、速急にこれは
研究
して、その姿勢も改めてかからなければいかぬ重要な問題だと私
たち
は感じてきたのですよ。そういう点があいまいなままの御答弁をされておるものだからわれわれも納得がいかないで関連的な質問に立ったわけですが、もっと掘り下げた検討を速急にやるべきじゃないかという感じすら私はいたしておりますが、その点どうです。
加倉井駿一
39
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 実は
ABCC
の先ほどのお話のように機関の性格という問題、したがいまして、そこに持っております
資料
ということにつきましてもやはり十分検討をいたさなければならないというふうに理解をいたしております。したがいまして、いま、私どもといたしましたならば、できるだけ早くその機関の性格というものをはっきりしていただきまして、その
資料
等の取り扱い、これは今後
厚生省
が担当いたすにいたしましても、その取り扱いについて早急にやはり先生の御指摘のような
措置
を講じなければならぬというふうに考えております。
藤原道子
40
○
藤原道子
君 アメリカで今後二十五
年間
の
研究
が必要だというようなことを言明しておりますが、
日本
に対して何らかの申し入れはきているんですか。この件について
内容
を具体的に……。つまりアメリカ側では今後二十五
年間
の
研究
が必要だと、いろいろ言われております。これらのことに対して、
日本
政府に対して何らかの申し入れがきておるんですか、経済面にしろ何にしろ。
橘正忠
41
○
説明員
(橘正忠君) 先ほど申し上げましたが、今年の大体春ごろだと記憶しておりますが、
米国側
から非公式な向こうの、ほんとうのたたき台といったような考えを
日本側
には出してきております。したがいまして、これを
関係
各省のほうにも至急御検討をその後お願いしておる次第でございます。
矢山有作
42
○
委員長
(
矢山有作
君) それじゃ、
委員長
からも一言申し上げたいんですが、いまのやりとり聞いていると、どうもあなたのほうの答弁、抽象的なんですよ。だから、ひとつアメリカとの間でかわした口上書、これは
資料
として提出してもらいたい。 それからもう一つは、一番問題になるのは、大統領命令で
設置
されたものをそのままの形で存在を認めるために口上書を取りかわしている。こんなでたらめなやり方はないと思うんだ、独立した以上は。したがって、今後この
ABCC
の法的位置づけをどうしようとしておるのか、その問題に対して具体的に答えてもらいたい。 それからもう一つ。先ほど
藤原
君に対する答弁があいまいであるけれども、一体具体的にどういう
内容
の口上書がきておるのか、何ぼ金を出せと言っているのか、金を出したらどうしようと言っているのか、そこのところをはっきりしてもらいたい。そうせぬと、何のためにここで質疑やっているのかわからない。いまのようなくつの上から足の裏をかくような答弁じゃしようがない。どうなんですか。
橘正忠
43
○
説明員
(橘正忠君)
ABCC
の設立に関します口上書の往復はすでに公表されておりますので、この口上書は提出の手続をとります。 それから米側から本年の初めに言ってきましたものは、先方も非常に非公式のもの、たたき台ということで言っておりますので、これはこのまま外へ出していいのかどうか、これは米側とも了解をとらねばならないと思いますので、この点は、その点を留保さしていただきたいと思います。
藤原道子
44
○
藤原道子
君 非公式なものだからといったって、それによって検討しているんでしょう。ことしの春ごろといえば三月ごろ来たんでしょう。それできょうまでいまのような全く——私、簡単な質問で済むと思ったけれども、納得のいかない答弁が続いておるので、困っちゃうのですが、非公式なものなら非公式として私
たち
はぜひ聞かしてもらいたい。独立国の国会ですよ。こういう点を強く
要望
いたします。 こうした具体的な
要望
の陰には、原爆を体験した市民の切実な感情が込められておる。たとえば私
たち
が
ABCC
を
調査
した時点で、被害者の中で
死亡者
を出した遺族のうちに、二千八百三十二体が解剖に応じたといわれておりますけれども、これは陰に陽に
被爆者
の死体を強力にあさったハゲタカの行為だ。三千九百九十八体は解剖拒否しているんです。解剖の要求に応じたのは二千八百三十二体、拒否したのは三千九百九十八体なんです。なぜ拒否したか、
ABCC
に対する疑問が大きいから、信頼ができないから、自分
たち
はモルモットがわりにされているのだというような気持ちがもう行き渡っておるからですよ。こういうときに政治を担当しているあなた方が、こうした
国民
の気持ちを考え、アメリカのやり方が正しいと、あなた方は思っておるなら、これまた別です。しかしあなた方にしたってアメリカ側のやり方を全面的に認めるわけにいかない、独立国でありながら二十年もそのままやらせておいて、それでいまになって
研究
材料全部持っていくかもわからないような
状態
に置かれている。こういうときに
ABCC
をこのままやっていいかどうか、だからこれに対してのあなた方の考え方を私はここでお伺いしているのです。しっかりしてもらわなければ……。アメリカの一州じゃないのですよ、
日本
は。独立国なんです。それでありながらアメリカの言うことに少しも反論ができない、こういうことでは将来が案じられてなりません。したがって、きょうはあなたがそういう態度だから答弁ができないかもわかりませんけれども、いま申し上げました、
委員長
から要求のありましたような
資料
も何とか討議して
委員会
に出していただきたいことを要求いたします。 それからとにかくこの
ABCC
をこのままで置くということには私
たち
は承知はできません。とにかく現在の
ABCC
のあり方は米国に対する屈辱外交の産物であり、独立国
日本
としてこのおかしな
日米
関係
を一日も早くなくさなければならないことは言うまでもないと思います。この結果、
ABCC
を
わが国
に全面的に移管をし、
日本
人の手で大学
研究
医療機関
と交流し得る組織として、データを公開し、アメリカ本国に持っていった
資料
を全部返還する外交交渉を行なってほしい。
被爆者
主体
の原則に立った
調査
、
研究
、
医療
福祉
が総合する機関でもって
運営
できるようにすべきことが、政府に負わされた義務だと私は考える。これは一体どうですか。これが始末できないようでは、戦後処理がなされていないことになります。これらについてのお考えを最後にお伺いしたい。
橘正忠
45
○
説明員
(橘正忠君) ただいまいろいろお尋ねの
内容
、外務省として細目にわたってはお答えいたしかねるところもございますが、私どもの外務省としての立場にかかわるところを御答弁申し上げます。
ABCC
が
日本
で活動を始めたのは確かに占領時代からであったと思います。したがいまして、平和条約ができました直後において、問題はございますが、口上書のかっこうで
日本
での活動を認めた、その後二十
年間
活動が行なわれておる。その間における活動はもっぱら科学的な
調査
ということで、その成果はたしか完全に全部公開されておりまして、
日本側
の
関係
の科学者においても高く評価されていると承知しております。ただ、そうした形を今後、このまま続けていっていいのかどうかという問題は御指摘のとおりございます。米側においてもいままでの形を続けていいのかという問題があるわけでございます。したがいまして、
日本側
に今後のやり方について、どうしたらいいかという相談をかねて持ちかけてきておったわけでございます。これにつきましては先ほど
厚生省
のほうから御答弁ありましたように、
日本
内部での受け入れ、
協力体制
のつくり方という問題がございます。したがいまして、私どもといたしましては、こういう問題をこのままではいけないので今後どうするかという共同体制をどうやってやるかという具体的な案を
関係
省庁のほうでひとつおつくりいただきたいということをかねて申しておったわけでございます。したがいまして、そういう体制ができますれば、米側に対しましても今後はどういうふうにこの
ABCC
というのを
運営
していくのかという具体的な話に入れると思っております。
藤原道子
46
○
藤原道子
君
厚生省
ではどのように検討していますか。
加倉井駿一
47
○
説明員
(
加倉井駿一
君) いま外務省のほうからお答えがございましたように、その問題につきまして事務的に現在詰めて、早急に結論を出したいと思っております、受け入れ体制につきましては。 それからもう一つ、先ほど
資料
のお話がございましたが、アメリカに行っておりました
資料
は、全部
日本
に返還をされることになっておりまして、これは
広島
の原子爆弾
医療
研究
所におさめることになっております。
矢山有作
48
○
委員長
(
矢山有作
君)
厚生
大臣にお伺いしたいのですが、いまのやりとりを聞いておられて、大体
ABCC
の
問題点
というのは明らかになったと思うのです。私は一つは、大統領命令で
設置
されたものが、そのままの
状態
で、一片の口上書によって今日まで存続させられておるということに非常に問題がある。これが一つです。したがってこの法的地位を一体どうするのか、これは私はまず明確にしなければならぬと思うので、それについての
厚生
大臣の見解を伺いたい。 それからもう一つは、それと関連する問題ですが、一体この今後の
研究
体制というものをどう持っていくのか、この点も明確にしてもらいたい。私は当然、もう独立後二十年からになるのですから、
日本
が
主体
的な立場でこれを維持するということに踏み切らなければだめなんじゃないか。いまの
状態
でおりますと、これまでも予防衛生
研究
所が協力しておるからそれに必要な
経費
分だけは
日本
から出させてやれというような形で続いてきておると思います。今後向こうは、先ほどから出ておったように、二十年なり二十五年なりこれに対する
研究
体制を保持しつつ、しかもいままで以上に
日本
に経済的
負担
をさせて、
日本
に出させてそれをやっていこう、こういう態度に出ておるのじゃないか。そういうことに対して、一体
厚生
大臣としては、
研究
体制のあり方ということでどういう態度をもって臨まれるつもりであるのか。これはやはり、先ほど来、国内の受け入れ体制がきまれば外務省がやるのだと、こう言っておるのだから、何といっても
厚生省
が
中心
になってこの問題は考えなければならぬ問題ですよ。そこで
厚生
大臣のいまの二点についてのお話を承っておきたいと思います。
塩見俊二
49
○国務大臣(塩見俊二君) 先ほどから非常に御熱心な質疑を通じまして、この
ABCC
問題が今後の
厚生省
にとりましても非常に重大な問題であることを、私もしみじみ痛感をしておったのでございます。いま
委員長
からのお尋ねは、今日までの歴史的な経過の中において
ABCC
の地位というものが不明確ではないのか、この問題について、はっきりすべきじゃないかというのが第一点であったように思うわけであります。まあ
ABCC
についてのいろいろの評価が私はあろうかと思うのでありまするが、しかしながら今日までこの
ABCC
がいろいろのことを
研究
をし、そうして、この原爆問題につきましてもいろいろの成果が公表され、それだけのメリットは私は出してまいっておると思うのであります。そういうような経過できましたが、先ほどから伺っておりますと、その地位というものが明確でないというようなお話があったのでありまするが、これは根っこには外交的な折衝の
問題等
もございますので、われわれとしては外務省の善処を期待するしかないわけでございます。ただ、今後一体どうしていくかという問題でございまするが、いろいろ御
意見
がありましたとおり、このままでいいのかどうか。私はこの今日までの成果、あるいはまた、この
ABCC
という機関が、いろんな
経費
もかかっておりまするが、これはやはり人的な構成とそれに伴ういろんな設備等も一緒になって
研究
が進められてまいったと思うわけでありまして、これを直ちに
日本側
に全面的に引き継いで、
被爆者
に対する、あるいはまた原爆の
研究
について、急激なマイナス点を生じてくるというようなことのないように一面においては配慮していかなければならぬ問題だと思うわけでありますし、同時にまた、
日本
のそれぞれの機関がこれにかかわるにいたしましても、やはりこういった点に全体としての悪い結果が生まれないようにというような配慮をしながら、万全な体制をとって、今後外交交渉が成立するにいたしましても、この
被爆者
に対する
対策
あるいはまた
研究
、その質的な
内容
がさらに前進するという方向で、体制の検討、移行の準備を進めていかなければならぬと思うわけでございます。私は外交的な面を十分よく承知しておりませんが、しかしそういう事態になれば、われわれとしては当然
日本
も独立国であり、われわれもそういう責任を十分果たしていかなければならぬわけでありまして、そういうふうな準備を取りそろえて、これの移行を全うするということで対処してまいりたいと思うわけであります。
矢山有作
50
○
委員長
(
矢山有作
君) これは聞いておりますと、外務省と
厚生省
の責任のなすり合いだね。こんな話ではしかたがないので、これは引き続いてあらためてはっきりさせてもらいたいと思いますが、先ほど要求した
資料
の提出、さらに提出の有無についてはできるだけ早い機会に取り計らい方を希望いたします。
藤原道子
51
○
藤原道子
君 私も長年
委員会
で質問を続けてきましたけれども、きょうくらい納得のいかない答弁を聞いたことは初めてでございます。不満足でございますが、いずれあらためてまた質問するといたしまして、
ABCC
の問題はこの程度にいたします。
委員長
からもお話のありましたような、
資料
その他今後の方針について十分検討をしていただいて一日も早く納得のいく回答を得たいと思います。 次に、原爆の問題について若干御質問いたしますが、きょうはもう時間があまりございませんので、概略をお伺いをしたいと思います。
広島
、長崎に原爆が投下されてから二十七年の歳月が経過したけれども、現在でも毎年数多くの犠牲者を出しておる。こうした中で国の
原爆被爆者対策
のおくれと貧弱さは
被爆者
をはじめ多くの
国民
から批判の的となっております。そこで若干の
問題点
をあげ、政府の姿勢を尋ねたいと思います。 その一つに、原爆二世の問題があります。現在
被爆
二世
たち
は
原爆症
がいつ発病するかもしれない不安と、それに伴う世間の偏見と差別におびえているといわれております。こうしたことについて政府は実態をどれだけ把握しているのか。それに対してどんな施策を考えてやってきておるかという点について、まずお伺いをいたします。
加倉井駿一
52
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 原爆二世のことにつきましての御質問でございますが、二世、あるいは三世の人員につきましては、まだ私どもといたしまして確実な数を把握いたしておりません。
藤原道子
53
○
藤原道子
君
被爆
二世に対してあなたは非常に冷淡なのよ。まだ
調査
をしていない。それから
被爆
二世に対しては、何といいますか健康手帳、これらも出さない。
被爆
二世の中で、もう白内障だ、何だと死んでいる人がたくさんあるのよ。これらに対していまだに
研究
ができていないというのは、これは何としても納得のいかないことだと思う。今後どうしますか。今度深川宗俊さん監修の「
被爆
二世」によると、
広島
、長崎の
原爆被爆者
の子供
たち
は
全国
で四十二万人いるといわれる。多くの子供
たち
が結婚適齢期であり、そろそろ三世もできているといわれているのに、そこで
原爆放射線
の
遺伝的影響
が大きな問題になっておりますが、この
遺伝的影響
についての
研究
がどの程度に進んでおるのか、この点を伺いたい。
加倉井駿一
54
○
説明員
(
加倉井駿一
君)
原爆被爆者
の二世あるいは三世に対します
遺伝
学的な検討につきましては、すでに予防衛生
研究
所におきまして
昭和
四十二年に
白血病
につきましての
調査
がございます。それによりますと、一応
被爆者
の二世と
被爆者
でない人におきます
白血病
の
発生
につきまして有意の差のないという
研究
結果が発表されております。引き続きさらに予防衛生
研究
所を
中心
にいたしまして、二世につきまして、さらにその追跡
調査
が現在実施されておる段階でございます。したがいまして、その結果につきましてのまだまとめができておりませんので、申し上げる段階には至っておりませんが、一応現在のところ私どもといたしましては四十二年に発表されましたデータをもとにして施策を考えておる段階でございます。
藤原道子
55
○
藤原道子
君 四十二年の
研究
結果であって、ところが動物的実験では
遺伝的影響
が出ておるというけれども、これはどうなんですか。
加倉井駿一
56
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 動物の実験結果を直ちに人体に引用するということにつきましては多少疑問がございます。したがいまして私どもといたしまして原爆二世という、いわゆるレッテルを張るということにつきましては、非常にこれは
社会
的に問題があろうかと思いますので、その
研究
、あるいは
調査
、それから二世の方々の取り扱いにつきまして慎重を期さなければならないというふろに考えております。
藤原道子
57
○
藤原道子
君 慎重もけっこうですよ、それは原爆二世の立場も考えるということもわからなくはない。だけど病弱で、いろいろと
研究
してみると百人のうち三十人ぐらいまでが病弱だというようなことが言われておるんです。そうするならば、
被爆
二世に対する
被爆者
手帳を出すと、いま言ったようなことを言うならば、それならばこれらに対して一体どうしたらいいのか、原爆
病院
へ行っても手帳がなければ、確認された者でなければ診察してくれない。そうしたら、これらの子供は不安のままで放置される、こういうことになるんです。それでいいとお考えですか。だから私はもしそうならば、結論が出るまでというならばこれを親の
被爆
手帳ですか、この手帳でその二世も診察ができるようなことはできないか。この不安を感じている者の気持ちになってごらんなさいよ、どうですか。
加倉井駿一
58
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 二世の方々の不安ということにつきましては十分私どもも理解できると思います。したがいまして、もし病弱等の問題がございまして、これは
調査
あるいは
調査
をしなければならぬという事態が生じました場合にはその申し出によりましてしかるべく処置をいたしたいと、かように考えております。
藤原道子
59
○
藤原道子
君 しかるべく処置をしたいように考えていると言うけれども、それは担当機関でそういうことを通達してあるんですか。手帳がなきゃ見てもらえないのでしょう。これは一体どうするのか。だから私から言わせるならば、あなたのような考え方はいま私なりに解釈すれば、公害について長い間因果
関係
の立証を被害者に押しつけてきた。公害問題、これはずいぶん前から問題になっている。ところが今日まで被害者にすべての犠牲をしいてきて、いまになって公害問題が大きく世論化してきたときに、国はどうとかこうとかいうような
意見
が出てきた。そういうことでは恥かしい、じゃないですか、官僚的なやり方だと私
たち
からすれば言わざるを得ない。
被爆
二世の問題、真剣に考えてもう一回答弁してください。
加倉井駿一
60
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 私どものつとめといたしましては二世の不安を除去することが第一だというふうに考えております。したがいまして、一日も早くやはり
影響
がないという、あるいはあるという、どちらかのはっきりした結論を得た上で
措置
をしなければならぬというふうに考えておりますが、やはりこれは
遺伝
的な問題でございまして、やはり世間に対する
影響
が非常に大きい問題でございまして、慎重に取り扱わなければならぬというふうに考えております。したがいまして、できるだけ早く不安を除去するような体制をつくってまいりたい、
研究
結果を得たいというふうに考えております。
小笠原貞子
61
○
