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説明員(磯崎叡君) ただいま
先生からるる御
指摘のございました監査
報告書の問題、これは御承知のとおり、監査
委員会は身分は私のほうに属しておりますが、全く私と独立の機関でございます。
大臣の任命された機関でございます。私は、一切これに対して意見を差しはさむ力を持っておりません。独立の機関でございますので、その点は私からお
答え申し上げるのはかえっておかしいと思いますので、申し上げません。
ただ、これと同じようなことが私自身の問題として、けさの新聞にも出ておったと思います。きのうの新聞にも出ておったと思います。若干誤解と申しますか、もございますが、私、きのうこれは衆議院の
運輸委員会に、いい機会でございましたので
お話し申し上げ、けさ、それが新聞に出ておりますけれ
ども、私は、鉄道という輸送機関は、あくまでもやはり鉄道というものの持っておる技術的な機能、それに最もふさわしい輸送をすべきものだという考え方には変わりございません。したがって、ある程度以上の輸送力、ある程度以上の輸送量がなければ非常に鉄道としてはむだがある。これはもうだれが見ても、私は変わらない問題だ思います。したがいまして、従来、ローカル線問題として、鉄道では大き過ぎるのだ、道路輸送で十分だというところについて道路輸送に転換すべきであるということがいわれてまいりました。私自身もその方向に浴って約百キロ以上の線路をやめてまいりました。確かにその考え方には全く変わりはございませんです。
ただ最近、先ほど
森中先生からも
お話がございました日本列島改造論その他でもって、いわゆる人為的に国の過密、過疎を直すのだというふうな御意見が一部にあるようでございます。そういたしますと、たとえば、例を申して、非常に具体的な例で恐縮でございますが、鹿児島県の志布志湾、あるいは青森県のむつ・小川原、あの付近に廃止すべきだといわれた線がやはりございます。まあ今後、たとえばいまの二つの地域がどういうふうに開発されるか、これはよくはわかりませんけれ
ども、ほんとうに国家的なプロジェクトとして志布志湾なりむつ・小川原が開発されるといたしますれば、単に国鉄経営——単にローカルの輸述は
自動車でいいのだという問題だけでは済まなくなるという全然違った角度から、この問題を取り上げる必要が場所によっては起きてくるということを考えなければいけないのじゃないかというふうに思っております。私は、したがってこの監査
報告書の、国の基本的な政策として具体的な方策を樹立されなければならない、これは実は非常に、批判をして申しわけございませんが、私はいただけないのでございます。
すなわち、各線ごとに各地域ごとに、これはこういうプロジェクトを持っている、これはもう使う方法はないのだというふうな具体的な国の過密、過疎解消の方策としていまのローカル線の地域が問題になるなら、これは考えられる。しかしし、そうでなくて、ただこういうふうな希望だとかいうふうなことだけでは、私はおかしいと思います。国の基本的な政策というのは、ローカル線をどうすべきだということについては、私は、もう基本政策としてはきまっておると思うのです。ただ、各地域の具体的な問題について国としてはこういう
計画を持っているのだ——たとえばこの間、これは政府の意見ではないようでございますけれ
ども、通産省、自治省、建設省、それぞれいわゆる二十五万都市の構想を発表されておりますけれ
ども、私、新聞で見ましたけれ
ども、この二十五万都市の構想の中に、やはりいまの私のほうの廃止したいと思ったローカル線線が一、二入っております。そういう場合に、どういうふうにそれを調整するか、これは考えなければいけないと思いますが、全体としていわゆる鉄通の使命の済んだ、鉄道の輸述量としては——もう鉄道では大き過ぎる、とても鉄道ではずうたいがでかくて不便でしようがないというようなところについては、私としては、これは物理的に必要ないということには変わりはないと思います。しかしながら、いま申し上げました全然別な角度から、過密、過疎の解消という角度からそれが必要なんだという国家的な使命が具体的に与えられたならば、それを考え直さなければいかぬというのが私の考えでございます。
したがいまして、逆に申しますとそれは経営外になると私は思います。先般の国会でいま
お話の廃案になりました二法案は、主として国鉄の財政再建ということで考えておりました。したがって財政をどう十年間に直すべきかという角度からこの問題を取り上げております。したがって、私は、財政的な角度からいえば、この前の御
審議願ったあの考え方にそう間違いはないと思っております。もちろん、三つの柱のうちのバランスの問題は、ウエートの問題はありますけれ
ども、方針としては間違いないと思います。しかしながら、それ以外に、いま申しましたように過密、過疎解消、国土の再開発というふうな全然別な見地から、このローカル線は要るのだ、これは将来使うのだという御意見、これは経営外の問題として、もしそれでもって赤字が出れば、黒字になるまでこれは政府でめんどうを見ていただくというふうな違った観点で、経営問題とごっちやにしないで改造論と取り組む、私はそこまで政府の御意見がきまったかどうかわかりませんが、私自身のいまの考え方としてはそういう態度でいくべきだ、改造論でもって国鉄の財政がごちゃごちゃになっちゃうということではいけないと思います。あくまでも、いまの財政はそのままとにかく維持して、そしていまの改造論というのは、やはり十年、二十年先の、あるいは二十年、三十年先の
お話だと思います、実際できますと。したがって、あれによって新幹線をつくり、ローカル線を残しましても、五年、十年で国鉄の経営がよくなるということは全然ございません。むしろ悪くなります。しかし、それが日本の将来にとって必要だとすれば、それは全然別な見地からやるんだ。いわゆる鉄道の経営外の問題。もっと具体的に申させていただきますならば、国鉄の中にいわば独立勘定みたいなものをつくりまして、その独立勘定の面は、新幹線の先行投資をやる、あるいはローカル線を残すという経営外のものを独立勘定にして——私、昨日独立
会計というふうに申し上げましたが、間違いでございまして、独立勘定にして、国鉄の中に独立の勘定をつくりまして、そしてそれで運営していく。それから赤字が出れば、これは国全体の方法として国で持っていただく、こういう私の考え方でございます。したがいまして、先ほどの
先生の御質問の監査
委員会のことはちょっと……。私の考え方だけを申させていただきました。