○春日正一君 違うけれども道理に合わぬと、私さっきから言っておるのですよ。
時間がありませんから、
結論を急ぐから先へいきますけれども、しかしそういうあなたの言う論からいっても、実際の
状況はどうなっておるかというと、区画整理前と区画整理後の全体の
土地の総
価格というものは、減歩率や
公共投資額の多少にかかわりなしに、プラス・マイナス・イコール・ゼロと、こういうふうになることを
前提として、逆算して、それを各戸に振り分けていくというやり方をとっているのでしょう。たとえば青森の場合ですね、前の
土地の総
価格、区画整理前のですね。これが百十六億八千五百万円、区画整理後の残地の総
価格が百十六億八千五百万円で、ぴたりと合っている。こんな計算出るものじゃないですよ、実際問題として。どうしたってこれは作為的なものですよ、合わせるようにつくったものですよ。こんなに一銭一厘と違わぬように出るはずがないですよ。だからこういうことで、たとえば一〇%前後の減歩率のものでも、まあ極端に大きいもので、五〇%近いような減歩率のものでも、特別な事情のものは別として、前とあとのと値段が違ったからといって減価補償金を出したというような例はあまりないでしょう、大体ぴたっとつじつまを合わせているでしょう。この青森の例だってこんな計算はどこから出てくるか、計算の根拠出せと言われたら困るじゃないですか。あなた方は、値段が上がるから得をするのだとか何とかと言うけれども、それじゃつじつま合わないのですよ、取るだけ取っといて、それで、その引かれた
土地と前の値段をぴたっと合わせるようにして、それで各戸に、おまえのほうは
幾ら上がったからというような形で、清算金だ、交付金だというような計算していくように、そういう扱いに
現実はなっている。だから、あなたの
説明は説得力がないから、何といっても住民は聞かないわけですよ。あなたの説得で通るなら、いまごろとっくに片づいている。そういうことなんですね。
で、私がいま
局長をそうやって責めてももう犬体底は知れているから、だから私はもうその問題では
——時間を取れさえすれば
幾らでもやりますけれども、やりませんけれども、こういうことがあるから、だから、住民の抵抗がいろいろ起こってきて、どうにもならなくなるから、政府は、区画整理に対する国の支出についても何度か
変更を余儀なくされて
変更しているわけでしょう。たとえば三十四年には都市改造方式にして
事業費の二分の一を国が持つと変えている。三十九年からはそれを三分の二国が持つというように変えている。三十七年からは、
道路管理者負担金支出というようなものを設けるというような形で、
幾らかずつ譲歩するような形に変わっていっているということは、その矛盾が
現実になってどうにもしようがないから、だから少しずつ歩み寄っていっているということじゃないのだろうか。こういうことを考えてみますと、青森の問題を単に
——青森県
自体に問題が私たくさんあることを知っております、区画整理以前の問題もあると思います。たとえば県有地を三倍ぐらいにある点で計算してしまったというような問題ですね。そういうような問題とか、県
自体にも問題がいろいろありますけれども、やはり青森県だけでやれということだけでは済まされないのじゃないか。それでは青森県としてはなかなか片づけようがないのじゃないか、国道も通っているのだし。
特に木村
大臣に聞いてほしいのは、青森県の人たちはこう言っております。とにかく戦災を受けたというのは、わしらが好きで受けたのじゃない、国の国策の結果として戦災を受けたのだ、そのあと区画整理をやらされてそのために減歩を取られ、さらに清算金まで取られる。ところが、戦災を受けないまわりの人たちは、
道路を買ってもらってけっこう、まあその人たちに言わせれば、もうけているというようなことになると不公平じゃないか、むしろ農地改革に対する地主に対する補償とか、在外財産の補償とかいうような例をあげて、そういうことができるなら、戦災を受けたわれわれに対しても、それだけの特別な措置をしてくれてもいいのじゃないか、そういうふうにも言っているということを考えますと、国道も通っているというような事情を考えると、国としてもっと親身になってやって必要な金は何とかして出してもやるし、皆が納得できるような解決もするということに国も肩入れしなければならぬのじゃないか。私は、それは、国が口を出してやるという気になれば、存外スムーズに解決つくのじゃないかというような気がしているわけです、実情を聞いてみて。
そこで
大臣にお伺いしたいのは、その点でどうされるかという問題と、いまあります区画整理のいろいろの矛盾の問題ですね、これについてどうされるか、そこをお聞きしたいのです。