小笠原貞子
君 関連。先ほど四十二年からの
調査
をしているという結果で
被爆
二世と大差ないというふうに御答弁になりましたけれども、その
調査
なさったときの
被爆
二世というのはどういう
対象
をとって
調査
なさったんでしょうか。まずその点第一点。
加倉井駿一
62
○
説明員
(
加倉井駿一
君)
原爆被爆者
の子孫における
白血病
死亡
標本の約五万三千人を
対象
にいたしまして、それにさらに
昭和
三十八年までに出生いたしました十六万三千人について二十一年から三十八年の間に
発生
いたしました
白血病
についての
調査
でございます。
小笠原貞子
63
○
小笠原貞子
君 そのときはその数字でいいと思いますけれども、いままた非常に数もふえてきておりますし、
被爆
三世という者も出てきております。ことしの八月原水禁世界大会、各地から
被爆者
の二世の問題が大きく取り上げられたわけです。その中で言われたことは、私
たち
がこの間も、私も
委員会
で質問したときに結局
被爆
二世の問題を明らかにすることは不安を与えるからということで現在
被爆
二世がどういう
状態
に置かれているかという実態
調査
もまだされていないということだったわけなんです。私
たち
も望み、
被爆
二世自身が望んでいることは決してそれを隠すのではなくて、おそれるのではなくて、ほんとうの
調査
をしてほしい。そうすれば結果的には大差がないというほんとうの、広範な
調査
対象
で正確なデータが出れば
被爆
二世は非常に安心するわけです。特に
被爆
二世の方が言われていたことは、
被爆
二世、すなわちいろいろな障害が出るというようなことで、逆に今度は非常に不安をかき立てられている。だから、
厚生省
が御配慮くだすって不安がないようにというようなことで
調査
が十分行なわれていないということが逆に不安をかえってつくっているんじゃないか。そういうふうな具体的な立場から考えてごらんになれば、ことしの
調査
でも
被爆
二世自身が
調査
対象
として
調査
をしてほしいというのですが、
厚生省
は望んでいないのだという御答弁になりましたけれども、
被爆
二世のうちの七〇%からがきちっとした
調査
をしてほしい。そうして
調査
をして、もし異状があれば、いま
藤原
委員
が言われたような原爆手帳、親の手帳でもいいから、自発的にやりたいというときにはやってほしいというような
被爆
二世自身の希望でもあるわけなんですね。そうすると、
厚生省
のやっている仕事というのは
被爆
二世自身の希望とも相当ズレが出てきているというふうに考えざるを得ないわけなんです。その辺のところをもうちょっと真剣に、早急に
調査
というような問題をはっきりさしていただかなければ、いつまでたっても科学的な
調査
なくして不安をばらまいていくという結果になると思うので、その辺のところをもうちょっと科学的にどういうふうに進めていくかというところを確信を持った御答弁をいただきたいと思うのです。
加倉井駿一
64
○
説明員
(
加倉井駿一
君)
被爆
二世の
遺伝
的な
影響
につきましての
対象
につきましては、御説のように一応選定ができると思いますが、それとやはり
調査
結果を比較検討いたしますためには同じような集団、全然原爆と
影響
のない集団を選ばなければならないと思います。その
二つ
の対照によりまして初めて科学的なデータの比較ができると思いますので、その
調査
方法につきましていろいろ検討いたしておりますが、非常にむずかしい問題があろうかと思います。したがって現在私どもといたしましては、
広島
あるいは長崎県当局と十分その
調査
方法等につきまして打ち合わせをいたしまして、やはり一日も早く不安がないような
状態
にいたすのが私どものつとめであろうというふうに考えておりまして、その
調査
方法につきまして現在鋭意検討中でございます。
藤原道子
65
○
藤原道子
君 何だか幾ら聞いたって同じような答えでいやになっちゃうのですが、検討中、検討中と言うけれども、
スモン病
にしても、それからイタイイタイ病にしても、政府は同じようなことを言って今日まで長年うっちゃってきた。もし検討して、ほんとうに二世の立場を考えるならば、とりあえず不安があるなら診察をすると、そうしてその故障がある者に対しての
治療
は、これは政府が見てやるということがなぜできないのか。今度八月二日に川崎では
被爆
二世についても、健康診断の結果、異常が認められた場合、
治療費
を全額市の
予算
で見ることを決定した。二世の救済
措置
は
被爆
地の
広島
、長崎両市でもなく、これが制度化された場合、
全国
で川崎市が初めてやったことになる。これは公害で悩みに悩んだ川崎市が、長年公害被災者の
状況
を見てきて、それで今度
被爆
二世についても市の
予算
でこれを見ようということになった。それならば、あなた方が
研究
の結果、出ない、出ないからと、もう戦後何年たっているんですか。そして結論が出るまでといったって結論の出し方はあんた方の自由ですよ。官僚的な考え方ですよ。結論が出る出ないにかかわらず、その不安とそれから心身障害の問題は現にあるんだから、今度公害についても資本家の無過失責任ということが各裁判所で判決されている。ところが、これは資本家の問題、こっちの問題は国の問題、国が率先してそういう不安を解消し、
国民
のしあわせのために
努力
するというくらいな考え方があってもいいと思うんだけれども、どうなんですか。私はもう時間がなくなりましたので、全部省略しなきゃならないのは残念でございますけれども、
ガン
がたいへんたくさん出ているけれども、これは
原爆症
としては認定されていない。こういう点にも私どもは納得がいかない。それで
ガン
と
被爆
の因果
関係
、原爆についてのこの
問題等
も聞きたいことは山ほどありますが、次の機会に譲りたいと思います。 そこで、最近、私がちょっと伺いたいと思っておりましたのは、近距離早期胎内
被爆
症候群、これで生まれた子供が、小頭症というんですか、頭が小さいんです。これは
全国
で一体どのくらいありますか。この小頭症の者は精薄というハンディキャップも加わっているといわれますが、この病気を認定した以上、
医療
法の趣旨にあるようにその健康の保持と向上がはかられ、それが実現されなければならないと思いますが、これらに対して政府はどのように考えて
調査
をしておいでになるのか。
加倉井駿一
66
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 原爆に基づきます小頭症で、現在生存されておられる方は約二十名ございます。これは当然
被爆
当時胎内におられた方が、その
放射能
によりまして小頭症が
発生
したということでございますので、これは原爆
医療
を適用いたしております。ただし、この小頭症の
治療
等につきましては、現在の医学、医術をもちましてはいかんともしがたい
状態
でございます。やはり、まあ正常児に比して弱いということで、その病気になりました場合は、原爆
医療
の
医療
費をもちまして
措置
をいたしている現状でございます。
藤原道子
67
○
藤原道子
君 相当死んでいるんですから、それは私はわかっているから聞きませんけれどもね。 そこで、
被爆者
に対する特別
措置
の問題でございますけれども、特別手当なんかにも所得制限があるんです。これらに対して支給額は一万円くらい。これは、所得制限をどうしてしなきゃならないのか。
被爆者
の立場というのはあんた方わかっているんですか。これが私には納得のいかない一つなんですが、これはどうなんですか。
加倉井駿一
68
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 所得制限につきましては、撤廃すべく
努力
をいたしたいと思っております。
藤原道子
69
○
藤原道子
君 いままでずっとやっておって納得がいかないのです。いっしますか。今度の
予算
に計上してありますか。
加倉井駿一
70
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 来年度の
予算
につきましては、所得制限を要求いたしたいと思っております。
矢山有作
71
○
委員長
(
矢山有作
君) 所得制限撤廃を、概算要求しているということですね。
加倉井駿一
72
○
説明員
(
加倉井駿一
君) そういうことです。
藤原道子
73
○
藤原道子
君 今日まで、所得制限を何だかんだと条件をつけて、わずか一万円とか三千円とか出している。あなた
たち
の気持ちがわからないんです。 私は、そこでもう最後に、
日本
の
被爆者
の問題は国会でもいろいろ取り上げてまいりましたし、それから
沖繩
での
被爆者
の問題も問題になっているので、あなた方は少しは考えてくれると思いますが、最近、韓国の
被爆者
が問題になっております。その点をちょっとお伺いしたい。 韓国人の
被爆者
の
措置
はどのように考えてこられたのか。それから、韓国人の
被爆者
は、その二世の場合、
わが国
の
被爆者
の問題よりさらに複雑かつ深刻な問題をかかえておると思う。それで相当多数が
被爆
、被災したけれども、韓国へ帰った人で、帰ってから相当死んでいるんですね。しかも、二重の差別を受けているのです。そこで、
わが国
はもちろんのこと、韓国にどれだけの
被爆者
やその二世がいるのか。また、かれらの
生活
の実態がどのようになっているかというようなことは、当然
調査
しておられると思いますが、その
状況
について御説明を願いたいんです。 聞くところによると、まあ一万五千人から二万人ぐらいいるように私は聞いておりますけれども、一体どのようになっているか。——聞いてください。いいですか、もう時間がないから。これが一つ。 それから、もう一つは、私の聞くところによると、韓国に今度原爆
診療
センターを設立する企画があるということが原水禁世界大会における宣言とあわせて採択されているんですよ。そこで、在日朝鮮人の
被爆者
に対して、
医療
・
生活保障
も必要であると思うし、韓国における
被爆者
と、来年三月から着工するといわれておる韓国の
診療
施設
に対してももちろん、物心両面から
わが国
が援助する義務があるというふうに思いますが、これらについてどのような援助の手を差し伸べようとしておるのか、具体的に御説明をしていただきたい。 この韓国へ、この間行っていらして、そうして
被爆者
を訪問された、その人
たち
の話を聞いて、胸が痛くなるような思いがいたします。いままで国交の
関係
は別といたしまして、
日本
で仕事に従事していて、
被爆
して、そうして向こうに帰った。これが、いろいろな点から非常に二重の苦しみを与えられている。見ていられないような
状態
に放置されているということを聞きます。それで、韓国に同情されている人
たち
が、今度、
日本
で相当寄付金を集めているらしい。ところが、政府も何らかのあれをするようにちょっと聞いておるんでございますが、そういう考えを持っておられるのかどうなのか、その点についてちょっとお伺いしておきたい。
加倉井駿一
74
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 韓国におられる
原爆被爆者
の方の概数につきましては、約二万人おるというふうに聞いております。しかしながら、残念なことには、韓国内におきます援助につきましては、私どもの外交上の問題といたしまして、一応私どもの国内法を適用するというわけにはいかないわけでございまして、いま第二点の御指摘のような
診療所
の設立等の問題がございまして、これを正式な外交ルートを通じまして私どものほうに申し出がございました場合には、
関係
各方面と協議いたしまして、できるだけの
措置
はとりたいと、かように考えております。
藤原道子
75
○
藤原道子
君 私の聞くところによりますと、韓国で今度この
施設
をつくるのに二億五千万円くらいかかる。で、もしもそれが寄付その他によってできるならば、できた後の
運営
は韓国政府が見ていこう、こういうのですって。ですから、いま一生懸命国内において寄付を集めていられるというふうに聞きました。何としても、まあ敗戦後の国際的ないろんな問題もございますから、私もその点わからなくはありませんけれども、
日本
において動員されて働いていた人
たち
ということだから、ちょっときょうお伺いをしたわけでございますが、正式な連絡とか交渉とかというものはないんですね。その点について。
加倉井駿一
76
○
説明員
(
加倉井駿一
君) まだ正式な外交上のルートで私どものほうへ申し出がございません。
藤原道子
77
○
藤原道子
君 この点はいま非常に韓国で騒いでおられる。これに対して同情して動いていられる人が多いということと、それから
日本
にも相当責任がある、アメリカにあるか
日本
にあるかということで、これはちょっと原爆の問題でお伺いしましたが、きょうもっともっとお伺いする
予定
でございましたが、省略いたしまして、次の機会にお伺いをしたいと思います。
スモン病
のことを簡単にお伺いしたいと思います。
原因
がキノホルムであるということが
厚生省
の
スモン調査研究協議会
から出されたんですね。これで
厚生省
は七月一日に特定疾患
対策
室を発足させたが、これからどのような方法で、いつごろをめどに
治療
体制を
整備
するのか、その方針をまずお伺いしたい。
加倉井駿一
78
○
説明員
(
加倉井駿一
君)
スモン
につきましては、特定疾患ということにいたしまして、従来と同様な
治療
研究
、
調査
研究
を進めてまいるつもりでございます。
藤原道子
79
○
藤原道子
君 最近非常に自殺者がふえているんですね。非常な問題になっているんです。
スモン病患者
が
全国
にあなた方の
調査
ではどれだけ存在しますか。また病状がどうなっているか。
スモン病患者
をかかえた家庭の
生活
実態はどうなっているのか。これをまずお伺いしたい。
加倉井駿一
80
○
説明員
(
加倉井駿一
君)
昭和
四十七年の二月二十六日現在におきまして
全国
で九千百三十一名、うち確実例といたしまして五千七百七十名、容疑例といたしまして三千三百六十一名となっております。患者の
養護
につきましては、全治経過の者が約七八%、不変の者が一四%、さらに悪化しております者が八%、まあこういう現状でございます。さらにこれらの患者の実態につきましては、本年度も引き続き実態の
調査
、あるいは
治療
研究
等、
研究
協議会、さらにその中の疫学部会におきまして実態を把握してまいりたい、かように考えております。
藤原道子
81
○
藤原道子
君 結局ね、今度田中総理が最近各地で
人間尊重
だと、人間
福祉
の立場から公害や難病、奇病の患者に対しては全額
公費負担
をすると言明しているのですね。 で、私はここにいろいろ
資料
を集めてきているのですけれども、きょうは時間がございませんので、
スモン病
にどれだけ苦しんでおるか、実態を、
病院
へもこの間行って見てきたのです。こういう立場から、この総理の言明もあるし、
厚生省
としての責任もある。ことにキノホルムは劇薬として指定されたことがあるのですね、
昭和
十一年ですか。それがその後使われたのですね、自由に。こういう点についても私はきょうは追及したかった。けれどもきょうは時間がございませんので、この次の機会に譲るといたしまして、ひとつ
スモン病
の実態、難病の実態、これらについては強く
対策
を急いでいただきたいということを要求いたします。 そこで、時間がないから足らないところは
高山
さんに質問していただきますけれども、——私は四時の汽車に乗らなければならない。 いま問題になっておりますのは同和鉱業
柵原鉱業所
の問題であります。この実態を
調査
いたしまして、私は非常に
問題点
があるということを痛感してきた。御案内のように、
月産
六万トンの
生産体制
からこれを今度は三万五千トンに
減産
すると、それによって現在千三百七人の
従業員
のうち八百一人を
整理
する。ところが同和鉱業は
柵原
が
中心
だったのです。都市をあげて——労働省来ていますね。都市をあげてそれに協力してきて、今日まで成果を
全国
的にあげたのは
柵原
の諸君の力だと思うのです。ところが……。
矢山有作
82
○
委員長
(
矢山有作
君) 労働大臣、労働問題の質疑が始まったところですから……。どうぞもう一ぺん、いま労働大臣おらなかったから初めからその問題に入ってください。
藤原道子
83
○
藤原道子
君 聞いてちょうだい。同和鉱業は今度
柵原鉱業所
で、さきの視察にも、
報告
書にもあったように、非常にきびしい合理化方針が打ち出されている。それでその一つに、
月産
六万トンの
生産体制
から急に三万五千トンに
減産縮小
するということによって、現在千三百七人の
従業員
がいる、ところがこのうちの八百一人を
整理
する。半分以上です。これを
整理
する。その大部分が中高
年齢層
という実態なんです。それで
労働組合
としては、これから大いに
会社側
と交渉するわけでございますけれども、あなた方は、労働省は、労働者を保護する立場から、これはどうお考えになるか。時間がないから続いてやりますよ、これがまず第一。 それで、その合理化方針に近く
会社側
と
労働組合
とが交渉を行なうのですけれども、だからきょうはあまり詳細にお聞きすることは省略いたしますけれども、いま大きな柱は定年制の延長とか、あるいは週休二日制とかということを労働省では
推進
しておいでになる。しかも日経連は七月末の経営トップセミナーで、
中高年齢者
問題を大きく取り上げている。ところが定年制は延長すべきであるというけれども、こうして
会社
の一方的なやり方、急速に半分以上首にするようなこのやり方に対して、あなた方は一体どうお考えになり、これをどうしたらいいとお考えるになるかを聞きたい。 それから同和鉱業の
合理化案
は、現在のままの人員
規模
で経営を続けていったら数年後に
企業
の存続が危険になるというけれども、いろいろ私
たち
が調べますと、まだ相当もうかっている。ここに
資料
もございますけれども、たいへんもうけが——若干減ったとしても驚くほどまだもうけがあるにもかかわらず、首にした労働者の再就職の面ですね、これらに対してはあまり熱心でないし、それからそこで首切られた中高
年齢層
の
生活
は一体どうなるだろうかというところに大きな問題があり、不安にかられておるのが
労働組合
。そこで、この問題に対してまあ大臣としては、この中高
年齢層
が急速にばっさりと首になるようなことに対してどうお考えになるのか。
会社
がほんとうに行き詰まっているならまた別です。ところがまだ余裕があるというのが周囲の見通しなんですが、これらに対してちょっとお伺いしたい。
田村元
84
○国務大臣(田村元君) この問題、私も
報告
を受けまして、率直に言えば非常に胸を痛めております。ただ、労使がまだ話し合う段階でございますから、労働省がとかく言うわけにはまいりませんけれども、この労使の話し合いというものを私も注目してまいりたいと思っております。 それから、首を切られるのは中高
年齢層
であろうというお話でございますが、私の聞き及んでおるところでは、九月三十日に定年になるという人は別問題として、満二十五歳以下の者、これはおそらく私の察するところ、満二十五歳といえば再就職が非常にやりやすいということだろうと思うんですけれども、満二十五歳以下の者を除く全員がこの勧告の
対象
になるということも聞いております。しかしながら、そういうことにはなっておりましょうけれども、現実に首を切られる者は年寄りが多くなるんじゃないか、これも率直に私どもそう判断をいたしております。でございますから、もちろん労使の、先ほど申し上げたように、話し合いをじっと注目していかなきゃなりませんが、最悪の事態を迎えたときにも、求職手帳の扱いその他でわれわれなりに万全の
措置
をとっていきたいというふうに思っております。 なお、定年延長、これはもう私が大ぎょうに言えば政治生命をかけるくらい一生懸命になっている問題でございますが、御承知のとおりですが、そういう機運のときに、老齢であるがゆえに首を切られるということが起こりますことは、これはまことに悲しいことでございます。でございますから、そういうことも踏まえて私どもは何としても定年延長というものを実現しなきゃならぬ、そのためにもがんばらなきゃならぬ、こういうふうに思っております。私も、具体的な幾らもうけておるかということまでは存じませんけれども、この問題につきまして私の考えることを申し述べておきたいと思います。
