○細谷
委員 時間がありませんから、二、三まとめて御質問をして、それに対してお
答えをいただきたい、こう思います。
いま、
大臣と岡田
委員の
答申をめぐってのやりとりをお聞きいたしまして、率直に言って、
大臣のこの
答申に対する受けとめ方はかなり消極的ではないか、こういう印象を受けました。私
自身、
長期石炭対策については満足できるものでない、こういう
観点に立っております。
そこで質問の第一点は、先ほど来の話で、
産業上のセキュリティーという形で
石炭問題をとらえる、こういうことでありますが、実はことしの六月一日に、北炭の萩原さんを中心といたしまして、「見直される
石炭産業」という小冊子が私の手元に届けられております。その第一は、「我国のエネルギー海外依存化への反省」というのが第一点としてあげられております。第二に、「世界はすべてのエネルギー源を必要としている」、第三番に、「輸入エネルギー資源が安かった時代は終った」、第四番目に、「世界は
石炭を見直している」と各国の事情を述べております。第五に、「日本の
石炭政策は転換されねばならない」、第六に、「日本の
需要家は
石炭を見直さねばならない」、こういうふうに指摘をいたしまして、結論として、近々
答申されるであろう第五次
石炭政策は、この世界エネルギー情勢の変化をふまえ、現
時点で生産可能な二千八百万トンを最低の出炭規模として位置づけろ、これが北炭グループの結論であります。この問題のほかに、たとえば産炭地等のいろいろな陳情が、この
答申の出される前に相次いで行なわれたわけでありますが、その際にも、
昭和五十年度に二千五百万トンを
確保してほしい、こういうことが述べられております。そういう点で、この
答申によりますと、
昭和五十年にはエネルギーにおける
石炭の位置づけというのは三%程度になってしまう。現在が六%程度、こう言われておるわけで、そうなってまいりますと、いわゆる
産業面のセキュリティー、エネルギーの安全保障、こういう点からいって、この
答申は問題点があると私は思っております。これについて
大臣、どう受けとめておるのか、これが第一点であります。
第二点は、
石炭を一千億掘ろうとするのに、国費で大体一千億程度これから投入していこう、こういうことでありますから、もはや
産業政策ではなくて、ある意味では社会保障的な性格あるいはエネルギーセキュリティー、こういう形で問題がとらえられておるわけでありますが、そうならば、いまの私
企業体制の流れを変えて、そしてやはり体制上の対応できるものをつくり上げる必要があるのではないか。体制上私
企業でまかせ切って、いまもちょっと質問がありましたけれ
ども、それで
産業面のエネルギーの安全保障、こういうことを言っても、あるいは新聞の論説は当時、ほとんどの論説が取り上げたように、
石炭問題というものはもはやいわゆる
産業政策を通り越しているのだ、こういう指摘があったわけでありますが、それにこたえられないのではないか。これが第二点であります。
第三点は、私は、長い間
石炭長期の
答申について
検討をされたということは、先ほど通産省から御
説明をいただいたのでありますけれ
ども、たとえばこの
答申の一九
ページから二〇
ページに、「産
炭地域市町村の
公共事業に対する
補助率引上げ方式の
改善」、そしてカッコして、「(またはこれと実質的に同様の
効果をもつ
措置)」、こういううたい方をしているわけですね。これはそれならば、
補助率の
引き上げ方式の
改善等を行なう、でごまかしておけばいいのに、カッコし「(またはこれと実質的に同様の
効果をもつ
措置)」というのは、この
委員会でいろいろ議論して
通産大臣が
答えたことを、そのままこんなカッコに入れている。
石炭鉱業審議会というのは通産省ペース、
石炭局のペースで動いておる。だからこんなカッコに入ってきたのですね。この辺に私は問題があろうと思うのであります。
先ほ
ども相沢委員長から、一体、歌志内の
炭鉱——住友が
閉山になったので、いま人口幾らですかと聞いたら、一万三千人だという。隣の町は一万四千人だというのであります。歌志内というのは市が始まったのがおそらく三万五千とか四万という形で市になったわけですね。それはもうかなり前。いま一万三千。私は福岡県でありますけれ
ども、福岡県には山田市という一番ミニ市だと言われているところがありますけれ
ども、それは、それでも現在一万六千ぐらいでしょう。それも、山田というのは早く
閉山がありましたから、かなりの時間かかって一万六千、歌志内は急激にいまや一万三千だ、隣の町より人口は少ない、こういうことであります。それだけに、
石炭プロパーの保安の問題なり、
労働力の
確保の問題なりも重要でありますけれ
ども、同時に、やはり産炭
地域の振興というものが重要であろうと思う。
これに関連して私がお尋ねしたい点は、
産炭地域振興法というのがあり、そしてそれを推進する
事業団というのがございました。ところが、この間の六十八国会で、その
事業団というのが工業再配置・
産炭地域振興公団、こういうふうな名称に変わってまいりました。したがって、それに対する会計等もいままでとは変わってまいりました。ところが、
田中総理ができまして、工業再配置というものから、さらに発展いたしまして日本列島改造論、こういうものがいま政治の中心に置かれております。その日本列島改造論を具体的に推進するのは、工業再配置、これをもっと
充実して、この間の立法の問題はほんの氷山の一角、これからどんどん出てくるのだ、税制上の問題あるいはその他のいろいろな
措置が出てくるのだ、こういうことになりますと、この工業再配置・
産炭地域振興公団というのは、もはや産炭
地域というものは忘れられていって、日本列島改造論という中に埋没してしまうのではないか、こういう感じがいたします。
工業再配置そのものについて、私
どもはその法律には賛成したわけでありますけれ
ども、この辺を非常に懸念もしておりますし、私は心配しております。でありますから、当時議論されましたように、産炭
地域というのは、この
産炭地域振興についての
答申も出ておりますけれ
ども、すでに長い間かかって
事業団で土地の造成等をしたわけでありますから、一番工業再配置に受け入れ
条件が整っているところでありますから、優先的にこういうものに工業再配置法をのせていってほしい。いきます、これが通産省側の
考えでありますけれ
ども、日本列島改造論でもはやこの辺も埋没したのではないか、消えてしまったのではないか、こういうことを懸念いたしておりますが、こういう点について、
大臣としてどう対処なさっていこうとするのか。
以上三点についてお尋ねしたいと思います。