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1972-08-09 第69回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年八月九日(水曜日)     午前十時四十分開議  出席委員    委員長 井岡 大治君    理事 竹内 黎一君 理事 山口シヅエ君    理事 武部  文君 理事 有島 重武君    理事 和田 耕作君       砂田 重民君    別川悠紀夫君       松山千惠子君    水野  清君       粟山 ひで君    井上 普方君       田中 恒利君    渡部 通子君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      有田 喜一君  委員外出席者         経済企画政務次         官       木野 晴夫君         経済企画庁国民         生活局長    小島 英敏君         厚生省環境衛生         局食品衛生課長 三浦 大助君         農林省農林経済         局食品油脂課長 籾山 重廣君         通商産業大臣官         房審議官    仲矢  鍛君     ————————————— 委員の異動 七月十七日  辞任         補欠選任   青木 正久君     松山千惠子君   木村武千代君     木部 佳昭君 八月九日  辞任         補欠選任   西岡 武夫君     粟山 ひで君   松浦 利尚君     井上 普方君 同日  辞任         補欠選任   粟山 ひで君     西岡 武夫君   井上 普方君     松浦 利尚君 同日  理事青木正久君七月十七日委員辞任につき、そ  の補欠として木部佳昭君が理事に当選した。     ————————————— 七月十二日  一、物価問題等に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  物価問題等に関する件      ————◇—————
  2. 井岡大治

    井岡委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任についておはかりいたします。  去る七月十七日、理事青木正久君の委員辞任により、理事が一名欠員になっております。その補欠選任を行ないたいと思いますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 井岡大治

    井岡委員長 御異議なしと認めます。よって、ざよう決しました。  それでは、理事木部佳昭君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 井岡大治

    井岡委員長 この際、有田経済企画庁長官及び木野経済企画政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。有田経済企画庁長官
  5. 有田喜一

    有田国務大臣 このたびはからずも、経済企画庁長官を拝命いたしました。何とぞよろしくお願い申し上げます。  きょうは、新内閣成立以来最初物価問題に関する特別委員会でありますので、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。  申すまでもなく、物価の安定は、国民生活の向上にとって不可欠の条件であり、また、国民政府に対する最大の要望でもありますので、私としては、これに真剣に取り組んでまいる所存でございます。  これまでの物価上昇を振り返ってみますと、急速な経済成長に伴う経済部門間の生産性上昇率の格差が、物価上昇の大きな要因となっていたと思われますが、これに対処するために、低生産性部門近代化構造改善を強力に推進してまいりたいと考えております。特に近年、流通費用増大消費者物価上昇の大きな原因となっておりますことから、流通機構改善合理化を進める必要があると考えております。このほか、輸入自由化関税引き下げ等輸入政策積極的活用生鮮食料品の安定的な供給体制の確立、競争条件の整備などいろいろな施策を一段と強力に推進してまいりたい所存でございます。  なお、公共料金につきましては、極力抑制的に取り扱うべきであると考えておりますが、一面、サービスの円滑な供給を阻害しないように配慮するととが必要でありますので、慎重な態度で対処し、国民理解納得を十分得た上で処理していきたいと考えております。  以上申し述べましたように、各般の物価政策の推進に格段の努力を傾注してまいる決意でございますので、本委員会及び委員各位におかれましても、格別の御支援と御鞭撻を賜りますよう切にお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。(拍手
  6. 井岡大治

  7. 木野晴夫

    木野説明員 このたび経済企画政務次官を拝命いたしました木野晴夫でございます。  皆さま方の御支援と御鞭撻を切にお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。(拍手)      ————◇—————
  8. 井岡大治

    井岡委員長 物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。武部文君。
  9. 武部文

    武部委員 ただいま有田長官からごあいさつがございましたが、いずれ田中内閣としての施政方針演説で、こうした物価問題については詳しく方針が示されるものと、私どもは期待をいたしております。ただいまきわめて大綱的なお話がございましたが、私はこの機会に、新しい長官として物価政策に取り組まれる態度について、二、三お伺いをいたしたいと思います。  その一つは、国会が終わるちょうど直前に、東京瓦斯の料金問題をめぐって、今度総理になられた田中通産大臣といろいろやりとりが行なわれました。当時非常に慎重な答弁をいたしておられた政府側が、国会が終わるととたんに、この東京瓦斯値上げを実行いたしました。まさに火事場どろぼう的なやり方だと、私どもはたいへん憤慨をいたしました。このことは、あとで同僚議員から質問がございますからそれに譲るといたしまして、その後相次いで公共料金値上げ申請が行なわれております。特にバス、タクシー、私鉄等運賃値上げ申請が、相次いで行なわれております。こういう問題について、経済企画庁長官としては一体どういう態度でお臨みになるのか。公共料金は極力抑制をするというお話がいまございましたが、極力抑制するということが、具体的にはそれが抑制にならずに、ほとんど軒並みに上がっていく。押えるだけが能じゃないという答弁が、いままで佐藤内閣時代たびたびありました。受益者負担原則をめぐってここでも論争いたしました。  したがって、私はこの機会に、まず第一点お伺いしたいことは、当初予想されました消費者物価上昇見通しが、はたして政府が言っておるようなそういう数字でおさまるとお考えになっておるのか。私どもは、東京瓦斯その他の値上げの状況から見て、とても政府の言っておるような数字でおさまるとは思わない。それには去年以上の物価政策をやらなければ、そういうような見通しを実現することは不可能だということを強く訴えてきたところでありますが、まず第一に、長官としてはこの四十七年度の消費者物価上昇見通し一体どうなのか、その点が第一であります。  第二は、あなたは、ごく最近、消費者米価値上げのことについて何回か記者会見で触れておられます。生産者米価は、御承知のとおりな政治加算が加わってまいりました。逆ざやの解消のために消費者米価値上げをやらざるを得ないというととを、農林大臣でないあなたがまず口火を切っておられる。このことについて私はたいへん疑問に思うのですが、その中で、うまい米は何か、一割くらい高くしても差しつかえない、しかたがないというようなことをおっしゃっておるわけですが、一体消費者米価について、農林大臣とそういうお話をされたのかどうか。いままで、経済企画庁各省間の調整に当たるんだということを、前長官もしばしば口に出しておられます。ただ調整だけでは困る、少なくとも経済企画庁主導権をとってやってもらわなければ困るということを、私どもはしばしば発言をしてきたのでありますが、この問題についてあなたのお考えはどうなのか。うまい米は高くてもしかたがないということは、貧乏人はまずい米を食えということにつながるのであります。金持ちは高い米を食ってもしかたがない、貧乏人は安い米を食え、悪い、まずい米を食え、こういうことに、あなたの発言を悪くとればそのようにとらざるを得ない。したがって、あなたは公共料金消費者米価の問題についてどういうお考えなのか、これをひとつ最初にお伺いしたい。
  10. 有田喜一