藤原道子
85
○
藤原道子
君 きょうはこの問題について、通産省にも来ていただいたりいろいろしていただいたのですけれども、たいへん失礼いたしましたが、時間がございませんので……。 そういう考え方で、蓄積財産もたいへんあるんです。にもかかわらず、今度は
病院
も急に
診療所
に置きかえる。
会社
がやっている
鉄道
も半分以下に切り下げる。そうすると結局は通学とか通勤に非常に
影響
が起こる。それからまた、
病院
がなくなることも考えられるし、
会社
をささえてきた労働者の今日の
生活
の問題が大きな問題になる。余裕がありながらそういうことをするということに納得がいかないのです。
資料
があるのですけれども、きょうは時間がありませんので、大臣を呼びながらたいへん失礼いたしましたが、そういうことをこれから交渉をするのですから、九月の二十日というのはまだ時がございますので、十分お聞きになって、ぜひ
企業
側と話し合いをしていただいて、いまの
会社
をささえてきた労働者が中高
年齢層
になっているので、したがって、これらの人の
生活権
を守るような指導をしていただきたいことを強くお願いし、
厚生
大臣には
病院
の問題その他でひとつ御協力を願いたいということをお願いして、時間がまいりましたので終わります。
高山恒雄
86
○
高山
恒雄君 ちょっといまのに関連して。 いま
藤原
委員
の言われたことで事は尽きておるのですが、一番大きな問題は、この約半数の
人員整理
をするということです。したがって、長い間産業として今日まで発展した過程において、少なくともこういう——
会社
もドルショックの面があるということを強く主張いたしておりました。けれども、合理化というのは一挙にやると一挙に犠牲が出るわけです。合理化の責任というのは経営者にあるわけなのです。先の見通しを立てて、まあドルショックがどのくらいの
財政
的な問題に響いたのか、これは私も
調査
をいたしませんでしたけれども、しかし、いま直ちに半数にしなければならぬということではないじゃないか。こういう問題については、私はやはり労働省として失業
対策
の一環からしてももっと深く指導と考慮を考えてやらすべきだと、こういう点をひとつ
要望
いたしておきます。 なお、
厚生省
については、これは現地でも私
たち
は
調査
に行きましたときに申し上げておいたのですが、この
柵原病院
というのは、
病院
という名目のもとに、四十六年度の統計ですけれども、八千百五十九名、そのうちの四百五十五人が
入院
できるというような大きな
施設
なのです。こういう
施設
を今度は何にしようとするかというと、
診療所
に変更しようというのです。
病院
を
診療所
——いわゆる半数に減った人の
診療所
という形で
一般
にも使用させておったものを今度はこれを封鎖してしまう。これは何といっても
社会
問題なんです。したがって、これはもう村をあげての重大な問題の一つとなろうと思うのですよ。労使
関係
の問題以外に、その村の
社会
問題として起こっておるこの事実をこれは見のがすことができないと私は考えております。したがって、現地においてもわれわれはそういう
意見
を述べてはおきましたが、非常に重要な問題で、これは労働省、
厚生省
十分に連絡をとって、どういうふうにして一体継続をさせていくことが正しいかという面について、最小限の犠牲者で食いとめて、そうして将来に備えていくという方針でやっていただくことを強く私は労働省と
厚生省
に
要望
申し上げておきたいと思うのです。
—————————————
矢山有作
87
○
委員長
(
矢山有作
君)
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 本日、上原正吉君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
土屋
義彦
君が選任されました。
—————————————
小平芳平
88
○小平芳平君 他の
委員会
で、私が
食品中毒
による被害者、あるいは
薬品
による被害者、こうした被害者を公害に準ずるというか、公害
健康被害者
の救済法が公害にはできておりますが、こうした食品の被害者、
薬品
の被害者についても同じような趣旨で
救済制
度を立ててほしいということを主張したのに対して、塩見
厚生
大臣が、四十八年の
予算
の編成期にも
当たり
ますのでその線で編成作業を進めますという答弁があったわけですが、その後の経過について食品と
薬品
の両方について御説明をいただきたい。
塩見俊二
89
○国務大臣(塩見俊二君) ただいま小平
委員
からお話がありましたとおり、前回他の
委員会
でございましたが、その席で食品あるいは薬害等による難病に対しまして、ひとつ明年度の
予算
におきましては、これらについて前進をした
対策
をとりたいということをお答えを申し上げたわけでございます。それ以来私どもといたしましてはいろいろの難病——難病と申しましても従来
厚生省
でいわれておりました
スモン
、ベーチェット等の難病ということに限らずに、いわば
社会
的な難病、
社会
的な関連による難病あるいは
治療方法
が発見をされていないとか、あるいは非常に長期の療養を要するとか、あるいは高額の患者
負担
を要するというような、一家がそれによって暗やみになるような、そういったような難病等につきましては、明年度特別に
難病対策
として前進をした施策を申し上げたいということで、さしたいということでいろいろ検討を加えまして、若干は概算要求の中に織り込みましたが、大蔵省におきましても重点施策につきましては九月一ぱいというようなことにもなっておりますので、ただいま実は各局にまたがるものでございますので、各局を通じまして一つのプロジェクトチームというようなものをこしらえて、これが
対策
をただいま作業を進めておるわけでございまして、何らかの前進をぜひともはかりたい。これは田中総理の御
意見
でもございますので、何らかの前進をはかりたいということでせっかく
努力
をさしていただいておる
状況
でございます。
小平芳平
90
○小平芳平君
難病対策
全体については後ほどまた私はあらためて質問をいたしますが、
厚生省
当局として、私がいま問題提起をしている
食品中毒
による被害それから
薬品
による健康被害、この
救済制
度をつくろうとしているかいないか、どういう準備をしているか、その点ひとつ具体的な答弁をいただきたい。
浦田純一
91
○
説明員
(浦田純一君) 食品による事故に対しまする被害者救済の制度と申しますか、どのような形でもって被害者の迅速な救済をするかということにつきましては、御案内のように前国会におきまして食品衛生法の一部改正のときに参議院でも附帯決議がつけられまして、その制度の実現を一両年中にするようにということでございますので、私どもといたしましてはさっそく制度的な問題あるいは実際にいろいろと過去に起こっておりました事故等の
内容
を
調査
いたしまして、さらに来年度中には先ほど大臣からも御披露ございましたように、概算要求の中にこの
関係
の
調査
費を要求いたしまして、正式に
厚生省
としてこの問題を検討して、その実現につとめるようにしてまいりたいということで、現在その概算要求の中身等の検討をしている段階でございます。
松下廉蔵
92
○
説明員
(松下
廉蔵
君) 医
薬品
の副作用に関する
救済制
度の検討につきましてお答えいたします。 小平先生ただいま御指摘のように、食品の問題と並びまして医
薬品
の副作用による事故が最近いろいろと生じておるわけでございます。医
薬品
につきましては多少通常の公害と違う要素もあるわけでございまして、医
薬品
は相当強い作用のものを使わざるを得ないというような性格から、副作用が当初からある程度は認められるものであっても、より大きな
医療
の目的を達するためにその副作用を防止しながらある程度使わなければならないというような場合もあるわけでございますし、また、医
薬品
が製造された当初におきましてすべての副作用を
調査
して副作用なきを期するのが理想でございますが、時といたしまして、
調査
の手の及ばなかった副作用が長期にわたっての服用等においてあらわれるというような例もまれにあるわけでございます。そのようないろいろな医
薬品
の特殊性等を考えますと、医
薬品
の副作用の被害者の救済につきましては、やはり特殊な制度がなければならない。ただ、いずれにいたしましても、この副作用にも、たまたまその副作用を受けられた方は何ら自己の責任によらない場合が多いわけでございまして、そういう点からは何らかの救済
措置
が必要であろうと存じます。 ただ、どんな方法によって、どういうような程度にというような問題、これはいろいろ法律上、技術上むずかしい問題がございまして、実は今年度から局内で専門家の
意見
も聞きながら勉強会をいたして詰めておりますけれども、なおこれは慎重に検討を要する、しかも早急に実現しなければならない問題でございますので、来年度におきまして、ただいま環境衛生
局長
からお答え申し上げたのと同様の趣旨の医
薬品
の事故に関します
調査
機関と申しますか、
調査
費を要求いたしまして、もう少し広い範囲の専門家の御
意見
を聞き、またいろいろな
資料
等も収集し、外国の制度等も勘考いたしましてできるだけ早く制度化いたしたい、そのように考えて勉強を進めておる次第でございます。
小平芳平
93
○小平芳平君
厚生省
としての概算要求はまだまとまったものはないでしょうけれども、四十八年度の
予算
要求の重点
項目
、これを私の部屋へいただいたのですけれども、この中に私が見て非常にがっかりすることは、いまの
食品中毒
、すでに森永の砒素ミルクは事件
発生
後十七年、それからカネミ油症で四年、こういう事件
発生
以来長い間、苦しみ苦しみ抜いて後遺症に悩み苦しみ抜いている被害者、この被害者の方
たち
にとっては国が
食品中毒
による
救済制
度を立てようということで発表がありましたので、いつだ、いつだと待っているわけです。にもかかわらず具体的には二百二万九千円ですか、
食品中毒
の
調査
費が。こんな
調査
費では……。もうそういう段階ではないでしょう。それは森永でしたら
企業
が出せばいいですが、カネミの場合には、実際上
企業
から現在の公害被害者と同じように毎月金を出せと言っても出せられないわけでしょう。そういう場合、とりあえず国なり県なりがたてかえて被害者救済をやる、そのための
予算
を要求しなくては、——ようやくいまになって
調査
費をこれから要求しようというようなことでは、早くても四十九年になってしまうのですね、もっと進んだものができないのですか、いかがですか。
浦田純一
94
○
説明員
(浦田純一君) 確かに非常に急を要する問題でございます。いろいろと制度的にもあるいは技術的にも検討をしなくてはならない点もまたあるのも事実だろうと思います。そこで、
調査
費、概算要求でまだ固まった段階ではございませんが、
調査
費として計上いたしてあるとしますれば、それはむしろ制度的な問題についての検討をいたすということで、実態
調査
をいまから始めるといったような趣旨のものではございません。早く制度的なものについての検討を、もちろん諸外国の例なども参考にしなくちゃいけませんが、そういったことを
調査
し、結論を出すというための費用を想定いたしておるわけでございます。できるだけ私どもとしては早くこの問題について結論を出したいということで、今後とも
努力
をしてまいりたい所存でございます。
小平芳平
95
○小平芳平君 そういう意味の制度の
調査
なら、何も二百万円程度の
調査
費がなくてもいまからできるじゃないですか、いまからでも。 そうしてもう一つ伺っておきたいことは、いま私の述べましたようなカネミ油症とか森永砒素ミルクのような、そうした被害者が入るわけですね、その点いかがですか。そうした人
たち
を
対象
にした制度を考えようということでしょう。
浦田純一
96
○
説明員
(浦田純一君) もちろん
予算
が入りましてから初めて
調査
をし、勉強するということではございません。現在でもやれる範囲でもって
研究
もし検討もしているつもりでございます。しかしながら、やはり正式に国の
事業
として、
厚生省
の
事業
として取り組むというところに一つの意義があろうかと思いますので、概算要求をいたした次第でございます。 それからカネミ、あるいは森永砒素ミルク、これらの点を含めるか含めないかという点も含めまして検討してまいりたいと考えております。
小平芳平
97
○小平芳平君 まあ
局長
の答弁はすぐそういうことになってしまうんですが、大臣、その辺はもうきのうやきょう起きた問題じゃないわけですから、また実態
調査
をするまでもなく、
厚生省
わかっているというのですが、私はわかってない点を数々これから指摘していきますけれども、とにかく大臣としては四十八年度中においてこうした被害者救済が始まるように御
努力
願いたいと思うのですがいかがですか。
塩見俊二
98
○国務大臣(塩見俊二君) この前も御答弁申し上げたと記憶いたしておるのでございますが、こういったような病気に対しまして、まあ前大臣は公害病に準ずる取り扱いをしたいというようなお話、御答弁も申し上げておったようでございまするが、私も公害病等のこの被害者の方々を懸隔のない、バランスのとれたような救済
措置
を考えてまいらなければならぬと申し上げたような次第でありまして、したがいまして、こういった問題を考える場合に、あるいは森永の場合とカネミの場合を比べてみましても、必ずしも責任者が、加害者が完全に——加害者の
負担
能力
、あるいは
能力
等にも若干の差があるようでございますし、あるいはまたその加害者のきまる前の
措置
の問題がございましょうし、あるいは
能力
不十分な場合の
措置
がございましょうし、また各病気につきましてはそれぞれ特別の
対策
を講じなくちゃならぬというようなこと等も考えられますので、そういったようなものをそれぞれ適切な
対策
ができるように、そういったようなものを含めたひとつ救済
措置
をぜひ考えたいということで鋭意これから
努力
をしてまいりたいと思うわけでございまして、なかなか一つ一つの問題を取り上げますとそれぞれむずかしい技術的な問題もあるようでございますし、そういうようなものを総合して、そうしてこの前も御答弁申し上げましたとおり、こういった非常な難病に対する、この被害者の方々が、やはりバランスのとれたような姿で対処できるというような救済方法を検討してこれを実現するように、真剣に
努力
をしてまいりたいと思っております。
小平芳平
99
○小平芳平君 ただいまの御趣旨はよくわかりますが、いまここで一番大事な点は、四十八年度は制度
調査
だけで終わるのか、それとも制度の
調査
はそんなに一年もかかるわけじゃないと思うのですよ、実態がわかっているというのですから。したがって、まだ大蔵省に概算要求を出したわけではないのですから、大臣としては四十八年度中においてその救済が発足できるような御
努力
を願いたい、御決意を願いたい、こういうことを申しているのですが、いかがですか。
塩見俊二
100
○国務大臣(塩見俊二君) いや、小平
委員
の言われること、ごもっともでございまして、基本的な問題につきまして若干時間も要するということもあろうかと思いますが、四十八年度でできる施策につきましては、効果がある施策につきましては、これを実現するように
努力
したいと思います。
小平芳平
101
○小平芳平君 それからカネミ油症の問題はあとでまたもう少し詳しく質問いたしますが、大臣が発言されると、田中総理は難病は公費で
負担
すると、あるいは
スモン
やイタイイタイ病のようなものも
公費負担
すると発言したわけですから、何かその辺非常にあいまいなんです。したがって、
スモン
については、先ほど答弁がありましたが、それじゃだめでしょう。
局長
は前
局長
から申し送りを受けていないですか。
スモン
は四十六年度で
調査
研究
と
治療
研究
をやったけれども、実際その
治療
研究
費のほうは余っちゃったわけでしょう。いままでのやり方はだめだったと、新しいやり方をしなければいけない、そういうことになっているでしょう、いかがですか。
加倉井駿一
102
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 四十六年度の
予算
におきまして
スモン
の
治療
研究
費が残額を生じましたのは、一応六百名を
予定
いたしまして
予算
を計上いたしましたところ、その六百名のうち約二百名につきましては健康保険法の本人、あるいは
生活
保護法の
対象
でございまして、約四百人がその
治療
研究
費の該当になったという事態におきまして、二百名分の
治療
研究
費が残額を生じたと、こういうことでございます。
小平芳平
103
○小平芳平君 いや、問題は、
入院
に限ったのが実態を知らないから
入院
に限ってしまったわけなんですね。実際は
入院
したくても
入院
させてくれないのが実情じゃないですか。しかも
入院
していても
治療
の方法がない、それが実情でしょう。したがって、重症の
入院
に限るということが間違いであった。実際上
スモン
の患者が先ほどのお話では九千人ですか、確定的な患者でも五千人、それだけの患者が
発生
しているのに、六百人に限る
理由
がどこにあるのですか。ですから、ただことばだけで
人間尊重
だとか難病は
公費負担
だとか、ことばだけで言われてしまいますと、被害者はそんならば自分
たち
も救われるかと思うのですよ。にもかかわらず実情は九千人のうち六百人に限った、その六百人の中で四百人だった、そんなことじゃ
人間尊重
にもならなければ難病
公費負担
も実現したなんて言えないでしょう、どうですか。
加倉井駿一
104
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 昨年度の
予算
執行につきましては、御指摘のような事態が起こっております。しかしながら、私どもの
治療
研究
費の
対象
といたしますものにつきましては、やはり一応
入院
した者につきましての
治療
研究
ということにつきまして重点的な施策を考えておった結果だろうというふうに推測いたしております。したがって、いま御指摘の
通院患者
につきまして
治療
研究
費の
対象
にすべきではないかというお話もございますが、私どもの
予算
の性格上、
治療
研究
の
推進
という見地から、それを公費の
負担
の
対象
にすべきかどうかということにつきまして検討中でございまして、今後の課題と現在のところ考えております。
小平芳平
105
○小平芳平君
局長
、前
局長
は、筋無力症とか
スモン
とかベーチェット、そうした難病については
治療方法
がわからないわけでしょう。
入院
させてくれといったって
入院
させてくれないのが実情じゃないですか。したがって、これからの
対策
としては
入院
には限りませんというふうに答弁したでしょう。滝沢さん、どうですか。
滝沢正
106
○
説明員
(滝沢正君) 私が担当しておりました当時の考え方につきましては、ただいま先生おっしゃるとおり、
入院
治療
という性格だけに限らず、いわゆる
研究
という
対象
で外来も必要であろう。というのは、特にベーチェットあるいは筋無力症については医学的な観点からも、病気の性格からもその点が重要であるというふうに考えまして、確かに国会等におきますお答えの中でもその点をはっきり申し上げております。ただいま現
局長
がこの点について触れましたのは、外来の事務処理は
入院
と違いまして新しい方式を導入しますので、各方面との折衝の
問題等
も含めて検討しておるということであろうと思いまして、私はその方針を引き継いで検討してもらうということでお願いしてございますし、したがって外来患者のうち
入院
治療
に、いわゆる
研究
治療
ということに関連あるものを、どういう
対象
をどういうふうに取り扱う、あるいは
入院
と同様定額としたら幾らの金額なり、実態はほぼわかっておりますけれども、それに応じた金額の設定、それから外来に導入することによるベーチェット、筋無力症その他外来
治療
がむしろ多いというケースに対する対処等も含めて、おそらく
関係
方面との折衝を含めて検討中ということであろうと思いますので、私のお答えした方向というもので検討してもらっておる、こういうふうに私は考えております。
小平芳平
107
