○塩見国務
大臣 ただいま御
指摘の点等、これが、やはり私
どもその点を
考えまして、この際、産業廃棄物の処理につきましては、国もその責任の一半を持たなければならぬというような結論になった原因でもあるわけでございます。私
どもは、
基本的にいって、企業の廃棄物の処理責任というものをこの際改めるとか、あるいはこれを回避させるというような気持ちは、これは毛頭ないわけであります。ただ、現在の日本の現状から見まして、この廃棄物の処理という問題は非常に大きな問題になっておると私は思うわけであります。
ただいま厚生省並びに通産省からお話がございましたが、必ずしも数量が的確なお話がなかったわけでございますが、少なくとも工場周辺に野積みにされておる、あるいは今後数年間たったら、いまのままの状況でいって、私
どもが担当しておる環境について、りっぱな環境が保たれるかどうか、私は非常な危殆に瀕しておると思うのでございます。また、先ほどお話がございました用地の確保の問題にいたしましても、海洋の投棄等
考えてみましても、なるほど超大企業でも、ほとんどなすことができぬじゃないか、なかなか用地の確保は困難であり、海洋投棄ということもなかなか困難である。私は、これはいろいろな企業の廃棄物を効率的にまとめて処理するということも
考えなくてはならないだろうと思いますし、あるいはまた最終処理場の用地の取得にいたしましても、いまの日本の現状からいたしまして、相当強大な力をもってこの先行取得もやっていかなければ、なかなか不可能ではないかというようなこと、あるいはまた人工の島を
一つつくり上げるにいたしましても、これは単なる一個の企業ではできないのではないかというふうな、非常に大きな問題をいま含んでおると思うわけでございまして、したがって、この産業廃棄物の問題を解決をする、われわれのりっぱな環境をつくり上げるという
立場から見ましても、この産業廃旗物の処理を行なうという場合におきましては、これが一体企業責任ということだけで国が放置していいかどうかということは、私は大問題だと思うわけでございまして、決して企業責任を回避させたり、あるいはPPPの
原則をどうかという問題でなくて、とりあえず環境整備をし、そして産業の廃棄物につきましては、これの処理の見通しをつけるということは、私は国家の重大責任じゃないかということを
感じたわけでございます。
したがって、これに対して何らかひとつ方法を講じなくちゃならぬということで
考え出しましたのが、いまのお話しの
法人組織であるわけでございまして、ただ、この問題につきましては、ただいま御
指摘のとおり非常に多くの問題を含んでおるわけでございます。あるいはPPPの
原則、あるいはただいま御
指摘の企業責任の問題こういうような問題に抵触のないように、またこういう問題との
調整をはかっていくことはもちろんでございますが、それになおかつ、これを
特殊法人として企業側の協力も得なくちゃならぬというようなことでございますので、企業側との十分な連絡あるいは
関係省庁との連絡、その他いろいろの問題を含んでおるわけでありますし、また実際の事業計画を行なうにあたりましても、さしあたり一体どういう地域にどういう事業を行なっていくか、あるいは先行取得にいたしましても、どういうふうな先行取得をするのか、あるいは海洋投棄にいたしましても、どういうふうな船をどういうふうにつくっていくかというようなこと等、問題は多々かかえておるわけでございます。
しかしながら私
どもといたしましては、やはりこの問題に積極的に取り組んでいかなくちゃならないということで、やるということの前提のもとに、こういった問題につきまして、それぞれの方面の御了解もいただき、また御支援もいただき、そしてこの計画を進めていきたいと思っておるわけでございまして、決して企業の責任を引き取るというような気持ちはないわけでございます。私は、場合によれば、この会社が一応採算のベースに乗り、りっぱにやっていける見通しができれば、国としてももちろんその時点においては手を引いてもいいと
考えておるのでありまして、ただ、この産業廃棄物の行政を現状のままで置いておいていいかどうかということにつきましては、このままでいけないということを痛感をいたしておるわけでございます。したがって、それの対策の
一つとして、この問題を推進して、この問題の解決に資したい、こういうつもりで、一応とにかく
予算の編成期も間近になりましたので、これをやるという前提のもとに概算要求にも出しておるような次第でございます。
ただ、まことに申しわけないわけでございますが、いまお話しのございましたような諸点につきましては、各方面との協議あるいはコンセンサス等いろいろなものを得まして、
一つ一つの問題を具体的に解決して、この産業廃棄物の処理、少なくとも国家の責任をこの場合に尽くすということで
努力したいと思っておる次第でございます。