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説明員(
内田隆滋君)
先生お話のとおり、飛行機の問題といわず、
新幹線の問題といわず、一番関心の深いのは
騒音公害だと、私はそう信じております。そのために就任いたしましてからも、運輸省といたしましては間口が非常に広うございまして、地方にも各陸運局とか、あるいは港湾局とかいろいろありまして、業務連絡な
どもしなくちゃならないけれ
ども、私が一番先に地方に参りまして、仕事に当たったのがこの
騒音対策でございます。いままで足元に火のついた仕事がたくさんございましたものですから、地方出張というのはほとんどしておりません。しかし、先週の土曜日に思い切って、
大阪周辺の飛行機の
騒音公害の状況、また
大阪と神戸の間の
新幹線の
騒音、
振動の
被害の状況、これを単に短時間でなくて約八時間幾ら、九時間近く、一日
一ぱいかかって
現地をつぶさに見せていただき、また、
現地の
方々に数カ所にそれぞれ集まっていただいて、長いところでは二時間以上
地元住民のお声を聞かしていただきました。ただ聞くだけでなく、それに対して私はいま
先生の
お話しのように、今後の
対策を一応私なりの
考え方を発表いたしました。
まず簡単に申し上げますが、飛行機騒害から申し上げますと、飛行機の騒害については、例年の
予算を見ますと、全国的に大体四、五十億の
予算をとってやっておるようであります。昭和四十七年、今年度の
予算は、私、ここに書類を持ってきておりませんが、私の頭の中の記憶でありますが、五十八億使っておるはずであります。その約八割が
大阪周辺の
騒音公害対策に使っております。しかし
現地を見てまいりますと、四十億や五十億の資金であの広大な地域に、迷惑をかけている人に
対策などができようはずがない、こう思いまして、参ります前に航空関係の
人たちに集まってもらって、これは
一つのビジョンを持たなければいけないよと、そうしてできるだけのことはやるが——いま明年度
予算の編成中でございます。また、国会の御審議もいただかなくちゃなりませんから、これだけやるというようなはっきりしたことは申されませんけれ
ども、大体のわれわれの考えというものを出して、そして皆さんの御審議をいただかなくちゃならぬということで、とりあえず、これから
騒音対策費といたしましては、五カ年ぐらいの程度で、一千億、これはとりあえずであります。これでも足りないと私は思います。この程度でも足りないと思いますが、このぐらいな意気込みでやらなくちゃならぬ。同時にまた
地元の
大阪の知事さんにもお会いしました。そうして
地元の御協力をいただいて、具体的な問題は、私は、あとからいずれ機会を見て局長からでも御
答弁させますが、そういうことを発表いたしました。意欲だけをひとつおくみ取り願いたいと思います。
あるいは
新幹線の問題につきましては、
担当の
方々とよく、従来一体どうなっているんだということを聞きましたところが、正直に申しまして、
新幹線建設に対して
振動、
騒音に対する配慮が十分ではなかったと私は判断いたします。これはやはりこれからの建設につきましては
振動、
騒音というものに対して、十分な配慮をいたさなければ地域
住民には非常な御迷惑をかける、こういうように
地元を見せていただきまして痛感いたしております。しかし、
お話のように非常に
技術的な部面がございまして、たとえば線路から二十五メートルのところでの
振動の測定などいたしますと、
お話のように〇・三であったり、もう十メートル離れるとそれよりずっと低かったり、あるいは二階ではかりますと、これが同じ場所でも〇・六になったり、八になったりいたします。私、全然そういうことを知りませんで、〇・三とか五とはどんなものだろうと思って、別な場所でまた勉強いたしますと、畳の下をこう歩いても三とか五とか出るようなものでございますから、なかなか微妙だなと、あるいは地球のようないつも
振動をしておるところでございますから、ただ単にわれわれしろうとで結論を出すわけにはいかない、これはやっぱり
環境庁あたりに専門的な
振動に対する基準を早くつくってもらいたい、こう思います。そして
先生のように、〇・五なら五、〇・六なら六の影響を受けて迷惑している
個所は一体どの場所か、そして何戸ぐらいが迷惑しているのかというようなことを出さなければいけないなと思います。しかし、いま
国鉄から資料を出すと言われたようですか、どれを基準として出すのか私にはちょっとわかりませんが、〇・五をこうむっている
戸数が幾らかとか、あるいは〇・七受けておる
戸数が幾らかというような、
振動に対してはなかなかむずかしいのじゃないかと、こういうように考えております。しろうとがあまり知ったかぶりしてお答えすると、あとでぼろが出るといけませんが、要するに、
公害に対しての私の熱意だけをひとつおくみ取りいただきたいと存じます。