○小平芳平君 その
関係
方面というふうなことをいま聞いておるのじゃなくて、大事なことは、この
治療
研究
というもの、これはきわめて、九千人のうち六百人にしぼるということ自体が
人間尊重
じゃないでしょう。そこで、そういうようなしぼり方をしないで、そしてもう
生活
困窮、
生活
が困難の上に長年病気で、どん底にいるわけですので、早く在宅を含めた
治療
研究
費を支出してほしい。四十七年度
予算
は五億三千万ですか、もうとっくに成立しているんですが、これはいつ、どういう形で開始されますか。
加倉井駿一
108
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 本年度の特定疾患の
治療
研究
費につきましては、
スモン
につきましては四月からということになっております。残余の三つの疾患につきましては、近く決定をいたしたいと思っております。
小平芳平
109
○小平芳平君
スモン
は四月からということは、在宅を含めてですか。
通院
を含めてですか。それから、これからの三
種類
は
通院
を含めてですか。
加倉井駿一
110
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 先ほど申し上げましたように、一応原則として
入院
を
対象
として考えております。在宅の
通院
治療
につきましては、ただいま医務
局長
からもお話がございましたような線に沿って、現在検討中でございます。ただし、在宅患者の、いわゆる
福祉
面の
措置
につきましては、
治療
研究
費の
対象
にならないと考えておりますので、あくまで
治療
研究
あるいは
調査
研究
を
主体
にした執行ということに相なろうかと思います。
小平芳平
111
○小平芳平君 そうすると、ちょっと
局長
、はっきりしていただきたいことは、
主体
は
入院
かもしれませんが、
通院
も含めるということ、これが一つ。それから三疾患については近くというんですがね、これも滝沢さんが
局長
の当時は九月か十月という目標を言っておられたんですが、いかがですか。
加倉井駿一
112
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 第一点のことにつきましては、従来の方針でまいると思います。それから第二点につきましては、一応九月を目標に執行したいというふうに考えております。
小平芳平
113
○小平芳平君 それじゃ、滝沢
局長
はおそらく答弁した趣旨で進めるだろうということを言っているんですが、
通院
を含めないとなったらだめじゃないですか。
厚生省
の方針ががらっと変わっちゃう。大臣、どうですか。そういうふうに
局長
が
意見
が食い違ったら大臣が指示していただきたい。
矢山有作
114
○
委員長
(
矢山有作
君) 答弁がそのときどきで食い違ったんじゃ困りますね。出たとこ勝負の答弁をするところじゃないんだから、
委員会
は。
塩見俊二
115
○国務大臣(塩見俊二君) まあ、いまの答弁、私も聞いておりまして、必ずしも実は食い違っておるようにも感じなかったわけでございまするが、これは意思を、私も責任持って統一をしてやりたいと思います。
小平芳平
116
○小平芳平君 大臣、統一はけっこうですが、結局筋無力症という病気の方は、
入院
している人が何人いますか、何人。第一
入院
させてもらえないわけですよ。それを
入院
に限ってしまったら
対象
がほとんどなくなっちゃうわけです。ですから在宅の人を含めなければ、
人間尊重
、難病
公費負担
なんて口先だけになっちゃって困るわけですよ。そういう点どうですか、大臣。
塩見俊二
117
○国務大臣(塩見俊二君) 本年度の
予算
がどういう
内容
であったか、私実はまだ承知していないわけでありまして、この点につきましては、そういう点も十分に明らかにして、そしてどういうふうな
予算
の執行が適正であるかと、また小平先生の御
意見
等も承りましたので、そういう点も頭に入れて、
予算
の正しい執行に
当たり
たいと思うわけであります。 ただ、私がいろいろ申し上げましたのは、混同されては困ると思いますので、まあ今後来年度の施策につきましていままで御答弁申し上げておったわけでありまして、本年度の
予算
の
内容
等につきましてはまだつまびらかにしておりませんので、その点もひとつ十分に検討さしていただきたいと思います。
小平芳平
118
○小平芳平君 それなら四十七年度
予算
は、滝沢
局長
の時代に編成された
予算
ですから、その滝沢
局長
が筋無力症、ベーチェット病は、当然
通院
を含めてというふうに、はっきりしばしば答弁をし発言をしていたわけですから、新
局長
、前
局長
の
予算
編成、また国会の審議の過程、そのとおり受け継いでやってください。そのとおり受け継いでやるのがあなたの任務でしょう。いかがです。
加倉井駿一
119
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 御説のとおり十分検討さしていただきたいと思います。
小平芳平
120
○小平芳平君 検討じゃないですよ。滝沢
局長
が——四十七年度
予算
の中身が問題だというふうに大臣がおっしゃったので、四十七年度
予算
、五億三千万ですか、特定疾患
対策
費が。その中身は滝沢
局長
が、前
局長
が
局長
時代に編成し、そしてまた
スモン
等の特定疾患も滝沢さんが
局長
時代にきめ、そして
通院
を含めた、在宅を含めた
治療
研究
費を考えておりますと、そういうことにいたしますと言っているのですから、そのとおりやるのが当然でしょう。どうですか。
加倉井駿一
121
○
説明員
(
加倉井駿一
君) 外来
治療
等につきましても、やはり
治療
研究
の
対象
になるというものにつきまして、たとえば筋無力症、これが御指摘のとおり外来
治療
が多いという事実もございます。したがいまして、その支払い方法等にも若干問題がございまして、検討すべき事項が残っているということを申し上げると同時に、やはり前
局長
の意思を継ぐべく
努力
はいたしたい、かように考えております。
小平芳平
122
○小平芳平君 いや、まあこれだけやっているわけにいきませんけれどもね。支払い方法の検討をするのはこれはいいですよ。それもそんなに長くかからないでしょう、支払い方法の検討ぐらいに。ですから、大臣いまのような次第なんですから、ひとつ大臣からそういう趣旨の指示をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
塩見俊二
123
○国務大臣(塩見俊二君) ただいまも御答弁申し上げましたとおり、この
内容
等につきまして、実はこの
委員会
で私も初めて聞いたような次第でございまして、若干時日をかしていただきたいと思います。
小平芳平
124
○小平芳平君 こうなったらひとつ滝沢
局長
がんばってください。 それから、次に、先ほどの続きですが、
薬品
による健康被害ですね、これはいろいろむずかしい問題があるということを代々の
局長
がおっしゃっているわけですが、たとえばストマイ、あるいはコラルジル、これなどは国自体が因果
関係
を認めているわけですね。結局、そういう副作用があるということは、ストマイの場合なら難聴あるいは神経障害があるということを認めるいる。コラルジルについても新潟地裁へ出した書類には因果
関係
はほぼ大局的に認めたように新聞で報道されております。こうした被害者の救済はどこがやるべきか。
企業
から出させるなら早く
企業
から出させるように、国に責任があるなら早く国が責任をとって救済をするようにするのが当然ではありませんか。 そこで、ストマイについては特にどういう経緯があって許可になったか、使われるようになったか、その辺をひとつ具体的に御答弁願いたい。
松下廉蔵
125
○
説明員
(松下
廉蔵
君) ストレプトマイシンの製造許可、あるいはいまの法律で申しますと製造の承認ということになりますが、その経緯でございますが、
昭和
二十四年の六月にストレプトマイシン
研究
協議会という
厚生
大臣の諮問機関が結成されまして、——ストレプトマイシンは御存じのように外国で発明されたものでございます。——技術を導入いたします
生産
及び応用に関する
研究
が行なわれまして、その協議会の結論に従いまして同年十二月に薬事法に基づきますストレプトマイシンの製造基準というものが制定されております。この基準に基づきまして製造されるストレプトマイシンにつきまして、
昭和
二十五年の四月以降各メーカーに対しまして順次当時の法律で申します製造許可が行なわれておる次第でございます。
小平芳平
126
○小平芳平君 そこで私が他の
委員会
で、あるいは前国会の
委員会
でストマイのことを取り上げたときに、三十八年に通知を出したというんでしょう、それ以後は被害者が減っているというんですが、実際は被害者が
発生
しているんです。現に川崎市で訴訟を起こしている青山さんという方も四十一年から
治療
を受けた方です。ですから、そういうような被害に対してどこが責任を持つわけですか。
松下廉蔵
127
○
説明員
(松下
廉蔵
君) これは先ほども全体の被害者の救済の制度化のところでも御答弁申し上げましたように、いろいろな要素が含まれておると思います。ストレプトマイシンにつきまして申しますと、これは御承知のように製造許可されました当初から難聴あるいは平衡
機能
障害というような副作用がそう多いパーセンテージではございませんけれども若干あるということは知られておりまして、したがって、使用上の注意につきましても副作用に注意しながら使うようにというようなことを書く義務を基準の中で設けておるわけでございます。ただ半面ストレプトマイシンは、製造されました二十四年当初といたしましてはなお結核患者がたしか二百万人をこえておった時分であろうと思います。そういった時期におきまして、結核の化学療法剤といたしましてはほかにかわるもののない非常に大きな効果を持っておったものでございまして、したがって、
医師
の立場といたしましても、ストレプトマイシンを結核の
治療
のために副作用に注意しながらも使わなければならないというような事情があったわけでございます。先ほど御指摘の三十八年とおっしゃいましたのは、その後四者併用等の他の化学療法剤の優秀なものが出てまいりまして、ストレプトマイシンのみにたよらなくても結核の
治療
が進められるという体制が出てまいりまして、そういった段階におきましてストレプトマイシンの使用の基準につきまして副作用に対する注意事項を順次強化していったというような時期を申し上げたんであろうと思いますが、そういうようないろいろな要素がからみ合っておりますために、一つは副作用があるということを知りながら使わざるを得ない、ある程度受認しなければならない立場になる場合もございます。半面、これを使用いたします
医師
としても、十分そういう副作用を観察しながら適当な投与をしていくというような職業上の立場があるわけでございます。また、メーカーといたしましても、そういった医
薬品
の開発を通じて、できるだけ副作用の少ないものをつくるとか、あるいは使用上の注意におきまして、そういった点をはっきり書くというような義務を課せられておるわけでございまして、この問題について申しますと、ただいま訴訟も起こっておる段階でございますので、いまだれの責任においてということをここで判断いたしますことは、ちょっと困難ではなかろうかと考えております。
小平芳平
128
○小平芳平君 そこで、医
薬品
による被害者
救済制
度を考えようという場合に、その場合にはいまのストマイ、コラルジルというように因果
関係
のはっきりしているもの、これは当然入れるということを前提に、そうしたものを
対象
に検討が始まるわけでしょう。そのように理解してよろしいですか。
松下廉蔵
129
○
説明員
(松下
廉蔵
君) いま御指摘の医
薬品
のうちで、コラルジルはもうすでに国内でも販売されておりません。ストレプトマイシンにつきましては、いま申し上げましたように、相当の副作用がございますが、やはり結核には非常に大きな効果を持っておりまして、気をつけながら使っておるというのが実情でございます。御質問の趣旨は、こういったものが制度化された場合に、過去においてそういう副作用の
対象
になった人
たち
に対しても適用されるべきかどうかという御趣旨の御質問かと存じますが、そういう御趣旨でございますか。——そういう点につきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろな例等から考えまして、いま専門家の
意見
を聞いており、さらに来年度そういう
規模
を広げまして、専門家の
意見
を聞き、外国の制度等も調べて、制度として決定しなければならない問題でございまして、いまどういうふうにするということを申し上げるだけの自信はございませんが、ただ過去の例等から見ますと、たとえばかなり例はこれは違うとは思いますけれども、予防接種の事故による
救済制
度、これも行政的に一応制度化されておる例がございます。こういったものにつきましては、過去にさかのぼりまして、予防接種法あるいは種痘法に基づく予防接種である限り、証明がつけば
対象
にするというような
措置
がとられている例もございますので、やはり私としては、できればさかのぼって適用されることが望ましいのではないかといまの段階では考えております。
小平芳平
130
○小平芳平君 できれば望ましいというようなことじゃなくて、公害被害者
救済制
度の場合も、法律ができてから新しく
発生
した被害者を救済しようというんじゃなかったと思うんですよ。ですから、被害者
救済制
度ができた場合に、それはある認定
委員会
ができるか、どういう
研究
班ができるかわかりませんが、とにかくそういう範囲で認定になったものはその時点で救済するというための制度をつくろうとするわけでしょう。いかがですか。
松下廉蔵
131
○
説明員
(松下
廉蔵
君) いま申し上げましたように、医
薬品
の副作用による健康被害というのにはいろいろな形態があるわけでございます。その各形態につきまして、結局これは
救済制
度と申しますと、究極には経済的な形に化体せざるを得ない要素が多いと思いますが、そういった費用の
負担
関係
をどうすべきかというような問題、それからその際において、いま申し上げたように、副作用の知れておりますもの、それから全然未知の場合、こういったことは、やはり少なくともいままでの民法論によります賠償責任論から言いますと、形が違ってくるというような要素もあろうかと思います。そういうような点を総合いたしまして、いま民法、あるいは訴訟法、行政法、あるいは技術系統、そういった専門家の御
意見
を取りまとめておる段階でございまして、したがって、私がまだ担当者といたしましてこういうふうにするという結論を出す段階に至っておりませんので、私の気持ちとしての希望といたしまして、さっき申し上げましたような表現をいたしたわけでございまして、そういった方向に向かうことを希望いたしております。
小平芳平
132
○小平芳平君 大臣、いま
局長
が説明しているような経過のようです。大臣からも、食品や医
薬品
による被害者
救済制
度を検討します、また事務当局に検討させますということで今日に至ったわけであります。したがいまして、そうした被害者
救済制
度というものは現実の被害者を救済する。カネミ油症とか、あるいは形態はいろいろ違うと思います。ストマイの被害者とか、そういう被害者を救済するための制度を大臣は指示していらっしゃると思うのですね。で、それは私
たち
が教育を受けた時代は、公の利益とか、国家目的とかということがひどく強調されたのですが、いまはそうであっちゃならぬわけでしょう。個人の幸福、個人の
福祉
というものが優先して守られなくちゃならない。その場合に、第一ストマイによって何%の被害者がいるかさえわかっていないわけでしょう。そういうものを早く
調査
し、救済してほしい。そのための制度をこそ大臣が検討さしていると思うのですが、いかがですか。
塩見俊二
133
○国務大臣(塩見俊二君) 小平先生の言われたとおりだと思いまするが、先ほど
局長
からも答弁を申し上げましたとおり、この被害の態様等につきましても、いろいろと責任の所在その他につきまして、必ずしも同じような規格、カテゴリーでくくれない。それぞれの
理由
がそれぞれ違ったというふうな
問題等
もあろうかと思いまして、そういうようなことで、これを
推進
する上に非常に困難があろうかと思いまするが、私はそういう困難を克服して、そうして何とかこの
救済制
度というものを進めてまいりたいと思うわけでありますが、ただいま
局長
からお話がありましたとおり、それぞれの問題についてそれぞれの具体的な妥当性を持ったようなことも考えていかなければならぬというわけで、その点は御理解をいただきたいと思います。
小平芳平
134
○小平芳平君 したがって、現実の被害者を救済する制度と、このように理解してよろしいですね、大臣。
塩見俊二
135
○国務大臣(塩見俊二君) そのとおりでございます。
小平芳平
136
○小平芳平君 それから次に、カネミ油症についてもう二、三点お聞きしておきますが、この他の
委員会
でカネミ油症については認定基準が現実に合わないということ、したがって、すみやかに認定基準を変えなくちゃいけない。PCBの実態がよくわからない四十三年の段階でつくった認定基準、これはもう現実に合わないということが第一点。それを具体的にいつ変えられるか。 それから第二点としては、認定は
検診
班が行なうとなっておりますね。ところが、
検診
班というものは法律的な根拠、条例の上の根拠は何もないわけです。ところが、その認定の規則には認定は
検診
班が行なうとなっている。そこで、
検診
班に対するいろいろな
問題点
も、具体的に何回も私が提起しておりますから繰り返しませんが、その
検診
班についての
厚生省
の考えをこの段階で改めてもらわなくちゃいけない。それが第二点。 それから第三点としては、
研究
が進んでいないという事実。現実の問題として
研究
費が四十七年度六百万ですか、そういう程度では、実際に大学から現地へ行って
検診
してくるその旅費とか、
会議
費ぐらいで終わってしまう。新しくPCBの人体に対する
影響
あるいは奇形児に対する問題、そういう点が全くなされてないということ、そういう点は大きく充実しなければいけないと思いますが、それが第三点。 以上三点についてお願いします。 〔
委員長
退席、理事丸茂重貞君着席〕
浦田純一
137
○
説明員
(浦田純一君) 油症の診断基準につきましては、近く、大体九月の中旬くらいを目途に
研究
班の
会議
を招集いたしまして、そこで新しい知見に基づく、新しい考え方に基づく診断基準についての打ち合わせをいたしたいと思っています。その
意見
によりましてすみやかに改定いたすように作業を進めてまいりたいと思います。 それから、認定の方式でございますが、これは現地のほうでいろいろと、ことに最も当該患者の多い長崎県あるいは福岡県のほうでいろいろと県として考えているようでございます。私どもはこの県のほうの
意見
、考え方も十分に考慮いたしまして、実態に合ったようなことでもって、現地の事情に合った方法で行なうように指導してまいりたいと考えております。 〔理事丸茂重貞君退席、
委員長
着席〕 それから、第三点の
研究
費並びにその成果でございますが、過去、四十七年度も含めまして約九千余万円、——九千三百六十万円の
治療
研究
費を計上し
研究
を実施してまいったわけでございますが、PCBの体内におきまする動き方、あるいは対症的な療法等、いろいろと成果はあったのでございますけれども、PCBを体内から無毒化して追い出すといったような、いわば根本的な
治療
方式というものは残念ながらまだ確立されておりません。四十七年度におきまする
調査
費は御指摘のように
予定
として七百万円ほどを充てておりますが、若干いままでの傾向から見て減ってきたではないかといった御指摘かと思います。しかし、私どもは決してこの
研究
を断念したわけではございませんで、来年度の
予算
要求には、環境庁を通じまして要求する分も含めまして大幅な要求をいたしたいと。また、PCB全体の問題としても、関連した
研究
は進めていくように、これも環境庁を通じまして
予算
要求を考えていきたいと思っております。
小平芳平
138
○小平芳平君 時間の
関係