    有田国務大臣 国民の多くの人が、物価の安定ということを非常に期待されております。この間も私のほうで、国民選好度調査というものをやりました。約一万四、五千人を対象としましてやりました。その中で、所得増大物価の安定のいずれを希望するかという質問に対しまして、所得増大もさりながら、物価の安定を優先的に希望するという方が七〇%あるのですね。所得増大という人は十何%だと記憶しておりますが、事ほどさように、国民の多数は物価の安定ということを期待されておる。また、政治の取り組み方といたしましても、民生の安定をはかることが政治の大きな要諦でなければならぬと考えておりますから、物価の問題につきましては、私は、微力でございますが、真剣な態度で取り組んで、一歩一歩と改善につとめていきたい、かような決意を持っております。  そこで、お尋ねのまず公共料金は、一昨年でございましたか、ストップをかけました。ところが、公共企業といえども、やはり多数の従業員を持っておる。ベースアップもしていかなくてはならぬ。また、他の物価も上がってくる。そこで、企業としてやっておる以上どうしても持ちこたえられないような事態を起こしまして、本年になってから、いわば堤が切れたようなもので、次から次へと、郵便料金をはじめ、いろんな面で公共料金が上がっております。  この間、私が就任しましてから、いわゆる四大市のバスその他の公共料金値上げの問題にぶつかりました。これは実をいうと、前内閣におきましてこれを上げるという方向をきめておりました。しかし、具体的にはひとつその間関係各省で相談してやれということで、そこを私が、内閣がかわりまして引き継いだのです。そこで、私の気持ちとしては、きわめて重大な問題でありますから、前内閣がそういうことをきめておりましても、個人としては白紙の立場でひとつ検討しようというので、いろいろ検討してきた。検討してみますと、やはり四大市とも、このままではやっていけない。そして従業員ベースアップもできない。もうすでに自分の特別会計ではできないために、他の援助によって、とにかく借金したり何かしながらやっておるというような状態。これは、御承知のとおり市会がございますが、市会ひとり自民党ばかりじゃない。その四大市のうちには革新市長もおられるし、それから革新の勢力が強いところもございますが、それぞれの市におきまして、いま申したような考えから、やはり企業としてやっておる以上はこのままほっておくわけにいかぬというわけで、市会の意思によって出されておるものであります。  しかし、私どもとしては、それをまるのみにするわけにもいかぬということでいろいろ検討しました結果、少し査定を加えまして、暫定料金といいますか、いままで三十円のものを四十円にする期間を、市のほうは一月一日からしてくれということでございますが、それを四月一日からさすとか、また根本的に、それぞれの企業の抜本的な振興策をひとつ出しなさい。自治省において一応振興計画が認められておりますけれども、もっと合理化その他を進めて振興計画を立ててほしい。どうしても上げる場合は、もうしばらくの間は値上げはしないか、あるいは国からも、救済といっては何だが、財政投融資など金利の安いものを入れるとかいろいろな策で、市のそういう事業が成り立つような条件をつけ、しかもこういうような場合に、市会でいろいろとやって、公聴会なんか開かれておりますけれども、ことに先般は四大市のほかに地下鉄の問題もありましたので、運輸審議会に対しましても、ひとつ慎重に利用者立場考えてやってほしい、ことに公聴会のごときは次回からは必ずやって、消費者立場もよく勘案しながら善処してほしい、そしてあくまでも国民理解納得の上で処理するように、こういうような条件をつけましてこの四大市の申請を認める、こういう経緯があります。  私は、公共料金に対しまして、一番原則としては、これを押えるという原則を立てる。しかし、やはり同時に、一般利用者国民がしあわせになるように考えなければならぬ。値段が安くなることも一つのしあわせでございますが、もしもその事業が崩壊して、バスが動かなくなるあるいは電車が動かなくなる、そのときはまた市民にどんなに迷惑をかけるであろう、そんなことも勘案しながら善処しなければならぬ、かように考えまして、原則はあくまでも抑制でいきますけれども、やはり一般市民なり国民のしあわせになるということを頭に置いて、サービスということに対しても、公共事業立場としてよほどしっかりやってもらわなければならぬ、こういうような考えで臨んでおるわけです。  なお、物価のいままでの関係はどうか、あるいは今後どういう見通しか、こういう御質問がありましたが、実は御承知のとおり、四十四年度以来非常に物価は上がってまいりました。消費者物価は昨年の十月ごろから鈍化を見せておりますが、ことに本年上半期、一月−六月までは比較的なだらかな数字を出しております。すなわち、一月から六月までの上半期は、前年度同期に比べまして四・五%の上昇率となっておる、こういうわけです。これは、昨年末から本年にかけての野菜を中心とした季節商品落ちつきを示しておる、また工業製品価格上昇率も非常に鈍化しておる、こういうことでありますが、工業製品価格上昇率鈍化は、四十五年夏以来の景気停滞影響が時間的におくれてきておるものと思っておりますが、これはある程度そう急に上がるようなことはないし、またそういう傾向にもないと思っておりますが、一番気にかかるのは、季節的に左右される生鮮食料品、ことに野菜が一番大きな影響を受けるのです。先ほど言いましたように、上半期は比較的落ちついておりました。実は、この間台風がありまして、それに相当大きな影響を受けるのじゃないかということを心配しておった。ところが、これは全国的な調査はまだつまびらかになっておりませんが、東京都だけは七月の速報が入ってまいりましたが、これは思ったよりもあまり大きな上昇をせずに、大体前月比〇・二%の上昇率でありまして、わりあい落ちつきを示しておる、こういうことです。しかし、今後まだ九月の台風時期も控えておるし、ことに生鮮食料品野菜の問題が非常に気になっておりますが、しかし、これらを十分勘案して、そうして生鮮野菜に対するいろいろな方策を講じながら、今後は流通面、ことに野菜なりそれから魚といいますか、そういうものに対しまして、これは急激にはいきませんけれども、私の考えでは、むしろ消費につきましては、冷温倉庫といいますか、そういうものをもっと多くつくり、また産地における集荷制度もいろいろ改革しまして、とにかく季節的にあまり大きな変動はしないように、そういう安定した措置を講じていきたい、かように思っております。  公共料金がことしになって非常に上がったわりあいには、いままでの足取りでは、それほど世間でいわれるような大きな物価上昇はしていない。といって、私は決して楽観はしておりません。今後一そう注意を払って、そして国民方々が迷惑をされないように善処してまいりたいというのが、私のいまの見解でございます。  消費者米価は、私は、生産者米価が上がっても消費者米価が上がることは好ましくない、こういう基本的な態度をとっております。そこで、好ましくないという態度はもちろんとっておりますが、その間大蔵当局なり農林当局、いろいろな関係がございまして、さなきだにいま逆ざやがあるわけですね、食管会計赤字がきておる。その赤字をその上に増すということは、何とか考えてもらわなくちゃならぬという一面の要請があるわけですよ。そこで、私としては少なくとも、ことばはいいか悪いかは別として、庶民米といいますか、一般方々が食べられるお米はあくまでも据え置きたい。そしてぜいたく米といいますか、ことばは悪いかもしれませんが、金持ちが、金にはかまわぬから、特に高くてもいいからというのは、ある程度上げなくちゃならないんじゃないか、こういう気持ちを持っておりますが、いま御質問のありますように、貧乏人にいい米を食わさぬのかと、こう言われますが、決してそうじゃなくて、いい米を食べたいと思う人は、おかまいなくお買いになっていいと思う。大体、統計を調べますと、所得の少ない人は、家計費に占めるところのウエートといいますか、米というものがまだ相当のウエートを持っておるのですね。所得の多い人は、非常にウエートが少ないんですね。これを見ますと、やはりそれは十年前と今とでは、米の生活費に及ぼす影響というものが非常に少なくなっております。しかし、一つ一つの品物を調べてみますと、やはり米が家計費の一番大きな割合を占めております。のみならず、所得の少ない人は、依然として大きな割合を占めておる。そこで私は、いわゆる庶民米といいますか、多くの人が食べられるものは据え置いて、上げたくない、上げない、こういう考えであります。人の名前を言うのもおかしいけれども━━━━━━━が、わしは何ぼ金を出しても食べたいという米は、それは多少値上げしてもやむを得ぬ、そういうような感じでいまいろいろと検討さしておるところなんですが、庶民米ということばが正しいか、あるいはぜいたく米という言い方が正しいか、これは別といたしまして、感じといたしましては、国民の多数の食べられる庶民米は据え置く、そして財政その他の均衡をはかるためにどうしても上げなきゃならぬ面が出てくるならば、それはぜいたく米のほうで上げていきたい、そういう考えです。決して、貧乏人は悪い米を食え、こういう気持ちじゃなくて、金持ちに少し値段が高くても食べてもらおう、こういうような感覚でいま検討をさしておる、こういうことでございますので、どうぞ本質を間違えないように、ひとつよろしく御理解を願いたいと思います。
  11. 武部文

