○米田
委員 それぞれ
建設省、
農林省あるいは総理府等におかれまして、この
災害に対処する作業をすでに進めておられることについて御答弁をいただきまして、非常に喜んでおるところでございます。ただ、総体的に言えることでございますが、
被害額では、わずかにということばは失礼か、当を得ませんけれ
ども、総体的には八億程度でございますので、決して今日の日本の
災害の状況からいきまして、大きな
被害というふうには見られないと思いますが、この対象になっている
地域が、たとえば離島の佐渡島あるいは
町村財政の非常に弱い離島の
市町村、そういうところが対象でございますし、また、この
地域は四十二年、四十四年——ここ一、二年は大きな
災害がなかったようでありますけれ
ども、やはり二年ないし三年おきぐらいには、相当な
被害を受ける
災害に見舞われておる。そういう面では非常に
復旧の力の弱い
地域であり
市町村でございますので、
関係の総理府並びに特に公共土木を扱う
建設省、あるいは
農地、
農業用施設等についての
対策を進めていただく
農林省関係、これらの官庁におかれましては、こういう事情をひとつ御理解をいただいて、積極的な十分な
対策を進めていただきますように、私は冒頭に
お願いを申し上げておきたいと思うわけであります。これは総括的な、総論的な
お願いでございます。
それで、
建設省関係の具体的なことについて一、二お伺いをしたいのでございますが、特に
被害の一番集中いたしました両津市を対象にしてお聞きしたいのでありますけれ
ども、私も両津市の
被害現地を見てまいりまして、非常に胸を痛めておるわけでありますが、ここの地形といいますか地勢は、佐渡の外海府、それから
土地のことばでは大佐渡、小佐渡、要するに金北山の山系、それから手前のほうの小佐渡といいまして、ちょっと海抜は低いけれ
ども一つの丘陵地帯、山脈地帯があるわけでありまして、その中に国中平野があって、そこに耕地があり、住民がそこに大体集中して住んでおる。その入り口が両津市ということになるわけでありますが、山合いからすぐ海に達しておる。その中間に、非常に面積の少ない
土地に住民やそういうものがしがみついておる。今度の場合は、たとえば二十六日の十五時から十六時の間、一時間で約三十九ミリの
集中豪雨を受けておるわけでありますが、十六時から十七時まで十二ミリ、十七時から十八時まで二十一ミリ、この大体三時間に約百ミリ近い
集中豪雨を受けておるようなところでありますので、そういう地帯になりますと、一挙に山から走ってくる水が川をあふれ、あるいは破堤をし決壊をさせ、そうして
農地や住居を襲う。そこには中間的な緩衝地帯が全然ない。鉄砲水をそのまま海に吐き出して、そして
農地やあるいは公共
施設をいためてしまう、こういう実は地形なんであります。その犠牲を、今度の場合は小
河川あるいは
中小河川がまともに受けて、
被害の程度というものは、そう大きな破堤や決壊はありませんけれ
ども、実に多くの破損、破壊がされておるというのが特徴であります。
そういうことでございますので、この
復旧等につきましては、私は、まず
原則的には
改良復旧の要素というものを相当取り入れてもらいませんと、実際問題として
原形復旧にもならないし、今後毎年——大体二年か三年ごとにこの程度の
災害が起きておるわけでありますが、今後の防災にもならないという条件があるんじゃないか、こう思っておるわけでありますので、そこらあたりの点は、これはなかなか
現地を見ないとわかりませんけれ
ども、御配慮いただけるようになっているかどうか。たとえば両津市の例でございますけれ
ども、ここでは要するに小
河川、二級
河川以下であります。ここの二級
河川といっても規模はほとんど小さいのでありますが、他との均衡上、
町村が二級
河川に県のほうに
お願いしてやってもらっておるというような事情でございまして、普通の常識でいう二級
河川の程度とは全然違う。それでもその二級
河川以下が十七
河川、そうしてこの中に
被害を受けた
個所が百五カ所。たとえば外城川というのは二十一カ所も、一つの
河川でこまかい破堤やあるいは決壊をもたらしている。羽黒川等においては十二カ所、和木川等においては十カ所、総体的に十七の小
河川で百五カ所の破堤や決壊が出ておる、こういう特徴でございます。こういうことを考えてみますと、いずれこれは今後の
復旧その他改修についての査定なり
調査なりがなされると思いますけれ
ども、相当
改良復旧という条件を取り入れていただきませんと、おそらく今後また
被害を繰り返すことになりますし、ほんとうの意味の
原形復旧にもならないということになるんじゃないか、こう思っておりますが、そういう点についてひとつぜひこれは
建設省として配慮をしていただかなければならぬと、私、
現地を見て実は感じてきたわけでございますけれ
ども、いかがでございましょうか、
お答えをいただきたいと思います。