で私はそのPCBの問題について詳しく質問することができないのが残念なんですが、一つ母乳だけを例にとってみますよ。母乳の場合は、今回の暫定基準に入れなかったわけですね。これは、母乳が実際上汚染が大き過ぎて基準のきめようがないから入れなかったんですか、いかがですか。
浦田純一
139
○
説明員
(浦田純一君) 私どもが今回食品中のPCBの暫定的規制値を設定いたしましたのは、これは食品衛生上の問題として見たわけでございます。まあへ理屈を申すようでございますけれども、母乳はその限りでは食品衛生法の
対象
ではございません。しかしながら、私どもは母乳の汚染ということについては、これはまた児童家庭局のほうからのお答えがあろうかと思いますが、決してこれを軽視しているわけではさらさらございません。むしろ食品中のPCBを規制することによりまして、母乳中のPCBの濃度を下げさせるということが一つの大きなねらい、目的でございます。 PCBの母乳中におきまする濃度につきましては、これは児童家庭
局長
のほうから見解をお聞きいただきたいと思いますが、私どもは母乳の中のPCBの濃度というものが非常に高いから、こういったようなことでもって、今回、この食品の暫定基準に加えなかったということではございません。 なお、さらに、妊産婦あるいは幼児の場合のPCBに対する暫定規制値の考え方につきましては、食品衛生
調査
会に設けられておりますPCB特別部会において引き続き検討いたして、至急に結論を出していただくようにお願いをしてございます。
小平芳平
140
○小平芳平君 それは今回の国の暫定規制は一日体重一キロ
当たり
五マイクログラムということで出したわけでしょう。そうすると乳児の場合三キロから七キロ、そうして一リットルの母乳を飲むとして計算しますと、国の一日体重一キロ
当たり
五マイクログラム自体にも私はいろいろ問題があるわけですが、それはあとにしまして、今回、国がきめた五マイクログラムで計算しても、母乳は
平均
〇・〇二五PPMということに計算の上では出る。国の規制値五マイクログラムをそのまま使った場合でも、母乳は〇・〇二五PPMとなる、計算はこれでいいですかどうですか。
浦田純一
141
○
説明員
(浦田純一君) 乳児の体重を五キログラムに想定いたしますと、先生の御指摘のとおり一リットル一日飲むといたしますと、計算上二五マイクログラムになります。
小平芳平
142
○小平芳平君 そうすると大阪で発表された〇・七PPMのほうは二十八倍の汚染ということになる。京都で発表された〇・三PPMの母乳は十二倍の汚染ということになる。それから愛知、富山、高知等で発表された〇・一PPMの母乳は四倍の汚染ということになる、これはどうですか。
浦田純一
143
○
説明員
(浦田純一君) 私の立場からは一キログラム
当たり
五マイクログラムの安全性についての考え方をお答えします。一日体重一キロ
当たり
五マイクログラムという規制値の根底にありますいわゆる一日最大摂取許容量は、これは百倍の安全率を根もとで見ておるわけでございます。もちろん規制値をこしてこれでいいということはさらさら考えておりませんけれども、直ちにその規制値を上回ったものを若干体内に摂取したといって、すぐに危険であるといった意味合いのものではございません。なお、母乳の衛生上からの
関係
につきましては、児童家庭局のほうからお聞きをいただきたいと思います。
小平芳平
144
○小平芳平君 ですから直ちに危険じゃないといいますけれども、その国のきめた五マイクログラムにも問題があるわけですよ、いろいろな問題が。しかし、それで計算しても四倍、十二倍、二十八倍というようなひどいPCB汚染になっているということ、これはゆるがせにできない問題です。それから、大体このPCBの問題が非常に関心を高めることの一つは、人体蓄積ですね。それがまた脂肪分と一緒に母乳から出るということがきわめて大きな問題となっているわけですから、その辺の解決がなくちゃならない。したがって、今回のPCBの安全基準、暫定基準は、弱い者をほったらかした基準になっていますね。胎児、乳児という一番肝心かなめのところが入ってない。 それから水産庁おられますか。——漁業は魚が基準をこしたら廃棄されるわけでしょう。その補償はどのようにしますか。
前田優
145
○
説明員
(前田優君) 水産庁といたしましては、先生御承知のとおり、魚といいますのは大体海からとってまいりまして、朝、せりにかけるわけです。で、せりにかけたところで大体仲買い人が買ってまいりまして、それが魚屋で売られる。そのいわゆる海から揚がりました段階でサンプリングされるわけでございます。で、御承知のとおり、PCBの検査と申しますか、何PPM入っているかということを調べますのには、最低四日なり五日なりかかるわけでございます。そういたしますと、物理的に申しますと、わかったときには人の腹の中に入っちゃっているという問題になりかねないわけでございます。そういうことから、この検査の方法につきましてはいろいろ
厚生省
とも御相談をいたしまして、できるだけ流通機構に乗る前にチェックすべきではなかろうかということで、とりあえず、汚染されているであろうと思われますところの
全国
百十四水域につきまして、急いで
調査
をしているわけでございます。で、現在それは
調査
中でございますけれども、その中で、たとえば、この間
厚生省
から発表になりましたガイドライン、それをこえたもの、またはこえないまでも近いものがもしあった場合、その水域につきまして、一水域二百検体からの非常に精密な
調査
をやってまいる。で、その精密な
調査
によりましてある程度汚染された魚類が出た場合には、これはもうとらないということしか方法がないではないかということで、これは自主的に、その海域における、ある、そのPCBが検出されました魚について採捕を禁止してまいると、そのような
措置
によりまして流通経路に乗るのをできるだけ防いでいく。で、たまたま、もし流通経路の段階で発見されましたような場合には、いわゆる廃棄物処理法にありましたような有害物の処理に準じた、二次公害を起こさないような処理の方法で、埋め立て等の方法で処分をしてまいる、そのように指導するつもりでおります。 で、漁業補償の問題につきましては、大体汚染源が、ある程度明確な部分が非常に多かろうと実は、現在のところ判断しているわけでございますが、一義的には、あくまで、その自主規制によりまして損害を受けた漁業者は、汚染源を出しました
企業
者に対しまして損害賠償を要求することになるわけでございます。現在もすでに要求の申し入れをいたしておるわけでございますが、汚染源の明確でない漁業者の場合もあるかと思いますので、そのような場合には、利子補給とか、いろいろな方法があるわけでございまして、できるだけその漁業者の救済の
措置
を講じてまいりたいということで水産庁は対処しておるわけでございます。
小平芳平
146
○小平芳平君 いや、それは利子補給程度じゃ困るわけですよ。実際、養殖ハマチが全然だめになった。これは利子補給程度じゃ補償のうちに入らないですよ。どうですか。
前田優
147
○
説明員
(前田優君) いま、先生おっしゃられました養殖ハマチの問題、現在まで私どもがあちこちでいたしましたいろいろな
調査
のデータがございますが、ある程度PCBが含まれている海域とわれわれが現在考えております海域につきましては、大体、それぞれ
原因
の
企業
が存在するわけでございます。養殖ハマチの場合につきましても、やはり養殖ハマチを飼っておりますあたりの
企業
というものは存在するわけでございます。現実問題といたしましては、
企業
に対する要求という段階でほとんど解決できるんではなかろうかと考えておりますけれども、あるいは御指摘のように、その責任
企業
がはっきりしない部分が当然出てくるかと思います。これは、現在、
瀬戸内海
でいろいろ言われております赤潮の問題があるわけでございまして、赤潮につきましても、とりあえずの問題といたしましては、天災融資法に基づきますところの利子補給で現在対処しておりますけれども、それだけではやはりその損害を補うにははるかにほど遠いという
問題等
もございまして、何らか別な角度で、別な法律をつくるなり別な考え方で対処していかなければならないことではないかということにいろいろ御指摘を受けているわけでございます。そういう面で、水産庁といたしましても、そのPCBの問題も赤潮と事実問題としては
内容
的にはほとんど同じようなわけでございますのであわせて考えていきたいということで現在検討しておるわけでございます。
小平芳平
148
○小平芳平君 最後に児童家庭
局長
に一言答弁いただきたい。 それは、母乳のことを先ほど来言っておりましたが、カネミ油症の患者でお産をなさった方の母乳にはどの程度PCBが検出されておりますか。
浦田純一
149
○
説明員
(浦田純一君) 油症
研究
班の一つの
研究
の
対象
とも考えられますので、私のほうからお答えいたします。 実は、現在までのところ、カネミ油症患者に関しまして、母乳中のPCBの濃度については明らかにされておりません。ただ、現在、油症
研究
班におきまして、これは例が少ないのでございますけれども、母乳の中のPCBの濃度の分析を進めておりまして、これは近く結果が出るものと思います。いままで行なわれなかったのはまことに残念なことでございますが、一方では、母乳中のPCBの分析法というものが確立してなかったという事実もございます。今日まで明確なデータがそろっていないという
状況
でございます。
小平芳平
150
○小平芳平君 大臣、実際、この弱い者がいつも置き去りになっちゃうわけです。母乳のPCB汚染などは、カネミ油症患者——もう四十三年以来のことです。体内で蓄積をして生まれたか、あるいは母乳によって症状が
発生
したか、現実に認定されている患者もいるわけです。子供さんがいるわけです。先ほど来申しますように、そういう弱い者が置き去りになってしまっているんです。いまの漁業補償についてもそうです。これから制度を考えなくちゃいけないなどと言っているんですが、弱い立場の者にこそ
厚生省
はまっ先に手を伸ばしていかなければならないと思います。いかがですか、大臣。
塩見俊二
151
○国務大臣(塩見俊二君) 御
意見
のとおりだと思うわけでございまするが、こういうふうに非常に新しい事態がいろいろと各方面に起こってまいりまして、これに対して、私もこういうことに
関係
してまだ短いわけでございまするが、新しい事態を現在ではむしろ追っかけておるというふうな感じがいたしておるわけでありまして、こういう体制をもって、これに新しい事態が起こりましてもそれに対応できるような体制、こういうふうなものも強化をしてまいらなければならぬというように痛感をいたしておる次第でありまして、いろんな事態に即応できるように、また、いま御
意見
のありましたとおりに、脆弱な部分といいますか、弱い方々の方面とか、に十分配慮を尽くしていかなくちゃならぬと思っております。
高山恒雄
152
○
高山
恒雄君 私は時間がありませんから簡略して御質問申し上げたいと思いますが、まず
厚生
大臣に御質問申し上げたいんですが、
厚生
部門については
日本
の政策としては非常に立ちおくれておるのではないかと、こういうふうに考えるわけです。 したがって、その点についてはいろいろの考え方もございましょうけれども、急激に伸びた
日本
の産業の発展に伴い、いろんな問題が起こっております。なお、今後重要視してやらなくちゃいかぬ問題、急速にやらなくちゃいかぬという問題が山積しておると思うんですよ。したがって、従来の大臣、あるいはまた総理にしても看板的には
人間尊重
という立場で今日までやってきましたけれども、実際面における改善がほんとうに伴ってないと、こういうふうに考えるわけです。 そこで、この立ちおくれを何とか前進させるという意味で私は
厚生
大臣に多くの期待を寄せておるわけです。ひとつきょうは
厚生
大臣に初めての私質問でありますから、今後の
厚生
面における基本的な大臣の考え方、姿勢をひとつお聞かせ願いたいと、こういうふうに考えております。
塩見俊二
153
○国務大臣(塩見俊二君) 今後の
厚生
行政の基本姿勢という御質問であったと思うわけでございますが、確かに先ほどお話が、御指摘がありましたとおり、
日本
の経済というものは急速に発達を——伸展をしてまいったわけでありまして、これはまた非常に急速なために、いろんなひずみが一面においては出てまいっておりますし、また同時に、この成長の勢いに
福祉
行政というものが追いついていってないというのも私は事実だと思うわけであります。したがって、私のほうとしては、このいわば資源の公平な分配というふうな意味合いにおきましても、やはり今後
国民
福祉
の分野というものが諸外国等の例を見ましても、あるいは
日本
の経済の実情から見ましてもこれを伸ばしていかなくちゃならない、これが私は一つの
厚生
行政の伸展というのみならず、
日本
の一つの世界的傾向でもあろうかと思うのでございまして、したがって、この
厚生
行政につきましては、田中総理大臣も、今度の新しい経済審議会の諮問におきましても——もとより日中問題を踏まえてのことかと思いますが、国際協調というのと、
国民
福祉
向上という
二つ
の柱にして新しい五カ年
計画
を諮問をしたというふうな
状況
でもございますし、こういったような事態に際会をいたしまして、私はある意味におきましては絶好の機会だと思うわけでございまして、明年度
予算
等におきましては、できるだけこの
厚生
行政が伸展をするように
努力
をいたしてまいりたいと思っております。
高山恒雄
154
○
高山
恒雄君 大体お考え方はわかりましたが、そこで御質問申し上げたいんですが、先ほどわれわれ
調査
団といたしまして
委員長
をはじめ
岡山
、
広島
の
厚生
施設
の
調査
をいたしたわけです。私はその中で非常に今後
厚生省
として考える必要があるんではないかという感じを深くしたわけです。 それは
岡山
県におけるところのこの心身障害児の問題、また障害者の
問題等
ですが、
旭川荘
と
津山みのり学園
ですか、こういうところを
二つ
対照的に見せてもらいました。そこで、基本的にお聞きしておきたいのは、こうした
精神薄弱児
並びに身体障害者、重も軽もございますが、また児のほうもございますが、そういう問題に対して、政府は従来とってきた財団法人を
中心
としてやっていこうと考えておるのか、それを一歩前進して国の責任における国立的な
施設
を拡大していこうという基本的な考え方があるのか、いずれを目標にして今後進んでいこうというお考えなのか、これをまずお聞きしたんです。
穴山徳夫
155
○
説明員
(穴山徳夫君) 従来は特に、どれは公立でなければというような考え方はとっていなかったわけでございますが、しかし重症心身とか、あるいは筋ジストロフィーというようないろいろむずかしい問題がございますのは、国立療養所に
ベッド
を増設いたしまして、そこに収容をするというような
措置
をとってまいっておるわけでございまして、今後とも重症心身あるいは筋ジスというようなものにつきましては国立の療養所、いわゆる国立の
施設
にそういったような
ベッド
を付設いたしまして、できるだけ収容をしてまいりたい、やはり非常に重症になり、あるいは複雑な病気であるというような手のかかります病気につきましては、なかなか民間の
施設
では手が回りかねるという面もございますので、そういう点は今後とも私ども十分
設置
——どういう
設置
主体
でいくべきかということについては配慮をしてまいりたいというように考えております。
高山恒雄
156
○
高山
恒雄君 そこで、大体考え方はわかりましたが、私もいま政府で答弁なされたような考え方にやっぱり重点を置くべきではないか、こういうふうに考えての質問をするわけです。と申しますのは、
肢体不自由児
にいたしましても軽と重がございます。あるいはまた
精神薄弱児
にしてもそうでございます。こういう区分をいたしますと、
岡山
でやっております、ほんとうに父兄——これは篤志家の自主的な経営ともいえると思いますが、みのり
学園
というようなところは、
精神薄弱児
を
中心
として授産場の経営的なものをもって、そうして
社会
に貢献しながら、
精神薄弱児
のいわゆる技術その他を身につけさしたい、こういうやり方をしておるわけであります。これを対照的に考えますと、私は
重症心身障害児
に対しては、これだけ孤立をさせてやるということについては、
厚生省
の
課長
、また担当者の方の
意見
を聞くと、いわゆる看護の面における手
不足
でどうにもならぬと、こういうあきらめムードが多分に聞かされます。よしんばそういうことがあるならば、いま通産省が考えておりますように、公害防止の一策として今後の
企業
の
施設
においては一定の基準あるいはその環境の
整備
、これでなくては認可しないというような方針をとろうとしておりますが、私はこうした法人の力をかりなくては、現状、身体障害者のこの
福祉
を見るわけにいかない。現在の
厚生省
としてはもっとここらを
整備
する必要があるではないか、こういうふうに考えるわけです。そのためには、私の一つの私案でありますけれども、われわれ医者じゃない、しろうとですから思いつきかもしれませんが、
精神薄弱児
あるいは
肢体不自由児
というようなものと、この
重症心身障害児
というようなものと、同じ
地域
にあってもいいですけれども、もっと別途の方法で、このいわゆる経営に対する環境の
整備等
が非常に重要になってくるのじゃないかという感を深くしたわけです。こういう面に対して、この
二つ
の視察をしました結果、私はいまこそこの
重症心身障害児
あるいはまた
精神薄弱児
、さらに
肢体不自由児
というような三つの問題だけではございません。そのほかにもたくさんございますけれども、いまこそ、もっと基本的なものを
整備
して、法人に認可するにいたしましても、政府がこの
重症心身障害児
については国立が望ましいという考え方ですから、それとのミックスをする方法の基本的なものをいまつくる必要があるのじゃないかということを痛感しておるわけですが、その点はどうですか。
穴山徳夫
157
○
説明員
(穴山徳夫君) まだその辺までは詳しくと申しますか、きれいな青写真は私どもはまだ率直に言いまして引いてないわけでございますが、やはりちょっと違うかもしれませんけれども、最近の傾向で、たとえば脳性麻痺の
原因
による収容者が多くなるとか、あるいは非常に
年齢
が低下するとか、そういったようないろいろな新しい最近の現象もございますので、やはりいわゆる
施設
の体系と同時に、
施設
の基準というものも世の中の変化と申しますか、
対象者
の実態というもの等を考えながら、やはり検討してまいらなければいけない時期にあるのではないかと思うわけでございまして、ただいま先生に示唆していただきましたような問題も含めまして検討していきたいというように思っております。
高山恒雄
158
○
高山
恒雄君 そこで、現在財団法人ではございますけれども、
重症心身障害児
という人がますますふえつつあるという傾向をお聞きするわけです。現在でもこれらの問題については
一般
の身体障害者という考え方でなくて、国が特別の処置、法人に対して全額をそれは見てやるとか、こういうことを、いまの現状のままからは、まずその処置を講ずるべきじゃないかと、私はこう思うのですよ。現場を見せてもらいましてわれわれも驚くわけですが、せめてこれだけは政府のこの立ちおくれのこうした面における施策の一つとして、私は全費用は国が持つと、こういう考え方で財団法人にしても強くこれにまた指導をするという立場からやってもらってはどうかと思うのですが、これはひとつ大臣、いま大臣も即答できないかもわかりませんけれども、
研究
の結果、私は少なくともこれはそうやるべきだという考え方を持つわけですが、この点についてはひとつ検討の結果それがいいとあれば、私は大臣ひとつこの点はぜひ実行してもらいたい、こういうふうに考えているわけです。
穴山徳夫
159
○
説明員
(穴山徳夫君) 重症の子供
たち
を収容いたしますと、非常にいろいろ問題があるわけでありまして、私どもも来年の
予算
で、いわゆる
措置
費の中に重度加算という、これは現在もございますけれども、重度加算という、いわゆる普通よりも特別に加算をする制度があるわけでございますが、やはりこれをもっと大幅に
対象者
を広げまして、そういった重度を収容しておられる
施設
について、少しでも前進があるようにというように考えて、来年度の一つの重点
