○大原
委員 南北差別しない、そういうことであるように理解いたします。これは日韓会談では、韓国は日本に対する請求権を放棄したのですよ。日本がアメリカに対して損害賠償の請求権を放棄しておるのと、同じ
関係になっておるわけです。しかし、その法律は法律として、実際上の
措置をとる、こういうふうに私は理解しておきます。
〔
委員長退席、
山下(徳)
委員長代理着席〕
第二は、しばしば外務
委員会や、あるいは科学技術特別
委員会や、本
委員会で議論いたしましたが、ABCCの問題です。ABCCの問題については、これは
国会でも議論をし、地元でもかなりこれは議論の分かれた点でありますが、かなりコンセンサスを得るような
方向にあるわけです。原爆傷害
調査委員会が広島の比治山という公園のてっぺんに、あるいは長崎にある、こういうことであります。
これは私は議論いたしませんが、占領の継続である、単なる外交上の口上書に基づいておる、こういうことで、私も問題提起をいたしましたが、「ABCCの在り方を
検討する会」というのが広島で持たれて、広島大学の学長、これはお医者ですが、県の医師会長、広大の原医研の前、現所長、広大医学部長、原爆病院院長、市の医師会長、その他全部
関係者、公的な職にある人々が集まりまして、そして議論をいたしましたが、広島原対協副会長の松坂
先生も参加されております。それが四つの原則を決定をいたしまして、要請をしておるはずであります。
第一は、占領行政の残渣を払拭すること、口上書問題等、外交
関係が中心であります。それから協力のあり方の問題が出ておると思います。
それから、研究の主体性を日本側が持たなければ、唯一の被爆国ということはできぬじゃないか、アメリカが日本に来て——加害国が被害国に来て
調査をするという形はおかしいではないか。
第三は、他機関との交流、データの公開性、大学とか科学技術庁とか
厚生省その他
関係の研究機関や医療法人との連絡がうまくいかないではないか。
第四は、被爆者主体の原則、こういうことで、被爆者の立場に立った
調査がなされなければいけないではないか。これは日本の主体性の問題とうらはらであります。こういうことをはっきり言っておるわけであります。
そこで、私は、いままでの議論を踏まえて、
三つの
質問があると思うのです。その第一は、日本とアメリカの外交
関係を洗い直すということです。単なる口上書で外交特権を与えて、自分は上のほうにおって、まあ言うなれば権力を背景に呼びつけるということで
調査をするということはいけないじゃないか。研究
自体については、私
どもは議論を通じまして、このことは価値を認めているわけです。これはアメリカは、遺憾ながら日本の研究方式のような小さな規模ではなしに、五十年規模の非常に大きな研究規模を持っている。しかし問題は、いろいろな点があるけれ
ども、外交問題が一つある。
第二の問題は、アメリカ側は十四億円ぐらい
負担をしておるが、日本は約七千万円未満でやっている、七千万円前後である。日本の対応する機関は、
厚生省の予防衛生研究所等はまるでアメリカのABCC、原爆傷害
調査委員会にぶら下がっているというような
かっこうで、研究員も職員もまるでふぬけである。当事者能力がない。対等研究の当事者能力がない。
財政問題も
関係しておる。
第三は、いま申し上げたように、人事の問題、日本側が主体性を持ってアメリカの協力を得ることは当然としても、その点は明確にすべきではないか。それは日本側が主体性を持って被爆者の立場に立つ、そういうことと密接な
関係があるのではないか。
これはいままでに議論を通じまして、いろいろな決議をいたしておりますが、ここでの決議もありますが、この三点について
厚生省はどう考えて、これからどうしようとしているのか。これは先般の外務
委員会でも
厚生省が中心となってまとめるということを答弁いたしておりますから、
厚生大臣はこれは初めてでありますが、しかしながら従来から懸案の問題であって、問題はきわめて小さいようだが、しかし、日本とアメリカとのほんとうの意味における対等な友情ということから言うなれば、この問題は、被爆国日本としては、これは無視できない問題ではないか。この評価について過小評価をして、おざなりで逃げていくということは許されないのではないか。一たびこういう場所で議論になった以上はそうではないか。
私は、
財政上の問題、外交上の問題あるいは人事やその他日本の主体の問題、被爆者としての対策の
関係の問題、こういう問題三点について問題を指摘いたしましたが、これについて
厚生大臣はどのようにお考えか、ひとつ御答弁いただきたい。