    武部委員 いま御答弁がございましたが、これからの物価上昇見通し、四十七年度の物価上昇見通しについては、私どもはそう楽観はできない、むしろ、これからの上昇政府考えるようなわけにはいかない、そういう考えでおるわけでして、これは、これから論争を続けていかなきゃならぬと思うのです。  それから、公共料金の問題もいろいろお話がございましたが、これまた、私ども感覚が違うわけです。  消費者米価のことについては、あなたのおっしゃること、私よく意味がわかりません。━━━━━━━がどんな米を食うか知りませんが、むしろ、いまの店頭に並んでおる米ですね、表示と中身が違っておる、これはたいへん問題になっておるんです。標準米とかいろいろなことを言っておりますが、これも物価統制令をはずしてから、たいへん問題なんです。私どもは、はずしてから一、二カ月たたなければ金額というものがどのくらいになるかわからぬというので、いま調査をしておるところですが、これはあらためて論争することにいたしましょう。いずれにいたしましてもいまの長官お話で、あなたのお考えの一端がわかったわけです。いずれあらためて当委員会十分論議をしたいと思いますから、きょうは時間の関係で、この問題はそれだけにしておきます。  私は、きょうは食品公害その他について若干の質問をいたしたいと思って、通告をいたしておきましたが、かねて私はこの席上で、コーラ飲料の問題を七、八回続けて質問をいたしました。たいへんしつこくやって、厚生省もたいへん迷惑されたと思いますが、しかし、なかなか結論が出ません。  当時私は、たいへん疑問に思っておったことについて、なおその後私なりに調査をしてみました。コーラ飲料一体人体にどういう影響を与えるのか。売れ行きはたいへんふえつつあります。当時、カフェインの問題について、私は厚生省資料の提出を求めました。会社側はキャッチフレーズとして、カルシウムと燐のバランスは全くこれは理想的な比率である、カルシウム一に対して燐一・一、全く理想的だということを宣伝をいたしました。私の発言に反論をいたしました。ところが、国立衛研調査をした資料を、環境衛生局長が当委員会で発表されました。その資料によりますと、カルシウム一に対して燐十一という、会社側の発表しておる十倍の比率であることをこの席上で明らかにされたんです。これは明らかに会社側が意識的にうそを言っておったということが、私はその環境衛生局長発言でばれたと思います。十倍もの開きがあるそういうデータを会社側が意識的に発表しておることに、私はたいへん疑問に思い、憤慨をいたしました。  そこで、燐とカルシウムの問題について、特に発育盛りの幼児に対する人体影響はどうか、こういう点については、厚生省としてその後研究を続けるということでありましたから、何らかのことが私は進んでおると思いますが、きょうはそのことについて触れません。  ただ、カフェインというものは中枢神経興奮剤だ、したがって、コーヒーとかあるいは紅茶とかにそれが入れてあるから子供は飲まないんだ、そういう発言があって、それならばなぜ、そういう飲料水の中にカフェインというものを入れておるのを表示しないのかということを、強く私は要請をいたしました。それは今度入れられまして、びんにそれが記入されました。しかし、これは全くおかしな記入方法でありまして、びんのふたにそのことが記入をされております。虫めがねで見てもちょっとわからぬようなことがここに書いてありますが、天然カフェイン、これが入っておると書いてある。一体カフェインというものに天然合成と両方あるけれども天然合成とどこが違うか、こういう質問をいたしますと、天然合成とは同じものである。こうおっしゃる。同じものであるならば、なぜここに天然とお書きになるか、それは法律上天然カフェインでなければ合法じゃないから、こういう御答弁であります。少なくとも、ここには天然ということばを入れることによって消費者をごまかしておるということを、私は指摘をしたいのであります。したがって、これは、もしカフェインを含有するならば、天然という文字は削るか、カフェイン含有とすべきです。その点が一つです。日本は、さっき言ったように、ここに天然カフェインと書いてあります。これは西ドイツですが、西ドイツはここにはっきりとこういう大きな字で、カフェイン含有表示をいたしております。私は、西ドイツへ行ってこのものを見てきました。こういうことではっきりと、カフェインが含有されていることが一目りょう然わかるようになっておる。ところが、わが国のは、ようやくここのところに、虫めがねで見えるような、そういう表示をしておる。これは私どもとの約束と違うじゃないか。もっと大きな表示をして、カフェインが入っておることがだれが見てもわかるようにすべきではないか、この点が質問の第一であります。  第二は、この中毒性についていろいろ質問をいたしました。東京の文京区で二、三十本飲まなければならぬような子供がおったということを、私は一つの例として申し上げました。つい先日、ある用事で広島へ私は参りました。広島で、教育者のむすこさんですが、二人、高校生と中学生、全く白痴であります。そうして片時もコーラびんを放しません。そして学校へも行けないのです。そういう中毒患者子供を、私は現実調査をしてまいりました。ある北陸の市長の弟さんも、現実にこのコーラ中毒にかかっております。そういうように、中毒患者が非常にたくさん出ておる。こういう点について、私と厚生省とのやりとりを何回かここでやりましたけれども、結論的に見て、はっきりとした態度が示されませんでした。しかし、先日私が見たように、現実広島ではそういう白痴の子供が出ておるのです。学校にも行けない。そういうような点について、厚生省はいま一度、このコーラ飲料の含有について分析をもっと明確にして、私どもに示すべきではないか。それで、なければけっこうであります。ですから、私どもが疑いをもって見ておるわけですから、そういうことについて、もっとはっきりとした態度を示していただきたい。特にこの飲料というものは、たいへんたくさん売れております。もうたいへんな売れ行きを示しておるわけですから、こういうことについて、まず厚生省から、このことについてどういう見解を持っておられるか、最初にそれをお伺いしたい。
  12. 三浦大助

