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大橋和孝君 いろいろ苦労をしていただいていることはよくわかりますが、私はまあ、先ほど申したように、この辺の住宅の発展状況はすごいものです。
御存じのように、あの大江のニュータウンというのも、これはまた二、三十万の
——すぐできょうとしていま着々と
工事が進められておりますが、先ほど私触れましたような、
京都市でも
向島、この方面にはやはり大きなタウンができるわけであります。それに続いてずっと小倉から奈良に通ずる間、全部私は大きな住宅街になるんだろうと思います。これはもう毎日の情報を聞いてもふえるのが一ぱいでありますから、そういう点を考えますと、いまのような形で非常な問題があります。いまお触れに
なりましたような
地下鉄の問題、あるいはまた、大江のニュータウンを回ってもっと南に下がってどこかでジョイントしようというその
計画は聞いております。今度の
答申の中に出ていることも私調べさしていただいたのですが、そういうことは、それも一つの方法だろうと思う。また一面、南に入る幹線的なものですね、私が言いたいのは。それからして、いま東海道線が一つ幹線としての役割りで
相当の
輸送力を持っていますから、今度はあの狭いところを通らないやつでもう一つこちらに
相当の幹線をつくるということが私は一つの大きな今後の見通しじゃないかと思うんですよ。まあそれまでにつないだり何かするこまかしいことはできると思いますけれ
ども、こんなことではもうすぐにだめになるということは、いまお話にありましたように、百万もふえるわけですからね、
大阪へ流れ込む
人口が。そう
なりますと、いまでもか
なりふえてはきていましょうと思いますけれ
ども、四十年の八十万から比べますと、ばく大なことになるわけです。これはもうそのとおりだと私も思うんです、その発展ぶりは。ですから、そういう観点で、ここのところでもう一つ私は申し上げたいのは、
答申を見ても、ほんとにその解決になるのかと、こういうことを私は感じておる。それからまあ、先ほど鉄監
局長のほうからもおっしゃったように、
答申によってやるんだと、それはまあたてまえは当然そうだろうと思いますけれ
ども、その段階はそれであって、もうすぐ次の段階を考えてもらわなければあそこらは解決はできぬだろう、こういうふうに思うわけです。ぜひここのところの
片町線の取りきめ、それからあの由緒ある
奈良線をいつまでもあのようにしておかないで、これをひとつ、いまおっしゃっておるように、もう
ほんとうに庶民の足になるようなものとして開発すれば、即座に私は利用されると思うのですよ、その付近には一ぱい家ができておるんですから。ところが、もう一時間日にしか通らないから、やむを得ない、遠くまで
自動車で飛ばして、たとえば近鉄の駅に車をたくさん置いておいて通勤しているのが現状ですね。ですから、近鉄と競合する意味でなくて、もう別にそういうようなことができるわけでありますから、もうこういう点は、旅客を主調にしてもらうのも一つの方法でしょう。しかしまあ、
貨物は夜でも走らされますからね、せっかくいままであるそれをやめてしまわなくても、多少ウエートを変えていけば私はできる問題もあろうと思うし、必ずしもそれに対しては賛意は表しませんけれ
ども、とにかく庶民の足を確保する上においてもっと私は考えてもらう必要があろうと思います。これはひとつ特に要望しておきたいと思います。これ以上申し上げる必要もないと思います。
その次に、私、
山陰線の問題に触れたい。この
山陰線は、山陰地方の横にもっと広がる唯一のこれは
交通機関だと思うのですよ。現在
山陰線で通っておられる人、国会議員の話を聞きましても、
大阪なり、あるいはまた姫路、岡山
なりあたりまでは、これでずいぶん短縮された。それから向こう側へ渡っていくまでの間が、これに要る時間よりよけいかかるという現状だ。だからして、山陰地方に対しては一つもよくならないのが現状です。ですから、私は、過密過疎とかいろんな問題を言っておるけれ
ども、やはり
交通網をうまく
整備することが、過密過疎の解消にもなろうし、あるいはまたいろんな意味で発展性を持つものと考えますと、この
山陰線の問題は、私はこれもまたたいへん重大な問題だと思うのです。
国鉄のほうでは、私もいままで
山陰線の
複線化と電化の問題に対して