項目
に考えているわけでございますが、ただいま先生のお話しがございましたとおりでございまして、私どもも、ぜひがんばりたいと思っております。
高山恒雄
160
○
高山
恒雄君 それからもう一つ看護の問題ですが、現場を見ましても、非常につらい仕事だと思うんですよ。もっと近代的な設備に、そうして婦人の方が、中年の婦人の方が多かったのですが、自分
たち
の一人の力で、相当、四十キロ、五十キロある体重の人をめんどう見るということはたいへんだと思うのであります。こういう面がもっと近代化されてもいいんじゃないか。政府は、なぜ、そういう面に力を入れて、療養のしやすいような、保護のしやすいような手助けの
研究
をやらないのかということを私は痛感したわけであります。そこで、そういうことを
研究
しないからこそ、なかなか看護する人が、志願者ももう減る一方だと言っています。ある人の、権威者の話を聞くと、これはもう後進国から人を連れてこなければ、週休二日制になり、しかもレジャーもますます発展するだろうし、だれが好んでいまの給料で行く人があるか、結果的には行き詰まるのじゃないかという悲観論さえ私は聞くわけです。こういう面に対する考え方は一歩前進、
厚生省
が、いまの高度化された今日の時代には私は簡単にその
施設
の改善なんかはできるんじゃないかと、こう思うのですが、それをやる意思はありますか、どうですか。
穴山徳夫
161
○
説明員
(穴山徳夫君) 確かに、ああいう
施設
で働いておられる方の御苦労というのは非常なものでございまして、私も東京のある
施設
に参りましたときに、ちょうどふろに入れているときに会いまして、二、三人がかりで洗って、流してやったりしたのを見たことがございますけれども、確かに、ああいう人
たち
に対する一つの問題としては処遇の問題、これは今後できるだけ考えなければいけないと思います。それからまた、できるだけ何と申しますか、そういう扱いの方法を、先生がいまおっしゃいましたように近代化あるいは合理化するということについては、これは私どもも大いに考えなければ、あるいは
研究
しなければいけない問題でありまして、今後ともこれにつきましては取り組んでまいりたいというように思っております。
高山恒雄
162
○
高山
恒雄君 これは大臣、くれぐれもお願いしておきますが、この
研究
は簡単にできると思うのです。したがって、私はこの
重症心身障害児
の取り扱いについては、そういう機械を早く
研究
してもらう。たいした
研究
じゃありませんよ、これは。そういう費用は政府が持って、ひとつ実現に
努力
をしてもらう。政府から支給するというくらいまで私は発展さしてもらいたい、強い
要望
をここでいたしておきます。 さらにもう一つ、そこに働く待遇の問題ということを
局長
も言われましたが、そのとおりです。一体、待遇をどうするかという問題は、私は少なくとも三交代にせよ。三交代をやらすべきだと。これはもう労働省の立場からいっても、きょうはもう労働大臣がお帰りになったから、ぼくは主張はできないんですけれども、いま、もう週休二日制を主張しているんですよ。そうして定年制六十歳まで、場合によっては六十五歳まで延長しようというような考え方を持つべきですね。そういう時代に、全快するかしないかもわからないような者を看護をしておる人の立場から考えて見ると、全く同じことを六時間も八時間も繰り返しやっておるということは精神的に耐えられない、こういうふうにわれわれは考えるわけですよ。そういうことであるならば、これを近代化して、そうして三交代制をとらせてやる。三交代制なら、かりに週休二日制がきても完全にこれはやれるんです。二交代制では週休二日制はできません。三交代制にすれば週休二日制が可能なんです。どうしてもそういう方向で早く手を打たなければこれはまた問題中の問題になる、いまやらなければおそい、このことを強く私は感じたわけですが、これは実現してもらえるかどうか、検討してもらえるかどうか、大臣からひとつお聞きしたいんですがね。
塩見俊二
163
○国務大臣(塩見俊二君) 重症の身症者につきましては、
高山
先生からお話しのとおり非常に重大な問題だと考えまして、実は重度身障者あるいは重度の精薄児、こういうふうに家庭にとっても非常な大きな暗い
影響
を与えて、いま父兄にとりましても非常な難儀をしておるというような
状況
でございますし、したがって、こういった方々は普通の医学的な見地で難病と称されないかもしれませんが、私はやはり常識的にはこれは難病の中に入るんではないか、したがって、こういうものの施策を充実していかなければいかぬだろうということで、この問題につきましても来年の概算要求のほかになお先ほど申し上げましたようなチームによっての
研究
を続けておるようなわけでございます。確かにこの看護に当たられる方々の御苦労なりあるいはその実情等から考えまして、なかなか来ていただく方も少ないというような
状況
でございますので、その仕事の
内容
について御指摘のとおりこれを合理化していくというような
努力
をし、また給与等の改善につきましても、どうしても人がいなければ看護はりっぱにできないわけでございますので、これは
施設
をつくると一緒に人の問題に真剣に取り組んでやっていかなければならぬと考えますので、御趣旨の線に沿って
努力
をしてまいりたいと思います。
高山恒雄
164
○
高山
恒雄君 それじゃ次に進みますが、もう一つは、これは実は災害委で私は
厚生
大臣に来てもらって御質問申し上げようと思っておったんですが、この問題だけで大臣を呼ぶのもどうかと思いまして……。これは視察をした結果ではございませんけれども、非常に地方からの強い
要望
が行った先でございましたのは、地方公共団体がいま一番困っております問題は
簡易水道
の
整備
費の補助率です。これは非常に安いわけですね、四分の一と三分の一だろうと思うんですが、したがって災害があるたびにこれはもう使用不可能になる、そうして自衛隊から給水隊を動員して給水をするというのが今日の現状です。これは災害のたびに至るところでそういう現実が起こっております。こういう問題は、これもへたをしますと病気の
原因
にならぬとも限らない問題ばかりです。それを防止するための
簡易水道
が必要だということになるわけですから、せめてこの問題はいまの地方
財政
の実態から見て私は六〇%なり、どうしてもそれがいかぬというならばせめて二分の一の五〇%ぐらいはひとつ政府が責任持って各
市町村
の設備のないところについてはやってやる、こういう姿勢をとってもらいたいと思うんです。 なお、この水道の健全な発展の普及に資するための
厚生省
に水道の専門の部がないんですよ。したがってこれは
厚生省
が責任を持ってやろう、今後これを改善しようとするならば、せめて私は大臣、部くらいはつくってもらいたい、部もないくらいで、そうして
日本
の至るところに
簡易水道
の問題を
整備
するということを言ってみたってこれは問題にならない、こういうふうに考えるわけです。どうしても
厚生省
がこれを持ってやらないというならば、これは建設省なりどこなりに移行したほうが賢明ではないかというくらいまで私自身思うわけです。しかし、
厚生省
でなければならないという結論ならばこれは
厚生省
として部に強化をはかり、そうして従来の三分の一補助を今回は五〇%に上げてやる、こういう施策をひとつ講じてもらいたいと申し上げると同時に、この考え方をお聞きしたいんですがどうですか、その点。
塩見俊二
165
○国務大臣(塩見俊二君) 順序が不同になって恐縮でございますが、最後の
厚生省
の機構の問題からお答えをいたしたいと思います。 私も
国民
の
生活
に密着をし、また生命の保持からいいましても最も重大なこの水道あるいは
簡易水道
の問題、これは
厚生省
が主管をしておりますが、これは私はほんとうに命につながる問題でございますので、これは縄張り争いではなくて
厚生省
が主管すべきものだと考えておるわけであります。建設省の下水道と比べましてもどうも何となく機構的にみましてもやはり充実したものをつくらなければいかぬではないかということ、これは各地方団体からもそういうふうな非常に強い御支援もございましたので、明年度
予算
ではこれを部に昇格したいということで
予算
を要求することにしたいと思っておりますのでなお一そうの御支援を賜わりたいと思います。 なお、
簡易水道
につきましては、確かにおっしゃるとおり補助率は現在低いわけでございます。御承知のとおり
簡易水道
を布設することについての要求は非常に強いわけでございます。したがって、これにつきましてはまず資金量を
確保
してあげなければならないというようなことで、起債、特に財投を財源とする起債の充実ということも
努力
していかなければならぬわけでございまして、そういったような財源の
確保
、それからやはり御指摘のとおり
簡易水道
でやっているような
地域
はおそらく
町村
といたしましても
財政
力の弱いところで
簡易水道
というものが普及しておるということが私は実態だと思うわけであります。そういうことで補助金の問題につきましても補助率の問題につきましても
財政
力をよく見ましてこれに適応するような
対策
を講じていかなければならぬと私は考えておるわけでございまして、明年度の
予算
要求におきましても若干、ここで従来三分の一が最高の補助率でございましたが、これを先ほど五〇%、六〇%というお話がございましたが、
財政
力に応じて二分の一の国費
負担
というようなことができる道を開くようにこれも
予算
要求とともに
努力
したいと思っておりますので、これも御理解をいただきたいと思う次第であります。
高山恒雄
166
○
高山
恒雄君 やるということはなかなか言いにくいから大臣もそういうふうにおっしゃるでしょうけれども、これは何回も
調査
に行くのですが、一ぺん事故があって流してしまえばおしまいなんですし、膨大な損害なんですよ。だからそういうことを考えますとせめて六〇%が無理ならば私は半額は責任を持って政府がやる、こういう考え方を踏襲して
予算
を組んでもらいたい、これを熱望しておきます。 なお、もう一つは、最近非常に問題化しておりますが、これも
日本
の政府の大きな問題の一つだと私は思うんです。労働省が青少年を
中心
とし、中小
企業
を
中心
とするハイツ
施設
というものをつくっておるわけです。これも
備後ハイツ
、倉敷ハイツですか、そういうところ二カ所拝見しましたが、これは
雇用
促進
事業
団法ですか、これに基づく融資をしておるわけです。もう
厚生省
がやるようなことを労働省がどんどんやっておるわけです。これは若い者を
対象
、あるいは中小
企業
を
対象
としてやっておるわけですね。そういう面から考えてみると、まことに
日本
の
老人
対策
というのは、私は立ちおくれているんじゃないかという感に打たれるわけです。 そこで、この
老人
クラブに対する助成金を出しておられますが、いま何ぼ出しておられるんですか、
老人
対策
に対する助成金を。
藤森昭一
167
○
説明員
(藤森昭一君) お答えいたします。
老人
クラブそのものに対する活動費の助成といたしましては、年額一クラブ二千百円、
予算
額全体といたしましては六億七千六百万円、こういう現状でございます。
高山恒雄
168
○
高山
恒雄君 いまお聞きのとおり非常に少ないわけですね。これはたいした金じゃない。倍額にしたってたいした金じゃないと思うんですが、大臣、これはひとつ大幅に増額を私はしてもらいたい。もう
老人
対策
ぐらい
日本
でおくれているところはないと私は思うんです。どうかひとつこの助成金を増額をしてもらいたいと思いますが、この点はどうですか。
塩見俊二
169
○国務大臣(塩見俊二君)
老人
問題、特に最近非常に
国民
全体の関心を持たれておる
状況
でありますし、また現実に
老人
対策
は重大な問題として
推進
をしていかなければならぬと思っておるわけであります。特にこの
老人
クラブにつきましては、
老人
の生きがいということにも直接に
関係
をするわけでありまして、所得保障なりあるいは病人
対策
のほかに、こういうクラブの活動等を助成いたしまして、
老人
が安らかな老後を送るということには力を入れていかなければならぬと思うわけでありまして、明年度におきましては、この
老人
クラブの活動に対しまして、強化の方法を講ずる
予定
で
予算
を要求したいと思っておりますが、
高山
先生の御期待に沿えるかどうかはともかくといたしまして、こういった点もひとつ、大事な
老人
の生きがいを
推進
をしていくという観点から積極的に
推進
をしてまいりたいと思っております。
高山恒雄
170
○
高山
恒雄君 なお先ほど
藤原
委員
でしたかの質問の中でちょっとお答えになったからもうする必要もないと思いますが、この
福祉
年金の所得制限を撤廃する、これはなおまた、きょうだけじゃなくて新聞発表も一ぺん出ておりましたね。そこでこれは撤廃するということですけれども、広い範囲内の撤廃をするんじゃなくて、一部的な廃止じゃないかという感すら私はしておるんですが、全面的に所得制限というものはもうなしにするんだと、こういう考え方でやっていこうというお考え方か、この点を確認しておきたいと思います。
塩見俊二
171
○国務大臣(塩見俊二君) 御承知のとおり、所得制限の撤廃問題は、本人の所得と、それから扶養者の所得という両面あるわけでございまするが、これは両面とも私どもは撤廃をしたいと考えておりますが、まあ正直に申し上げまして、従来から非常に問題のある、なかなか抵抗の強い——抵抗の強いと言ったら語弊があるかもしれませんが、なかなか非常にむずかしい問題でございまするが、これはもう長年の希望であり、要求であり、明年度もこの撤廃に向かって
努力
をしたいと考えておりますが、特に扶養者の所得制限の問題、これにつきましては、いま一部制限の撤廃というお話がございましたが、だんだん金額が上がってまいりまして、まあ大体二百五十万円程度のところまでは所得金額が伸びておるわけであります。来年はそういうことを言わずに、全額撤廃をするということで
予算
も要求をいたしたいと思っております。
高山恒雄
172
○
高山
恒雄君 ぜひそういうふうに実現してもらいたいと思います。 それから無拠出
福祉
年金ですが、併給禁止は撤廃すべきじゃないかという
老人
からの
意見
が非常に強いわけです。これは全く
福祉
年金と他の年金とは大きな違いがあるわけです、基本的に。したがってこの際これをひとつ撤廃すべきじゃないかということを私は考えるわけですが、この点はどうお考えになっておるか。なお、この
福祉
年金は、きょうもわれわれはスウェーデンの代表といろいろ懇談もしたわけですが、大体
調査
した結果を見ますと、
国民
所得のスウェーデンの三分の一ですよ、
日本
が使っておる
社会
福祉
は。スウェーデンでは一五%強使っておるでしょう。
日本
では六%以下ですよ。三分の一しか使っていないわけですね。そういう面からいっても、私は老齢
福祉
年金なんというものは思い切ってこの際、年々
老人
がふえていくという立場から一万五千円にしてもらうべきじゃないか、こういう強い
意見
を私は持つわけです。と申しますのは、所得制限にも関連いたしますけれども、
日本
の政府は核家族は認めておるわけです。何としてもそういうふうに憲法上ならざるを得ないわけです。そうしますと、かりに兄弟が三人おるとしますか、
老人
になった人の娘なりむすこが三人おるとします。ある程度の
年齢
になれば結婚する費用を貯蓄しなければなりません。嫁にいく費用を貯蓄しなければなりません。それは所得が、家族であっても親までそれを出すということはなかなか困難なんですね。今度は世帯主がみるかということになるとこれまたたいへんな問題で、今日の物価の値上がりから考えてみたらなかなかそこまで手は伸びない。政府の方針が核家族を認めるという立場にある限りにおいては、所得の制限なんというものは考えること自体が私はおかしいのではないか、理論的ではない。したがって、この際私は撤廃をすべきだ。なお
福祉
年金と他の年金との併給禁止はこの際撤廃すべきだ、こういう考え方を持つわけですが、さらに
福祉
年金については大幅な増額をして大体月額一万五千円ぐらいになるような方向で
予算
要求もしていただいて、実施をしていただくということにできないものかどうか、また当然政府はやるべきだと考えますが、その点についてはどうお考えになっておるのか、ひとつお聞きしたいと思います。
横田陽吉
173
○
説明員
(横田陽吉君)
福祉
年金の所得制限の撤廃の問題につきましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、本人の問題についてはいろいろ全額
公費負担
の年金であるという
関係
もございまして、なかなかむずかしい問題だと考えております。それから併給の問題でございますが、まあ御承知のように、
福祉
年金は他のいずれの公的年金制度からも年金を受けられない方、そういった方を
対象
として設けられておるものでございまして、まあ言うなれば制度的には補足的な、そういった性格のものでございます。したがいまして、他の公的年金から給付を受けておられる方はそちらのほうでまかなっていただいて、そちらのほうの給付水準が低い分につきましてはそちらのほうの給付水準を高める、こういった方向で処理するのが妥当な筋であろうと私どもは考えておりますけれども、ただ恩給等の問題につきまして、現実問題として非常に給付水準の低い方がいらっしゃいますので、先生御承知のように現在では六万円までは併給を認める、そのような
措置
をいたしておるわけでございます。それで来年度におきましてこれをどの程度まで併給の水準を高めるかという点についてはいろいろの問題もございますけれども、相当程度高めるというふうな方向で
予算
要求をいたしたいと考えております。 それからもう一つは、
老人
の核家族化ということにつきまして、その
生活
の実態から見てできるだけ年金で
老人
が自活できるような給付レベルの年金を実現するという点につきましては、私どもも先生と全く同
意見
でございまして、そのような方向で検討いたしておりますが、この際、私ども考えておりますのは、やはり年金制度自体は拠出制の年金というものが年金制度の中核でございますので、できるだけ拠出制の年金の給付レベルを高めるということを考えますと同時に、現在までは拠出制の年金制度それ自体がいわゆる被保険者を受給権に結びつけるというふうな配慮につきまして諸外国と比べていささかそういった配慮が欠けておる面が非常にあるわけでございます。で、そういった観点から専門家は年金制度の成熟化
対策
というふうなことばで申しておりますが、できるだけ多くの方が拠出制の年金に結びつくようなかっこうで拠出制年金の制度それ自体の改善を考慮いたしておるわけでございます。 それから先ほどスウェーデンのお話が出ましたが、数字の点はともかくといたしまして、
日本
における年金の給付額というものが
国民
所得において占める
割合
が非常に低い、それは事実でございます。これは実は
二つ
の
理由
がございまして、一つには給付レベルの問題も心ずしも対外的に自慢し得るような水準までは至っておらないことも事実でございますが、さっき申し上げましたように、年金の成熟化という点から見ますと非常におくれております。その一番大きい
理由
は、御承知のことでございますが、
厚生
年金制度が始まりましたのが
昭和
十七年、しかもこの時点では筋肉労働者だけが
対象
でございまして、いわゆるホワイトカラーが
対象
になりましたのは
昭和
十九年でございます。ですから、たとえば諸外国で三十年勤続で六十五歳の方が従前所得の何割、そういったことで年金水準を云々いたしております。たとえばILO条約でもそうでございますけれども、
日本
の場合は
昭和
十九年からでございますから、
昭和
四十九年になって初めて三十年勤続の年金の受給者が出てくる制度自体がそういった発足の歴史が浅いので、したがって、なかなか長年月つとめた方が現実の受給権者となってあらわれておるという数が非常に少ない、その意味で一人一人に対する年金の給付レベルが諸外国と比べて低い、こういうことが一つ言えます。 それからもう一つは、同じく制度の新しいということに直接の関連を持つわけでございますが、一応、年金は御承知のように相当年月拠金をいたしまして、それを財源に、やめたあとの年金の給付を受けるという拠出年金が
主体
でございますが、その場合に制度が新しいとどうしても年金権に結びついておる方の数が少ない、諸外国は現在被保険者に対しまして受給権者は大体二割程度になっております。それで