    ○三浦説明員 質問の第一点でございますが、先生からのたびたびの御質問がございましたので、厚生省といたしましても食品衛生調査会にはかりまして、この表示の問題についていろいろ意見を聞いたわけでございます。その結果、やはり表示はきちんとさせたほうがいいだろう。表示をさせるなら、その量的な規制もあわせてすべきではないかという意見もあったわけでございますが、現在諸外国におきましては〇・〇二%という表示が非常に多うございますけれども、それらを含めまして、表示の場所、書き方、そういうものを目下検討しておるわけでございます。もうしばらくお待ちいただきたいと思いますが、ただいまの御指摘いただきましたびんのふたの件につきましては、農林省のJASの指導でやっていただいておるわけでございます。今後、私ども調査会の結論に基づきまして、場所、活字その他もはっきりした態度を打ち出したいというふうに考えておるわけでございます。  それから、第二点の中毒の問題でございますけれども、私ども、そういう事例があるということを、まだはっきり聞いておらぬわけでありまして、カフェインはお茶とかその他のものに非常に含まれておるわけでございます。そういう好きな方は、非常にたくさんおるわけでございます。はたしてそれがどういう中毒症状を起こすかという問題は、まだはっきりしておりません。今後とも検討させていただきたいと思います。
  13. 武部文

    武部委員 この中毒性の問題は確かに重要なことでありまして、私どもも、企業立場から考えますと、いいかげんなことは発言できません。したがって、もし厚生省がこういうことを知りたいなら、私は具体的に人名をあげて皆さんにお知らせいたしますから、厚生省独自でお調べになったほうがよかろうと思います。いいかげんなことで企業をまたあれするといけませんから、それはまた具体的に申し上げます。  それから、去年もそうでありましたが、コーラびんが相次いで爆発をしております。破裂をしております。そのことについて、去年の委員会でもだいぶ問題になりました。きょうは、そのことについて、ほんのわずかの時間しかありませんが、お尋ねをいたしたいのであります。  同じコーラ飲料の中でも、破裂するものと破裂しないものとあります。特に破裂するものはこのびんであります。この型のびんが破裂をするわけであります。同じ飲料でも、この型のびんは全然破裂いたしません。ここが問題であります。私どもはしろうとですからよくわかりませんが、一番よく破裂して問題を起こすのがこれであります。破裂するので、今度はこれに変えました。これも破裂するので、このふたをかぶせたわけです。こういうビニールのようなものをかぶせて、これでまず飛び散るのを防いだ。ところがこれは非常にていさいが悪いので、これを取りまして、今度はこういう形のびんに変えたようであります。これならば破裂しないと思ってやったところが、やはりここが破裂をするのであります。この中心であります。  一体こういうことについて政府側として、これは相当なけがをしているわけですから、この原因の究明なりあるいは会社側に対してどういう指示をするか、これはたいへん重要なことであります。  そこで、私どもはしろうと目に考えますと、びんの形に原因があるというふうにこれは考えなければならぬのです。この形は、すぽんとしておる形であります。この形は、御承知のようにここがくびれておるのであります。この形のものも、この辺がちょっとへっ込んでおります。破裂するものがこういう形であって、破裂しないものがこういう形になっておる。ここが私どもは問題だと思います。こういう点について、あなた方のほうとしてはどういうような見解を持っておられるか、それをお聞きしたいのが一点と、それから、これを運んでおるやり方にあなた方はどういう見解を持っているか、お聞きしたいのであります。  配達をして回っておる車を、私どもは町でよく見ます。それをよくごらんになっていただくとわかりますように、木の箱からこれはほとんど上が出ておるのであります。ごらんになったと思います。これが出ております。この上にどんどん積むわけであります。上へ積んだら一番下がどれだけの圧力を受けるかということは、常識でわかるはずであります。一番下にはものすごい圧力がかかっておるわけであります。それがここへ相当な重力がかかってくるというふうに、しろうと目に私どもは思います。あの箱自体、なぜ大きな箱につくらぬか、ここが問題です。全部すっぽりとこれが納まるような箱にしていない。もうきょうでもごらんになったらわかる。この辺の箱になっている。全部どんどん積んでおる。夜トレーラーで運んでおります。そういうものから圧力がかかっておる。ここに原因があってこれが爆発するのじゃないか。そこでこういうふうに変えられた。変えられたけれども、相も変わらずこれも爆発をする、破裂をする。  そこで、私がきょう提案をしたいことは、少なくとも今日破裂をしておるこのホームサイズのびんの販売というものは禁止すべきだ、そうして直ちにこの原因について究明をすべきだと思います。この形のものは全然爆発をしない、破裂をしない。こっちだけが破裂をしておる。いまこれだけの事故が起きておるわけです。七月八日、七月二十一日、東京に起きております。新聞発表されたとおりであります。そういう点について、去年も問題になったわけですが、一体政府側としてはどういう見解を持っておられるか。  それから、もう一つ問題になると思うのは、このガス圧であります。このガス圧が非常に多いのであります。そういう点がこのびんを破損をさせ、けがをさせておる原因ではないか、このように思うのであります。  きょうはこの実物を持ってきましたが、なぜこのコカ・コーラだけ破裂するのか。そしてこのぺプシは破裂しないのか。それはびんの形、さっき言ったようなガス圧の関係、それから運搬の方法、そういうようなものが原因になっておるというように私どもは見ておるわけですが、これについて政府側答弁をひとつお聞きしたい。
  14. 仲矢鍛

