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大出委員 時間も、ほかの
方々もおいでになりますので、これから急ぎますが、実はけさ方、飛鳥田横浜市長から私に電話がかかってまいりまして、どうも非常に残念な口頭の通告が米軍当局から来たんだというのであります。神奈川
新聞が掲載をしておられるけれ
ども。実は横浜市はこのことを発表しないつもりでいたんだ、その
理由は、あまりどうもおとなげなさ過ぎる、こういう感覚でおられるのはまことに困る、こういう
気持ちがあるので、ものの考え方は違っても、日米
関係というものもこれあり、発表しないつもりで事務当局にはそう指示をしておったんだ、ところが
新聞のほうで先にお気がつきになって掲載をしてしまった。これはもちろん神奈川
新聞だけであります。ほかには何も載っておりませんが、さすがに地元の
新聞でございましょう。
そこで、この
新聞ではそこまで書いておりませんが、市長のほうから具体的な
お話が出てまいりました。どういう口頭の通告なんだと市長に聞きましたら、昨日の午後四時、これは市長は会わなかったようでありますが、渉外
関係の諸君が会っているようでありますけれ
ども、金子という座間の陸軍司令部の米軍の技術主任をやっておられる方がお見えになって、要点二つである、上司の命令で通達をする、これが出足だそうでございます。例の事件で米軍はたいへん硬化している、かたくなっている。これは悪い
意味の硬化ですね。そして、岸根基地の解除がきまった、その
あとで今回横浜市が措置をとった、ということは米軍にとって不信の念を禁じ得ない、これが第一であります。早い話が、岸根を返してやった、にもかかわらず、すぐその
あとで、重量制限違反だといって文書を出しておいて、認めないということを市が言うことはけしからぬ、米軍はおこっている、簡単に言えばこういうわけです。
第二番目に、村雨橋という問題の橋でありますが、この測量の必要がある。これもかってに測量されては困るのです、横浜市が道路管理者ですから。村雨橋の測量の必要上モータープール移設についての協議は中止をする、これが二番目であります。このモータープールというものは米軍の車両を一括していっぱい入れているところでありまして、近所住民あるいは通行する人たちがたいへん迷惑をするというようなこともあり、かつ横浜市の下水処理が、人口が急増いたしますのでたいへん紛糾しておりまして、金沢区、保土ケ谷区、鶴見区、西区、この四区にわたるのでありますけれ
ども、この四区の住民が住民大会等、連合町内会主催でおのおの開きまして、与野党なく各党の市
会議員が全部出て超党派的に、モータープールを移設して、そしてそこに南部下水処理場をつくるという、ここのところ四、五年にわたる動きがございまして、昨年これがきまりまして、そしてきまった
あと、建物のつくりかえ、これについて市のほうで
協力をしてくれということで、協議その他をやることになっていた。話はすでに
防衛庁のたいへんな御努力もいただいてきまっていた。これを早い話が返さないぞというわけですね。そのことを口頭で通告をした、こういうわけです。
これはどうも私が考えましても、市長は行政長官ですから、そうやぼなことは言っておりませんでしたが、ちょっと市長の口の端にもありました。あまりといえば子供じみておる。物でもくれてやったようなことを言うのですね。パンをやった、言うことを聞けというのですね。そういう調子。まさにもって、日本人に対する侮辱のみならず、占領軍の米軍という
感じであります。だから地元の
新聞は何と書いたかというと、「米軍、横浜市に”報復”」という、こんな大きな見出しです。法令違反が明らかであり、
政府の
皆さんがすべて、国内法尊重のたてまえを明確にされている中だから、法令違反だというのはあたりまえですよ。横浜市は住民の立場に立つのですから。市民の立場に立つのですから。沿道の市民はほんとうに寝られないというので、どこの党でもいいからとめてくれ、何なら学生を呼んできてとめたいんだということを言う諸君もおる。私の親しいすし屋のおやじさんなんというものは、町の中にいてかんかんになっている。そういう住民の声というものに乗って、何とかしなければならぬというのが行政長官の立場です。それを法的に瑕疵なく——瑕疵のあるのは米軍、米側ですから、瑕疵なくやったことに対するこういう出方、あり方というものを私は放置はできないと考える。
この件に関して、大平さんお見えになりましたから……。
これは、いま例の横浜市における戦車輸送、M48輸送の問題について申し上げているのですが、米軍のやり方について、また私
どもがとったやり方について、ずっといま御
