○淺村
説明員 お答え申し上げます。
住宅金融公庫の融資額はおかげさまでだんだん伸びてまいっておりまして、ただいま
お話がございましたように、現在のところでは都市におきまする木造住宅は百五十万円、それに、これも
お話が出ましたとおり、老人対策といたしまして、申請があればさらに二十万上のせできる、こういうことでやらせていただいております。しかしまだまだこれでは不十分でございまして、いろいろと私
どもも今後努力をいたさなければなりませんが、来年度の予算の要求といたしまして、ただいま
お話がございましたように、トータル四百万円の貸し付けを行なうことにいたしたい。これは全力をあげてひとつこの線を確保したいということでただいまやっております。もちろんこの場合も老人対策というものがつけ加わります。これは要求としてはさらに十万円ふやして三十万円、全部乗せれば四百三十万円というものを都市の木造住宅の場合は融資額にいたしたいということでやっておるわけでございます。その四百万円も、先生ただいま
お話ございましたとおり、いまのところは百五十万円、これは住宅に対する
建設資金でございます。これは土地費を入れておりません。その百五十万円を今度は二百五十万円に上げよう。そのほかに土地費として百五十万新しくお貸しをしよう。こういうことで合計すると四百万ということになるわけでございます。
そこで、これは仮定でございますからまことに権威のない数字でございますけれ
ども、私なりにいろいろ試算をいたしておりまして、たとえば土地を買って家を建てる、こういう場合に一体どういうことになるのだろうか。これはいま非常にやりにくいことでございまして、特に先生いま御
承知のとおり大都市
周辺ではこのようなことはどんどん困難になってまいっておりますが、かりに都市で土地を買って住宅を一軒建てるということにすると、少なくとも八百万円ぐらい持っていなければできない。これはそのぐらいでできるかというような
意見がすぐ出るのでございますが、平均的にものを申しまして八百万ぐらいなくちゃならぬだろう、そういうふうに私は
考えます。そうしますと、現在は百五十万しか融資いたしておりませんので約二割弱にしか当たらない。そうするとお客さんは別の金融機関からまた借りなければならぬということがございます。これが四百万に上がりますとちょうど半分の五割になり、お客さんも非常に楽になる、こういうことでございます。それから土地は相当前から持っておって家だけ建てたいので貸してくれ、こういうお客さんに対してはどうするか。現在そういうお客さんが多いのでございますが、今度は百五十万の住宅に対する融資額をただいま申し上げましたように二百五十万に上げようというのでございますので、これもだいぶ楽になる。そうすると、住宅一軒当たり三百五十万から四百万というところじゃなかろうかと思います。そういうことを
考えますと、百五十万円のときは約四割であったものが、今度来年、予算の折衝がうまくいきまして予定どおり四百万ということになりますれば、住宅の部分は二百五十万でございますので、住宅について比較をいたしますと約七割ぐらいの融資になる、こういうことで非常に楽になってくるのではなかろうか、こういうことを私も
考えております。したがって申し込みもたいへんふえてくるものと
——数字の点はまだ予想できませんけれ
ども、相当大幅な需要の増になってあらわれてまいるものと思っております。
それから、ただいま
お尋ねの住宅金融公庫はどのような階層に対して融資をしておるかという
お尋ねでございますが、これはたいへんむずかしい
調査でございまして、実は絶対正確だとも言い切れませんが、一応調べております数字を申し上げますと、これは四十六年、昨年の私
どもの扱いましたものが一体どの程度になっておるかこれはいろいろございますけれ
ども、六万円から八万円ぐらいの月収の方が一七%ぐらいおいでになっておる。数字がこまかくて恐縮でございますが、ちょっと申し上げますと、八万円から十万円ぐらいの方が二一%いらっしゃっておられるそれから十万円から十二万円が約一八%来ておる。十二万円から十四万円が十三%、かような数字でございます。結局六万円から十四万円ぐらいまでの層が六九・二%と過半数を占めておるわけでございまして、かねがね私
ども国民大衆を相手にする、特に中堅所得層を対象にした住宅融資を行なう機関であるといわれておりますので、そのようなところが私
どもの需要層であればまあまあいいところではなかろうか。しかも、もうちょっとつけ加えますと、結局私
どもにおいでになりますいろんな層のお客さんの平均の月の収入は大体十一万七千円ぐらいでございます。それから総理府の統計
調査で、これは四十五年でございますけれ
ども、全国の勤労者世帯の実収の平均が月に約十一万三千円と出ておりますので、まあちょっぴり私
どもは高いようでございますけれ
ども、まあまあのところをいっておるんじゃないか、かように
考えております。これが
最初の御
質問に対しまする私のお答えでございます。
それからもう一点は、実は先般も先生から私は御
指摘を受けております。そのときもるるお答えを申し上げておきましたが、実は先生のおっしゃいますように、毎年どうせ予算がつくんだから、予算のつく前から、前年度から仮受け付けをやって、資格審査をやっておいたらどうかという、まことにごもっともな
お話でございますけれ
ども、しかし私
どもはそうまでいたしませんでも、金融機関に受託業務を委託しておりまして、その金融機関が大体心得てやっておりますので、私
どもとの間にいろいろな書類の往復だのいろいろございますけれ
ども、そういうものは早くやっておいて、そうして私
どもから、さあ受け付けてくれと言ったときにはすぐ受け付けられるような体制に金融機関を置いておくということで私は十分ではなかろうかと
考えております。一歩進めて、お客さんに対して予算のきまる前から受け付けを開始していろいろなものを出していただきましても、ただいま
お話し申し上げましたように、貸し付け額につきましても予算で大幅に増加を要求しております。きまりますと従来とはうんと変わってしまう。まあいろいろございます。そういうのはそのとき直せばいいということがあろうかと思いますけれ
ども、やはり全国に三千五百ぐらいの金融機関の窓口で全国的に扱っておる仕事でございますので、あまり複雑にいたしますとかえってお客さんに迷惑をかける。そこで、私
どもは受け付けについては、やはり予算がきまってから受け付けを開始する。ただその開始の時期が、予算が四月にきまって五月に入るというようなことではこれは申しわけないと思います。ことしは実は予算の関係、法律の関係がございましたので、五月の二十日に受け付けをいたしました。しかし昨年は四月の二十日に受け付けております。これもずいぶん私
ども急いでやったつもりでございますが、さらにこれを急ぎまして、二十日といわず十日あるいは五日ぐらいに受け付けてしまおう、どんどん前向きにやるように私はいま
考えております。それから今度は、お客さんが申請書をお出しになったあとの、お貸ししますというまでの時間がかかるじゃないかということも従来よく言われたことでございますが、これも手続をどんどん簡素化しておりまして、ただいまは、これはお客さんが一応銀行の窓口に申し込み書をお出しになる。そうすると私
どものほうに連絡がありまして、それで信用十分なお方ということであればすぐさまお貸しいたしますという御返事をするわけです。ただお客さんはその設計のほうを審査してもらうという仕事が残ります。これを公共団体に私
どもいまやってもらっております。これも公共団体が非常に急いでやってくれておりまして、それでそういうものがすべて整いますと直ちに私
どもは正式の貸し付け契約をするわけでございます。それにいまのところ、一番長くかかって三週間ぐらいになっております。しかしこれをもう二週間ぐらいに縮めようとか、もっと縮めようとか、いろいろ努力をいたしておりまして、おっしゃいますようにこれはどんどんサービスを改善いたしまして親切にすべきものと思っております。今後ともなお検討いたしてまいりたいと
考えております。