    仲矢説明員 お答えいたします。  最初の御質問でございますびんの形について、形のせいで爆発が出るのではないかという御趣旨かと思いますが、若干私どももさような意味で検討もしておるわけでございますけれどもびんの形だけが爆発の原因であるともどうも言いかねるようでございます。そういう意味で、びんの形を若干変えてふくらみを少なくするとか、あるいは少しくぼんだところを少なくするというような、びんの形状につきましてもいろいろ試験いたしまして、どうしたら爆発しないようになるかという勉強をさしておるわけでございます。ただし、この辺につきましては、びんの形が爆発そのものに直接影響があるともどうも言いかねておるような状態でございます。爆発そのものは、ガラスでございますので、何度か使いますと、ひびが入って、それが先生おっしゃいました圧力の関係で、何かのショックで爆発するというような形でございまして、びんの形そのものが特にというふうにはどうも考えにくいわけでございます。  それから、運搬のやり方、形態でございますけれども、先生おっしゃるように、いまのすっぽり全部入らない箱が直接原因かどうか、この辺につきましてもむずかしい問題でございますが、いずれにいたしましても、運搬その他途中におきまして、いろいろなショックを与えてびんにひびが入るというようなおそれが多分にあるわけでございます。運搬その他取り扱いにつきまして、これは私ども通産省の所管ではございませんけれども、ぴんという意味から、もう少し検討するように会社のほうに指示しております。  それからガス圧につきましては、先生おっしゃいますように、コカ・コーラはかなり圧が高うございます。圧が高いので、爆発したときの爆発力は、圧の低いものに比べれば大きいということは言えるかと思います。爆発そのものの原因が圧とも言いかねます。ほかの、ガス圧を持っております飲料水でも、爆発していないわけではございません。しておるわけでございますが、爆発力がかなり違うというような形であろうかと思っております。
  15. 武部文

    武部委員 私はここで、長い時間かけてやりとりいたしません。これで終わりますが、私どもが考てみると、去年もそうでありました。おととしもやり合ったわけです。カーブの大きいものが爆発しておるんですよ。カーブの形のびんの破損が多いということが問題なんです。それで、あなたはガス圧とおっしゃったけれども、コカ・コーラびんが破裂して七メートルも飛んでおるんです。それはやはりガス圧の関係だと私どもは見るんですよ。そういう点を考えると、やはりコカ・コーラびんだけなぜ破裂するか。あなたがおっしゃるように、ビールびんだって破裂すると思います。ないとは言えません。しかし、比率から見ると、ほとんどコカ・コーラが破裂しておるんですよ。それはびんの形なりガス圧なり、そういうことが原因ではないかとだれだって思うわけですよ。だから、ホームサイズのびんが破裂することが多いわけですから、あなたのようなゆうちょうなことを言っておったら、これから夏場でどんどん売れて運んでおりますが、それで破裂してけがをさせて、損害賠償の問題が起きておるわけでしょう。少なくともJISの規格の対象にするようなことで検査する必要があるんじゃないかというふうに私は思うのですが、その点についてはどうなんでしょう。通産省、何か考えておりますか。
  16. 仲矢鍛

    仲矢説明員 JIS関係につきましては、JISに指定するようにただいま作業をしております。ただ、先生おっしゃいますように、JISという形は、びんのつくったときの形なり大きさなり強度の問題でございまして、御承知のとおり、コカ・コーラに限りません、ほかの飲料びんもそうでございますけれども、何回か回転して使っております。したがいまして、最初びんの強度が少ないから破裂するというよりは、回転いたします途中でびんに、言うならば亀裂が入るというような形で、その亀裂につきましては、再使用する場合にいろいろな形で検査をしております。これは人の目による検査あるいは機械による検査、そういう検査をしておりますけれども、その亀裂が入ったものが爆発するということになるわけでございまして、でき上がったものが不十分だから爆発するというよりは、再使用のときのびんの検査で、言うならば亀裂の入ったものを排除していくという形を考える以外には基本的にはないのではなかろうか、こう思っております。  それからもう一つ、蛇足でございますけれども、実はガラスびんでございますので、こわれるのはあるわけでございますが、爆発したときに、先生おっしゃいましたように七メートルも飛ぶということがないように、コーティングといっておりますが、びんの外側にプラスチックその他でおおいをかける。これは先生が先ほどおっしゃいました、あとからおおいをかけるのではなくて、びんをつくるときに張り合わせのような形で、ガラスびんが中側にあり、外にプラスチックのびんの形をしたものが離れないようにくっついております。そういう形で、びんがこわれましても破裂しないようなびんの開発をいま行なっておるわけでございます。
  17. 武部文

    武部委員 それでは、これで質問を終わりますが、いまあなたはコーティングのお話をなさった。確かにそういう装置を行なっております。ところが、日本でいま一番売れ行きの多い東京コカ・コーラボトリングは、コーティングを現実にやっていません。そういう点から見たり、あるいはあなた、検査体制のことをおっしゃった。確かに科学的な検査の機械があります。それをようやくこの六月にコカ・コーラは買ったのです。そういう全くどろなわ式のやり方をして、そして破裂するものは、一番よけいこれが破裂している。そういうことについてもう少し行政的な面で指導してもらわないと、けがをした人はたいへんな迷惑です。年間五十億も六十億も売れているのですから。この点は、私は何回もこの席上で、名前もあげて発言をいたしました。その会社にとってもたいへん迷惑だったと思います。しかし、現実に起きているのはこの会社が一番多いのです。これは事実が証明している。ここ一カ月の間に、東京都内で何回も起きております。たいへんなけがをして、損害賠償の請求も起きております。ですから、あなたのほうでJISの規格のことを検討中ならさっそくやってもらう。あるいはコーティングの問題についても、指導をもっと強めていくし、あるいはびんの形でも、私どもは形のくびれたものほど破損が大きいというふうに理解しておりますが、あなたの見解では違うようです。違うようですが、そういう具体的な例を知っておりますから、この問題については早急に、事故が未然に防げるような措置をとっていただきたい。いかがですか。
  18. 仲矢鍛

    仲矢説明員 先生の御趣旨はよく生かしまして、指導につとめたいと思っております。
  19. 武部文

    武部委員 この問題はこの次に譲ります。
  20. 井岡大治

    井岡委員長 有島重武君。
  21. 有島重武

    ○有島委員 新しい内閣になりまして、有田経済企画庁長官から先ほど御就任のあいさつがあったわけでございますけれども、私は、二、三基本的なことを、きょうはあまり時間もございませんからお話を伺っておいて、また今後この委員会でもっていろいろ展開させていただきたいと思います。  先ほど武部委員からお話がありました件と多少重複しますけれども、まず公共料金についてのお考え、あり方、これを伺っておきたいのです。  先ほどおっしゃったように、世論調査によりますと、物価問題はほんとうに国民の一番の関心事になっておりまして、この物価高騰の中でもって公共料金値上げについては、国民が非常に納得しない部分が多いんじゃないかと思うのです。先ほど長官がおっしゃったのは、公共料金については非常に慎重にやる、国民納得いくようなところまでやる、そういうお話でございましたけれども、さっきのお米の問題にいたしましても、庶民米ぜいたく米というようなお話がございましたね。庶民米というのは大体何%ぐらい確保なさるのかというようなこと。それからもう一つは、いま行なわれております標準米制度という形でもってございますね、これと、庶民米ぜいたく米とおっしゃったこと、こういうことの関係一体どうなのか、このことをまず先に伺っておきましょう。
  22. 有田喜一

