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竹田四郎君 いまの点、東京株式市場の一部、二部上場の会社千三百社というのですがね、私はこれはただそれだけだと調査をしてもだめじゃないだろうかという心配が非常にあるわけですね。おそらくそういう点では、向こうも網をくぐる名人が
かなりいるわけですから、現在買収しているやり方も、決して大きな会社の名前を出さずに、幾つかの小さな
不動産会社を使って、そして名前を出させないでこう一括ある地域をずっと買うような網を張っているということでありますから、これだけの調査ではたしてそういうものが明らかになってくるかどうか、その辺を具体的にどうつかまえるか、これはひとつここですぐ結論というわけに私はまいらないと思います。その辺も目を光らしていただかないと、調査には出てこない。しかし、調査が済んだあとには、実際にはそういうものにいってしまった、こういうことであれば、つかみようがないということでありますから、いまの調査、私は反対じゃございませんけれども、その辺のことについてもひとつ十分網を張って目を光らしていただきたいという要望を特につけ加えておきたいと思います。
それから、この
都市の中の、この間も宅地並み課税の問題が骨抜きにされたという問題が
一つありますけれども、どうも私、線引きを
都市計画法に基づいてやったけれども、はたしてこれが
都市の人間生活というものにマッチしたものなのかどうなのかという疑問を私は最近持ち始めているわけです。と申しますのは、ますます市街地に緑がなくなる、これはたいへん大きなことだろうと思うのです。おそらく、いろいろな研究によりますと、人間一人が生活する緑の地域というのは、これは公園という意味に限らないと思いますが、庭園もあるし、街路樹もあると思いますが、必要な緑の面績というのは大体三十平米から四十平米くらいないと、やはり自然と人間との調和といいますか、
都市の中における自然環境というものは当然
考えなくちゃいかぬ。そういうことで
考えてみますと、公園の設置あるいは緑地の
かなり規模の大きいものの設置というものは、これはそう簡単に進まないと思うのです。しかも、これは
用地費が大部分と言っていいような
事業だと思うのです。しかも、それは
都市でありますから当然その
用地費というものは非常に高まっている。こういうことになりますと、確かに
都市公園の整備の何カ年計画ということで
建設省お
考えになっているんですが、これが実現をしていくというのは
相当将来の話になるんじゃないだろうか。しかも、どちらかといえば、そうした
事業というのが一番おくれていく
可能性があるわけです。そうしてみますと、私は、
都市の中に、市街地の中に緑を残していくということは、公園をつくるという形だけでおさまっていく問題ではなかろう。いままでも
土地の利用について、農地については農地転用というようなことで
かなり制限をされている。しかし山林についてはほとんどない。したがって、丘陵地の樹林というのはどんどんこわされていく。そういうものが
都市における緑をなくする大きな原因だったと思うんです。そういう意味では、幸い宅地並み課税の問題で、農地にしていくものというものは一応宅地並みをしばらくの間はずされるということになったと思うんですが、こういう
都市の中における緑というものは、私はそれが農地であれ、これはやっぱり
かなりの緑だと思う。そういうものはやはり残していく、このことが必要じゃないかと思うんです。この間も
国民生活センターの資料を見せていただいたんですが、東京で自然がなくなったというのはたいへん多くの人がそれを感じているわけですね。
かなり区部へ行かないと自然があるという認識はないわけです。そういう意味では、私は、幸い市街地の宅地並み課税ということがしばらくこうなったとすれば、むしろそれを五年なり十年なり耕作を義務づける、それでなければもう外に売らせないというくらいにして、市街地におけるところの緑地としてそれを残していく。
都市計画法によると、たしか何ヘクタールとかいう
かなり大きなものは穴をあけることがおそらくできるようになっていると思うが、なかなかそういうものは私はないと思う。そういう意味で、もっと市街地における農耕地、これをいつまでも保存していく、こういうような
考え方で、市街地の中に私は緑を残していくということを何らかお
考えにならないと、もうここは税金をたくさん取ってやる
——税金をたくさん取るということになれば、もっと効果的な
土地の利用という方向に私は向かざるを得ないと思う。そうすると、どうも市街地からはどんどんどんどん緑をとられていってしまう。また、そういう市街地の場合には、いまの事態ではなかなか
土地を大きくとってというわけにはいきません。住宅もまあそこでの建蔽率一ぱいにつくっていく、こういうことになりますと、緑というものはますますなくなってくる。だから、生態系統の学者に言わせると、日本人というのはもう百年ぐらいしか生きられないんではないか、百年すれば日本人は滅びてしまうんではないかという、まあ私もこれは極端だと思うんですけれども、そういう説をする人もあるわけです。そういう意味で、
都市の中に緑をということを私は特に強調したい。この前も、川崎の生田の事故のときに、私は本
会議で
建設大臣に特に、山のあるところ、丘陵地のところは、そのがけを何らかの形で残せ、緑の壁として残していけ、それをいたずらに石垣を積んでしまう、あるいはコンクリートで固めてしまう、そういうようなことというのは、私はこれからの
都市についてはむしろやるべきじゃない。それはもちろん、災害が起こらないような措置を上下で私はしなければいかぬと思う。そういうような形で、ひとつ
都市の中に積極的に緑を残していく。まあそういうものが、パリとかロンドンのような、
都市の中に大きな公園ができてくれば、それはまた私は
考え方を変えていいと思うんです。いまそう言っても、あれだけの公園を各三大
都市圏の中でつくるといったら、たいへんなことだろう思う。その辺を何かひとつ調和ある形というものを私は
考えていただかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思うんですが、どうですか、その辺。