日本
の場合はそれがせいぜい四、五%ないし五、六%と、まあ制度によって違いますが、そういった
状況
でございますので年金を現実に受けておられる方の頭数が少ない、したがいまして、年金給付額のトータルといたしましては絶対額が低くなりまして、したがって
国民
所得に対する
割合
が低い、こういうふうな
関係
になっております。したがいまして、これからの私どもの作業といたしましては、現在審議会でもって年金制度の改正を精力的に審議願っておりますが、給付レベルを引き上げるという問題と、できるだけ多くの方が現実の受給権を持つような、いわば受給権にできるだけ多くの方を結びつける成熟化
対策
を急ぐ、この点につきまして可能な限り大幅な改善をいたしたいということで仕事を進めておるような現況でございます。
高山恒雄
174
○
高山
恒雄君 それはあなたの基本的な理念から言えば、拠出によるその
厚生
年金というものは三十年以上しなければ該当者も出てこぬというのもそうであろうし、それは理念的にはそうですよ。しかしいま
日本
国民
がわずかでも、二十年以上の者については
厚生
年金も支払われておるというのが現実でしょう。そういう中において、
厚生
年金が足らぬのかと言えば、余り余ってものすごい
社会
事業
にこれを使っておるわけでしょう、
厚生
年金を。そういう中で
財政
が確立するまではやはり該当者が少ないから、諸外国だけの何にならない、こうおっしゃるけれども、しかしそれにはならないだろうけれども、それにしても拠出者でない者については三千三百円のこの何を出しておるわけでしょう。
厚生
年金かて一つのそのときの退社時の報酬の基準をスライドをしておるわけでもないですよ。われわれはそういう該当者の——スライドしておるわけでもないですよ。そういう立場から言えば、あくまでもすべての年金問題についてはこれはやはり過渡的な処置という問題がここに生まれてくるわけですよ。理念的にはあなたの言われるとおりだ。私、それを曲げようとはしないけれども、しかしこの過渡的な問題にしても、先ほど私が言ったように
福祉
年金の増額をすべきじゃないかというのが今日の老齢化しておる事態から考えてみて、核家族という事態になっておる現実から見て、そうしてせめて前回の国会で改正になりましたように、この老齢
福祉
年金については大体二万七千円くらいが三万九千円ぐらいでしょう。そういうふうに改正しておるのだが、無拠出の人であってもせめて一万五千円くらいは出していいじゃないかということを私は申し上げておるわけだ、これは理論じゃないですよ。今日これだけの
日本
経済が成長しておる中に、しかも老齢者がふえてきておる、核家族の事態が起こっておる、この核家族の事態でももっと政府がほんとに
中心
にやるならば、私は現在の家族制度の中にたとえば農村あるいは中都市でもいいですが、持ち家制度のものに対して、
老人
の部屋をつくる。それには無利子で百万円なら百万円、二十年償還で貸してやるという処置をとれば、何もいまの
老人
ホーム
をつくらなくても、あせらなくともいいのです。そういう方針を
日本
政府はとっていない。そういう矛盾が起こっておるから、現実の起こっておるこの事態を、少なくとも月間、老齢年金については一万五千円くらい出してはどうかということを申し上げておるのであって、これを実現してもらいたい。そしてスウェーデンみたいに、スウェーデンも一ぺんになったのではないでしょうけれども、しかしスウェーデン経済と
日本
経済がどうかというと、
日本
の経済は出せない経済じゃない、出せる経済だから、私は
老人
を見るべきじゃないかと思う。そういうことをおっしゃるなら、明治大正の人が
日本
にどれだけの貢献をしたかあなた知っていますか。貢献度をもっと考えなさい。
社会
福祉
の拠出というものはこれはわれわれがつくろうとしてつくったのであって、
厚生
年金かてそうですよ。そうじゃなくても、政府は拠出しなくても出そうと思えばこれは出せるのですよ。そういう事態なるがゆえにこそ、私は基本はあなたの理念には間違いはないと思うけれども、現実の起こっておる問題をどう処理するかについては特別の配慮がなければいかぬ。そこから起こってくるのが
老人
の
意見
であり、また
老人
に対してはわれわれが、政府がこれに対して深い関心とそれだけの施策をしてやる必要がある、こういう観点で私は質問申し上げておる。そういう観点でひとつ増額をしてもらいたいと、こういう考え方を持つわけです。大臣、ひとつこの点はもう
予算
もこれは大事なときですから、ぜひ私はことしは増額をして
老人
のほんとうにいこいができるような
生活
の基本を立ててもらいたいことを申し上げておきたいと思います。
塩見俊二
175
○国務大臣(塩見俊二君) 私は、
高山
先生の御
意見
は非常に心強く拝聴をいたしておったのでございます。御承知のとおり、実際問題として考えまして、ことし三千三百円に引き上げることになったのでございまするが、これは実は十月からの実施でございます。御承知のとおりでございます。したがって、これを明年度、平年度化しまして明年度の金額にいたしますると、これは前の施策でございまするが、これが約五百億の新規財源を要するわけであります。さらにこれをかりに五千円に引き上げるということになりますと、これはまず八百億ぐらいの資金を要するというような、非常に巨額な一面におきましては資金を要するというふうな問題もあり、あるいはまた十年年金が御承知のとおり五千円というようなこと等とも関連をいたしまして、われわれとしてはこの年金の充実ということを最も重大な施策の基本として考え、この
老人
の
福祉
年金につきましても、これは実は私も就任早々から五千円以上というようなことを勇敢に出しましたけれども、まあ大方の皆さん方の御支持をいただいておるような感じを持っておりまして、ぜひともこれは実現をいたしたいと思うわけでございまして、決して一万五千円の構想を私は否定をするという気は毛頭ないわけでございまして、力強い御支援と承っておるわけでございまするが、それにいたしましても、この年金制度の前進、この
福祉
年金の五千円、あるいは
厚生
年金、
国民
年金の今後の増額、私は非常に重大な、
社会
保障の充実という観点から見ましても、
日本
の歴史の過程においても重大な時期だと考えておるわけでございまして、一生懸命これが実現に
努力
をいたしたいと思っておりまするので、どうかその点御了承をいただきたいと思う次第でございます。
高山恒雄
176
○
高山
恒雄君 まあ大臣、もう質問は私もやめますが、そういう答弁をしていただくとそれ以上言ってもしようがないんですが、ひとつぜひ大臣、私はもう百の理論より実現をどうするかということですよ。私は最初大臣の姿勢をお聞きしましたように非常に期待をいたしておりますので、私はやってもらいたい、ほんとうに。これは私はもう申し上げればたくさんあるわけですが、むしろ、
厚生省
のお先棒を労働省がとってやるというような、私はそれを促進したいという気持ちを持っておる。
厚生省
にはできない、私はそんな
意見
を持っていますよ、きょうは言いませんけれども。たとえば、保育園にいたしましても、託児所を一体どうするのか、託児所を保育園にして労働省に持たしたらいいという考えもないじゃないですよ。それはなぜかというと、実際、議論じゃないです。やれなければやれるところに持たせなくちゃいけませんよ。そういう派閥的な、省的な感覚で
国民
を扱ってもらっては困る、こういう
意見
を私は持つわけです。どうか、私は期待していますから、大臣よろしく実現に
努力
してください。 終わります。
小笠原貞子
177
○
小笠原貞子
君 先国会の五月三十日の
老人
福祉
法改正のときに、リハビリ問題の全般についてお伺いいたしました。きょうの質疑を聞いておりましても、初めは非常に前向きのいい答弁が出てまいりますが、いよいよ
予算
編成の時期になりますと処女のごとく後退をいたしまして、失望させられるというようなのが現状でございます。また同じ質問に対しても答弁が非常に後退していくというようなことで、
局長
がかわり、大臣がかわればそのたんびに一つ一つ押えていかなければどうも安心できないというようなことになってしまうわけで、ほんとならきょうは私も一つずつ押えて、やってくださるのかどうかと確認したいところですが、時間の
関係
もありますからそんなやぼなことは言いませんが、どうか五月三十日のリハビリの問題、
老人
問題、そのほか各
委員会
でどういう質疑がされて、それについてどういう答弁をされたのか、その答弁について幾ら大臣がかわろうと
局長
がかわろうと
国民
に対しての
厚生省
の責任というのは一貫したものでなければならないと思いますので、もう一度どういう答弁をいままでなすってきたか、お読み返しいただきまして、後退されることのないように切望して、私は初めの段は省略をいたします。 それできょうの
委員会
の冒頭にも
北海道
の
調査
の問題でリハビリの問題を出しましたが、その中でどうしてもやっぱり重ねて確認しておきたいことがあります。リハビリについては医学的に非常に高くいま位置づけていると、そしてリハビリについては非常に
努力
をしているというような御答弁が続きましたけれども、ほんとうにリハビリというものをどう考えていらっしゃるだろうか、医学的な面だけではなくて、きょうの
報告
書にも書かれていましたように、せっかく
病院
に入って
訓練
をして
機能
が回復しても、それが
地域
に帰り、家庭に帰っていってまたマイナスになってしまうというようなことになっては困るわけなんです。だから、リハビリというのは単に一医学の面から、肉体の面からだけの局面からの対処ではなくて、全人格的な面のほんとうに
社会
への復帰という点を真剣に考えてほしいと思います。一つの例ですけれども、先ほどの
報告
書にもありましたけれども、各
病院
がいま一番心配しているのは、
老人
医療
無料化によって先ほどの
報告
にもありましただんだんお年寄りが
入院
してくる、そして
ベッド
の回転数が少なくなってくる、こういう問題があります。その一人一人のお年寄りや、また倒れられてリハビリ
訓練
を受けて、もうこれで
社会
復帰がある程度できるという方
たち
も、なかなか出るという勇気が出ないんですね。それは
社会
復帰したときにどういう受け入れ体制があるかということが非常に大きな問題なんです。あるリハビリの
病院
の事実なんですけれども、本人にお医者さんはもう出てもよろしいと、そういう診断をしました。しかし本人は出て行って
社会
復帰するというそういう自信がない、それで、どういうわけでそれができないかといえば、やはり麻痺が少し残っている。仕事は何だということを聞いたら、そうしたらその人は石の研摩工なんです。みがくわけです。そうしますと、そういう中小
企業
の中で、小さい工場の中で、機械の間を縫って歩いて、不自由な手で研摩してもとの
生活
をささえられるかといったらささえられない。それが非常に不安で退所することができないという問題が明らかになった。そこでお医者さんと
地域
の方、そうしてケースワーカーの方みんなで相談して、それじゃあその人がその機械の間を心配なく歩けるように、土台がでこぼこしているのを平らにしようじゃないか、そうして、機械が八台あって通路が狭いのを、それじゃあ六台にしようじゃないか、その費用がどのくらいかかるのだというようなことまで検討して、そうして右手が不自由でもだれかがそれを補えば、実際やってみたらできるんじゃないかというような先の見通しを立てたときに、その人は退所するという気持ちになったのですね。そうして退所するというときに、そこの
地域
の方やいろいろな方が協力して、土間のでこぼこだったところをコンクリートにみんな直してくれた。そうしてみんなが精神的にも物質的にも援助してくれたと、そういう中で、そのおじさんはいま
社会
にほんとうに復帰して、生きがいを持って
生活
をしているのだ、これはわずかの例でございます。しかしリハビリに対する考え方というのはそういう立場から考えていただかなければ、幾ら
ベッド
をつくっても、幾ら
訓練
をしても結局それは非常に効果をあげないということになる。だからリハビリに対する医学的な立場と、そうして
社会
復帰のその問題というような両方の面から常に考えていただきたいということをしっかりと頭に置いて、いろいろな施策をやっていただきたいと、そう思うわけです。事実寝たきり
老人
といわれるような人
たち
も、
訓練
すれば六割程度が歩けるようになったというような具体的な例が出ているわけですから、そういう点をしっかり大臣も考えていただいて、各医務局も
社会
局もみんな一致してリハビリの問題にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 そこで、非常にしぼって問題をお伺いいたしますけれども、この前も質問をいたしました。いまリハビリの
施設
の中で一番
不足
しているのは、医者、
看護婦
はもちろんでございますけれども、リハビリ特別の問題としては、理学療法士、作業療法士というような
訓練
のための人
たち
なんです。ところが理学療法士、作業療法士、視能
訓練
士というのは、この間も
資料
をいただいて御答弁いただきました、五年
計画
、十年
計画
というのが出ております。これはまことにずさんというか、まことに不十分なもので、たとえば作業療法士にしても、十年たっても四六・七%の
充足
率、これは自然にやめていく人を加えればどれだけ減るかわからないというような問題になります。だから、こういう五カ年
計画
、十カ年
計画
でもまだ半分にも満たないというような、こういう
計画
というものはこのままでまた来年度も考えていらっしゃるのか。それともここでもう一つ、大きないろいろ困難はあるでしょうが、困難を困難だといわれていれば
厚生省
の仕事はないわけなんですから、この要請に対してどの程度考えていらっしゃるか、改善して
養成
をふやしていただけるだろうかということを、きょうの段階でもう一度お伺いしたいと思います。 それから、第二番目の問題としては、いま言いましたような方
たち
には専門職という立場での身分保障がございます。しかし、いま一番問題になっているのは、言語聴能士——言語士とか聴能士とかいわれておりますけれども、これが国立の聴力言語専門
養成
所で今年すでに二十二人が卒業しているんです。しかし、先ほども
報告
書に出されたように、身分法が全くないわけなんですね。だから三
年間
の専門教育を受けても
一般
職としての位置づけしかないというところが非常におかしいと思うのです。その点について、身分制度をどういうふうにお考えになるかという点をまずお聞きしたいと思います。
滝沢正
178
○
説明員
(滝沢正君) 先生御指摘の、
リハビリテーション
全体の考え方についてたいへん適切な御発言があったわけでございますが、確かに医学的な面のみならず、
社会
的な全体の
医療
の
対策
というものが、非常に現在の
日本
の体制では不十分になりがちの
状況
にございます中で、この問題を解決していくためには、やはり専門家の
養成
というものが焦眉の急であるわけでございます。私、八月から医務局を担当しまして、
予算
要求といたしましては、率直に申し上げまして、先生の御存じの
資料
の
計画
どおりの四十八年の
養成
でございますが、この点について
問題点
は、まずその身分法の、
養成
計画
の高校卒という制度そのものにいつまでも——いつまでもと申しますか、それだけを考えるか、前の松尾
局長
の答弁の中にも、私、きょう勉強させていただきまして、ございますように、大学卒のコースというものを、私はむしろ
医療
従事者というものが、個人個人で人間が接触し合う
医療
従事者は、少くとも教養と申しますか、その仕事の中で教育的な活動もなければならぬ。人を納得させていかなければならぬ。また
医療
従事者全体が、
医師
だけが大学卒で、ほかの
関係
が高校卒が多いというシステムそのものも、やはりチームワークとしても必ずしも望ましいものではないということで、全部の制度を全部そうするかは別問題といたしまして、少くともコースとしては外国にございますように、
看護婦
の場合もそうでございますが、大学コースもあれば、いわゆる
養成
コースもございますように、私は、OT、PTの問題については、サーティフィケート・コース、いわゆる大学卒の専門教育コースというものを、部会等の御
意見
もございますので、これを軌道に乗せるというか、これを
計画
に乗せまして、従来
計画
を変更し得るならば、私はそれは一つの方策ではなかろうか、こういうふうに考えております。 もう一点は、やはりこれの評価の問題でございます。
医療
保険制度
の中におけるこういう問題の評価については、確かにまだ現状が有資格のほんとうに力のあるOT、PTが少ないために、必ずしも中医協その他の御
意見
も一致してこれを認め、ないしは高めていくということにまで至っておりませんけれども、まあ、医務局の立場としては、これの評価の問題については、やはり
社会
的に伸展させるためにはこれを改善してもらうということが一点大事な問題だと思います。 それから第二点のST、ATの、言語療法士あるいは聴能士の問題につきましては、確かにおっしゃるように二十二人の方の卒業等の問題もございまして、これは文部省の系統で、要するに専門教育と申しますか、特殊教育の教員
養成
の立場からやっておるコースがございますけれども、われわれは医学の面からの
医療
分野におけるこの問題と取り組まなきゃならぬわけです。そういう点がやや多少率直に申して文部省、
厚生省
的なそれぞれの立場で必ずしもまだ十分な話し合いができていないことを私承知するようになりましたので、きのうもその問題について
関係者
と話し合っておりますが、できたら両方を身分を一本化したい、で、どうしてもだめな場合でもメディカルの
関係
の、ST、ATの
関係
の身分法は、これはぜひやりたい、こういう考え方に立っております。
小笠原貞子
179
○
小笠原貞子
君 この前もそういう御答弁ありました。確かに私も三年で十分だとは申しません。もちろん量もたくさん要るけれども、また質的に高められたものでなければならないというのは、これはもう常識的なことでございます。しかし、現実にそれじゃいますぐ大学卒のそういう専門職としての効果を出せる人がいるかといったらいないわけですね。だから私は、いまほんとうに必要としている問題として、改良の面からもいま言ったことをお願いしたいわけなんです。確かにいろいろと評価というのはむずかしいかもしれません。しかし、やはり同じように三
年間
高校卒業して
訓練
をした、こちらのほうは身分保障がある、しかしこっちは全然身分法がないということでは、これはもう評価の
内容
というよりもいかにも不合理だと思うんですよね。私は、その点について中医協でどういうふうな評価でこういうふうなことになったのか存じませんけれども、もし滝沢さん御存じだったら、どういうふうな差があってここに身分法ができなかったのかということを伺いたいと思います。
滝沢正
180
○
説明員
(滝沢正君) この評価の問題、中医協の評価の問題と身分法とは直接
関係
ございません。特に身分法がむしろ先行しませんと評価が起こってこないのじゃないかと思いますので、私のほうの身分法をつくるほうが先の責任であるのじゃないか、こう考えております。
小笠原貞子
181
○
小笠原貞子
君 それじゃなお簡単ですよね。おたくのほうでやる気があればできると、こういうことでしょう。そしたら、その身分法はいつごろつくろうというふうに考えていらっしゃいますか。
滝沢正
182
○
説明員
(滝沢正君) この問題につきましては部会等の検討もかなりしていただいておりますので、私はでき得れば次の通常国会に考えたい。STとATを一本にするかという
意見
もございます。専門家の一部にはこれは一本でできるのじゃないか、こういう御
意見
もございますので、その辺のところを十分検討いたしまして、できたら一本でATとSTを両方やりたいと、こういうふうに考えております。
小笠原貞子
183
○
小笠原貞子
君 先ほどの御答弁ではやっぱり十年後まで非常にまだ
充足
率の足りないという
計画
のものままで進められるわけですね。しかし、それは
社会
的ニードの高まりによっては年々改善していくということは当然やっていただけると思うわけなんです。それはそうですね。絶対これより進まないというわけではないでしょう。
滝沢正