委員もさしてもらいながらいろいろお話し合いを進めてまいりました。やっと二条までそのままで
複線にされると、あるいはもうあのときの議論で
御存じのように、もう五条通りだって、七条通りだって、あの平面交差はいけないという指摘はずっぶん前から出ておったはずだと思うのですね。それをやるのに、それはまあ経済的な問題もありましょうし、財政的な問題もありましょうから、私
どもその間にいろいろ話をさしてもらったけれ
ども、しかし私は、その考え方があまりにもテンポがゆる過ぎるんじゃないか。あのようなところで、いま申し上げておるように、
京都で考えますと、亀岡だとかあるいは園部に至るまでの間は、将来ベッドタウンになるわけでありますから、いまでも通勤者が非常に多いのです。それでまあ、
御存じだと思いますけれ
ども、国道九号線、あれはもう同じような形で車で一ぱいで、通勤バスはほとんど通れない。われわれその時間を避けて、もうあの辺には足を向けないという
状態になっている。ところが、あそこは山を越えなければ
なりませんので、なかなかちょっと迂回の道で別な道を考えるというようなことが考えられませんので、どうしてもあそこでぎしぎしするわけであります。こういうようなことを考えますと、やはり
鉄道の使命というものがことさら大事に考えられるわけであります。これは、
複線化の問題は、私はそんなに
——まあ経済的にどうあろうとも、日本のこのいまの経済力からいって、外国のほうからも外為の問題も指摘されておるわけです。あながちそちらばかりに入れないで、こういう公共性のものに対してはもっともっとぶち込むべきいまの段階にきておると思うのですよ。その点、いまの時期をこれ逃がしたら、こういう
整備はおそらく私はできないと思うんですね。ですから、そういう観点で、この経済の
方向も少々ここで修正してもらわなければならぬ時点にきているところから考えますと、私は、ここらのこういう重大な問題は、
国鉄なり、あるいはまた
運輸省なりは、もっともっと前向きな考え方でそういうものを処理せなければいかぬのじゃないかと思います。私は、
山陰線の
複線化の問題のときにも、亀岡まで渡るのにあの亀山を越えなければ
なりません。あれを、保津川の流れを利用して、そしてその通路をいまつくっているわけでありますが、あれも非常に狭いところです。ですから、あれをもっと南に迂回をして、新しく
——それも
国鉄では考えておってもらたようでありますけれ
ども、まあいろいろ経費の問題もあったようであります。これはもう別な問題といたしまして、いずれにしても抜本的にこの線路をひとつどうやっていくかということを考えてもらわなければならぬ。私は、前の
新幹線の構想もやはり、このどちら側を通るかは別として、
大阪から行くとか、
京都から行くとか、いろいろ言われておりますが、山陰の方面にも
計画されようといたしております。これもたいへんけっこうだと思います。いずれにいたしましても、いま当初の問題がたいへんな問題でありますからして、
山陰線の
複線化の問題そして口丹波、中丹、あるいはまた奥丹波の過疎対策といたしましても、ここでひとつ画期的にやってもらわなきゃならない。これも、先ほど
奈良線で言いましたように、これがまた
無人化され、あるいはまた
貨物の取り扱い停止ということで、どんどんといま話が進められておるようであります。これはもう、そういうふうにしたら、もう一つ過疎化されるわけでありますから、
国鉄の
赤字の原因をなしてくるんじゃないかと思います。ですから、これをもう少し
複線化し、電化して、利用度を高めれば、利用する人は
相当ふえてまいると思います。ですから、むしろ、しばらくの間は投資になるかもしれないけれ
ども、ある程度の先を見越して、ここらでひとつ
複線化の問題は積極的に考えていただきたい。これは、第一期にはどれくらいやるか。まあこの間、第一期は二条までの高架だけがやられて、
複線化されておりませんね。だから、これをもう少し、第二期にはどうする、あるいは三期にやる、その
予算はどういうふうになっているという、こういうようなことをひとつ含めて、この
山陰線の問題を、裏日本の開発といいますか、過疎対策としてこれをどういうふうに取り上げていくかというようなことを、ひとつ
運輸省なり、
運輸大臣なり、あるいはまた
国鉄のほうで、もっと積極的な
計画を示してもらいたい。あるいはまた、少なくともこうするんだという決意はひとつ示してもらいたいと思いますが、いかがですか。