○田代
委員 その費用はわかっていますがね、いずれにしましても地方自治体の財政が非常に苦しいのですから、これは造成が地方自治体の負担なくしてできましても、その後において非常に負担がかかれば、どんなに持っていくといってもこれはごめんだ、そういうことになりますから、それはまず計算してやっていただきたいと思います。それからこの問題、これは青写真とおっしゃるからあれですけれ
ども、私はこの計画で見ますと、農業の破壊ですね。実際あの地域にしましても、こういうことをじゃんじゃんこのままやられますと、農民諸君はどうなるかという問題ですよ。いまとにかく米を全く目のかたきにして、農業はそういう形でまま子扱いにされている。だからこの際土地は陥落させて、それを利用させて、逆用させて団地をつくっちゃって、ということになると、祖先代々農業をやっている農民の方々、相当の人たちがおられると思いますね。その人たちはやはり農業をやりたい、しかも農業、何も米をつくるだけが農業じゃありませんから、いろいろとにかく果樹をつくるとか蔬菜をつくるとか、あるいは家畜を養うとかいう、こういう非常に多角的な効率のある農業に
日本の農業を持っていかなければならないと思うのですね。そういう点から、この計画はさっきちょっと見ましたけれ
ども、全く農業と農民諸君をまま子扱いですよ、実際のところ。こういうことによって、農民諸君をそれこそその地からほっぽり出してしまう、家も立ちのきなさい、こういうことをやられたんではとんでもないことです。それからまた、根本的に現在の陥落した農地をとにかくこういう形で復旧して、それを宅地造成やら
工業団地のほうに持っていくということで、全く右から左にやらせるということになれば、農地、農業問題としてこれは根本的に大問題だと思いますね。この点を十分
——まだ青写真の段階とおっしゃいますからいろいろ追及はいたしませんけれ
ども、十分考慮していただきたいということを申し上げておきます。
次に、さっき出ました筑豊の全地域における
鉱害の復旧の問題ですね。さっきから同僚
田中議員が金田の復旧の問題を聞きました。私はとにかくこういう大企業が小竹地区に
工業をつくるということはともかくとして、これほど大きく残って、しかもこれは十年計画とおっしゃいますけれ
ども、率直にいって、私はこれは十年では片づかないと思うのです。いま千五百億とおっしゃっていますけれ
ども、このほかに私ははみ出るものがたくさんあるのじゃないかと思う。そうすると、こういう問題をずっとほっておいて解決せずして、さっきおっしゃるように、とにかく民生の安定とか国土の有効利用とかなんとかいうことを
ことばだけでうたったって、この地域の住民の方々は満足されるわけはないと思います。ほんとうに民生の安定なら、私は地域の住民の方々が実際に安心するように、炭鉱を掘ってこんなになった、このようにどんどん予算もかけるし、そういうふうに復旧してくれということをまず第一番にやり抜いてもらわないと困ると思うのですね。
ところがその中で、金田の問題は私は見に行ってほんとうによかったというのはちょっとおかしな言い方ですが、当然これは見に行くべきですけれ
ども、あまりにもこれはひどいですね。あなたも実際にごらんになったでしょう。とにかく政府は見ておられると思うのですね。とにかく復旧した地域と復旧しない金田の例の町、これくらい川一筋で、こっちはこんなに上がった。水はこっちから当然こっちのほうに流れるのが、逆に流れるという状態で排水溝ができておるわけですね、実際において。こういうふうに三つ子でもわかるようなばかげた工事をやって、責任を果たしたというようなことは許されるかというのですよ。ですから、先ほどの話を聞きますと、ポンプで水がたまったらあげるというようなことについても処置するということをおっしゃいます。それからまた、非常に浅い地域で穴があいたという点については、
鉱害対象として復旧するのだということが出ておる。深いところのほうは、これはできぬというのか知らぬというのか。そうするとどうしますか。実際においてこっちは上がっておる。それから鉄道は上がっておる。とにかく
鉱害の有無は別として、認定するかいなかは別として、現実の客観的な事実として、こっちはこう上がっておるでしょう。こっちの側、みぞ
一つ越えてこっちはこんなに上がっておる。その
理由は、ここに
鉱害が起こったという認定のもとに上がっておる。こっちはもとのとおりのレベルで、もともと低かったでしょう。ところが現実においてはこっちはこんなに差がついておる。その問題を科学的な認定とかひっぱったとかおっしゃいますけれ
ども、これはどうしますか。金田の町民の方々が、非常に政府はよくやってくれておる、これで安心だということが言われましょうか。先ほどから科学的な認定とかなんとかおっしゃいますけれ
ども、科学的でも何でもないですよ。こういうことをやって、科学者は、こっちは
鉱害だから直しなさい、みぞ
一つでこっちは
鉱害というべきものではないから直さぬでいい、認定できないということを実際言っておるけれ
ども、これはばかですよ。科学者でも何でもないですよ。そうしてまた、そういう御用学者といいますか何か知りませんけれ
ども、間違った学者が科学的な認定をやったとかなんとかいうことによって、現実にこんなに問題になっておることをなぜ政治によって解決できないのですか。政治とは一体何なんですか。科学者が何と言おうとかんと言おうと、目の前にこういう悲惨な苦しみがある。しかも浅い部分においては上げた、鉄道だけは上げている。その中間においては
鉱害はないということをある科学者が言った。だから認定できない。水は逆流してもそれは黙っておきなさい。しかし特別の
措置をしてポンプであげてあげましょう、こういうことでしょう。政治でも何でもないじゃないですか。どうしますか、はっきりおっしゃてください。