    有田国務大臣 いま政府が買い上げるときの米は、御承知のとおり一等米、二等米、三等米、四等米、五等米とありますね。そのうちの五等米は徳用米といっていますけれども三等、四等というのは標準米ですね。   〔委員長退席、武部委員長代理着席〕 そういういまの銘柄の格付けもあるわけです。いまそこは検討しておるところです。また、産地によりましていろいろの分け方がありますね。そのどちらを選ぶかということは、農林当局といろいろ打ち合わせておるところでございますが、私の言うのは、現段階では私の一つの私見的なものですが、しかし、少なくとも庶民米という以上は半分以上はなければ、一割や二割のものが庶民米というんじゃ、これはさっきも御指摘があったように、ほんとに貧しい人ばかりのものとなっては、ほんとうの庶民米とはいえない。私は、少なくとも需要量の半分以上がいわゆる庶民米ということに入れたい。そうすると、いまの政府の買い付けからいえば標準米が相当その中に入る、こういうことですね。そうでなければ——五等米は全体の一割以下ですからね。だから標準米も、私の言ういわゆる庶民米の範疇に入っていく。(「古米、古々米の割合はどうだ」と呼ぶ者あり)古米のことはいまそう考えておりませんけれどもね。それは適当に混合しているんじゃないかと思いますけれども、そこでそういうような分け方を、いま農林当局と私のほうでいろいろと詰め寄るところですが、その詰める中に、いまおっしゃる古米のようなものもどうするかということも入ってくるのでしょう。そこで米にレッテルを張りたいと思うのですが、そこは知恵の出しどころじゃないかと思うのです。せっかくそうしたところが、お米屋さんでごまかされてしまってはしかたがない。何かそこにいわゆる庶民米という名前にすれば、庶民米、たとえば千五百何ぼで買いたいというときにはちゃんとそういうふうに適応した米が出るように、ぜいたく米二千何ぼということになれば、それを買いたいという人にはそれが出るように、そこはもう少し何か知恵の出しどころだと思いますが、そういうようなことをやって、同時に販売のほうも、ひとりスーパーとかあるいはデパート方面に販売するばかりじゃなくて、農協自身にもそういう販売をさせまして、そうして、あそこの店屋ではどうもまずいぞ、やはり競争の原理、競争手法を入れまして、おいしい安い米を買う、そういうような道も同時に講じなければならない、かように考えておるわけです。
  23. 有島重武

    ○有島委員 庶民米を五〇%以上は確保する、それでその質はやはり落とさないようにする、そういった線でもってこれから御検討なさる、そういうことですね。  それから、さっきガス料金の値上げのことがございました。値上げそのものはほんとうにけしからぬことなんですけれども、今度、値上げの料金の徴収についてもいろいろな問題が起こっております。  それで、こうした苦情が来ているのですね。七月十一日に検針に来た。で、新料金はどうやって計算するかといいますと、次回は八月十日に検針して、一カ月分の日割り案分計算で請求するというんです。それで、次の八月十日の検針までは旧料金でやってくれないか、こういうように家庭のほうでは思っているのですけれども、こうした問題が幾つかあります。これは七月二十六日に検針に来た。これも料金算定について聞いたら、今度七月二十七日分から向こう一カ月分を三十で割って、それで三十分の五が旧料金で、三十分の二十五は新料金でいただきます、こういうことになるわけですね。それで調べに来た日が、七月三十一日に来ているのもあるわけですね。ところが、七月中は夏休みでほとんどどこかに行ってしまうのもいれば、七月はいて八月に休みで行ってしまう、いろいろあるわけです。こういった点、先ほど納得いくところまでやるというお話がございましたけれども、全然納得がいかない、こういう状況がいま起こっているわけです。きょうの一般紙にもこういったことが報道されておりました。  長官、どういうふうに思いますか。公共料金値上げについて国民納得のいくようにと言われるけれども納得のいかない部分がまだまだあるわけなんですね。こうしたことの処置について、もう一ぺんこれを検討し直せというように通産省におっしゃったらどうかと私は思いますけれども、いかがですか。
  24. 有田喜一

    有田国務大臣 いまの検針の日が違うということ、これは実際は通産省当局に直接のほうが適切かと思いますけれども、私どもの推察にすぎませんけれども、おそらく、家庭の一般の需要家に対して、八月一日から上がるのだから、その日の前の晩に旧料金のところできちっともう一斉に検針するのが、一番正しい行き方だと思います。しかし、実際問題としてそういうことが物理的にできるかというと、そうはいかないですね。そこで、いまおっしゃるように日割り計算——検針の日は違うが、八月分と七月分と日割り計算をする。そこにおっしゃるように、夏は避暑に行ってほとんど使わないんだ、多少の不公平が出てくることもそれは推察できますけれども、実際的にはいまのようなやり方じゃないとしかたがない。そうでなければ、もう八月は旧料金のままいくというのは、それは会社の経営ができるというならそれでもいいけれども、私たちは、とにかく八月一日から値上げやむを得ず、こういうことで許しておる以上は、物理的に考えたときにはいまの方法もやむを得ないのじゃないか、こう思います。これはひとつ通産当局にもう一ぺん、方法はないかということをよく聞いてみますけれども、おそらくそれは物理的に困難なことじゃないか、かように思います。
  25. 有島重武

    ○有島委員 通産当局にもう一ぺん聞いてくださるということでございますね。それで、通産当局のほうでは、ほかに方法はないということを言い張っているようですけれども消費者側のほうでは、紙か何か渡してもらって一斉にチェックすることも可能であるというふうに思っていらっしゃる方がだいぶあるようです。通産局はそれは不可能だ、こう言い切っているわけですね。そういうところ、まだまだ問題があるのじゃないかと思います。  それから、公共料金抑制が根本的な解決にはならないというようなことをさっきおっしゃいました。確かにそうでしょう。ただし、赤字というとすぐ受益者負担に持ってくるというような姿勢、これはもう今後も重々そういった安易な態度はやめていただきたい。これは総じて言って、今後のお願いであります。これはまた今後の問題になると思いますけれども……。  それから、日本列島改造論の中に物価問題が幾つか触れられておりますね。「物価上昇抑制するためには、第一に農業や中小企業サービス業など低生産部門近代化合理化をすすめて、その生産性を向上させることである。第二は道路や鉄道などを整備し、流通機構近代化を大胆にすすめて流通コストを引下げることである。第三に産業や人口の思い切った地方分散によって、物価に占める地価負担を軽減することである。」   〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 こういうふうに三つが代表的にあがっているわけでありますけれども経済企画庁として、全面的にこの改造論のこれと同じ考えでいらっしゃるか、あるいは多少の批判があるのか、その辺のことはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  26. 有田喜一