184
○
説明員
(滝沢正君) この問題については先生からもおしかりが前にあったらしいんですが、たとえば国立の四十七年度の
設置
計画
も本来は四十名、四十名の八十名ぐらいにすべきなのを二十名、二十名でやむを得ない、こういうことがございました。それから根っこにやはり教える立場の人が初めは外人にお願いして来てもらった、やがては
日本
人が先輩として後輩を教える立場がとれる時代に入ってまいりますので、私はこの
計画
が相当進められるとは思いますけれども、国立みずからやる場合と公立に補助する場合、それから私学、——大学等を含めまして私立的なところを期待する、こういう一応
計画
になっておりますので、必ずしも確信を持ってこのとおりやれるということが言えるかどうか、この点はございます、率直に言って。しかしながら、一面さっき申し上げました視能
訓練
士、私が医務局に前におりましたときに、視能
訓練
士を国立小児
病院
につくりました。このときは法律上は高校卒三年コース、大学卒一年コース等をつくりまして、このとき視能
訓練
士は高卒三年のものと大学卒
訓練
士がいる形にしたのですが、いまや大学卒の方が非常に幅広く存在することになりまして、むしろ何か専門的なものを身につけたいという意欲がかなりございますので、先ほどのSTなんかも応募者がやはり五倍ぐらいあるということで、視能
訓練
の場合も、うまく成功して一応大学卒を教育できる。こうなりますと、私はOT、PTの問題も大学卒二年というコースというものが先生のおっしゃるとおり、この
計画
を変更する大きな要素になり得る期待を持っているわけでございます。
小笠原貞子
185
○
小笠原貞子
君 量的にも質的にも高めるという意味でどんどん変更をしていただきたいと思うわけです、いまおっしゃいましたように。国でする場合と、また今度
北海道
へ行きましても、自治体自身で一生懸命これの解決に当たらなければならないというようなことで、今年度
北海道
にもOT、PTの
養成
所がつくられるということだったんですけれども、その際にやはり
運営費
補助というものが非常に困難になってくるわけですね。そういたしますと、国自身ではできないけれども、地方自治体がそれだけ熱意を持ってやるというような場合には、当然重要な
医療
従事者を
養成
するという任務を分担してくださるわけですから、だからそれについての補助というものを考えていただいても当然しかるべきことではないか。たとえば
看護婦
養成
所等については、
運営費
補助、四十七年一カ所百三十万円ですか、わずかの額ですけれども、そういうものが出されているということを伺いますれば、そういうふうに地方でもどんどんやっていこうという場合の補助というものくらいは、せめて国の手を差し伸べていただいてしかるべきだと思うのですけれども、その点はいかがお考えになりますでしょうか。
滝沢正
186
○
説明員
(滝沢正君) この点につきましては、たまたま先生のおあげになった例が今年
北海道
につくっていただこうとしておるOT、PTの問題でございますが、この地方自治体に対しては、
看護婦
の場合も交付税等で自治省からめんどうを見ていただいておりまして、日赤、済生会
医師
会等の民間——広い意味の民間団体の
看護婦
養成
に対して、
厚生省
から補助を出しております。どうもこのスタイルを打ち破ることはなかなかむずかしいのではないかと思いますので、OT、PTに限ってだけ自治体にも補助金が出せるかどうか、この点は若干まだ不安がございますけれども、しかしながら自治省その他と、特殊な
施設
として交付税の計算上、積算をしてもらうということはまず当然のことであろうと思いますが、補助金の問題についてはそういういきさつ等もございますので、今後日赤、済生会その他
対象
になり得るように拡大すればその問題は私は当然OT、PTの問題ばかりでなくて、エックス線の
関係
とか衛生検査の
関係
も私は将来やはり補助の
対象
にしたいという気持ちもございますので、しかしPT、OTは特に
不足
しておるという意味を含めて、抜き出してでも民間の団体がやってくだされば補助
対象
にはなり得る。しかし自治体の場合はちょっと問題がある、こういうことだけを申し上げたいと思います。
小笠原貞子
187
○
小笠原貞子
君 何ごとも困難は伴うかと思いますけれども、どういう方法かで実質的な援助をしていただくという道を考えていただきたい、それがそちらの仕事なんですから、一生懸命に考えていただきたいと思います。 それから公的
医療機関
整備
費補助金の
要望
というものが非常に多く出てきておると思うわけなんですが、これは適用
対象
としては
過疎地域
の病床
不足
、
地域
救急、それから
ガン
、小児というようなものが
対象
になっていたわけですね。それで
予算
なんかを見ましても四十八年度七億円の
予算
ですか、要求されているということになっていますけれども、たとえばこういうような公的
医療機関
にどんどんリハビリ専門家というようなものを設けてもらって、そこに公的
医療機関
整備
費補助金というものを出すというために、いま言ったような
過疎地域
の病床
不足
ということや、
地域
救急、
ガン
、小児ということに加えて、リハビリというものを入れていただけば、そういうところで
財政
的な補助という道が開けるのではないか。それは非常に地方においてのリハビリを進める上で大きな力になるのじゃないかと思いますけれども、その辺はどうなんでしょうか。
滝沢正
188
○
説明員
(滝沢正君) この問題につきましては、結論を申しますと、政策
医療
と申しますか、こういう特殊な
問題点
をあげて、それを補助
対象
にしていくという持っていき方からいけば、これはむしろ四十八年度要求にのせたいくらいに思います。先生の御指摘があって、私もまあ日が浅いものですから気がついたくらいの点でございまして、これはぜひとも政策的な
医療
の一環として、われわれの
関係
の事務担当者も将来の可能性があるという
意見
を持っておりますので、私としてもこれは補助
対象
にしていきたいと、こういう考え方でございます。
小笠原貞子
189
○
小笠原貞子
君 それじゃリハビリの最後の質問になりますけれども、まあ国立
リハビリテーションセンター
設立
調査
費というのが約二千万円要求されているわけですけれども、その
計画
と見通しというようなものについてはどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか、その要点をお示しいただきたいと思います。
角田耕一
190
○
説明員
(角田耕一君) お答え申し上げます。国立の
リハビリテーションセンター
についての見通しと構想ということでございます。昨年度、本年度、それぞれ
調査
費がついております。それで中間
報告
が本年の六月一日にございました。
リハビリテーション
というものが非常におくれておる。すみやかに国立の総合的な
リハビリテーションセンター
をつくって、各都道府県以下、公私立の
施設
のモデル
施設
として発足をさせたい。 それからもう一つは、先ほどもお話がございましたように、パラメディカルな
職員
、それから真に
社会
的なケースワーカーなり、そういう
関係
職員
の
養成
、
訓練
をいたしたい、こういうようなことが主でございますが、結局来年度は二年の
調査
結果に基づきましてそのマスタープランを作成をする、こういう要求をいたしております。それで具体的にこれは大臣からもお話がございましたけれども、土地の
確保
、少し広いりっぱな建物をつくりたいということで、所沢の旧飛行場のあと、これを八万坪
確保
したいと
努力
中でございます。
小笠原貞子
191
○
小笠原貞子
君 いまマスタープランをつくって、それで現実に国立の
リハビリテーションセンター
というものが
機能
を開始するというのは大体いつごろになるのですか。
角田耕一
192
○
説明員
(角田耕一君) 来年がマスタープランでございますから、マスタープランというのはその八万坪が
確保
できたとすればどういう
施設
をどのように配置をするか、組織、人員をどうするか、こういうことでございます。したがいまして、来年はそういう作業がございますので、再来年から、一、二、三年、三年
計画
ぐらいで最終的に完成を見るのじゃないか、こういうふうに考えております。
小笠原貞子
193
○
小笠原貞子
君 たいへん気の長くなるような話なんですけれども、まあ、やいやい言ってもできる力しか出せないとおっしゃるだろうと思いますけれども、私もこれを読ませていただきまして、やはり一日も早くこういう中央的なセンターをつくっていただきたいと思います。そのことが結果的にも、これは五十三ページに「
リハビリテーション
の価値」というところに出ておりますし、各国でも言われておりますけれども、結局倒れてそのまま寝せておいて、そして保障していくというマイナス面よりも、早く
訓練
して
社会
復帰させるというのがそろばんはじいたって得なんだ、こういうことがいま世界的に経験されていることなんでございますから、だからぜひそういう立場に立ってでもしっかり考えていただきたい。特に大臣には、
予算
編成の時期に担当されるわけですから、いままでの答弁をお聞きになって、また議事録などもお読みになって、このリハビリ問題について相当の御決意をいただかないと概算ではかっこうつけたけれども、実際にはつかなかったというようなことでは非常に残念な結果になりますので、その意味で大臣のどの程度御理解いただいて、これからやっていただけるか、一言お答えをいただいてリハビリの問題を終わりたいと思います。
塩見俊二
194
○国務大臣(塩見俊二君) このリハビリの問題が重要であるということ、十分に御
意見
も承りまして拡充しなくちゃならぬと思いまするが、まだどの程度にこれが実現をするかということにつきましては申し上げる段階ではないかもしれませんが、大蔵省との折衝等につきましては私も全力をあげて
努力
をしたいと思います。
小笠原貞子
195
○
小笠原貞子
君 たいへん
一般
的な御答弁しかいただけなくて残念なんですけれども、それじゃ具体的に一つだけ、さっき申し上げましたけれども、公的
医療機関
整備
費補助金というようなものをリハビリもその範疇、
対象
に入れて出すというような方法は今度の
予算
では考えられないですか。今度だめだったらせめて来年でもというような、とにかく今後
努力
しましょうという答弁ばかりでは、もう何かきょうの
委員会
ちょっと心細くなっちゃうんですよ、私、朝から聞いていて。もうちょっと何とかその辺のところは、ことしやるとか……、目玉商品でしょう、田中内閣の。目玉、さっぱりだめになっちゃうわけですよ。その辺のところ具体的にもうちょっとどの程度ということを考えられるかという問題はないんですか。
滝沢正
196
○
説明員
(滝沢正君) 先ほど少し正直に申し上げ過ぎたかもしれませんが、私は事務的にお答えすればもう一応概算要求のスケジュールが済みましたので、これはちょっとこの程度の問題入れることは非常にむずかしいのですが、実はきょうのお答えの中にも
難病対策
がプロジェクトチームができて、今度締め切った
予算
とは別個に検討する問題が一つございます。これは、
難病対策
は
リハビリテーション
が伴うことが当然の方向でございますので、せめて私に許されるのはその段階でその問題に取り組めるかどうかやってみたいということだけでございます。あとは四十九年度以降にはこれはやりたい、こういうふうに考えております。
小笠原貞子
197
○
小笠原貞子
君 どうもほんとうに正直なお答えでちょっと困っちゃうわけですけれども、でも、もう手おくれ、概算で手おくれだとおっしゃったけれども、この問題、先月やその前に始まった問題じゃない、当然手おくれだというところに、リハビリの問題はよく理解しますと言ったってさっぱり理解されていない、結局手抜かりしているから。だからいま何とかその辺のところはできます、こういうところだったわけですから、せめてその辺のところで何とかしてもらわないと全然抜けっぱなしになっちゃいますから、しっかりやっていただきたいと思います。 それを
要望
いたしまして時間もありませんので、簡単に次に
沖繩
の水道の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、
沖繩
の
米軍
が復帰後も安い料金でなければ払わないというのでがんばっているのですけれども、その問題、大臣、御承知だったでしょうか。
塩見俊二
198
○国務大臣(塩見俊二君) 正直に申し上げまして、私はこの経過は承知しておりませんでした。
小笠原貞子
199
○
小笠原貞子
君 そういうことでは、新任でお忙しくてたいへんだったかもしれませんけれども、
沖繩
県民にとりましてはやはり水というのは非常に
生活
上たいへんな問題ですし、アメリカ軍がいままででも三分の一から使っておりました。そういうような点から質問をするわけですけれども、
米軍
との
関係
についてお伺いしたいと思いますけれども、
沖繩
県においても当然
日本
に復帰したわけですから、水道法が適用されるということになると思いますが、そのとおりでございましょうか。
浦田純一
200
○
説明員
(浦田純一君) そのとおりでございます。
小笠原貞子
201
○
小笠原貞子
君 そうしますと、水道法が適用されるとまた地位協定と
米軍
との協定上水道問題で特別な安い料金で提供しなければならないというような法的な根拠、特権というものが当然ないということに理解されるわけですけれども、そのとおりでしょうか。
浦田純一
202
○
説明員
(浦田純一君)
沖繩
におきまする
米軍
への給水に関しましては、
沖繩
ゆえの特殊な権益はこれは存在いたしません。
小笠原貞子
203
○
小笠原貞子
君 それでは本土の
市町村
で、
米軍
基地への料金で特権扱いをしているというところはありますでしょうか。
浦田純一
204
○
説明員
(浦田純一君) 本土における
米軍
施設
への給水に関しましても、特別な扱いをしている水道
事業
体はございません。
小笠原貞子
205
○
小笠原貞子
君 それでは、それは当然のお答えだと思います。実はこの
沖繩
の水道の問題につきましては、
沖繩
国会といわれた昨年の十二月二十五日に、共産党の春日
委員
が質問しておりまして、いまと同じような答弁をいただきました。祖国へ復帰するからには当然
日本
と同じであると、だから水道法が適用になる。しかも
米軍
だからという特権はないというお答えが出ている。いまおっしゃったとおりになるわけなんです。しからばというところになるわけなんですけれども、いま
沖繩
でもう復帰しましてから、五月十五日ですから六月、七月、八月三カ月以上たっておりますね。それにもかかわらず、
米軍
はお金を払ってないわけです。水道料払ってない。それはいまおっしゃった国内法が適用されるとするならば、
米軍
といえども、県の
企業
局——
市町村
から
沖繩
県民と同じような料金で買わなければならないということは当然の結果になるわけですけれども、
米軍
はそんな高い水道料は払わないということで、三カ月間払わないでがんばっているということなんですね。三カ月の間こういう問題が起きていたのに、
沖繩
県当局から事情の
報告
もされているはずなのに、この問題について何らいままで手をつけられなかったかということが、私は非常に残念に思うんですけれども、その間、
厚生省
としては、まあ大臣は御存じなかったかもしれませんけれども、
厚生省
としては
報告
も受けられていたでしょうが、どういうふうな考え方でいままで放置されてきたんでしょうか。
浦田純一
206
○
説明員
(浦田純一君) これは復帰前からのことでございますが、復帰後、水道
事業
者である
予定
の
市町村
、それから
沖繩
県、それから
米軍
の当事者の間で円満かつ合法的に解決ができるものだという見通しのもとに、かねてから具体的な給水方法の検討——技術的な問題も含めまして、それから
関係
市町村
間での調整というものを早急に行なうように、私どもとしては当時の琉球政府あるいはその管下の
市町村
関係者
の方々を指導をしてまいってきたところでございます。 その後、
報告
によりますと、琉球水道公社と
米軍
との間に復帰直前に結ばれた何か契約事項があるようでございまして、その辺の取り扱いをめぐって、
米軍
側としてもいろいろと言い分があるようでございます。それから、もちろん、
沖繩
県並びに
市町村
は、国内法に基づきまして、本土のいままで扱っておりましたと同様に、水道
事業
を行なう。それに基づいて
米軍
施設
が買うということについて主張してきておるわけです。しかし、いろいろとそのようないきさつなどもございまして、いま、まあ
米軍
といたしましては、むしろ府中のほうの本部のほうに、そのことについての
意見
を問い合わせる。それから
沖繩
県といたしましても、まあ、まだ正式ということではございませんけれども、内々
厚生省
を通じまして、場合によりましては外務省を通じての
米軍
の本部との交渉に移したいというようなことで経過しているわけでございますが、私ども、実は本日も
関係
の
沖繩
県の
局長
に事情をよくお聞きしております。できるだけ早く円満に、かつ合法的に、もちろん対等な立場で話し合いがつくように今後とも指導してまいりたいと思います。
小笠原貞子
207
○
小笠原貞子
君 ほんとうにしっかりしてもらいたいと思うんですよ。円満に解決するのは、当然そのほうが好ましいけれども、大体国内法できちっときめられて、それが本土に復帰したら適用されると。対等、平等の
関係
にあるにもかかわらず、
米軍
が根拠としてだだをこねているのは、かけ込み契約ですわね。復帰のもう五日くらい前に、インチキな、それこそ手続もきちっとしていない契約でもって……、それをたてにしていると。しかし、国内法が当然適用されるとするならば、四十七円ですか、トン
当たり
、
一般
。それが
米軍
、いまちょっと上がったのですけれども、一トン十八円なんですよね。一トン十八円で、県民の全部使う水の三分の一を使って、しかも三カ月もたっているのにまだ払わないというような相手に、円満に解決しましょう、いかがでございましょうなんて言ったって、向こうは当然占領者としての意識を残して、こういう無謀なことを言っているんだから、やはりそこには、政府としてき然とした態度をとっていただきたいと思うんです。 いま戦車M48のあの戦車の輸送の問題にしても、非常に国内法と——ずっとこまかく調べてみたら、いかに
米軍
が国内法を無視し、わがもの顔に
日本
に居すわっていたか、それに対して政府はいかにそれになれ過ぎていたか。全く
日本
としては独立国としてのプライドというもの何もないのですね。ですから、この水道の問題についても、当然水道法が適用されると、そして
米軍
に対しても何ら特権がないということであるならば、もっとほんとうに対等の立場なら堂々と、話をうまく進めなさいなんというのじゃなくて、もうきちっとした態度で私は話をつけてもらいたいと思うのです。水道法を見てみれば、もうそういう
理由
もなくて払わないなんというときには、われわれがもしそんなことをやったら水道とめられちゃうわけですよね。三カ月間そんなことを言っているのにいままでほっといて、そして、これからも円満解決にというような、そんな腰抜けたような態度じゃだめだと思うのですよ。やはりいま私
たち
にとって大事なのは、アメリカとの立場で対等、平等であるという、この水道法適用が当面されている問題ならば、このとおりの態度でしっかりとした解決をしていただきたい。これは当然
厚生省
の責任になるわけですし、また自治省との
関係
にもなるかと思いますけれども、
厚生
大臣がそこのところはしっかりやっていただかないと、解決の道は困難だと思いますので、
厚生
大臣にそういう御決意があるかどうか。きっとあると思いますから、しっかりした御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
塩見俊二
208
○国務大臣(塩見俊二君)
沖繩
はもうすでに
日本
に復帰して
沖繩
県でございますし、当然水道法は、これの適用ございますので、あくまでも水道法のたてまえを踏んで解決したいと思います。
矢山有作
209
○
委員長
(
矢山有作
君) 本
調査
に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十三分散会 —————・—————