説明をしてまいりまして、M48戦車が、重量制限その他もあるのだから、危険な個所もあるのだから、このコースは通らぬでくれ、やめてくれということを行政レベルで三回も言っておるし、在日米陸軍司令官にも文書を出しておる。こういう中で業者も呼んで、業者にも、法令違反の輸送だからお考え願いたいと市が言った。だから、日通が運んでおりましたが、日通その他も、米軍に対して法令違反だからといって一切お断わりをした。そうしたら、業者が運ばぬというなら軍が運ぶというので、軍のトレーラーに乗っけて強引に運んできたという今度のケースなんです。
しかも七月二十日に横浜市が文書を
防衛庁長官、施設庁長官等に差し上げるにあたって、市が文書を出したことを確認をいたしましたから、私は
防衛庁または現場の
防衛施設局の
責任者に直接お目にかかって、相模原には戦車がある、やがていつかわからぬが出てくる、出てきたときに、先般三十分相模原でとめている、再びどこかでとめることになった場合に混乱が起こる、だからしかるべく対策を
関係各方面と協議の上でとっておいていただきたい、このことを申し入れてあるんです。決して何の話も
皆さんに申し上げずにやったんじゃない。
防衛庁に承ってみると、M48が相模原の補給廠に何台あるかも御存じない。しかも四日に出てくることも知らなかった。業者が断わったにもかかわらず、四日に出てくることを私
どもが知って、沿道の住民が騒ぎ出して、しかもたいへんに心配をしてものを言ったが、はねつけてしまった。橋のほうも
専門家が
調査をして、四十六・九トンしか耐荷重量がない、一両年でかけかえなければならぬという
専門家の結論が出ているところを引き続き運ばせることにはいかないという立場でああいうことに発展をしたということなんでありまして、国内法令尊重という地位協定十六条のたてまえもこれあり、その上で五条の
協力義務というものは存在をすることになる。これらの点について
皆さんに御確認をいただきましたが、増原長官以下
皆さんが、国内法令尊重、これは当然である、それがたてまえである、その上に立っての
協力義務に五条というのはなるんだ。しかも建設省の方も、外務省の方も、
防衛庁の方も、
皆さんそろって、この道路法というものについての見解は、権限は市長にある、このことをいま明確にされているわけであります。
そこで、いまここで承っておきたいと思いますのは、いまここで申し上げましたが、実はけさ横浜市長から私に電話がありまして、昨日四時ごろに米軍の座間の陸軍の司令部、ここから金子という米軍人でありますが、技術主任、この方が横浜市にお目えになって、口頭で以上のことを通告をされた。
一つは、いまここで申し上げたのですが、繰り返しますと、今回のこの件で米軍が非常に硬化している、こういう前置きで、上司の命令で通達をする、こう言うんです。第一に岸根の米軍の野戦病院、これは実は横浜市の運動公園をつくる予定地でございまして、
つまり期限も切れておって返還になっておる。この岸根の基地、これの解除がきまった
あとに今回のようなことを横浜市がやるということは、これはたいへんけしからぬことだ、米軍は不信の念を禁じ得ない、こういうことをまず一項申しまして、二項目で、したがってこの村雨橋という問題の橋の測量等の必要もこれあり、モータープールの返還移設については協議を中止する、簡単に言えば返さない、こう言うのです。これは横浜市内の四つの区の住民が、連合町内会長主催の区民大会を開いて、米軍の車両がいっぱい入ってくるところですから、これをどけてくれ。それで、いま横浜市が困っている下水道の処理について、どんどん地域に人がふえますので、ここに南部下水処理場をつくってくれということで、区民大会が各区で開かれまして、バスで
防衛庁にお願いをしたという数年来の経過がありまして、
防衛庁もお骨折りいただいて、ここに南部下水処理場をつくる、モータープールを移設するということはさまっている。きまっていて、移設のしかたについての話をすることになっている
段階でそういうことを言ってくる。通告であります。だから地元の
新聞一社だけ
書きましたけれ
ども、ここにございますが、「米軍横浜市に”報復”モータープール移設協議は中止」、これではまるっきり、パンをやったのだからなぜ言うことを聞かないんだという、まさに占領下の観念に類するものの考え方であろう。子供じみているという以上に、たいへんけしからぬことだ。間違ったことを市当局はやっているわけじゃない、こういうことになると思う。
この辺、直接の所管は外務省、外務大臣でございますが、帰りには信号無視で、一時停止もせずに赤のままに相模原に突っ走った話も含めて、今回あらわれた米軍のものの考え方については、それぞれ所管省等を通じて、米側に国内法尊重のたてまえをなお厳重に話をすることにしたいという御
答弁をいただきましたが、こういうことまでやられたのでは、これは明らかに筋が違いはせぬかという気がするのであります。この点についての外務大臣の御見解をいただきたいのであります。