    有田国務大臣 前半の、公共事業赤字が出たらすぐ上げるのかという質問でしたね。これに対しましては、私はそう簡単には考えていない。やはりその事業をよく検討しまして、企業努力の余地がまだあるんじゃないか、もっと合理化の余地があるんじゃないか、いかに合理化をやっても、これはやむを得ぬ、しかたがない、こういう段階、現状をよく把握し、それから将来の展望も考えなくてはならぬ。そこでその際に、それでは利用者といいますか、一般の人々に負担をかけたほうがいいか、あるいはまた財政投融資とか、その他政府がある程度の援助をやってそれをカバーしたほうがいいか、こういうような面もよく検討しまして、その上に立って、これはやはりある程度利用者に負担してもらわなくてはならぬ、合理化ももっと進めなければならぬが、また一方において政府もこういう援助の措置を講じなくてはならぬというような、いろいろな面を勘案した上でどうするかという態度をきめるべきだ、私はかように考えております。  もう一つの日本列島改造論とわが企画庁の、おそらく新全総との関係じゃないかと思いますが、御質問の趣旨は。決してイコールとは考えておりません。しかし、いま日本列島改造論それ自体も、おとといでしたか、七日に多くの学識経験者などを集めて、いろいろな意見をいま徴しておるところですから、日本列島改造論も、それらの人々の意見によってあるいは修正されるかもしれない。そのためにいろいろな意見を聞くのですから、このとおりやれといって押しつけておるわけではありませんから、そういう場合もあるかもしれぬということをわれわれは考えておる。私どももあれを見まして、確かにいいアイデアもあります。そのいいアイデアは取り入れて、そして私たちの新全国総合開発のほうも、この審議会というものはやはり総理大臣の諮問機関でございますから、そこらをうまくかみ合わしながら、いい面は取り入れながら実情に合うような新全総をつくり上げたい、かように考えております。
  27. 有島重武

    ○有島委員 いまの後段のお話、何かわかったようなわからないようなお話なんですけれども、批判がおありなら、どういった点に批判がおありになるか、それをいま承っておきたい。
  28. 有田喜一

    有田国務大臣 批判といいましても、いま学識経験者約八十名になんなんとする大ぜいの人の意見も聞いておる最中です。それがまだ意見が十分そろっておりませんから、どういうところにどうだということは、私はここに批判することは差し控えたいと思うし、のみならず、わが経済企画庁におきましても、新全総に対しまして総点検をやっている最中なんですよ。だから、あのよきアイデア、基本的なアイデアは私は非常に尊重すべきだ、よく点検して、その上でこういう点をこうしたほうが実際的じゃないかというものがあるいは出てくるかもしれぬ、そういうことを言うので、いますぐこの点がどうだ、あの点がどうだという段階ではありませんので、そういうことで御了承願いたい。
  29. 有島重武

    ○有島委員 有田長官もやはり学識経験者といいますか、それ以上の方といいますか、やはり当然お考えをお持ちであろうと思うのです。その一端をここでもっておっしゃることができませんか。どうですか。
  30. 有田喜一

    有田国務大臣 私が個人有田喜一なら言いますけれども、微力ながらも政府の閣僚の一員でありますから、ここであまり個人的な意見を言うて、その辺のところを変に混乱さしても悪いと思いますから、もう少し自重的な態度をとりたい。御了承願いたいと思います。
  31. 有島重武

    ○有島委員 基本的なアイデアはたいへんよろしいとおっしゃったですね。私たち一つ疑問がございますのは、その基本的なアイデアの中でも経済成長という概念が出てまいります。このことについては長官はどのようにお考えになっているか、ちょっと聞いておきたいのですけれども、この中で、成長が低下すれば物価上昇もとまるというような説は間違いだ。成長を低下させれば物価は安定するというような考えは間違いだ。その例として、ニクソンが経済引き締めをやりまして、これは物価が下がらないで失業がふえた。だから成長経済に、ニクソンも去年の夏からまた切りかえたのだ、そういうことをあげられております。それで、これは確かにこのとおりであろうと思うのですけれども、これはちょっとしたわながありまして、たとえば流通機構も簡略にする、合理化する。そして生産量、野菜なら野菜の生産量は一定であって、手間が省けるようになった、あるいは途中の率直にいえばピンはねの状態ですね、そういった機構がなくなると、このときにはGNPの指数というものは下がるわけですね、それだけ手間が省けてきますと。そういったことが起こりませんか。  逆にこういったことも起こるわけですね。生産性とは結局逆な現象といいますか、たとえば交通事故のようなことがたくさん起こってくる。自動車がふえる、それで事故がふえる。そうすると弁護士も活躍する。あるいは保険屋さんの出入りが多くなる。それから医療費もかさむ。これは国民生産が大きく伸びたその一部分の中に繰り入れられるわけですね。そういうこともありますね。  それで、成長ということと、それから一番最初に言いました流通機構なんかの合理化という問題ですね。この成長をさせていくということを眼目にすれば、かえっていろんな矛盾が起こってくるのじゃないか、起こる場合があるのじゃないか。生産手段なり流通手段を複雑にすれば、見かけ上の生産が数字の上では上がってくる、そういうような矛盾を含んでいると私は思いますけれども、企画庁長官どうお考えになりますか。
  32. 小島英敏

    ○小島説明員 まず、流通の問題でございますけれども、かりに現在のルートを合理化して、より太いパイプで途中の流通過程を少なくする形になった場合にどうなるかと申しますと、確かにその点だけで見ますと、付加価値が減って安い値段で売られますから、総生産がそれだけ減る方向になると思うのですけれども、それじゃこれまで流通過程に従事していた人たちがどうなるかと申しますと、これは過渡的にはその仕事を失ってほかの仕事に移るということになると思います。そういうことで、むしろ、より生産性の高いものへ移っていきますれば、全体としてやはりGNPというものがふえる方向になっていく。そういうことがございますから、なかなか流通過程一本のルートだけで判断できませんで、経済全体に対する影響としては、それによって別にGNPが少なくなるということではない、というふうに思います。  それから、後段のお話の、交通事故がふえる等々の問題でございますが、これは確かにおっしゃるとおり、現在のGNPの計算というものは、そういうほんとうに国民の福祉につながらないものまで計算されておりますから、いま非常にいわれておりますようにGNP万能の考え方を排して、もっと国民の福祉をそのままあらわすような合理的な指標はないだろうかということで、現在企画庁でもいろいろ検討しておるわけでございます。決してGNPがそのまま国民の福祉の増大を示すものではないというふうに思います。
  33. 有島重武

    ○有島委員 この日本列島改造論の中では、GNPの増加というものを大きく前提にしている。それが基本理念の中に横たわっていると思うのです。そういった点まで含めて基本的なアイデアについては賛成だというふうに有田長官言われますと、これが国民にとっては非常に不安でもありますし、有田長官のおっしゃっていることは誤解されるんじゃないかと思いますけれども、それじゃいまの点は、基本的な考えにもだいぶ疑義がある、そう御訂正なさいますか。
  34. 有田喜一

