○瀬野
委員 確かに
農林大臣おっしゃるように、膨大な問題でありますので、あらためてまた
大臣の方針等も発表になると思うのですが、本日の
農産物自由化の問題につきましても関連があるので、あえて
大臣の基本
農政方針の一端を伺ってみたわけでありますが、ただいまも
発言ございましたように、農村に希望と情熱を持って真剣に
農業に取り組んでもらう、こうおっしゃる。もちろんそうでなくてはなりません。八日の
日本記者クラブでの
昼食会においても
農林大臣は、
日本列島改造に並行して、
農業者が将来に夢と希望を持てるような
農業を進めるために、こうおっしゃっておりますが、実際に
日本の
農業がいまかかえておる問題は、たいへんな問題であることは十分御
承知のことでありまして、
大臣も相当な決意を持って
就任され、臨んでおられると思いますが、農村に希望と情熱を持って真剣に
農業に取り組む、こう簡単におっしゃるけれ
ども、きょうは、
果汁の
自由化という問題がございます。
農業の生産調整によって静岡から以西、もちろん四国も中国も九州も
ミカンによって大きな作目の転換をし、いまだにまだ造成をして拡張傾向にある、たいへんな生産過剰が
心配されるということになっておるわけでありますが、農家においても、現在のいわゆる減反政策、それに伴うまた農家の借金、すなわち農機具だとか、近代化による借金等かかえておりまして、若い人たちは親から農地を受け継ぎ、また農機具を受け継ぎ、そうして農家経営をゆだねられても、借金までかかえてわれわれは
農業はしない、こういうようなことをどこでも若い者から聞くわけであります。
結局、都会に
流れていくというようなことになっておりまして、いま農村に参りますと、昔と違ってほんとうに若い人たちの姿が見られない。われわれも農家を一軒一軒回ってみまして、ああここはじいちゃん、ばあちゃんが
農業をやっているな、ここは確かに後継者がいるなというように、もうわれわれも多年の経験から農家の玄関先に立ちますと、後継者がいるところとそうでないところ、また出かせぎに行っているようなところがはっきりわかる。こういう段階で、昼間行っても
——もちろん現在は暑いおりですから、昼間休んで朝夕の涼しいときに
農業をやっておりますが、ほんとうに何となくさびしいというか、農村を歩いている人影も少ないというような現状が九州でも四国でも各地で見られます。
農林大臣もそこは十分、国会で二十年やられておられてベテランの
大臣でありますから、百も
承知でございましょうが、ほんとうにここで論議して、いろいろやりとりをしている以上に深刻なものがあるのです。そこへもってきて今後日中の問題もどんどん促進されます。
アメリカは
アメリカで
自由化を迫ってくる。
大臣は午前中からいろいろと答弁もしておられますが、はたしてこんな一時のがれ、と言っては失礼かもしれませんが、四、五年もせぬうちにはっきりと結果が出てくるわけでありまして、こんな状態でいいのか、こういうようにしみじみ私は思っております。そういった
意味で、
田中新
内閣に期待するところも大きいと同時に、
農林大臣にも期待するところ大きいわけでありますが、
大臣の
農政の基本
方向については時間もかかりますので、別途また
大臣からはっきりとした具体的な問題が打ち出されると思いますし、それは別として、本日の、
自由化に伴いまして、九州においても、今後、果樹生産農家はたいへん憂慮にたえないものをかかえて不安に思っております。そういった生産調整の段階における農家の不安等を踏まえまして、いまも農村に希望と情熱を持って真剣に
農業に取り組んでいく、こういうふうにおっしゃるのですが、そういったことから、私は
日本の
農業者または果樹
農業者等に対してどういうふうに取り組んでいかれるのか、その点だけでももう少しあたたかい熱情のある御答弁をお聞かせいただきたい、かように思います。