○向井長年君 関連。
ただいま
総理から、その問題につきまして
政府のとっておる態度が正しいのだと言わんばかりの
答弁がございましたが、私
たちはこれは理解できません。なぜならば、
佐藤内閣の、言うならば秘密外交という問題が、連日御
承知のごとく新聞報道されております。しかしながら、これに対して
国民は非常に疑惑を持っております。
政府の言っておることが正しいのか、一般世論的に新聞が報道しておることが正しいのか、この点について非常に疑惑を持っておる。もとをただせば、これは何ですか、
政府が今日までとってきた問題に対してかかる問題が惹起した。言うならば、外交には秘密があることもわかります、しかしながら
国民の税金が、直接これが外国に払われるということになりますならば、これは秘密があってはならないのであります。そういう立場から考えますと、今回のこの秘密文書と申しますか、密約と申しますか、この
内容を見ましても、明確に言っておるじゃありませんか。少なくともこれに対する財源まで心配してもらったことに対して、非常にアメリカは敬意を表するという形を出しておるでしょう。少なくとも、本来この三億二千万ドルという問題が、ほんとうに評価がそういう形になっておるのか、三億一千六百万ドルというものがこれがほんとうの評価であるのか、この問題について非常に疑問を持つ。こういう点から、
佐藤内閣のいわゆる外交というものが、秘密外交だと言わざるを得ないと思います。
私は、そういう点から考えまして、たとえば、この問題が
衆議院で問題になって、ただいま参議院でもこの
論議を行なっておりますけれ
ども、もしこれが問題にならない、また国会で十分取り上げられなかった場合に、少なくともこの蓮見事務官の行動については、私の想像でございますけれ
ども、内々でおさめるか、あるいは行政処分
程度で終わると思います。刑事問題までおそらく発展してないと思う。しかし、これが世論化したために、
政府はこの問題を大きく取り上げて、しかも刑事問題、あるいは西山記者に対する逮捕、ここまで発展したことは、これは当然やはり私は
政府の、今日までのこういうことを
国民に知らしめなかったということに原因があると思うのです。それを私は
指摘して、まず秘密外交という問題については、大きな責任を
政府は持たなければならぬ。それを完全に刑事問題化して、これをすりかえようとしているところを、私
たちは問題にしておるわけであります。連日この問題を提起され質問されても、同じことを
総理なり
外務大臣は繰り返しておる。
国民は疑念で疑念で、この問題についてどうであるのか、明確に私は判断できないと思います。そういう
意味におきまして、まず私は秘密外交に対する責任を追及したいと思います。その点について
総理なり
外務大臣の
答弁を願いたい。
続いて、関連でございますから申し上げますけれ
ども、あわせて、やはり
佐藤内閣の綱紀の弛緩という問題がここに私はあると思うのです。こういう問題を惹起した中においては、日常の綱紀の弛緩、乱れ、こういう問題を
一つの問題として私は提起せざるを得ないと思います。この点についてどう責任を感じておるか。
第三番目の問題は、いわゆる新聞記者の取材の自由と報道の自由であります。少なくとも、西山記者が取材することは当然のことであります。やり方においていろいろの
問題点はあるにいたしましても、取材というものは自由でなければならぬ。また、この取材が、どういう形でこれが報道されるかの問題は、これは記者のモラルの問題であって、したがってそういう問題に対して、今日、蓮見事務官とあわせて逮捕をしておるということについては、私は大きな行き過ぎてあり、不当だと言わなければならぬと思います。もしそれが経路を知るために……。