    有田国務大臣 私の基本的なということは、よきアイデアですね、全国に新幹線あるいは高速道路、そういうネットワークをつくり、そして過疎過密を解消し、そして国民の生活を豊かにする、そういうような基本的な考えはいいアイデアだと私は思っております。ただ、GNPがどうなるかということは結果論じゃないかと思うのです。たとえばGNPを一〇%なら一〇%、その目標でこうするというのではなくて、こういうことを日本の国土開発のためにやる、その結果かくかくのGNPになるんじゃないか、こう思うのです。初めからGNPばかりで進むということはどうかと思うのです。今回われわれがいろいろと、いままで生産第一主義、輸出第一主義という、いずれかというとそういう方向がたどられて日本の経済が成長、発展したことは間違いありませんけれども、今日の段階ではもうその辺を転換して、福祉第一主義、これは社会保障はもちろんのこと、環境改善を加えた広い意味の福祉第一主義、そして同時に輸出第一主義はむしろ国際協調主義といいますか、そういうような方向に切りかえていきたい。これは、との間の経済白書にもその一端が出ておりましたが、現在われわれがことしじゅうにつくろうとしておるところのいわゆる長期計画ですね、いままでの新経済社会発展計画という名においてやっておった長期計画も改善して、今年じゅうに新しい角度からつくり上げたい、かように思っておりますから、そういうような考えでいま進んでおるということを御了解願いたいと思います。
  35. 有島重武

    ○有島委員 もう時間もないようでございますけれども、いま輸出入の問題がちょっと出ましたが、特に輸入の場合にわれわれが一番心配しておりますのは、輸入窓口を非常に寡占体制をしいて狭めて、そこでもって利潤を非常に大きくする。それでせっかく輸入をしても国民にその利益が還元されないというような現象が非常に心配されておる。この輸入の窓口をどんどん広げていく方向になさるという御決意があるかどうか、その点はどうですか。
  36. 有田喜一

    有田国務大臣 今後景気がよくなると輸入は増進してくると思いますが、今日の輸出入のアンバランスを直す意味におきましても、大いに輸入は奨励したいと思っております。  そこで、おっしゃる窓口の問題ですが、確かに物価面からいいましても寡占価格といいますか、そういうような傾向がないように、関税定率も低くするとかやって、安い外国品が入ったものを一般国民消費者にそれが転化できるような機構につくり直したい、こういうように私は考えております。
  37. 有島重武

    ○有島委員 それじゃいまのは、窓口を広げるというふうに受け取ってよろしいわけですか。いま寡占というような現象もあるけれども関税等のという話で、ちょっと関税のほうにいって話がはっきりしなかったように思いますけれども、窓口を広げる、そうおっしゃいますか。それでよろしいですか。
  38. 有田喜一

    有田国務大臣 お説のとおりだと考えております。
  39. 有島重武

    ○有島委員 最後に、円の再切り上げがうわさされておりますね。外貨準備高があれからもまだ上がっておりますけれども、二百億ドルまでになれば当然また切り上げされてしまうであろうというような話が出ております。経済企画庁長官としては、この再切り上げについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  40. 有田喜一

    有田国務大臣 円の再切り上げは絶対避けたい、こういう考えでおります。これは国際的に見ましても、いまのスミソニアン体制というものはくずすまい、また、そういうものの効果はもっと時間がかからなくてはあらわれるものではない、半年や一年ですぐ効果が出るものではないというような意見も、OECDはじめ各方面にある。そこで問題は、アメリカだってそんなことをいってないのですが、やはりアメリカと日本との輸出入のアンバランスですね、それが私はいろいろな問題になるゆえんじゃないかと思っております。したがいまして、これは緊急輸入とかそういうことをやって——いま三十五億トルとかいっていますが、アメリカは四十億ドルなんということをいっています。日本側はことし三十五億ドルくらいの輸出超過、こうにらんでおりますが、それを緊急輸入とかいろいろなことをやって、もっと緩和していきたい。そうして円の再切り上げなんということが絶対起こらないようにしたい。いずれかというと日本人自身が、円の切り上げはいやなくせにそういうことを言いたがる。国内からそういうことを言う人がありますけれども、そういう不安は一日も早く解消していきたい、こういう考えでおります。
  41. 有島重武

    ○有島委員 外人の投機売りのドルですね。ドル売りということがこの前はだいぶあったというような議論があります。それからまた数字上も、去年の一月から八月にかけてのあのドルのふえ方というものは非常に異常であった。また、その異常さがまだ続いているわけでございますけれども、投機売りがいま国内に入ってくる余地は、日本は為替の管理体制をとっているのだからほとんどないというようなことを言う人もあるようであります。それで長官としては、こうした投機的な動きが現在もなお行なわれているのではないかというふうにお考えになっているか、あるいは全くその心配はないというふうにお考えになっていらっしゃるか。現在のお考え方だけ伺っておきたいと思います。
  42. 有田喜一

    有田国務大臣 私はあまりその方面のことを詳しく検討しておりませんけれども、最近の事情を見ますと、案外外人の日本の株買いがやはり相当あるようですね。その株買いは、円とドルを見たときに円のほうが強いというその方面と、日本の産業の景気がだんだん回復しつつありますから、その将来の成長を見込んでの両面からの、円が強い、それから産業が伸びる、この両面からの株式投資といいますか株式買いが相当ある、こういうように思っておりますが、直接投機的にドルを買うとかそういうことはどうかと私思っておりますけれども、確かに株式を通じてのそういう面はあると思っております。なお、一時は百六十数億ドルまでありましたが、先ほどからちょいちょい言っておりますように、おもむろに景気が回復しつつありまして、この六月は海員のストがありまして、ちょっと異常でございまして、輸入はふえましたけれども、五月ごろの情勢を見ますと輸出はちょっと頭打ち、鈍化しました。輸入がだんだんふえるというので、現在は百五十八億ドルくらいのところへきておるのじゃないかと思っております。だんだんその傾向は強くなって、徐々でございますが、ドルも少しずつは減っておる、こういう状況ですね。
  43. 有島重武

    ○有島委員 じゃ国内の物価の安定の問題と同時に、日本全体がもうけられてしまって、そのしわ寄せが庶民一般にかかってくるような、そういう間の抜けたことがないようにくれぐれも要望いたしまして、きょうはこの辺にいたしたいと思います。
  44. 有田喜一

    有田国務大臣 いまのことはよくわかりますが、先ほど武部さんからの質問ぜいたく米の話をしたときに、━━━━━━━という話もありましたが、ちょっと、個人的な名前を出すのはまずいですから、この際、委員長の御了解を得て、名前は取り消させていただきたいと思います。
  45. 井岡大治

    井岡委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後零時三分散会